2012.7.1記事「海老川乱歩さんのコメントと回答」に海老川乱歩さんから次の文章を含むコメントをいただきました。
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■このブログをここまで読んだ感想と私の考え
国土地理院の空中写真 USA-M223-73 を見ると、芦太川の谷頭部(花3小付近?)と花島の谷津の谷頭部(花島小付近(旧花4小))の位置がほぼ等しい(他の印旛水系の谷頭部とほぼ直線で結ばれる)ので、昔は花島の谷津も印旛水系だったというのもうなずけるような気がします。
(最初は、Cooler先生のおっしゃる事が信じられませんでした)
またこの空中写真をよく見ると、芦太川の谷津と仲東谷津が交差する所で芦太川の谷津が東西方向にずれているようにも見えます。
花見川に両サイド(東側と西側)から力が加わって花見川付近が隆起したか、花見川の片側(東か西)だけ力が加わって花見川付近が隆起し、花見川だけ水系パターン異常が発生したのでしょうか。
そう考えると小崖は、最低でも垂直方向と水平方向の2回動いたのでしょうか。
いつかはまた動く事も考えて備えなくてはいけませんね。
(学者が花見川周辺の崖に無関心のようにみえるのは、私だけでしょうか。Cooler先生が学者でしたら「すいません」)
USA-M223-73 を見ると地殻変動の痕跡が何本か写っていますが、小崖には○○断層のような名前がついていないのでしょうか。
ノーマークだといつか痛い目にあうと思います。
こんな身近な所にあるとは思いませんでした。
恐らく日本中にこんな感じで身近な所に、無名のものが沢山あるのではないでしょうか。
USA-M223-73 は、花見川周辺の地殻変動の痕跡を写したいい写真だと思います。
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この中で、「芦太川の谷津が東西方向にずれているようにも見えます。」は次の写真の○の中のことだと思います。
米軍空中写真(usa-m223-73の1部)
このずれが地殻変動のためであると海老川乱歩さんがおっしゃったことは一つの重要な新発見だとおもいます。
私もこのずれ自体は気がついていましたが、これが地殻変動(横ずれ断層)のためであると正面から意識することはありませんでした。
小崖2が垂直方向の成分だけでなく、大きな水平成分の移動を伴っていることに気がつくと、いろいろなことが氷解する可能性が濃厚になりました。
居てもたってもいられないような興味に動かされて、芦太川のずれの分を補正するようにマップを切ってつなぎ合わせてみました。
マップを切った線分は小崖2にほぼ沿う単純な直線としました。
現在のマップ
地形段彩図にDMデータをオーバーレイ
芦太川のずれの分だけ補正して切張りしたマップ
結果として、南のブロックを西に約50m移動させることで補正しました。
このようにマップを切張りすると、芦太川のずれは解消します。
1 円錐体地形の合理的説明
同時に、これまで十分に納得できなかった芦田川ずれ地点の地形(円錐体地形)の合理的説明ができるようになるとおもいます。
(2012.1.16記事「円錐体地形」参照)
この検討は後日詳細に行いたいと思います。
2 柏井付近地形発達の合理的説明
マップ切張りで、これまで異常と考えていた古柏井川河道線の不連続の理由がわかることになりそうです。
上記切張り前と後の図の一部を切抜き、古柏井川河道線(谷津の側線)を書き込んで比較してみました。
古柏井川河道線の比較
左は現在のマップ、右は南ブロックを50m西に移動したマップ
南ブロックを50m西に移動すると、古柏井川河道線(谷津の側線)が南北方向にスムーズにつながり、河川争奪を考える際の地形発達の思考を合理的に進めることができます。
現状のマップでは地形発達における前谷津(西から流入する谷津)の役割を過大評価してしまうことになります。
(実際に数か月前までの私の思考はそうであり、誤っていました。)
50mという大きな水平移動の存在に気がつくと、ほかにも解明できることが沢山でてくると思います。
海老川乱歩さんの大発見に感謝します。
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追伸1
防災的観点から小崖2を見ると、それは未発見の活断層ということになると思います。その方面からの調査が必要なものであるのか、機会をみつけて専門家に聞いてみたいと思っています。
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追伸2
芦太川はこれまで「アシブト川」と呼んでいました。八千代市や千葉市の行政の方もそう呼んで(読んで)います。
しかし、最近ある資料にルビがあり「アシダ川」となっていました。
八千代市のこの付近の字名や字界は失われていて、地名資産が粗末に扱われてしまった地域です。
理由は言葉になりませんが、私は「アシダ川」が本来の呼び名ではないかと感じています。
自分としては「アシダ川」と呼ぶ(読む)ことにしました。
海老川乱歩です。
返信削除「南ブロックを西へ50m移動」とありましたのでびっくりしました。
クーラーさんが数字を出す前に、自分でも何m移動したのか確認しようと
思っていたのですが、後回しになっていました。
自分の目測予想はせいぜい5m~10mだと思っていましたので予想外の大きい数字です。
ということで自分も、Google Map の衛星写真で確認してみました。
画面の左下に出てくる距離の目盛50mを定規で測ったところ32mmでした。
芦太川の谷底の最深部を中央分離帯の所(カーブミラーの所)として、
中央分離帯の延長線上から断層の南側の谷のカーブが終わって
直線になり始める所(薬屋付近)までの距離を測ったところ、30mmでした。
求めるずれた距離を x として、比の計算をすると下記の式が成り立ちます。
32mm:50m = 30mm:xm ①
50/32=x/30
x=(50*30)/32
x=46.875m (27インチモニターでの結果)
因みに24インチモニターでも確認してみました。
50mの目盛を定規で測ったところ28mmでした。
中央分離帯の延長線上から断層の南側の谷のカーブが終わって
直線になり始める所(薬屋付近)までの距離を測ったところ、28mmでした。
以下の式をたてれば、答えは一目瞭然ですね。
28mm:50m = 28mm:xm ②
x=50m (24インチモニターでの結果)で、クーラーさんの数字とドンピシャです。
(①式と②式の左辺の左項は、各人が使用しているモニターのサイズと
設定ドット数で変わりますので注意してください)
クーラーさんの出した数字50mは、怪しくないということが分かります。
ずれた距離は、50m±10m の範囲におさまるといったところでしょうか。
ここで新たな疑問が発生しました。
ずれた距離が50mあり、1回のアクションの水平方向の移動距離を2mと仮定すると、
50m/2mで、25回アクションが発生したことになります。
私が前に書いた2回どころじゃありませんね。(恐ろしい回数です)
いやいやそうじゃなくて、大規模なアクションは起こらなくて、
年間移動距離を仮に5mmというゆっくりな移動として計算すると、
50m/5mmで、10000年という長い時間をかけてゆっくりと50mずれたのか、
私には分かりません。
やはり専門家に調査して頂き、結果を知りたいところですね。
自分が思った事や疑問を書き出します。
1.芦太川
・仲東谷津と交差するところで、長沼のように水は溜まらなかったのか。
・仲東谷津と交差するところで、東西方向にずれのようなものが確認できるが、
断層の東側延長線上に花見川と横戸川?に芦太川のような分かり易いずれが確認できない。
2.柏井の谷津
・柏井の西側の谷津の上流の、中央公園の谷津は、花1小のところで
なぜ崖を越えられなかったのか(クーラーさん曰く、無能谷はある)。
(西隣の芦太川は、断層を超えている)
・柏井の東側の谷津は、西側の谷津の上流にある中央公園の谷津のような谷津が無い。
(クーラーさん曰く、無能谷はある。USA-M223-73やGoogle Mapの衛星写真を見ると、
花島の谷津がこの無能谷につながっているようにも見える)
・Google Mapの衛星写真をよく見ると柏井の東西の谷津が合流する所で、
東側の谷津も西側の谷津も南ではなく、北に向かってカーブしているように見える。
(南の東京湾方向ではなく、あたかも北側の印旛沼方向に流れていたようにもみえる。)
3.花島の谷津
・花島の谷津の成因も断層による段差が原因と思われる。
柏井の谷津のように花見川の反対側(東側)に、花島の谷津と同じような谷津が無い。
海老川乱歩さんコメントありがとうございます。
返信削除このコメントは記事として掲載しました。
私の感想等のコメントは別記事にします。
なお、50m程度の水平移動を伴う断層の存在説の正しさについて、現時点における私の心理状況は次の通りです。
正しい(世紀の大発見)70%
誤り(どこかに見落とされている思考の欠陥がある)30%
検討を楽しみたいと思います。