シリーズ 花見川地峡成立の自然史 -仮説的検討-
第4部 下総台地形成に遡る その15
2014.07.14記事「柏井小崖(柏井断層)がレーキ形成小崖であることに気がつく」で柏井小崖(柏井断層)の東側への大幅延伸に気がついたことを書きました。
具体的には2014.07.10記事「下総台地の局所的特徴的変動地形」の図・表で示した7(隆起地形)、10(和良比レーキ)、9(で示した3つの地溝状地形の一つ)、11(吉岡レーキ)を1の柏井小崖(柏井断層)に含めてしまい、全体を一つの小崖地形(断層地形)として考えるということです。(同時に、6(皺状地形)を削除します。)
この記事では柏井小崖(柏井断層)を東側に大幅延伸して捉えることの的確性に関する証拠を説明します。
1 谷中分水界列の存在
本来は南を源流とし、北方向に流れる河川がつくったと考えられる複数の谷津に谷中分水界群が存在し、地殻の上昇が観察されます。
谷中分水界の存在は全て旧版1万分の1地形図及び現代地形段彩図で確認することができます。
この谷中分水界群は列状に分布し、これにより柏井小崖(柏井断層)と和良比レーキを結ぶことができます。
つまり、柏井小崖(柏井断層)と和良比レーキ、地溝状地形、吉岡レーキ等が一連の地形であることを確認できます。
谷中分水界群リスト
ア 小深川支川の谷中分水界(大日山西側)
イ 小深川の谷中分水界(小深橋付近)
ウ 東小深川支川の谷中分水界(旧下志津廠舎西側)
エ 東小深川支川の谷中分水界(旧下志津廠舎東側)
エ 上手繰川の谷中分水界の存在(四街道駅西側)
2 隆起頂面凹地の列状存在
谷中分水界列に平行して、隆起頂面に凹地が列状に存在します。
隆起頂面凹地の存在は殆ど全て旧版1万分の1地形図及び現代地形段彩図で確認することができます。
この隆起頂面凹地は地形の隆起に伴って生じた構造的な地形であることは確実ですから、その詳しい意義は別として、谷中分水界列の存在とともに、柏井小崖(柏井断層)と和良比レーキ等の地形が構造的に連続する一連の地形である証拠と考えることができます。
隆起頂面凹地の意義は別途詳しく検討します。
3 谷中分水界と隆起頂面凹地の列状分布
谷中分水界と隆起頂面凹地の列状分布を地図で示します。
谷中分水界と隆起頂面凹地の列状分布
地形段彩図+旧版1万分の1地形図に表現
谷中分水界と隆起頂面凹地の列状分布
旧版1万分の1地形図に表現
谷中分水界と隆起頂面凹地の列状分布
標準地図に表現
次の記事で、東側へ大幅延伸して捉えた柏井小崖(柏井断層)の意義を検討します。
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