私の散歩論

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2023年12月23日土曜日

施印土器「福」2点の印影比較

 Comparison of seal impressions on two pieces of earthenware "Fuku"


When I enlarged and compared the seal impressions of the stamped earthenware "Fuku" 1 and 3 exhibited at the special exhibition "Praying for Happiness" at the Chiba City Folk Museum, I found that the positions of the dots on the ne (shimesu) side were different. I am no longer convinced that it is the same copper seal.


千葉市立郷土博物館の特別展「幸福を祈る」で展示されている施印土器「福」1と3の印影を拡大して比較すると、ネ(しめす)偏の点の位置が異なり、同じ銅印であるとの確信がもてなくなりました。

2023.12.20記事「施印土器「福」3点(千葉市南河原坂窯跡群) 展示状況素3Dモデル」では同じ銅印で施印したと観察できると書きましたが、その確信が持てなくなりました。

1 施印土器「福」展示


施印土器「福」展示の様子

2 施印土器「福」3点(千葉市南河原坂窯跡群) 展示状況素3Dモデル画像


施印土器「福」3点(千葉市南河原坂窯跡群) 展示状況素3Dモデルの「上から、オルソ投影」画像

3 「福」示偏の点の位置


「福」示偏の点の位置

2つの土器の「福」のネ(しめす)偏の点の位置が土器片接合による変動(誤差)や土器形状等々を考慮しても、違いすぎます。ぱっと見は同一銅印による施印であると考えましたが、詳しく見ると点の位置は明確に異なります。次のような3つの理由を考えました。

1 同じ鋳型から生まれた別銅印が2つあり、2つの銅印は些細な作成工程の違い等で、点の位置がずれていた。

2 同じ銅印を長期間使用していて、点が欠けるなどの不都合が生じ補修された。そのため補修前の印影と補修後の印影が異なるようになった。

3 左側土器復元を施印印影を正確に復元するという観点からやり直せば、点位置の不都合は消失する。(同一銅印による施印)

展示左側の印影は外枠が少しだけ曲がっていて、正確な方形からずれています。また、左側土器の印影細部凹凸には右側に見られるような「キレ」がありません。施印行為を重ねるうちに銅印がくたびれてきた様子が反映されているようです。その観察から、理由2により点の位置がずれたのかもしれません。


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