私の散歩論

ページ

2014年3月11日火曜日

高崎哲郎著「印旛沼掘割物語」 再紹介

花見川流域の自然・歴史を知るための図書紹介 29

高崎哲郎著「印旛沼掘割物語」は2011.09.10記事「高崎哲郎著「印旛沼掘割物語」紹介」で既に紹介していますが、それから時間も経っていますので再度紹介します。

「印旛沼掘割物語」の諸元、内容、主要目次
【諸元】
書名:ふるさと文庫198 印旛沼掘割物語 江戸・天保期の印旛沼掘割普請始末
著者:高崎哲郎
発行:崙書房出版
発行日:2011525
体裁:新書判、233

【内容】
印旛沼堀割普請について知ることのできる気軽な読み物です。

独立法人水資源機構が発行している雑誌「水とともに」に「泥と汗と涙と <物語>江戸・天保期の印旛沼掘割普請始末」として連載された記事をまとめて加筆し、出版された新書本です。

【主要目次】
第一章 暗雲、乱れ飛ぶ-五大名に御手伝普請の幕命が下る
第二章 非情の陥穽-五大名・対応を急ぐ 天道、是か非か
第三章 宿命の谷間へ-普請丁場、決まる 残酷な夏①
第四章 忍従の日々-各藩の江戸藩邸、準備に追われる 残酷な夏②
第五章 没義道ならずや-難工事、開始さる 残酷な夏③
第六章 闇夜を裂く稲妻-人夫、続々と現場に入る 残酷な夏④
第七章 大地の叫び-炎暑・落雷・疫病 残酷な夏⑤
第八章 響きと怒り-「大蛇に食いつくされる」 残酷な夏⑥
第九章 孤月、冴える-風水被害、変転する幕府計画、無駄死の人夫たち 終末へ①
第一〇章 崩壊の秋-印旛沼 堀田かいなし 水野あわ 終末へ②
あとがき ~<残酷な夏>印旛沼掘割普請放棄の巨額なツケ~

印旛沼掘割物語

天保期印旛沼堀割普請の様子を理解する上で最もわかりやすい、ポピュラーな本だと思います。

「天保期の印旛沼堀割普請」(千葉市発行、原典史料とその解説本)をベースに、読者の興味をそそるようなストーリーで書かれています。写真や図版も豊富です。

著者の考えや現地視察の様子も反映されています。

印旛沼堀割普請の歴史を気軽に知りたい方にはおすすめの本です。

なお、「天保期の印旛沼堀割普請」(千葉市発行)をベースにして、同じくストーリー性を有する著作として鏑木行廣著「天保改革と印旛沼普請」(同成社、2001年)があります。こちらの方は原典史料に、より忠実に準拠している本です。



0 件のコメント:

コメントを投稿