私の散歩論

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2024年10月6日日曜日

ブハラ

 Bukhara


I enjoyed the Bukhara edition of "Travels in Uzbekistan" (serialized article in the magazine "Geography") by Keiji Nakaie et al., and took notes on my impressions. The charm and highlights of the "holy city of Bukhara" are discussed to the fullest from a traveler's perspective. The Bukhara madrasah has paintings of human faces that are rare in Islam.


中家惠二ほか「ウズベキスタン紀行」(雑誌「地理」連載記事)のブハラ編を楽しみ、感想をメモしました。「聖なるブハラ」の魅力、見どころが旅行者の視点から思う存分に語られています。ブハラの神学校にはイスラムには珍しい人面画が描かれています。

以下、次の連載記事の感想です。

第6回「ブハラ イスラムの聖地」(雑誌「地理」2024.4)

1 ブハラ街めぐり

この連載では必ず訪問した都市の地理・歴史が最初に詳しく書かれています。旅行に興味のある人には大変参考になる情報です。ブハラについても、その地理・歴史が最初に理解できるようになっていて、親切です。

ブハラの街めぐりはチョル・ミナル(4本のミナレット)、イスマイール・サーマーニ廟、ボラハウズ・モスク(クルミの柱が特徴)、アルク城(内部は小博物館)、カラーンモスク・ミナレット(死の塔)、タキ(交差点バザール)、ナディール・ディワンベギ・メドレセ(神学校)などについて詳しく見学記が書かれています。読んでいると街を楽しんでいるような気持になり、文章に引き込まれてしまいます。

2 タブーの人面


ナディール・ディワンベギ・メドレセ

雑誌「地理」2024.4から引用

ナディール・ディワンベギ・メドレセのイーワーン(内部ドーム型開放空間建築物)上部中央に1つの人面画が不死鳥とともに描かれています。人面は太陽の顔として描かれています。


ナディール・ディワンベギ・メドレセのイーワーンに描かれた人面画(2016年荒木撮影、調整)

同様の人面画がサマルカンドのレギスタン広場にあるシェルドル・メドレセのイーワーン上部にも2つ描かれています。人面は太陽の顔として描かれ、ライオンも描かれています。


サマルカンドのレギスタン広場のシェルドル・メドレセのイーワーン(2016年荒木撮影)


シェルドル・メドレセのイーワーンの人面画(2016年荒木撮影、調整)

太陽とライオンはチムールの紋章であることから、チムール後継の当時のブハラ・サマルカンド支配者がこれらの紋章(人面と動物)を描かせたことがわかります。偶像崇拝を否定するイスラム教義に反して、自分の顔をイスラム神学校のイーワーンに描かせ、自分の権力を誇示しています。

私のブハラ訪問時のガイドさんからは、次のような苦しい言い訳が説明されていました。

「人面画は太陽の顔であり、人の顔ではない。太陽の顔という存在しない抽象物だから偶像ではない。

ブハラのイーワーンには不死鳥が描かれていて、これも空想上の抽象動物であり、偶像に値しない。

サマルカンドのイーワーンにはライオンが描かれているといっても、よく見るとトラのような模様をしていて、正確にはライオンではない。抽象動物である。

つまり、宗教上からみると、全部抽象物を描いていて、偶像崇拝の対象となるようなものは描いていない。」


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