私の散歩論

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2021年12月29日水曜日

アワビが象嵌された耳飾の3Dモデルによる観察

 Observation with a 3D model of clay earring inlaid with abalone


I observed a 3D model of clay earring (Tsukinoki shell mound, Chiba city), which is the oldest abalone inlay product in Japan, exhibited at the Chiba City Folk Museum "Chiba City Excavated Excellent Archaeological Material Exhibition". It has been excavated from a mid-Jomon residence. From the middle of the Jomon period, the abalone pearl interference color has fascinated people.


千葉市立郷土博物館「千葉市出土考古資料優品展」で展示されている、日本最古のアワビ象嵌製品である土製耳飾(千葉市月ノ木貝塚)を3Dモデルで観察しました。

1 アワビが象嵌された耳飾(千葉市月ノ木貝塚) 観察記録3Dモデル Clay earring with abalone inlaid

アワビが象嵌された耳飾(千葉市月ノ木貝塚) 観察記録3Dモデル Clay earring with abalone inlaid

糸巻形土製耳飾、日本最古のアワビ象嵌製品

高さ1.8㎝、直径2.9㎝、アワビ円板直径1.4㎝(中央小孔直径4.5㎜)

撮影場所:千葉市立郷土博物館「千葉市出土考古資料優品展」

撮影月日:2021.12.22


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.010 processing 78 images

Clay earring with abalone inlaid (Tsukinoki shell mound, Chiba city) Observation record 3D model

Spool-shaped clay earring, Japan's oldest abalone inlay product

Height 1.8 cm, diameter 2.9 cm, abalone disk diameter 1.4 cm (central small hole diameter 4.5 mm)

Location: Chiba City Folk Museum "Chiba City Excellent Archaeological Material Exhibition"

Shooting date: 2021.12.22

Shooting through a glass showcase

Generated with 3D model photogrammetry software 3DF Zephyr v6.010 processing 78 images


3Dモデルの動画

2 メモ

2-1 時期

資料(「千葉市史 原始古代中世編」1974、千葉市発行)を読む加曽利E式期住居から出土しています。この土製耳飾は縄文中期の製品になります。

2-2 展示における説明


展示説明

展示パネル

「赤く彩色した土製の耳飾に、アワビの真珠光沢を嵌め込んだ優品。縄文人の美意識が垣間見える。」

2-3 感想

ア アワビ真珠干渉色は明瞭に観察できません。つくられたときから時間が経過して退色してしまったのかもしれません。

イ  矢野憲一著「鮑」掲載写真をみると、耳飾の反対側にもアワビが象嵌されています。

ウ 中期耳飾は後晩期耳飾のように大形化していないようなので、この耳飾は小青年用ではなく成人用だったと想像します。中期では素朴な耳飾が多い中で、このアワビ象嵌耳飾は特別豪華な製品であり、リーダーが着装していたものと想像します。

エ アワビ真珠干渉色の美しさは中期から縄文人を魅了していて、それが素地となり、後期には「アワビ信仰」が生まれ「マダカアワビ貝刃」や「アワビ形土製品」がつくられたと考えます。


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