私の散歩論

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2015年11月10日火曜日

千葉県北部34市町の小字データベース作成

小字地名データベース作成活用プロジェクト 30

1 千葉県北部34市町の小字データベース作成
千葉県地名大辞典(角川書店)附録小字一覧のうち、千葉県北部の34市町の電子化を済ませ、データベース化しました。

データベースの原本はFile Makerファイルとして作成しています。

データベースの項目は次の通りです。
・小字
・小字よみ
・大字
・大字よみ
・市町村
・市町村よみ
・区
・区よみ
・所在地表記
・備考(旧市町村等)

千葉県北部34市町の小字総数は46577になります。

千葉県小字データベース作成市町村(2015.11.10)

34市町の小字数を多いものから並べたグラフを作ると次のようになります。

千葉県北部34市町の小字数

千葉県の約半分の領域・小字数を電子化したことになり区切りがよいので、自分の興味をこのデータベースに投影してみて(データベースを使って分析してみて)、データベースの使い勝手を試してみたいと思います。

これだけの情報があれば多様で本格的な検討が可能だと考えますが、それは千葉県全部のデータベース作成後の楽しみとして残しておくことにして、今はデータベースの使い勝手を確かめておく程度の試行的検討を行います。検討はいくつかの記事に分けて掲載します。

この記事では、小字密度(1㎢あたり小字数)の情報を示します。

2 小字密度(1㎢あたり小字数)情報

上記の市町村別小字数グラフを見ると、面積に比して小字数が多い市町と少ない市町が存在していることに気が付きました。

小字名の検討の前に、小字密度の特性を知っておくことが大切であると感じました。

そこで、小字密度(1㎢あたり小字数)グラフとその概要分布図を作ってみました。

1㎢あたり小字数

参考 1㎢あたり小字数

九十九里平野を望む台地の小字密度が高くなっているという明瞭な地域特性が見て取れます。

最初は、この密度分布特性が歴史的事象(例 上総国の開拓が北上した様子を示すなど)と関わるとすれば面白いと考えました。

しかし、ほどなく、地形的要因によって小字密度が異なるに違いないと結論的な直観を得ました。

上の分布図で黄色や赤の地域の台地は下末吉海進においてバリアー島として形成され、最初に陸化した地域です。

したがって地史的時間でみて最も長い間浸食作用を受けていて、台地の谷津地形の発達が進んでいます。要するに地形がより細分化されています。

そのため、土地区切の細分化に対応して小字が増えていると考えます。

一方印西市付近の陸化は最も遅く、したがって広い台地面が残り、地形の細分化が進んでいないので、小字の数も少なくなっています。

2 件のコメント:

  1. 岐阜県郡上市で地名研究を趣味にしている者です。貴殿のサイトを参考に岐阜県の小字地名データベースをほぼ完成しました。一人ではとてもたいへんな作業でしたが、高齢で癌の治療中のため急いで作成したため不完全なものです。目的は「カイト」地名の研究です。カイト地名研究には奈良盆地が欠かせませんが、奈良女子大の素晴らしい小字データベースがあり、たいへん助かりました。私の私感では有りますが、谷津地名と垣内地名は関係があると思っていますので、約5000有ると言われている千葉県の谷津地名と縄文遺跡の分布が知りたく投稿しました。一市町村のデータでもいいのですが頂けないでしょうか。もし公開してお見えでしたらサイトを教えてください。突然なお願いで申し訳ありません。

    岐阜県郡上市八幡町那比1578-2
    井藤 一樹
    herb@gujocity.net

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  2. 井藤さん コメントありがとうございます。「カイト」地名研究楽しそうですね。谷津地名と縄文遺跡の分布は別々ですが、これまで多数回記事にしていますのでその場所を探して改めてここにコメントします。

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