私の散歩論

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2013年11月10日日曜日

下総上位面を褶曲変位地形として捉える

花見川流域の小崖地形 その54

柏井小崖(柏井断層)の縦ずれ量を計測して違和感を感じました。

その点について検討して、下総上位面を単純に平面と捉えること自体が間違っているのではないかと気がつきました。

そこで、下総上位面が単純に平面ではない様子を捉えるために検討ツールを作成し、下総上位面の検討のための区分を行いました。
2013.10.29記事「下総上位面の大局把握」参照

この検討ツールと検討のための区分に基づき、下総上位面と活構造の関係、下総上位面と2つの隆起軸との関係を検討しました。
2013.10.30記事「下総上位面と活構造」参照
2013.10.31記事「2つの隆起軸の影響圏」参照

以上の検討から下総上位面が単純に平面と断層の組わせで変動しているのではなく、平面が自由変形している部分と断層の組わせで変動しているものと捉えました。

この検討結果を地形学的用語で表現するならば、この付近の下総上位面を「褶曲変位地形」として捉えることがふさわしいことに気がつきました。

褶曲変位地形の模式図
「建設技術者のための地形図読図入門 第4巻火山・変動地形と応用読図」(鈴木隆介著、古今書院)1147ページより引用

この模式図のようにこの付近の下総上位面の活褶曲のイメージを表現すると、次のようになると考えます。
(以下の図に示した褶曲軸以外に、図郭外を含めて別の複数の褶曲軸が平行して存在していると考えます。)

下総上位面の活褶曲軸のイメージ例(1

下総上位面の活褶曲軸のイメージ例(2

柏井小崖(柏井断層)及び花島小崖(花島断層)は活褶曲運動が断層運動に漸移している箇所であると考えます。

下総台地西部隆起帯(活背斜軸)は大局的に1本の線で示されていますが(2013.10.30記事「下総上位面と活構造」参照)、それを具体的に構成する要素としてこれらの活褶曲軸群(及びそれが漸移した断層)が存在すると考えます。

褶曲変位地形という概念を導入することにより、より合理的に地形の成り立ちを把握できる予感がします。

つづく

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