千葉県のアイヌ語地名の検討をしてきましたが、関連して、縄文人(の末裔)の集落を伝えると考えられる地名を千葉県小字データベースから抽出してみました。
その結果を次に一覧表にしました。
千葉県の小字 ウタリ・コタン・エゾ・エビス
ウタリ・コタン地名の言葉としての出発点は縄文人(の末裔)自らの縄文語によると考えます。
ウタリはアイヌ語で人民、同胞、仲間などの意です。(『精選版 日本国語大辞典』 小学館による)
コタンはアイヌ語 kotanで 「村・集落」の意で、つまり アイヌの集落です。(『精選版 日本国語大辞典』 小学館による)
一方、エゾ、エビスは縄文人を取り囲む大和政権サイドの人々の言葉であると考えます。
ウタリ・コタン・エゾ・エビスを合わせて23の小字が千葉県小字データベースからピックアップでき、それは13自治体におよびます。
13自治体の面積合計は千葉県面積の約35%をカバーします。
縄文人(の末裔)の集落が弥生文化時代人、古墳文化時代人の頃までは房総のあちこちに確実に存在していたことを証明しているように感じます。
地名の具体的分布をみると、縄文人(の末裔)の集落はもっと後の時代まで、場合によっては近世・近代まで、存在していたという想像も成り立つような気がします。
ウタリ・コタン・エゾ・エビスの千葉県における分布情報から、私は縄文時代をとても身近な存在として感得できるようになりました。
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なお、アイヌ、エミシという読みに関連する小字は見つかりませんでした。
アイノに関連する小字は多数抽出されますがこの中にアイヌに関する意味が含まれているものがあるかどうか未検討です。
ウタリ、コタンが音韻変化したものや日本語化した可能性があるものが、上記表とは別に抽出されています。
例 ウタレ、コタニ(小谷)など。
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