3D model of the rock formations on the northern slope of the Ariyoshi Kita shell mound
I created a 3D model of the rock formations on the northern slope of the Ariyoshi Kita shell mound. This is the most detailed 3D model of the rock formations that can be created from preserved excavation materials. The Jomon people were dynamic in their activities, completely filling this terrain with shell layers.
有吉北貝塚北斜面貝層の地山地形3Dモデルを作成しました。保存された発掘資料から作成できる最も精細な地形3Dモデルです。縄文人はこの地形を貝層で完全に埋めるというダイナミックな活動を展開しました。
1 有吉北貝塚北斜面貝層 地山地形3Dモデル
有吉北貝塚北斜面貝層 地山地形3Dモデル標高点群からQGIS(GRASSプラグイン、v.surf.rstツール)で作成
垂直・水平比率 1:1
利用情報(地山平面図掲載標高点、セクション図地山地形断面から読みとった標高点、地形図から読みとった標高点)
3DF Zephyr v7.531でアップロード
3Dモデル画像
3Dモデル動画
2 3Dモデルを使った今後の検討
これまでできなかった精細な地山地形3Dモデルができました。今後この3Dモデルを使って次の検討を行う予定です。
2-1 地形特徴の把握
側壁、段差などガリー侵食の特徴を詳しく検討します。ガリー侵食は軟岩、植生希薄、常時流量無し(地下水面より上)などの条件下で発生します。
2-2 地形各部名称付与
地形と貝層・遺物との関係を考察説明するために、地形各部に名称(地名)を付与します。
2-3 貝層・遺物と地形との関係考察
地形の様子が明らかになったので、今後セクション図(貝層断面図)の検討をすすめ、貝層(地層)・遺物と地形との関係を考察します。この検討から考古学的に有用な情報が多数生まれると期待しています。
2-4 地形成因の検討
北斜面貝層がすっぽり収まる地形はガリー侵食地形であると考えていますが、その成因を検討します。一般論としてガリー侵食は均衡を破るキッカケにより、急速に発達すると考えます。そしてその地形を縄文人が完全に埋めたのですから、地形形成と縄文人活動ががっぷり噛み合った事象となっています。
2-5 貝層発達・利用史
ガリー侵食が盛んだった時期の崩落層から貝や土器が出土しているので、ガリー侵食発達プロセスと貝・遺物投棄活動(あるいは埋葬活動)の関連を時間軸で捉えることができそうです。貝層発達・利用史の情報を得ることができそうです。
3 3Dモデル作成に関する資料制約
この3Dモデル作成について、次のような資料制約があり、問題意識が生まれています。
斜面部(側壁部)や谷頭部では標高点情報が不足し、断面図由来の標高点だけから3Dモデルを作成しています。そのため3Dモデルの精度が落ちています。
また、厳密に観察すると目的が異なる3種情報(地山平面図の標高点、セクション図の地山断面、周辺地形等高線図)に齟齬がみられる所もあり、気になります。
これらの問題点を埋めるような活動を行う必要があるのか、どうか、活動全体の中での優先度を考えることにします。
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