花見川地峡史-メモ・仮説集->3花見川地峡の利用・開発史> 3.2旧石器時代の移動路>3.2.25旧石器時代遺跡と地形 事例検討その19 含動物骨旧石器時代遺跡存在の可能性
2014.11.18記事「草刈遺跡検討の感想」の追補です。
草刈遺跡の検討では次のような狩方法をイメージしました。
狩方法のイメージ
特に文化層4以降ではこのような狩イメージを支持する遺物集中地点の分布が見られます。
この狩イメージのうち、獲物加工処理施設と動物を仕留め解体大分けした場所を地形断面図に投影すると次のようになります。
地形断面図位置
獲物加工処理施設と動物を仕留め解体大分けした場所の地形断面図投影
後期旧石器時代の1万数千年の間継続して狩が行われ、谷津谷底で動物を解体し、不要な骨はその場に捨てられたとすると、その骨の累積は層を成すことになります。その動物骨の層が谷津谷底という水湿環境のもとで保存され、その後縄文海進期に沖積層に埋没したと考えると、沖積層の下に動物骨を伴う旧石器時代遺跡が現存している可能性が濃厚になります。
その場所をGoogle earth画面にプロットすると次のようになります。
含動物骨旧石器時代遺跡が存在している可能性のある場所
上図「狩方法のイメージ」の動物を仕留める場2箇所に加え、その後の検討で村田川谷津にもう1箇所加えています。
この付近で宅地開発の時、沖積層堆積部(谷津谷底部)でボーリング調査が行われていれば、沖積層基底面の深さが判るとともに、万万が一動物骨出土の兆候が見られるかもしれません。
この付近のボーリングデータについてUR都市機構に問い合わせたところ、「ちはら台地区は、地区全体の所有権がほぼ移転しており、ボーリングデータは 個人情報の一部と考えられますので、URからは提示いたしかねます。」とのことで情報の存否について知ることはできませんでした。
千葉県地質環境インフォメーションバンクには少し離れた村田川河道沿いのボーリングデータが公開されていて、中には縄文海進による海成沖積層の下に旧石器時代の地表環境を表すと考えられる腐植土層が見られるデータもあります。
ですから、もし遺跡発見のためのボーリン調査が行われていれば、含動物骨旧石器時代遺跡の存在について情報が得られていたかもしれないと感じました。
開発が進んだこの場所では無理かもしれませんが、旧石器時代に狩りが行われたのは下総台地全体ですから、どこかの場所で沖積層に埋没した含動物骨旧石器時代遺跡を見つけだすことは全く可能なことだと思います。
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