花見川流域の小崖地形 その94(5mメッシュDEM図を読む 33)
1 標高アニメの趣旨
千葉県北部地域の約1億の5mメッシュ(標高)を利用して特定標高未満と以上の2色の分布図を27枚程つくりアニメ化したものです。
原理的には地形段彩図と同じ情報であることは当然です。
しかし、人は(自分は)、アニメ化することにより地形段彩図から受ける印象(刺激)とは別の印象(刺激)を受け、別の発想(思考)を想起するきっかけになると考えています。
つまり、多様な発想(思考)を呼び覚ます補助ツール(支援ツール)となると考えています。
標高アニメが思考補助ツールとなる理由は、標高(地形)の理解の仕方が1枚のマップとは、頭脳の中で違う方法で行うからです。
一枚の地図(標高のわかる地図)から受ける印象はいわば瞬間的印象です。じっくり地図をみたとしても、瞬間的印象を積み重ねたものです。
ところが標高アニメは強制的に時間を使って、標高分布を示します。標高の理解に時間要素が入りこみます。この時間要素が1枚のマップからでは得られない思考刺激を生じます。ここに思考補助ツールとしての意味があります。
思考補助ツールですから、問題意識(地形に関するテーマに沿った思考の意欲)が存在している時に、特に有用さ、便利さを発揮するものです。
現状の地形の広域比較の時、過去の地形を考える時、激しい地殻変動や浸食作用の影響を考えている時などに標高アニメは思考補助ツールとして有用です。
2 標高アニメ
次に標高アニメを示します。
千葉県北部の標高アニメ
この標高アニメは花見川流域や印旛沼筋の台地地形を考察するためにつくったので、標高区分は18m~35mを詳しくしてあります。
標高90m、80m、70m、60m、50m、40m、35m、34m、33m、32m、31m、30m、29m、28m、27m、26m、25m、24m、23m、22m、21m、20m、19m、18m、10m、5m、0m
附録として地形段彩図と一般地図を付けています。
標高は各2秒、附録は5秒の間隔です。
画像と画像の時間間隔はいろいろ試しましたが、私は2秒間隔が適しています。
発想が浮かんだ時、画像を止めたくなるのですが、そうしたボタン(装置)の付け方が判らないので、今は後で原画像を見ます。
なお、5mメッシュを重複読み取りしているところがあり、画像にその跡が濃い色で出ています。(2013.11.22記事「参考 5mメッシュDEMの重複読み取りについて」参照)
標高別の原画像のサムネイルは次の通りです。
標高原画像サムネイル1
標高原画像サムネイル2
標高原画像サムネイル3
3 標高アニメのつくり方
次のような手順で標高アニメをつくりました。
ア GIS(地図太郎PLUS)で標高別原画像をつくる。
イ イラストレーターで画像に標高の数値を記入する。
ウ フォトショップでアニメ作成機能を利用してアニメをつくる。
4 Google earth画面における標高アニメ
Google earth画面上に標高画像をプロットして半透明にし、その画像をアニメにしてみました。
Google earth画面上の標高アニメ
Google earth画面上では標高アニメが広域の空中写真の中に位置付けてみることができるので、広域的視点に立った思考生起の補助ツールになります。
記事の流れと離れますが、このアニメの標高10mの画面を私は縄文海進のピーク時の海面分布のイメージを伝えるものとして考えています。
返信削除縄文海進のピーク時の標高は3m程度といわれていると思います。しかし、その後の沖積平野の堆積作用や人工盛土の影響で、千葉県北部では現在の標高10m等高線のあたりが縄文海進ピーク時の海面分布に該当するのではないかと考えています。