私の散歩論

ページ

2020年1月20日月曜日

内田裕治式土器展開写真の作成

縄文土器学習 317

清瀬市郷土博物館のホームページに「「柳瀬川縄文ロマン展」2019年11月2日~24日開催縄文土器編ホームページ公開版」が掲載されています。
この掲載の中に多数の縄文土器展開写真(2次元展開写真)が掲載され、土器模様がとても判りやすい資料となっています。
このような土器展開写真をこれまで見様見真似でつくったことがありますが、柳瀬川縄文ロマン展のような正確で見栄えのする展開写真の作り方を知りたく思いました。そこで、思い切って清瀬市郷土博物館学芸員内田裕治先生に連絡してその技法(ノウハウ)を教えていただきたくお願いし、それが実現するというとてもラッキーな学習機会を得ることができました。
早速、内田裕治式土器展開写真を作成しましたので、その結果をメモします。

1 内田裕治式土器展開写真について
内田裕治先生から土器展開写真について次のような関連情報を教えていただきました。
・内田裕治先生が作成している土器展開写真は実測図作成にも使えるゆがみの少ないものでスリット写真を機械的につなげた展開写真(例 縄文土器大観)とは根本的に異なる。(スリット写真による展開写真は実測図作成に使えない)
・この土器展開写真は内田裕治先生が考案したもので、その技法を紹介した図書等はない。
・土器展開写真作成のステップは土器撮影とPhotoshopによる画像構成の2段階からなる。
・Photoshopの各種機能を利用するのでPhotoshop操作になれていることが必要である。
実測図作成にも使えるような正確な土器展開写真作成技法が内田裕治先生の独創であり、これまで誰にも教えたことがないということでした。この技法は特許的な意味でも価値のあるものだと感じましたので、自分はこの土器展開写真を「内田裕治式土器展開写真」と命名し敬意を払うことにします。
紹介者無しで突然連絡した私に貴重なノウハウを惜しみなく教えていただいた内田裕治先生に感謝申し上げます。

2 内田裕治式土器展開写真の作成方法
私の場合は次のようなステップを踏みます。
・展示土器の周回多視点撮影
・3Dモデルの作成(3DF Zephyr Lite)
・3Dモデルの撮影(3DF Zephyr Lite 土器をオルソグラフィック投影して、画面内で回転させ画像取得する)
・撮影画像の切り取り等調整(Photoshop)
・展開写真の構成(Photoshop)

3 内田裕治式土器展開写真の試作

試作対象土器(加曽利貝塚博物館企画展展示 加曽利EⅢ式深鉢(佐倉市内田端山越遺跡))

展示土器の周回多視点撮影状況

3Dモデル オルソグラフィック投影 正面 の画像

撮影画像の切り取り状況

作成した内田裕治式土器展開写真

4 感想
3Dモデルを使って立体物としての土器器形や模様の詳細観察を行い、その結果を内田裕治式土器展開写真に表現するという学習システムの構築が実現し、土器学習の加速が可能となりました。
内田裕治式土器展開写真作成に習熟し、時短を実現したいと思います。

5 参考

加曽利EⅢ式深鉢(佐倉市内田端山越遺跡)企3 観察記録3Dモデル
この深鉢には浅い注ぎ口があります。

1 件のコメント:

  1. 縄文文明の残り香2024年10月9日 20:52

     ≪…土器模様…≫が、「数の発明」の眺望から、大和言葉の【ひ・ふ・み・よ・い・む・な・や・こ・と】の[言葉の量化](セマンティックス)と[数の言葉の量化](シンタックス)の架け橋として読み解けるとオモシロそうだ・・・ 

    返信削除