Major division of shell layers on the northern slope
A major division of shell layers was made from the cross-sectional view of the shell layers in the northern slope shell layer study area. Since we were able to distinguish between slope shell layers and channel shell layers, the basis for shell layer division was established. In a word, the slope shell layers are the original shell layers, and the channel shell layers are the shell layers deposited secondarily.
有吉北貝塚北斜面貝層検討空間の貝層断面図から貝層大区分を行いました。斜面性貝層と流路性貝層の弁別ができたので、貝層区分の基礎がかたまりました。一言で言えば、斜面性貝層はオリジナル貝層、流路性貝層は二次的に堆積した貝層です。
1 貝層大区分
貝層断面図(セクション図)に記載された情報から、貝層を大区分しました。大区分の視点は、斜面性貝層(斜面に投棄され堆積した貝層)と、流路性貝層(水流営力により浸食・運搬を経て投棄場所から離れた流路に堆積した貝層)の抽出です。
11 断面では斜面性貝層、流路性貝層とともに、崩落層、二次堆積層、流路性土層が弁別観察されました。
貝層大区分
斜面性貝層と流路性貝層のベクトルの違い
斜面性貝層は斜面に投棄された貝殻・遺物が移動はしていますが、当該斜面に留まっている状態の貝層です。従ってオリジナル貝層として認識できます。一方、流路性貝層は離れた場所の貝層がガリー浸食され、ガリー流路で運搬されてきて堆積したものです。従って流路性貝層は二次的に堆積した貝層です。考古学的遺物の出土環境という視点でみると、斜面性貝層の方が投棄環境保持の割合が大きいという意味で、流路性貝層より価値があります。
断面全体構成から、斜面性貝層は崩落層と二次堆積層形成後に形成されたことが読みとれます。流路性貝層は崩落層、二次堆積貝層、斜面性貝層のそれぞれの形成に対応して形成されています。
流路性貝層と流路性土層は同時異相の関係にあります。
2 崩落層基底部の貝層ブロック
崩落層基底部の貝層ブロック
崩落層はガリー浸食作用の跡ですが、貝層ブロック、土器片等を含んでいて、これらはガリー浸食作用前の前代貝層の痕跡であると考えられます。剥ぎ取り断面でその現物を観察できます。
3 二次堆積層
二次堆積層層相
二次堆積層の層相は剥ぎ取り断面該当層で湖成堆積環境を示しています。崩落層形成後、一時的にダムアップ現象があったと推察できます。
4 貝層大区分3Dモデル作成
貝層大区分3Dモデル
貝層大区分3Dモデル(各区分空間の3Dモデル)を作成しました。なお、視認性をよくするため画像では断面線における面は非表示としています。
3Dモデル作成方法は、11断面と10断面の2つの大区分断面線をBlenderの「辺ループのブリッジ」機能により3Dモデル造形しました。
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