私の散歩論

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2024年9月7日土曜日

有吉北貝塚北斜面貝層 イヌ骨分布

 Distribution of dog bones in the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita shell mound


A distribution map of dog bones excavated from the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita shell mound has been created. They are distributed in two separate locations, which are assumed to be ritual sites based on the distribution of other remains. The dogs are thought to have been buried.


有吉北貝塚北斜面貝層から出土したイヌ骨分布図を作成しました。2箇所に分かれて分布していて、それらの場所は他の遺物分布から儀礼の場であると想定される場所です。イヌは埋葬されたものと考えます。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 イヌ骨分布

有吉北貝塚北斜面貝層 イヌ骨分布

データ:体高測定用イヌ骨出土グリッド(体高測定用イヌ骨データ(発掘調査報告書)から作成)

3DF Zephyr v7.531でアップロード


3Dモデルの画像

2 イヌ骨データ

イヌ骨は発掘調査報告書によると同定資料数183、最小個体数10となっている。

イヌ骨のうち出土グリッドの把握は体高測定用イヌ骨データ(発掘調査報告書)から可能であり、それがイヌ骨分布である。

遺物台帳を検索すると、330グリッドからイヌ骨94、324グリッドからイヌ骨1出土が確認できる。このグリッドはイヌ骨分布に含まれている。

3 イヌ骨分布の特徴

ガリー谷上流部と下流部の2箇所に分かれて分布しているように観察できます。この2箇所は他の遺物が集中的に出土する場所であり、儀礼的利用が行われていたと想定される場所です。イヌは全て埋葬されたものと考えます。

4 イヌ埋葬

330グリッドのイヌ骨はイヌ埋葬として発掘調査報告書で記述されています。


埋葬犬 発掘調査報告書から引用


イヌ埋葬地点(Ⅲ-30グリッド)

以前、この埋葬イヌの出土層位、イヌ埋葬頃の地形推測、出土土器について検討しています。その時の検討ではイヌ埋葬は加曽利EⅠ式土器の時期であると想定しました。


埋葬犬出土層位


犬を埋葬した頃の地形推測


第10断面のK層上面付近から加曽利EⅠ式土器が出土している様子。

2023.07.26記事「有吉北貝塚北斜面貝層 犬埋葬

現在、遺物台帳電子化、遺物分布図電子化、セクション図電子化により3D遺物データベースを作成中です。それが完成すると、出土遺物と出土土器型式の対応分析から、イヌ埋葬分析のような検討が精緻にできるようになります。


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