私の散歩論

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2024年4月16日火曜日

深鉢(飯田市垣外遺跡)観察記録3Dモデル

 Deep Bowl (Iida City,Kaito site) Observation Record 3D Model


I enjoyed creating a 3D model of Deep Bowl (Iida City,Kaito site) displayed at the Iida City Archaeological Museum. The whole pottery feels strange. The handle has a hole that connects the inside world of the pottery with the outside world. A three-fingered(two-fingered) hand extends from the handle.


飯田市考古博物館に展示されている深鉢(飯田市垣外遺跡)の観察記録3Dモデル作成を楽しみました。土器全体が異様に感じます。把手には土器内部世界と外部世界を連絡する孔があります。把手から3本指(2本指)の手が伸びています。

1 深鉢(飯田市垣外遺跡)観察記録3Dモデル

深鉢(飯田市垣外遺跡)観察記録3Dモデル

縄文時代中期中葉末

撮影場所:飯田市考古博物館常設展示

撮影月日:2024.03.24


展示の様子

一部ガラス面越し撮影

3DF Zephyr v7.517 processing 119 images


3Dモデルの画像(照明あり)


3Dモデルの画像(照明なし)


3Dモデルの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開(土器外面)


GigaMesh Software Frameworkによる展開(土器内面)

3 感想

土器の大きさに対して把手の大きさとデザインのバランスが異形に感じます。4つの把手に係る物語は激しく異様だったにちがいありません。

把手の孔は土器内部世界と外部世界を連絡する「哲学的」「神話的」意味があったと想像します。

土器外面の文様を見ると把手基部から3本指(2本指)の手が描かれています。この造形から把手とは生き物(人?動物?)とか神とかを暗示していると想像します。


実測図

発掘調査報告書※より引用

※「ツルサシ遺跡ミカド遺跡増田遺跡垣外遺跡 -小規模排水対策特別事業下黒田田中部地区に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書」(1989.3、長野県下伊那郡上郷町役場産業課 長野県下伊那郡上郷町教育委員会)

なお、2024.04.11記事「釣手土器(飯田市黒田垣外遺跡)観察記録3Dモデル」で紹介した釣手土器(飯田市黒田垣外遺跡)はこの深鉢と同じ竪穴住居遺構の覆土から出土しています。(展示では黒田垣外遺跡となっていますが、整合させるならば、釣手土器も垣外遺跡となります。)


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