2017.09.27記事「西根遺跡出土「杭」はイナウ 発掘写真判読 1」のつづきです。
発掘面(河床面)と露出した土器の間の土層と木枝との関係について詳細に観察してみました。
写真判読画面インデックス
4C09グリッド発掘状況写真判読3
小崖に見られる新鮮な「褐灰色粘質土層断面」(立面)と発掘面(河床面)(平面)の関係が判ります。
それと「杭」との関係から、「杭」は河床面から直接出土し、含粒状物黒色土層(骨片、炭)とは直接絡んでいないことが判ります。
しかし、「杭」の近くの土器片の下には新鮮な「含粒状物黒色土層断面」(骨片、炭)が観察できます。
「杭」が焼けていないのは、そのそばで焼骨行為をしたけれども「杭」は焼かないようにしたということです。祭壇の前、つまりイナウの前で焼骨行為をしたのだけれども祭壇(イナウ)を燃やさない(焦がさない)ことは縄文人にとっても当然のことです。
あるいは焼骨行為の時には祭壇(イナウ)がなく、焼骨行為の後土器破壊の時に祭壇(イナウ)が建てられたという可能性も排除できません。
4C09グリッド発掘状況写真判読4
画面中央の木枝は発掘面に接しているのではなく、含粒状物黒色土層の上で土器片の下に位置すると判定できます。
4C09グリッド発掘状況写真判読5
画面右の大小3本の木枝は発掘面の上の含粒状物黒色土層の中で土器片の下に位置すると判定できます。
写真判読4と5から木枝は河床直上に堆積したものではなく、つまり流水で流れ着いた流木の可能性はなく、焼骨行為における焚火の焚き木であることが判明します。
含粒状物黒色土層(骨片、炭、木枝)と土器片の分布が重なり、かつ混じるような写真になっていますから、含粒状物黒色土層(骨片、炭、木枝)の形成(焼骨行為)と土器破壊行為の間に大きな時間間隔がないことが判ります。
(土器片が置かれたことで、その下の骨片、炭、木枝が保護され地層として残ったと考えられます。)
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