2 予察作業
捨土土手の詳細検討で成果を得たいので、闇雲に作業に突入しないで、予察作業をしてみて、効率的作業のあり方や作業上の問題を探ってみました。
まず、下図のような20本の地形断面図作成のための直線を引き、その地形断面図を作成し、このような地形断面図作成で初期の目的が達成できそうか検討してみました。
予察作業のための地形断面線の設定
花見川の柏井高校-横戸台付近の約450mの区間に、花見川に直行する20本の地形断面線(延長約450m)を設定しました。
地形断面図(予察断面17の例示)
20本の地形断面線の地形断面図を作成しました。
この予察作業をして次の事柄に気がつきました。
作業の効率化について
1 地形断面図線を等間隔に機械的作業で設定する必要があること。
2 地形断面図線の間隔は、作業量との兼ね合いからは予察作業と同じ程度の間隔(約25m)でも可能であること。追加で後から地形断面図線を増やすことも可能であることも確認できた。
3 地形断面図はグラフ画像(altキー+prtscnキーで切り取る)を利用するのではなく、csvデータを取得し、そのデータをエクセルのグラフ作成機能で描いた方が、グラフの整形や多断面比較が効率的に出来ること。
予察作業における新発見と対応
4 明確な「土手」形状の下にその土台となっている広い捨土場がある可能性を発見したので、地形断面図線の延長をより長く設定する必要があること。
予察作業を行って、精度の高い地形断面図を見ていると、これまで認識していた捨土土手の下に土台となる捨土場の存在を新発見できました。
次の断面図に説明します。
明瞭な土手地形の下に存在する土手の土台部分(断面) 予察断面19
この土手土台部分の分布は地形段彩図から確認することもできます。
土手土台部分の分布イメージ(平面、地形段彩図)
この土手土台部分の分布と横戸台団地との関係は次のようになります。
土手土台部分の分布イメージ(平面、DMデータ)
(DMデータは千葉市提供)
横戸台開発前に測量された千葉都市図をみると、土手土台部分の地形を確認できます。
開発前の状況(千葉市都市図「千葉27」)
昭和35年測量、昭和45年一部修正
(千葉市立郷土博物館所蔵)
土手土台部分がどうして造られたのか、それが天保期普請より前の天明期普請の土捨場であった可能性も感じられ、強く興味をそそられます。
また、横戸台団地開発工事でこの土手土台部分がどのように改変されたのか知る必要があることが判明しました。
予察作業にしては、価値ある重要な新発見がありました。
なお、花見川沿川の主要開発における切土、盛土の状況を知り、捨土土手改変の様子を調べることの重要性に今更ながら気がつきました。
たとえば次の事例です。
・戦前鉄道連隊架橋
・戦後印旛沼開発
・鷹の台カンツリー倶楽部造成(戦前、戦後2回のゴルフ場造成及び戦後開拓地造成)
・横戸台団地開発
・柏井高校造成
・その他小規模開発
つづく
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