I attended a lecture by Professor Iijima Fumitaka titled "About Animal-shaped Earthenware Products from the Jomon Period."
I attended a lecture by Professor Iijima Fumitaka titled "About Animal-shaped Earthenware Products from the Jomon Period." Bird-shaped earthenware products are one of the few ritual objects excavated nationwide, but they have been collected and their shapes are being studied. I was surprised to learn that three of them have been excavated in Chiba City. It is said that they may be flutes.
飯島史尊先生講演「縄文時代の動物形土製品について」を聴講しました。トリ形土製品は全国でも数少ない儀器出土物ですが、集成されてその形状が研究されているようです。千葉市から3点出土していることを知り驚きました。笛の可能性もあるとのこと。
1 講座の演目
2024年8月31日開催の令和6年度加曽利貝塚博物館・市原歴史博物館連携講座「造形の考古学-土偶と埴輪-」を聴講しました。
次の3つの講演がありました。
安井健一先生(千葉県教育振興財団)講演「千葉県の土偶-顔面に着目して-」
飯島史尊先生(千葉市教育委員会)講演「縄文時代の動物形土製品について」
萩原恭一先生(千葉県立房総のむら)講演「ハニワの顔と工人集団」
この記事では、飯島史尊先生(千葉市教育委員会)講演「縄文時代の動物形土製品について」を聴講して気が付いたことや感想をメモします。飯島史尊先生は今年の3月まで大学で動物形土製品の研究をされ、4月から千葉市教育委員会職員になったとのことです。
2 縄文人と動物との関わりの説明
縄文人と動物との関わりについて、代表事例を示しながら網羅的・包括的な説明がありました。数少ない動物形土製品の集成作業が進んでいて、考古学的研究が進んでいるようです。
動物形土製品を動物土偶と呼ばないのは、偶の字に人に意味が含まれているからだとの説明があり、納得しました。
講演の様子3 トリ形土製品について
3-1 分布
長野県から北海道まで分布している。
千葉県では次の3遺跡から出土している。
・千葉市六通貝塚
・千葉市加曽利貝塚
・千葉市内野第一遺跡
千葉市から3点ものトリ形土製品が出土しているということになります。そういう状況があるとは理解していませんでした。
千葉市のトリ形土製品 1
千葉市のトリ形土製品 2
3-2 形状
かつては海獣形あるいは亀形などとして扱われたこともあったが、足が海獣や亀ではないので、現在ではトリ形という認識に収れんしてきている。
中空のものがほとんど。
腹に2箇所大きな孔が空いていている。
手(羽)の先端にギザギザがあり指を表現して可能性があるが、そのギザギザの数をカウントしたところ3つから20以上のものまであり、特段の特性はみつけることができなかった。
トリ形土製品の形状
3-3 用途
儀礼用道具と考えられるが詳しい研究は進んでいない。
中空で孔があるので、吹けば音がでるので、笛として使われたという考えもある。
3-4 人体模型的意義
乳房表現があるものがある。また腹に2箇所ある孔がチューブ状に繋がっている事例もあり、人体模型的意義があると考えられている。
4 感想
現在加曽利貝塚博物館に展示されているトリ形土製品に関する興味から、この講演には特段の興味がありました。次のような自分にとって貴重な情報を得ることができました。
・トリ形土製品は長野県から北海道まで分布している。
・千葉市出土例は3点もある。
・用途として笛の可能性もある。
・人体模型的意義がある。
人体模型的意義とはすなわち半人半獣神話などに関連していく事象であると想像します。
トリ形土製品の集成作業と形状研究が進んでいるのが現状であり、その研究がさらに進めば、次のステップはどのような儀礼で使われたかという用途研究になるに違いないという感想を持ちました。
考古学と無関係の私は、トリ形土製品の形状は死者の魂をあの世(天空界)に連れて行く空想生物であり、用途は葬儀で使う楽器であるとの想像を楽しんでいます。
2024.08.28記事「伝加曽利貝塚出土動物形土製品に関する感想」
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