高津川小流域紀行2 有刺鉄線付き金網柵で川を囲む
高津川、北高津川は全川にわたって有刺鉄線付き金網柵で囲まれています。金網柵の存在は、それに囲まれている地物が、通行する人に対して強く侵入を拒否するサインです。ですから自然や風景に配慮したまちづくりでは特別の事情がないと使われません。高津川と北高津川の沿川はほとんどが密集市街地ですから、自然や風景に特別に配慮した地区とは違いますが、金網柵の存在は街から川を切り離しています。有刺鉄線の存在は川を街から切り離すだけでなく、危険物としてのサインになっています。
この有刺鉄線付き金網柵は単に転落防止とか水難事故防止の機能だけではなく、川の悪(穢れ)を回避したいという地域の深層意識を反映しているものと考えます。悪とは旧軍による敗戦時の演習場における毒ガス埋設であると考えます。
高津川の有刺鉄線付き金網柵
北高津川の有刺鉄線付き金網柵
八千代市と千葉市の境界を流れて、柏井小学校付近で高津川に合流する芦太川はそのほとんどが蓋掛け水路となっていますが、合流部手前500mは開水路(コンクリート柵渠)となっています。この部分には金網柵があります。しかし、有刺鉄線はありません。この川の上流には悪(穢れ)がありません。この川の金網の機能は転落防止です。金網の近くには付近住民の方が植えた花が咲いていました。高津川や北高津川には見られない光景です。
芦太川の金網柵
次の写真はその沿川が住宅密集地である勝田川上流小深川(千葉市稲毛区山王町)の姿です。金網柵はありません。勝田川に金網柵が全くないわけではありませんが、ほとんどありません。
小深川の姿(千葉市稲毛区山王町)
花見川水系について、辿ることの出来る河川・水路・水路跡をほとんど全部歩いて感じることは、高津川・北高津川が街から排除された悲しい姿です。沿川住民の方はこの川の姿について、疑問を感じないのでしょうか?
金網が都市の河川景観に寄与しない典型事例です。習志野の自衛隊施設への侵入防止と雨水路川への落下防止対策とを同列で考えた半世紀前の発想です。暗渠や蓋で覆うべきでしょう。習志野はすでに対応済。八千代だけです。上高野に金網工場があるから地産品を使うのでしょうかね。
返信削除匿名さん
返信削除コメントありがとうございます。
有刺鉄線付金網で高津川の八千代市部分は完璧に覆われていて、残念な気持ちを持っています。これをどのように改善したらよいか?場所によって解決策は異なると思いますが、八千代市の行政と市民が検討することを願っています。
高津川のすぐ近くに住んでいる者です。実は自由研究で新川(排水機場から1つ目の橋の下)花見川(花島公園付近)高津川(合流地点から2本目の細い橋の下)水道水で、水質調査を行ったのですが。高津川のNO3の濃度がNO3マイナス-N mg/L(ppm)において10という数値を出しました。新川、水道水はNO3の数値が1で花見川についてはNO3の数値が2でした。高津川の下流の花見川のNO3数値が新川よりも高いのは必然と言えると思います。その他の項目はさほど変わりはありませんでした。NO3濃度が有刺鉄線を張り巡らせた理由である可能性は0では無いと思います。
返信削除匿名さん
返信削除コメントありがとうございます。
やはり高津川の水質が一番悪いのですね。
それでも高津川の水質の悪さがどうしようもないような極端であるということでは無いようなので、もっと水質を改善できる可能性を感じました。
水質の改善を図りつつ、それとは異次元の問題として有刺鉄線の撤去はしてもらいたいと思います。
できれば、行政と沿川住民が話し合って、双方納得して有刺鉄線だけ撤去をしてもらいたいと願っています。