私の散歩論

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2024年5月21日火曜日

1949年撮影米軍空中写真から作成した3Dモデルのカラー化

 Colorization of 3D model created from U.S. military aerial photographs taken in 1949


A 3D terrain model created from an aerial photograph taken 75 years ago was transformed into pseudo-color using AI functionality. It's now much easier to see. It is a valuable resource simply because it allows us to observe the intact remains of the Inba-numa Horiwari construction work (horiwari and dumped earth bank) in its original state during the Tenpo period. You can also observe the remaining war ruins.


75年前の空中写真から作成した地形3DモデルをAI機能を利用して疑似カラー化しました。かなり見やすくなりました。天保期印旛沼堀割普請の遺構(堀割と捨土土手)の「無傷」な状況をそのまま観察することができるだけでも貴重な資料です。残置する戦争遺跡も観察できます。

1 1949年撮影米軍空中写真から作成した地形3Dモデル(花見川付近) 疑似カラー版

1949年撮影米軍空中写真から作成した地形3Dモデル(花見川付近) 疑似カラー版

元3Dモデルはhttps://skfb.ly/oUOBQ

疑似カラー化はテクスチャをPhotoshopニューラル機能「カラー化」により行う

概ね樹林が緑、畑が茶色、裸地が白で表示されている

3DF Zephyr Lite v.7.529でSketchfabにアップロード


3Dモデル画像


3Dモデル画像


3Dモデル動画

2 1949年地形3Dモデルの見どころ

2-1 天保期印旛沼堀割普請の堀割と捨土土手


天保期印旛沼堀割普請の堀割と捨土土手

1949年地形3Dモデルは昭和期印旛沼開発事業以前の地形モデルであり、天保期印旛沼堀割普請の遺構(堀割と捨土土手)を手つかずで表現している点でとても貴重です。天保期印旛沼堀割普請は黒船来航時代に東北から銚子-利根川-印旛沼-東京湾の舟運ルートを開く意義があり、外国勢力による東京湾封鎖に備える国家リスク管理に係る一大ビッグプロジェクトでした。


堀割を掘削して土を捨土土手に運ぶ様子

江戸働黒鍬之者、大もっこうにて堀捨土かつく図

但し、土の重サ三、四十貫目ゟ、水つき候土ハ七十貫目位迄もかつき候由

久松宗作著続保定記掲載絵図

「天保期の印旛沼堀割普請」(千葉市発行、平成10年3月)より絵図と文章転載

2-2 戦争遺跡


戦争遺跡の様子

鉄道連隊の架橋訓練地(柏井橋)が花見川区横戸台付近にありました。軽便鉄道橋梁や普通鉄道橋梁が演習として架橋されました。コンクリート橋台1基、トーチカ及びコンクリート製監視塔下部は現存しています。(立ち入れない場所にあるので、ほとんど知られていません。過去に住民グループで現場調査して報告書を刊行しています。)


花見川における架橋作業

出典:「写真に見る鉄道連隊」(髙木宏之著、光人社発行)

2-3 東京湾水系と印旛沼水系の谷中分水界跡


印旛沼水系と東京湾水系の谷中分水界跡(推定)

この付近に東京湾水系と印旛沼水系の谷中分水界が存在していたと推定しています。この谷中分水界を手がかりに印旛沼水系と東京湾水系を繋ぐ印旛沼堀割普請が試みられたと考えます。

この谷中分水界は奈良時代には印旛沼水系舟運と東京湾水系舟運を繋ぐ船越(陸路)として利用されていたと考えられます。


谷中分水界を利用した船越のイメージ


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