上谷遺跡のGIS空間における遺構分布図が完成しましたので、そのデータに基づき墨書土器データベースのGIS化を行いました。
墨書土器データベースのGIS化プロセスとその結果についてメモしておきます。
1 上谷遺跡墨書土器データベースのGIS化
1-1 上谷遺跡墨書土器データベースの作成
最初に、千葉県墨書土器データベース(明治大学)から上谷遺跡分を抜き出したデータベースを作成しました。
上谷遺跡墨書土器データベース(位置情報なし、Excel画面)
1-2 上谷遺跡遺構位置情報ファイルの作成
上谷遺跡遺構分布図をGIS(地図太郎PLUS)に張り付けることによって遺構をGIS空間にプロットしました。
上谷遺跡遺構プロット図
遺構毎にプロット図をcsvファイル出力するとそれに位置情報が含まれます。
遺構(竪穴住居)のcsvファイル出力例(Excel画面)
1-3 墨書土器データベースと遺構位置情報ファイルのリレーション
墨書土器データベースと遺構位置情報ファイルをFile Makerに読み込み、その二つのファイルの遺構番号についてリレーションを繋ぐと、墨書土器データベースに位置情報を読み込むことができます。
2つのファイルを遺構番号でリレーションさせた様子(File Maker データベース管理画面)
(出土遺構、タイトルとも遺構管理番号を意味している)
上谷遺跡墨書土器GISデータベース(位置情報あり、File Maker画面)
このFile MakerファイルをExcel出力して、さらに必要情報だけを地図太郎PLUSに読み込めるようにcsv出力して地図太郎PLUSに読み込み活用します。
2 上谷遺跡墨書土器GISデータベースの空間プロット
位置情報を取得した墨書土器データベースを空間プロットすると次のようになります。
上谷遺跡墨書土器GISデータベースの単純プロット(みかけは墨書土器出土遺構プロット図と同じ)
画面上では墨書土器が出土した遺構のプロット図と同じですが、電子ファイルとしては遺構毎に多数のデータが重なって存在しています。
このデータからヒートマップを作成して墨書土器出土の密集域を表示しました。
上谷遺跡 墨書土器出土ヒートマップ
半径パラメータ25m
同じ情報を統計処理して遺構別出土数データを作成し、その遺構別出土数を円グラフで表示すると次のようになります。
上谷遺跡 墨書土器出土遺構別頻度円グラフ
墨書土器出土ヒートマップと墨書土器出土遺構別頻度円グラフと集落ゾーンの関係分析は次の記事で行います。
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