シリーズ 花見川地峡成立の自然史 -仮説的検討-
第4部 下総台地形成に遡る その27
牧の原オタマジャクシ状凹地の地形を地形断面図でじっくり見てみました。
1 地形断面図の位置
次に地形断面図の位置を示します。
地形断面図の位置
AB断面は長軸方向の断面でいわば縦断図です。
CD断面は短軸方向の断面でいわば横断図です。
2 地形断面図
次に地形断面図を示します 。
AB地形断面図
凹地の底に標高23m付近に定高性のある地形が見えて、湖沼堆積物の堆積面であることが想像できます。
この定高性のある地形の両側が微高地になっていてます。湖沼のあった場所とその周辺の微高地の標高の差は地殻運動によってできたものと考えます。
CD地形断面
湖沼跡と考えられる地形は湖沼終焉後の侵蝕作用で浅い谷状の地形に見えます。
湖沼跡の南側の高まりがはっきりしていて、このような帯状の隆起がこの付近では沢山見られます。
湖沼跡の北側の高まりは明瞭ではありません。図の右端付近(D)の近くに帯状の隆起(侵蝕されている)が見られます。
3 参考 標高アニメ
牧の原オタマジャクシ状凹地の地形を感覚的に理解するために標高アニメをつくってみました。
情報そのものは原理的に等高線マップと同じです。
しかし、標高の認識が「等高線を読む」という技術ステップを踏まないので、「等高線を読む」ことに慣れている人もそうでない人も、全ての人が思考エネルギー消費を節約して、直感的に標高分布を知ることができます。
同時に、標高アニメを見るということは、標高認識に時間軸が強制的に入りこみます。そのために、標高の直感的認識が強化されます。
なお、この標高アニメは現在の標高を対象にしていますから、人工改変されたところは、その通りの標高になっています。
また、このアニメから引き出すことができる情報は、このアニメを見る人の問題意識によって変化します。そこは等高線マップの場合と同じです。
牧の原オタマジャクシ状凹地付近の標高アニメ
標高30m~20mの間を0.5m刻みのマップ21枚作成し、1秒間隔で表示している。
最後に標準地図、旧版2万5千分の1地形図、地形段彩図を3秒間隔で表示している。
標高25mあたりから標高20mにかけて湖沼が縮小して消滅していく様子をイメージできると考えます。
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