私の散歩論

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2016年2月23日火曜日

墨書土器データベースのGIS分析の可能性

花見川地峡史-メモ・仮説集->3花見川地峡の利用・開発史> 3.4〔仮説〕律令国家の直線道路、東海道水運支路の検討>3.4.294 墨書土器データベースのGIS分析の可能性

墨書土器データベースをGISデータベース化して分析することによって新たな検討資料を得ることができると考えていますので、その方法(原理)をメモしておきます。

例えば、ある特定文字(例「大」、「大ヵ」を対象とする)のGISプロットは次のような方法で可能です。

1 墨書土器データベース(個別土器をレコードとするデータベース)から特定文字(例「大」、「大ヵ」)を含むレコードを抽出してファイル(個別土器別特定文字ファイル)とする

2 個別土器別特定文字ファイルから、遺跡別レコード数データ(遺跡別特定文字土器数ファイル)を作成する。

3 遺跡別緯度・経度情報ファイル作成する。(ふさの国ナビゲーションから遺跡位置情報取得可能)

4 遺跡別特定文字土器数ファイルと遺跡別緯度・経度情報ファイルを遺跡名でリレーションして、遺跡別特定文字土器数ファイルに緯度・経度情報を書き込む。

5 緯度・経度情報を含む遺跡別特定文字土器数ファイルをcsv出力してGIS(地図太郎PLUS)に取り込み、特定文字土器数グラフの分布図を作成する。

千葉県における、文字「大」、「大ヵ」を含む土器数グラフの分布図は次のようになります。

千葉県における墨書土器文字「大」の分布

この図を鳴神山遺跡付近を中心に拡大すると次のようになります。

墨書土器文字「大」の分布

「大」は鳴神山遺跡では最大集団の祈願語であり、その集団は大国主神(大国玉神)を信奉し、牧をメイン生業とすると考察しました。

鳴神山遺跡近くの船尾白幡遺跡、西根遺跡からも「大」が出土していますから、場所が近接しているので、同じ集団のものと考えられます。

さて、鳴神山遺跡では直線道路が出土し、東京湾岸から「香取の海」岸への牛馬搬送軍事道路の可能性を検討しました。

その検討で注目した起終点にも「大」が出土します。

東京湾岸の夏見台遺跡、印内台遺跡、東中山大遺跡、本郷台遺跡と「香取の海」岸の駒形北遺跡です。

夏見台遺跡は大結馬牧(延喜式記載)との関連が考えられています。

これら東京湾岸の「大」出土遺跡と鳴神山遺跡と「香取の海」岸の駒形北遺跡が果たして墨書土器文字「大」でつながるのか否か、興味が沸きます。問題意識をもつことができます。

墨書土器データベースをGISプロットすることによって、発想を刺激する資料を得ることができると考えます。




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