八千代市権現後遺跡出土墨書土器の文字についてゾーン別に出土数をまとめると次のようになります。
権現後遺跡ゾーン別墨書土器の文字
この情報からゾーン毎に代表的な文字を抽出してゾーン図に記入すると次のようになります。
権現後遺跡 ゾーン別墨書土器の代表文字
参考 北海道遺跡 ゾーン別墨書土器の代表文字
参考 白幡前遺跡・井戸向遺跡 ゾーン別墨書土器の代表文字
権現後遺跡では生が全ゾーンで主要文字となり、Ⅳゾーンでは罡が最多文字になります。
隣の北海道遺跡とは出土文字が全く異なります。
権現後遺跡で生が主要文字であることは、権現後遺跡が生が多出する白幡前遺跡と強い結びつきがあることを示しています。
罡は漢和辞典では次のような説明となっています。
罡及び[罡の正が止の字]の説明
●字音
コウ(カウ)
●罡と[罡の正が止の字]は同字
●字義
天罡は、星の名。北斗星の別名。
『新漢語林』 大修館書店
この代表文字の意味イメージ(想定)を地図に書き込むと次のようになります。
権現後遺跡 ゾーン別墨書土器代表文字の意味イメージ(想定)
参考 北海道遺跡 ゾーン別墨書土器代表文字の意味イメージ(想定)
参考 白幡前遺跡・井戸向遺跡 ゾーン別墨書土器代表文字の意味イメージ(想定)
権現後遺跡は白幡前遺跡を中心とする軍事兵站・輸送基地内の土器生産工業団地であると想定しましたが、その工業団地を担った集団は白幡前遺跡から直接移動してきた軍事色の強い人々であったことが想定されます。
Ⅱゾーンから人面墨書土器が出土していて、丈部(ハセツカベ)という人名(姓 氏族名称)が書かれていますが、丈部(ハセツカベ)一族は軍事色が強く、権現後遺跡の性格のみならず白幡前遺跡の本質を理解する上でキーとなる情報であると考えています。
丈部(ハセツカベ)一族と白幡前遺跡を中心とする軍事兵站・輸送基地との関係を別記事で検討します。
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