私の散歩論

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2024年10月14日月曜日

沼澤豊氏が作成した千葉市人形塚古墳の設計原理復元図に感銘を受ける

 Impressed by the design principle reconstruction of Ningyozuka Tomb in Chiba City created by Yutaka Numazawa


I was impressed by the design principle reconstruction of Ningyozuka Tomb in Chiba City created by Yutaka Numazawa. Every detail has been restored, with the design using 24 equal parts of the diameter of the circular mound as the standard unit. It is a magnificent reconstruction of the design principle.


沼澤豊氏が作成した千葉市人形塚古墳の設計原理復元図に感銘を受けました。後円部の直径の24等分値を基準単位として設計された様子が、細部まで全て復元されています。見事な設計原理復元です。

1 沼澤豊氏が作成した設計原理復元図


千葉市人形塚古墳

沼澤豊氏作成企画図(設計原理復元図)

a 地割線外円の直径を24単位に設定

b 地割線内円の直径は14単位

c 横穴式石室は半径8単位と半径12単位の円周に収まる

d 前方部長は15単位

e 墳長は外円直径+前方部長で39単位

f 前方部前幅は26単位

g くびれ部幅は16単位

h 等高線平行作図線と地割線が平行

i 前方部隅角が面取りされている

j 内溝の幅は3単位

k 内溝外周は45単位×30単位

l 中堤の幅は3単位

m 中堤外周は51単位×35単位

n 外溝の幅は後円部背後で3単位


沼澤豊「千葉市人形塚古墳のいわゆる地割線について」( 2008,研究連絡誌)から引用作成

沼澤豊氏が作成した千葉市人形塚古墳の設計原理復元図に感銘を受けました。後円部の直径の24等分値を基準単位として細部まで全て設計された様子が復元されています。見事な設計原理復元です。

2 概略設計

各所で3単位が使われていて、概略設計が3単位で行われたことが著者により述べられています。

古墳築造は、地割線活用を軸に考えると、次のような工程で行われたと想像します。

・旧地表面の樹木伐開

・現場調査

・概略設計(メディア(紙?)における概略設計図の作成。3単位スケールで概略の平面位置・範囲を決める。)

・概略設計の現場投影(現場をカンバスにして概略設計の概要を杭や目印で旧地表に投影して確認する。横穴式石室の収まり確認。高さ基準点の設置。)

・詳細設計(メディア(紙?)に詳細設計図を作成する。傾斜変換線(掘り込み位置、盛土位置、盛土作業単位区切り位置)とその高さ情報で、後円部、前方部、周溝、中堤の立体形状を表現する。別途検討された横穴式石室詳細設計情報をすり合わせて、埋め込む。)

・詳細設計の現場投影(現場をカンバスにして詳細設計の主要事項を地割線(杭列)や杭で現場に投影する。地割線(杭列)や杭は測量しながら位置決めするとともに、測量結果(及びそれぞれが持つ本来の高さ情報)をメディア(測量道具そのもの?)に記録する。同時にメディアに記録された情報を即座に復元して、再度現場空間に投影できる体制を整える。)

・古墳築造工事(測量技術(詳細設計結果を盛土や掘削にもかかわらず現場空間に投影できる技術)により、設計通りの古墳を築造する。)


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