私の散歩論

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2022年2月19日土曜日

加曽利博縄文研究講座聴講

 Attendance at the Jomon Research Course sponsored by the Kasori Shellmound Museum


"Reiwa 3rd Jomon Period Study Course 6th" Kasori E IV Pottery and Its Descendants-About the End of Kasori E Ceremony in Chiba City- "(Lecturer: Yuki Tate) held on February 19, 2022  was attended. This course is limited to 30 people and was drawn in December to prevent corona infection.


2022.02.19「令和3年度縄文時代研究講座第6回「加曽利EⅣ式土器とその末裔たち-千葉市内の加曽利E式の終末について-」(講師:館祐樹(千葉市立加曽利貝塚博物館))を聴講しました。コロナ感染防止のため12月に抽選が行われた30名限定の講座です。


講演の様子


講演の様子

1 研究講座の内容

研究講座の内容は次の3点です。

ア 今年度の加曽利E式展について

イ 加曽利EⅤ式とは

ウ 千葉市内の加曽利EⅢ式~称名寺式

2 今年度の加曽利E式展について

加曽利貝塚博物館では平成30年度から今年度(令和3年度)まで4回にわたる連続企画展として「あれもEこれもE-加曽利E式土器-」を開催しています。

今年度企画展はコロナ禍の影響で当初予定(内房編)を変更して、「千葉市編2」と銘打って加曽利E式土器の終末に関連した土器を展示しています。

講座では最初にこの展示の様子について説明がありました。


令和3年度あれもE…企画展展示の様子

令和3年度縄文時代研究講座第6回館祐樹先生資料から引用

この連続企画展のうち過去のものは全て足繁く通い、多数の展示土器を3Dモデルにして、縄文土器学習を深めてきています。しかし今年度企画展にはコロナ禍と諸般の事情によりまだ観覧できていません。近々是非とも観覧したいと思います。

3 加曽利EⅤ式とは

加曽利E式土器は通常Ⅰ~Ⅳ(あるいは1~4)に区分されて理解されています。しかし、加曽利E式土器の終末頃、中津川式土器の影響を受けた称名寺式土器が生まれると称名寺式土器と併行して加曽利EⅤ式とよばれる土器が存在したことの詳しい説明が館先生からありました。加曽利E式土器は縄文中期最後の土器型式で称名寺式土器が縄文後期最初の土器型式であることから、加曽利EⅤ式土器の存在は興味深いことになります。


加曽利EⅤ式土器と関連型式との関係図
令和3年度縄文時代研究講座第6回館祐樹先生資料から引用

4 千葉市内の加曽利EⅢ式~称名寺式

加曽利EⅢ式から称名寺式までの土器変遷について、判りやすい土器写真を多様しながら詳しく説明がありました。この講座のメインコンテンツです。これまで気が付かなかった特徴の説明が多数あり、自分は縄文土器学習に対する興味を強く刺激されました。

一例としてあげれば、加曽利EⅠ式~Ⅲ式によく見られる口縁部文様帯と胴部文様帯の縄文施文方向の違いが、加曽利EⅣでは口縁部文様帯が存在しないにもかかわらず口縁部付近と胴部で縄文施文方向の違いが存在することの説明がありました。加曽利E式土器デザインの仕方が後の時代にも影響を残していることの説明です。


地文の方向

令和3年度縄文時代研究講座第6回館祐樹先生資料から引用

この事例以外にも加曽利EⅢ式から加曽利EⅣ式へ、加曽利EⅣ式から加曽利EⅤ式・称名寺式へと受け継がれ、あるいは変化するデザイン要素の詳しいかつ判りやすい説明がありました。

5 感想

コロナ禍のため肝心の企画展示をまだ観覧していません。機会をみつけてぜひとも観覧し、興味のある土器の3Dモデルをつくり、3Dモデルによる観察学習を深めることにします。学習は本日講座説明を咀嚼するかたちで進めることにします。

縄文土器学習のスタートは加曽利博平成30年度企画展「あれもE・・・」からでした。その頃は今から思うと聞く説明に対して「ちんぷんかんぷん」感が生まれ、それがひどかったものです。しかし、今日の講座説明を聞いて、だいたい理解できているような感じを持ちました。せっかくここまで到達できたのですから、縄文学習をさらに進めることによって、学習の醍醐味をもっと味わい、楽しみを深められるようにしたいものです。

今回の講座はコロナ感染防止という観点から抽選で限定30名出席でした。自分はたまたま抽選で選ばれたのでラッキーでした。しかし、千葉市民が支払った税金によって運営されている文化行政としては、誠にもったいないイベント開催です。選ばれし30名だけに貴重な情報を提供して満足されるのではなく、zoom等を使って興味のある市民全員に貴重な情報を届けるべきものだと思います。コロナがあろうとなかろうと、zoom等を使った講演会開催の方が情報発信効果が高いと思います。市民としてもいちいち肉体を会場に運ぶより、自宅で聴講できる方がうれしい場合が多いです。

6 千葉市内出土考古資料優品展の関連展示

今回の縄文時代研究講座は千葉市生涯学習センターで開催されましたが、センターロビーで千葉市内出土考古資料優品展の関連展示が開催されていました。こちらの展示も興味深いものばかりです。


千葉市内出土考古資料優品展の関連展示


千葉市内出土考古資料優品展の関連展示


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