私の散歩論

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2017年11月26日日曜日

大結馬牧(仮説)の領域 印西船穂郷の謎(10/11)

10 大結馬牧(仮説)の領域

大結馬牧(仮説)に関わると考えられる遺跡として鳴神山遺跡、船尾白幡遺跡、南西ヶ作遺跡、大塚前遺跡をあげることができます。

南西ヶ作遺跡(奈良・平安時代)から墨書文字「大加」が出土します。また「大国玉□」も出土します。鳴神山遺跡で「大加」は牧集団であり、また千葉県で「大加」は鳴神山遺跡と南西ヶ作遺跡だけからの出土となることから、南西ヶ作遺跡は鳴神山遺跡の出先的要素が強かったと考えることができます。南西ヶ作遺跡は牧管理の出先集落であったと考えることができます。この情報は牧場域推定の有力な根拠情報になります。
なお、細かい話になりますが鳴神山遺跡の「大加」も南西ヶ作遺跡の「大加」もよく見ると大と加が組文字のようになっています。鳴神山遺跡で多出する刻書「大加」は完全に一体化して書かれているロゴマーク(組文字)になっています。このこだわりはそれを共有する集団の結束力の強さを示すと考えますが、この集団が何であるか検討を深めたいとおもいます。

鳴神山遺跡と南西ヶ作遺跡の情報、及び牧場域に馬の水飲み場となる谷津が必須であるという地形条件などから大結馬牧(仮説)の牧場地区をイメージしました。
なお牧場地区東南隅に多々羅田という鉄滓出土遺跡があり、年代不明ですが、大結馬牧(仮説)の馬具工房であった可能性もあります。

大結馬牧(仮説)僕所地区イメージを現代地図にプロットしたものです。

つづく
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パワーポイントスライドを利用して次の11話を連載しています。
1 発掘調査報告書GIS学習 印西船穂郷の謎(1/11)
2 7~10世紀下総国の出来事 印西船穂郷の謎(2/11)
3 鳴神山遺跡と船尾白幡遺跡の概要 印西船穂郷の謎(3/11)
4 鳴神山遺跡の牧と漆、墨書文字「大」「大加」集団 印西船穂郷の謎(4/11)
5 小字「大野」の出自、「大」の意味と氏族、養蚕 印西船穂郷の謎(5/11)
6 船尾白幡遺跡の養蚕、漆と麻、「帀」の意味と氏族 印西船穂郷の謎(6/11)
7 鳴神山遺跡直線道路 印西船穂郷の謎(7/11)
8 鳴神山遺跡は典型古代牧遺跡 印西船穂郷の謎(8/11)
9 「鳴神山遺跡=大結馬牧」仮説 印西船穂郷の謎(9/11)
10 大結馬牧(仮説)の領域 印西船穂郷の謎(10/11)
11 古代開発集落が滅びた理由 印西船穂郷の謎(11/11)

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