私の散歩論

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2017年1月16日月曜日

大膳野南貝塚 旧石器時代ブロック出土の意義

2017.01.14記事「大膳野南貝塚 旧石器時代ブロックの出土層」で旧石器時代ブロックの出土層について学習しました。

この記事ではブロック(石器集中地点)観察の意義について思考します。

次の図は大膳野南貝塚付近の旧石器時代遺跡分布図です。

大膳野南貝塚付近の旧石器時代遺跡分布

地形との対応関係で旧石器時代遺跡は特異な分布をしていることが判ります。

下総台地面(下総上位面)が開析谷で浸食される末端部に密集していることがわかります。

台地面が広がる台地中央部に旧石器時代遺跡はほとんどありません。

旧石器時代遺跡は台地面を背景にしてその末端部に分布しているという特徴があります。

ちなみに、房総全体の旧石器時代遺跡分布図を示すと次のようになります。

千葉県旧石器時代遺跡分布図

この分布図を見ると、大膳野南貝塚付近のみならず房総全体で旧石器時代遺跡とは台地面末端付近に立地しているという大局観を持つことができます。

広い台地平坦面がない山地や険しい丘陵には旧石器時代遺跡は分布していません。

この2枚の分布図から、旧石器時代人は台地末端部で狩をしていて、山地や急斜面の土地では狩をしていなかったことが判ります。

現在の沖積地に埋没している土地、あるいは海面下になっている旧石器時代陸地は激しい開析谷地域ですから、その土地にも旧石器時代遺跡は少なかったと推論できます。

このような旧石器時代遺跡分布特性から、また過去に行った近隣の草刈遺跡学習から、旧石器時代狩場の地形イメージを次のように仮説します。

旧石器時代狩場の地形イメージ(仮説)

このように思考してくると、大膳野南貝塚から旧石器時代ブロック(石器集中地点)が出土したことには必然性があることがよく理解できます。

大膳野南貝塚付近はその地形特性(台地面末端部)から旧石器時代の優良な狩場であったのです。

旧石器ギャザリングゾーンの分析から、村田川が台地面を北と南に分割する付近は東日本でも有数の狩場であり、同時に東日本旧石器時代人の主要なコミュニケーション地帯であったとされています。

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参考 Google earth でみる千葉県旧石器時代遺跡分布

Google earth でみる千葉県旧石器時代遺跡分布

Google earth でみる千葉県旧石器時代遺跡分布

Google earth でみる千葉県旧石器時代遺跡分布

Google earth でみる千葉県旧石器時代遺跡分布


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