地理院地図3Dの存在について知り2015.02.26記事「国土地理院地図の3D表示機能」で紹介しました。
地理院地図3Dでは地図や空中写真を立体的に表示して、その立体的表示を自分で自由にくるくる廻したり、拡大縮小したりしていじることが出来ます。そしてその操作がきわめてスムーズである点が際立った特徴となっています。
この地理院地図3Dが自分のブログ趣味活動(地形、地名、考古歴史)にどのように役立つか検証してみました。
自分にとっての最大興味ポイントは、地理院地図3Dに自分の作成した各種地図をオーバーレイして表示できるかどうか、その使い勝手はどうかということです。
地形、地名、考古歴史の各種情報を立体地形にプロットできれば、平面地図や平面地形段彩図に情報をプロットして得られる発想の量をさらに増大させ、質を深めることができます。思考活動を加速させることができます。それは丸4年間の活動で繰り返し体験してきたことです。
以下、地理院地図3Dに自分の作成した各種地図をオーバーレイして表示させた試行結果をメモします。
1 地理院地図3Dのダウンロードデータに情報を描き込んで表示
オフラインでブラウザ(Firefox限定)で3Dを表示するために、地理院地図3Dからデータをダウンロードすると、次の5ファイルを得ることが出来ます。
・about_pgwfile.txt…pgwファイルの説明
・dem.csv…標高データ
・index.html…起動ファイル
・texture.pgw…ワールドファイル(画像の位置ファイル)
・texture.png…画像ファイル
この内texture.pngは画像ファイルですから、一般の画像ソフトで何か描きこんで、index.htmlをFirefoxで起動すると、描きこんだ画像が立体表示されます。
2015.02.26記事「国土地理院地図の3D表示機能」ではこのような考えから、ダウンロードした画像ファイルtexture.pngに自分の作成した画像(迅速図)を張付けて表示しました。
なお、地理院地図3Dの地図や空中写真の3D表示は素晴らしいのですが、都市部では難点が生じます。例えば、花見川流域では都市化のため地図や写真の表現内容がきわめて混み合っていて、かつ台地地形です。このため、山地の場合などと較べると地形の起伏がわかりにくくなるという難点が生じます。地図や空中写真に表示される人工地物の表示が地形立体性より勝ってしまうのです。
2 地形段彩図の地理院地図3Dにおける表示と使い勝手
ダウンロードした画像ファイルtexture.pngを使わなくても、同じ範囲の地形段彩図をつくり(GIS上で切抜き)、そのファイルの名称・属性をtexture.pngにすれば、地形段彩図を地理院地図3Dで表示できるかどうか試し、成功しました。
ダウンロードデータの画像を地形段彩図画像に差し替えて3D表示が可能
地形段彩図を地理院地図3Dで表示してみると、これまでに得たことのない有力ツールとしての可能性を実感することができました。
まず、自由に角度、拡大縮小を変えることができ、それが瞬時にスムーズにできることは「すごい」と感じました。
「あそこはどうだろう」、「ここはどんな感じか」・・・という具合に自由に立体地形空間の中で物事を思考することができます。
これまで使ってきたKashmir3Dにはない操作性です。Kashmir3Dでは1枚1枚写真を撮る(画像を作成する)という一定時間を要する操作が必要です。
地理院地図3Dを使った地形段彩図表示例 1
地理院地図3Dを使った地形段彩図表示例 2
地理院地図3Dを使った地形段彩図表示例 3
これからのブログ活動では、発想ツールとして地理院地図3Dを常用することになりそうです。
地形段彩図に古墳時代の遺跡分布図をプロットして地理院地図3Dで表示してみました。
地理院地図3Dを使った古墳時代遺跡分布図表示例
地形段彩とプロットされた遺跡の空間関係情報は平面図でも、この3D表示でも原理としては同じですが、私の受ける印象(図を見て生起する私の発想、連想)はまるで別情報を見ているように違ってきます。
例えば古墳時代遺跡分布と谷津との関係を考察する時に、地理院地図3Dは有力なツールとなり、またその考察結果の説明(プレゼン)の有力ツールにもなると考えます。
なお、地理院地図3Dの地形情報は10mメッシュであり、このブログで使っている5mメッシュと較べると精度が劣りますが、それがどの程度であるのか、今後検証が必要です。
また、地理院地図3Dの表示範囲は一定の区画(タイル)で行われるようになっていて自由に区画を設定できません。また3D表示を拡大すると区画の中央部に表示が収斂してしまうという特性もあります。自由に全ての範囲を拡大表示できるわけではありません。
ともあれ、地理院地図3Dを知って、その発想ツールとしての「すごさ」を実感しました。
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【メモ】 地理院地図とGoogle earth proにおけるファイル読み込み
・地理院地図では点、線、面の書き込みができます。ファイルからKMLなどの形式で点、線、面を読み込むことができます。しかし、画像ファイルを読み込むことができません。
・Google earth proでは点、線、面の書き込みができます。ファイルからほとんどの形式で点、線、面を読み込むことができます。画像ファイルを読み込むことができます。
以上のような仕様の違いにより、地理院地図は3Dツール専用として使い、Google earth proは汎用地図ツールとして使う予定です。
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