私の散歩論

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2021年12月24日金曜日

真珠干渉色に輝く大形アワビ(千葉市大膳野南貝塚)を3Dモデルで観察する

 Observe a large abalone (Chiba City Daizenno Minami Shell Mound) that shines in pearl interference color with a 3D model


We observed a large abalone (Daizenno Minami Shell Mound, Chiba City) that emits strong green and pink pearl interference colors with a 3D model.

Imagine that it was used for rituals in the late Jomon period as a shining shell knife.


照明に当たって、グリーンとピンクの強い真珠干渉色を発する大形アワビ(千葉市大膳野南貝塚)を3Dモデルで観察しました。

1 アワビ(千葉市大膳野南貝塚) 観察記録3Dモデル abalone

アワビ(千葉市大膳野南貝塚) 観察記録3Dモデル abalone

縄文時代後期

殻長17.8㎝、殻幅14.0㎝、殻高5.4㎝、マダカアワビ

撮影場所:千葉市立郷土博物館「千葉市出土考古資料優品展」

撮影月日:2021.12.22


展示の様子1


展示の様子2


展示の様子3

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.010 processing 121 images

Abalone (Chiba City Daizenno Minami Shell Mound) Observation record 3D model

Late Jomon period

Shell length 17.8 cm, shell width 14.0 cm, shell height 5.4 cm, Giant abalone(Haliotis (Nordotis) madaka (Habe,1979))

Location: Chiba City Folk Museum "Exhibition of excellent archaeological materials excavated from Chiba City"

Shooting date: 2021.12.22

Shooting through a glass showcase

Generated with 3D model photogrammetry software 3DF Zephyr v6.010 processing 121 images


3Dモデルの動画

2 メモ

2-1 展示説明

「殻長17.8㎝、殻幅14.0㎝、殻高5.4㎝の大きなマダカアワビの全面を丁寧に磨き上げた製品である。

内面に太陽光やライトを当てると虹色に照り返し、光を反射する特殊な道具として用いられた可能性が高い。2.1m×1.1m、深さ0.3mの貝灰がつまった屋外炉の端に近い場所に内面を上にして埋められていた。

縄文貝塚出土のアワビはみな小片であり、貴重な完存例である。」

2-2 大膳野南貝塚発掘調査報告書における出土状況の記載

アワビ製貝刃として記載されています。


1号屋外漆喰炉のアワビ製貝刃出土状況

大膳野南貝塚発掘調査報告書から引用


1号屋外漆喰炉のアワビ製貝刃

大膳野南貝塚発掘調査報告書から引用

・貝刃という利器として観察すると、刃部が長期にわたる使用で磨耗してしまい、あまり用を成さない状態に至ったもののように見えます。貝殻形状も本来の形とくらべかなり小さくすり減っています。(後日、本来の大きさ復元を試みたいと思います。)

2-3 検討

大膳野南貝塚に集落が形成されていた縄文時代後期の村田川河口部はすでに干潟化がすすみ、深い水深に生息するマダカアワビは生息していなかったと考えられます。この製品は東京湾口方面から交易で入手した殻であると推察します。光る大きな包丁として特別な調理で使われた一種の祭具であり、漁労活動を象徴する宝物として扱われていたのだと想像します。屋外漆喰炉を閉じる時、このアワビを埋納したのかもしれません。

3 グリーンとピンクの強い真珠干渉色の3Dモデル化

本アワビ製品内面のグリーンとピンクの強い真珠干渉色がフォトグラメトリー3Dモデルでどのように表現されるのか、その結果を残すことができました。真珠干渉色そのものを表現することはできませんが、「真珠干渉色もどき」としては事前の想定よりもよく表現できたと思います。

3Dモデルで、真珠干渉色を表現できる技術があるかどうかリサーチして、出来るものならば、本製品の真珠干渉色を3Dモデルで表現したいものです。

4 アワビの切手

考古学切手収集にまぎれて、いつの間にかアワビ切手が手元にありました。


ベトナム切手 アワビ

5 マダカアワビ学名

学名 Haliotis (Nordotis) madaka (Habe,1979)

マダカ(眼高…眼は貝殻の孔で、これが煙突状に高いため。)が学名に含まれています。この種の分布は日本と朝鮮付近に限定されています。


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