私の散歩論

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2011年9月4日日曜日

自然環境上の重要ゾーン

花見川流域のイメージと感想15 自然環境上の重要ゾーン

花見川流域をくまなく歩いて、多くの生き物に出会いました。その体験から花見川流域の中で生き物の生息場所として重要な地域のイメージがぼんやり解ってきました。

散歩していてもっとも印象深く触れ合える生き物は野鳥ですから、野鳥の採餌、営巣、休憩などから重要と考えられる地域の分布イメージを重要度A、B、Cに区分して抽出してみました。この分布は他の動物(昆虫、両生爬虫類、ほ乳類等)にとっても重要な地域であると考えます。

花見川流域の自然環境重要度

自然環境重要度A:
花見川の素掘り堀割部分と陸上自衛隊演習場内の大和田谷付近の2か所が最も自然環境上重要な地域であると考えています。

花見川の素掘り堀割部分が花見川流域の自然環境の質を定め、保証しています。この部分がなければ、花見川流域の自然環境は取るに足らないものになってしまうと思います。

堀割部分に営巣するカワセミが高津川、勝田川・横戸川、長作川、犢橋川にはるばる採餌に向かい、散歩者の目を楽しませています。こうした事象を観察すると、堀割部分の自然が花見川流域のなかで果たしている意義の大きさを実感します。
また、渡り鳥の行動をみると、花見川堀割は東京湾と印旛沼を結ぶ安全な幹線通路として、重要な機能を有していることを実感します。

堀割斜面の樹林や竹林は人が入ることが少なく生き物に恰好の生息場所を提供しています。「柏井の谷津」「後谷津」が堀割に流入しており、環境の多様性を増しています。
花見川素掘り堀割部分にはゴルフ場が隣接していて、不用意に人を近づけさせないという意味で市街地との間のバッファーゾーンが形成されています。

陸上自衛隊演習場内の高津川支流大和田谷と北高津川部分が帯状に連続して樹林地となっています。
この部分は空挺レンジャー部隊のサバイバル訓練場として使われています。一般の人が入ることがなく、「生き物の楽園」になっています。(レンジャー隊員が訓練でマムシを時々食うようですが!)
周辺一帯の広大な降下訓練場が一般人を寄せ付けないバッファーになっているので、生き物の生息場所としての樹林の意義は大きなものがあると思います。
ただし、この部分は市街地の中で孤立していて、花見川堀割の自然とは切断されていることが特徴です。

自然環境重要度B:
勝田川谷津とその周辺、長作川谷津・犢橋川谷津・畑川谷津とその周辺は花見川素掘り堀割部分についで自然環境の重要度が高いと考えます。
それらの地域は花見川素掘り堀割部分と連続しており、生き物にとっての水と緑のネットワークを提供しています。

自然環境重要度C:
宇那谷川・小深川・東小深川の浅い谷が入り込む台地面は畑や並木が広がり、市街地化されてる部分が少なく、生き物の生息のための意義が残っている場所であると感じます。


【花見川流域の自然環境を保全していく上での課題】
上記のように自然環境重要度を区分してみると、おのずと次のような課題が浮かびます。

1花見川素掘り堀割部分を中核とし、勝田川流域、犢橋川・長作川・畑川流域を結ぶ、生態環境保全的観点からの水と緑のネットワーク構想立案(ネットワークの構築・保全)

2陸上自衛隊演習場内自然と花見川素掘り堀割部分との生態環境的視点からの連絡構想立案(高津川の活用等)

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