私の散歩論

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2014年11月11日火曜日

後期旧石器時代の狩イメージ その2

花見川地峡史-メモ・仮説集->3花見川地峡の利用・開発史> 3.2旧石器時代の移動路>3.2.18旧石器時代遺跡と地形 事例検討その12 後期旧石器時代の狩イメージ その2

次に遺物集中地点AB、遺物集中地点CDEのそれぞれのドット分布図をヒートマップに変換して、対照できるように示しました。

遺物集中地点AB分布と遺物集中地点CDE分布のヒートマップ
参考として遺物集中地点ABCDEの区分基準と区分に対応する施設・活動のイメージを付けました。

ヒートマップではなく、ドット分布図としての遺物集中地点ABとCDEの検討は既に2014.11.06記事「規模別に見た遺跡分布」で検討しています。その検討は全て基本的に生きています。
しかし、ヒートマップにすると情報が集約されて、分布の特徴が単純化されて浮かび上がるので、本質を捉えるという意味で有効です。
(ドットマップよりヒートマップが優れているという意味ではありません。ヒートマップは情報を抽象化することができるという意味で有効です。)

私の常用GISソフト(地図太郎PLUS)の仕様上の制約からヒートマップの情報が無い部分(geotiffファイルの透明部分)が黒くなってしまって見づらいので、ヒートマップ画像を透明で薄くして検討します。(この不都合の修正ができたら報告します。)

順番を変えて、遺物集中地点CDEを最初に検討します。

遺物集中地点CDE分布ヒートマップの検討
単独出土石器分布ヒートマップから狩の具体的イメージを導くことができましたが、遺物集中地点CDE分布ヒートマップはこの狩イメージに直接対応した狩施設・獲物加工施設の分布を表現しています。

ヒートマップ「あ」は狩イメージbに対応する狩施設・獲物加工施設、ヒートマップ「い」は狩イメージdに対応する狩施設・獲物加工施設、ヒートマップ「う」は狩イメージaに対応する狩施設・獲物加工施設、ヒートマップ「え」、「お」、「か」、「き」はその他の狩活動に対応する狩施設・獲物加工施設と考えられます。

次に、遺物集中地点ABを検討します。

遺物集中地点AB分布ヒートマップの検討
遺物集中地点AB分布ヒートマップは遺物集中地点CDE分布ヒートマップと異なり、狩イメージの主要箇所(赤い部分)にことごとく対応していません。対応しているのは狩イメージ「a」だけです。「a」の場所は台地全体を封鎖できる狩の上での最重要戦略要衝です。

ヒートマップ「1」は狩イメージ「a」に対応しますが、狩イメージ「b」や他の場所を使った場合もここに臨時キャンプを設営した可能性が強いと考えます。この場所が台地全体を封鎖できる戦略的要衝にあるからである。ヒートマップ「2」は狩イメージ「d」を使った時の臨時キャンプである可能性があります。台地全体封鎖施設を設置すれば、茂呂谷津方面の獲物加工施設(規模CDEの施設)との中間に位置するからです。

狩が終わった後に台地を封鎖しておく意味は、1度の狩では全ての獲物を狩りつくせないことや、この台地の西方での狩が残っていることによると考えます。

以上のヒートマップを使った分析により、次のような大局観を持つことが出来るようになりました。

検討の大局観

つづく

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