花見川流域の小崖地形 その63 (5mメッシュDEM図を読む 2)
そこで述べた形成仮説(断層や褶曲等の地殻運動による形成)によるレーキ状水系パターンを探してみました。
まず、最初にパターン形状だけからレーキ状をなす水系を探してみました。
レーキ状水系パターン
12のレーキ状水系パターンを抽出することができました。
この時点で私が強く興味を持ったことは、下総台地西部隆起帯だけでなく、下総台地東部隆起帯にもレーキ状水系パターンが見られることです。レーキ状水系パターンの形成という視点から2つの隆起帯の活動について対比できるかもしれないと考えました。
次に、これらのパターンのうち、地形段彩図及び他の手持ちの情報から断層や褶曲等の地殻運動により形成されたことが確実と考えられるパターンを抽出してみました。
断層や褶曲等により形成されたことが確実と考えられるパターン
結果として下総台地西部隆起帯にかかわる1~5が抽出されました。
下総台地東部隆起帯にかかわる6と7は断層や褶曲等により形成されたことが確実であるとは判断できませんでした。少なくとも1~5に現れるようなはっきりした変位地形が観察できません。
この結果から、下総台地西部隆起帯をつくった地殻運動の様相と下総台地東部隆起帯をつくった地殻運動の様相が、だいぶ異なるような印象を持ち始めています。
参考までに50万分の1地質図(活構造図)を掲載します。
50万分の1地質図(活構造図)では、下総台地西部隆起帯、下総台地東部隆起帯はともに活背斜軸が書き込まれています。しかし、それより詳細レベルの構造は書き込まれていません。従って、レーキ状水系パターンに表現されるような(レーキ状水系パターンから判明するような)活構造はこの資料からは判りません。
50万分の1地質図(活構造図)東京第2版
地質図Naviによる
凡例等注記を書き込み
次の記事で個々のレーキ状水系パターンについて検討します。
つづく
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