私の散歩論

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2017年6月25日日曜日

西根遺跡に持ち込まれた土器は全て破壊されたか

QGISによるグリッド分析ができるようになったので、まず土器重量、土器破片数、1破片当たり重量を観察してみました。

1 土器重量、土器破片数、1破片当たり重量

土器重量、土器破片数、1破片当たり重量の各分布図を並べて観察できるようにしました。

土器重量、土器破片数、1破片当たり重量(第1集中地点、第2集中地点)

土器重量、土器破片数、1破片当たり重量(第3集中地点、第4集中地点、第5集中地点)

土器重量、土器破片数、1破片当たり重量(第6集中地点、第7集中地点)

区分は全て等量5分位法で、色分けも統一しました。

2 考察
2-1 土器重量と土器破片数は強く相関する
土器が多量に持ち込まれたグリッドでは土器重量が大きくなり、土器破片数も大きくなることは、大局観として当然のことですから、2つの分布図は似通ったものになります。

2-2 土器重量及び土器破片数と1破片当たり重量は逆相関する
土器重量及び土器破片数と1破片当たり重量はきれいに逆相関する様子が分布図の見比べから観察できます。
つまり、土器が沢山置かれ集中するところほど1破片あたり重量が小さくなります。
土器が集中するほど土器が細かく破壊されているということです。
この情報は西根遺跡の正体を暴くために大変重要な情報になると考えます。

土器が集中するところには大型土器が集中するのですが、その場所で土器がより細かく破壊されているということは、土器が人為的に破壊されたことを物語っていると考えます。
土器が集中する場所は祭祀の場所であると考えていますが、祭祀が熱心な場所ほど土器が祭祀行為で細かく破壊されたと考えます。

西根遺跡付近は印旛沼湖面(縄文海進の海面)近くで洪水時の急流はないので、土器破壊は流水の力ではほとんど発生しないと考えられます。
土器が埋没後に踏圧や耕作により破壊が進んだとしても、土器集中場所であればあるほどその影響は少なくなると考えられます。

西根遺跡の土器は復元すれば完形に近くなるものが多いのに、細かく破壊されているのは、持ち込まれた土器が祭祀で破壊されたからであると考えます。
この考えの妥当性を1破片当たり重量分布図が補強していると考えます。

復元土器の例
「印西市西根遺跡」から引用

この考察は次の記事につづきます。

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