私の散歩論

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2012年7月20日金曜日

双子塚古墳の過去・現在・未来 その1

双子塚古墳出土物を閲覧して

先日、双子塚古墳(※)出土物を千葉県立房総のいえで閲覧しましたのでその結果を報告します。同時に、双子塚古墳に関わる情報や感想をシリーズ記事としてまとめてみました。
なお、過去記事と重複する部分がありますが、ご容赦ください。

※双子塚古墳は千葉県埋蔵文化財分布地図における正式名称は双子塚遺跡となっています。しかし、発掘調査報告書で古墳であることが判明していますので、この記事では双子塚古墳と表記します。
双子塚古墳が古墳として呼ばれていないだけでなく、事実上古墳として扱われていない社会現象の理由等はこのシリーズ記事のなかで検討します

目次
1 出土物閲覧
2 双子塚古墳の特異な位置
3 縄文時代
4 古墳時代
5 近世
6 近代
7 現代 開発と古墳撤去
8 近未来 古墳撤去だけでいいか?

1 出土物閲覧
1-1 出土物閲覧申請
双子塚古墳の出土物資料は現在千葉県立房総のむらに所蔵されていることが判りましたので、房総のむらに出土物閲覧許可の申請をして、許可をいただきました。

閲覧承諾書

なお、このブログに出土物写真を掲載するために上記閲覧申請とは別に掲載許可の申請も行い、その許可も得ています。

1-2 出土物閲覧
千葉県印旛郡栄町に所在する千葉県立房総のむらを訪ね、双子塚古墳の出土物を閲覧し、写真撮影しました。
発掘調査報告書の情報だけを知っている場合と、それに加えて実物を手に取った時の印象を経験した場合を比べると、自分の場合、後者の方が発想の豊かさが飛躍的に高まります。
同時に、この資料閲覧時に、学芸員の方から出土物に関連してさまざまな考古学的な情報を教えていただき、大変参考になりました。感謝します。

閲覧のために用意していただいた出土物資料

なお、発掘調査報告書に掲載されていた片口鉄鍋は房総のむらには伝わってきていないとのことです。
出土後非公開資料として別管理されているのか、あるいは紛失したのか不明でした。

2 双子塚古墳の特異な位置
双子塚古墳の出土物を検討する前に、この古墳の特異な地理的位置を確認しておきます。

1 双子塚古墳は東京湾水系花見川の最源流部(谷中分水界)に位置する。
2 双子塚古墳は東京湾水系流域の古墳では、千葉市域で最北端に位置する。

双子塚古墳の特異な位置

双子塚古墳は東京湾水系花見川の最初の一滴の水が流れ出す最源流部を見下ろす台地縁に作られた古墳です。東京湾水系流域古墳の中では、千葉市域で最も北に位置しています。この特異な位置が、東京湾水系花見川の谷底平野の開発史を考える上で貴重な情報をもたらす可能性があります。

つづく

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