花見川流域の小崖地形 その66 (5mメッシュDEM図を読む 5)
2013.11.28記事「4つの真性レーキから判ること」の訂正と各部名称を書きます。
1 訂正
2013.11.28記事で「何れのレーキもA線の方向とB軸の方向は直角に交わる→B軸が最大傾斜の方向形成に関わる」という仮説を「A線B軸直交仮説」として書きました。
この仮説は間違っていることが判りましたので、廃棄します。
この「A線B軸直交仮説」の間違いは次の通りです。
1-1 事実認定の間違い
柏井レーキはA線とB軸が直交していません。
柏井レーキのA線とB軸
柏井付近の拡大図
1-2 B軸が最大傾斜の方向形成に関わっているという考えの間違い
次のような真性レーキ形成の仮説を既に説明しています。
真性レーキ形成の仮説
つまり真性レーキの平行河川(A線)はB軸が形成される前からあると考えているのです。
ですから、「A線の方向とB軸の方向は直角に交わるから、B軸が最大傾斜の方向形成に関わる(つまり平行河川が生まれるような斜面が生まれる)」と考えることは、自分自身論理的に間違っていました。
勝田高津レーキでA線とB軸がほぼ直交である理由は興味を持ちますので、あらためてその説明を検討する必要があります。
「A線B軸直交仮説」を廃棄した旨追記 して、2013.11.28記事を訂正しました。
まだ記事にしていない、自分にとっては新鮮で興味深い幾つかの情報に接している中で、それに魅了されるあまり、思考の本筋がぶれてしまいました。
2 真性レーキの各部名称
真性レーキの各部名称を次のように設定して、記述しやすくします。
真性レーキの各部名称
私の散歩論
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2013年11月30日土曜日
2013年11月28日木曜日
4つの真性レーキから判ること
花見川流域の小崖地形 その65 (5mメッシュDEM図を読む 4)
5つ発見した真性レーキのうち、4つの真性レーキについて検討します。
次の図は4つの真性レーキ付近の地形段彩図です。
地形段彩図
谷津の分布をわかりやすくするための段彩区分であり、色使いに特別の意味(高低を景色風に見せるなど)を持たせた段彩図ではありません。
この地形段彩図に4つの真性レーキの水系パターンを書き込むと次のようになります。
4つの真性レーキの水系パターン
4つの真性レーキを形成した地殻変動の軸線とその変動の形式を書き込むと次のようになります。
4つの真性レーキの軸線と地殻変動形式
勝田高津レーキは活向斜軸が存在していて、それにより真性レーキが形成されたものと考えます。
柏井レーキは活断層(柏井断層)により形成されたものと考えます。
柏井レーキは花見川河川争奪[河道逆行争奪]により、真性レーキ形成後東京湾水系に組み込まれたという特異な地史をもつ真性レーキです。
和良比レーキと吉岡レーキは地溝に起因して形成された真性レーキであると考えます。
地溝に関する検討は別途の記事で行う予定です。
4つの真性レーキの軸線の方向はそれぞれ異なっていることが判ります。
特に勝田高津レーキと柏井レーキの軸線が異なることは地形段彩図から明白です。
この差異は、地殻変動の形式・規模・時代の違いを表現しているものと考えます。
この差異に関する情報から地史に関する貴重な情報が得られそうです。
以下の打消し文記述は廃棄します。2013.11.30記事「続 4つの真性レーキから判ること(訂正と各部名称)」参照
次に平行河川と軸線との関係について、一つの仮説を考えてみました。
軸線に直角に交わる線分を平行河川付近に書き込んでみました。
平行河川付近に軸線直交線分を書き込んだ図
私は、平行河川が軸線直交線分であると、仮説しました。
この仮説を次の図で説明しました。
A線B軸直交仮説
B軸形成の地殻変動がその南西~南南西の位置にある土地の最大傾斜方向を決めているという仮説です。
つまり、B軸形成の地殻変動が下総上位面(下末吉面)の離水そのものに関わっているという仮説です。
平行河川は離水直後に形成された原始谷津起源であると考えているから、このように仮説します。
勝田高津レーキの両端の水系が活向斜軸に直角になっていないのは、活向斜軸の両端部でその運動が弱体化していることを(活向斜軸が終焉していることを)表現しているものと考えます。
柏井レーキは勝田高津レーキの入れ子になっていますが、その入れ子セット自体も次の記事で述べる印旛レーキの中の入れ子になっています。
つまり、3次元の真性レーキの入れ子があります。真性レーキの入れ子現象から何が判るか、次の記事で検討します。
つづく
5つ発見した真性レーキのうち、4つの真性レーキについて検討します。
次の図は4つの真性レーキ付近の地形段彩図です。
地形段彩図
谷津の分布をわかりやすくするための段彩区分であり、色使いに特別の意味(高低を景色風に見せるなど)を持たせた段彩図ではありません。
この地形段彩図に4つの真性レーキの水系パターンを書き込むと次のようになります。
4つの真性レーキの水系パターン
4つの真性レーキを形成した地殻変動の軸線とその変動の形式を書き込むと次のようになります。
4つの真性レーキの軸線と地殻変動形式
勝田高津レーキは活向斜軸が存在していて、それにより真性レーキが形成されたものと考えます。
柏井レーキは活断層(柏井断層)により形成されたものと考えます。
柏井レーキは花見川河川争奪[河道逆行争奪]により、真性レーキ形成後東京湾水系に組み込まれたという特異な地史をもつ真性レーキです。
和良比レーキと吉岡レーキは地溝に起因して形成された真性レーキであると考えます。
地溝に関する検討は別途の記事で行う予定です。
4つの真性レーキの軸線の方向はそれぞれ異なっていることが判ります。
特に勝田高津レーキと柏井レーキの軸線が異なることは地形段彩図から明白です。
この差異は、地殻変動の形式・規模・時代の違いを表現しているものと考えます。
この差異に関する情報から地史に関する貴重な情報が得られそうです。
以下の打消し文記述は廃棄します。2013.11.30記事「続 4つの真性レーキから判ること(訂正と各部名称)」参照
柏井レーキは勝田高津レーキの入れ子になっていますが、その入れ子セット自体も次の記事で述べる印旛レーキの中の入れ子になっています。
つまり、3次元の真性レーキの入れ子があります。真性レーキの入れ子現象から何が判るか、次の記事で検討します。
つづく
2013年11月27日水曜日
真性レーキと擬似レーキ
花見川流域の小崖地形 その64 (5mメッシュDEM図を読む 3)
1 レーキ状水系パターンに関する言葉の定義
レーキ状水系パターンの分布をしらべ、その素性をざっと検討すると、断層や褶曲など地殻変動によって形成された水系パターンだけでなく、普通の樹枝状水系パターンがたまたまレーキ状に見えるようになったものも含まれることがわかりました。
そこで、言葉づかいを混乱させないために、このブログでは次のような定義をして、検討をさらに進めていきたいと思います。
レーキ状水系パターン、真性レーキ、擬似レーキの定義
「レーキ状水系パターン」はレーキ(農作業用熊手)を連想させる全ての水系パターンの呼び名として使います。
「真性レーキ」は幾つかの平行水系が存在していて、それにほぼ直交する断層や褶曲等の地殻変動あり、それに起因して平行水系がレーキ状に合流して形成された水系パターンの呼び名として使います。
「擬似レーキ」は、真性レーキ以外の要因により形成されたレーキ状水系パターンの呼び名として使います。
なお、真性レーキには固有名称を付け、記述しやすくします。
2 真性レーキと擬似レーキの分布
真性レーキと擬似レーキの分布を示すと次のようになります。
真性レーキと擬似レーキの分布
基図は地形段彩図
真性レーキ1~5にそれぞれ、勝田高津レーキ(河川名による)、柏井レーキ、和良比レーキ、吉岡レーキ、印旛レーキ(以上地名による)の固有名称を付けました。
参考として、位置関係が判る様に一般地図を基図とした分布図を示します。
真性レーキと擬似レーキの分布
基図は一般地図(地図太郎PLUS附録50万分の1地図)
個々の真性レーキと擬似レーキの説明等は次以降の記事で行います。
つづく
2013年11月26日火曜日
レーキ状水系パターンの分布
花見川流域の小崖地形 その63 (5mメッシュDEM図を読む 2)
そこで述べた形成仮説(断層や褶曲等の地殻運動による形成)によるレーキ状水系パターンを探してみました。
まず、最初にパターン形状だけからレーキ状をなす水系を探してみました。
レーキ状水系パターン
12のレーキ状水系パターンを抽出することができました。
この時点で私が強く興味を持ったことは、下総台地西部隆起帯だけでなく、下総台地東部隆起帯にもレーキ状水系パターンが見られることです。レーキ状水系パターンの形成という視点から2つの隆起帯の活動について対比できるかもしれないと考えました。
次に、これらのパターンのうち、地形段彩図及び他の手持ちの情報から断層や褶曲等の地殻運動により形成されたことが確実と考えられるパターンを抽出してみました。
断層や褶曲等により形成されたことが確実と考えられるパターン
結果として下総台地西部隆起帯にかかわる1~5が抽出されました。
下総台地東部隆起帯にかかわる6と7は断層や褶曲等により形成されたことが確実であるとは判断できませんでした。少なくとも1~5に現れるようなはっきりした変位地形が観察できません。
この結果から、下総台地西部隆起帯をつくった地殻運動の様相と下総台地東部隆起帯をつくった地殻運動の様相が、だいぶ異なるような印象を持ち始めています。
参考までに50万分の1地質図(活構造図)を掲載します。
50万分の1地質図(活構造図)では、下総台地西部隆起帯、下総台地東部隆起帯はともに活背斜軸が書き込まれています。しかし、それより詳細レベルの構造は書き込まれていません。従って、レーキ状水系パターンに表現されるような(レーキ状水系パターンから判明するような)活構造はこの資料からは判りません。
50万分の1地質図(活構造図)東京第2版
地質図Naviによる
凡例等注記を書き込み
次の記事で個々のレーキ状水系パターンについて検討します。
つづく
2013年11月25日月曜日
レーキ状水系パターン
花見川流域の小崖地形 その62 (5mメッシュDEM図を読む 1)
千葉県北部地域を対象に航測レーザ測量による5mメッシュDEMにより地形段彩図を作成し、褶曲変位地形がどのようになっているのか、その概略を知り、問題意識を深めいたいと思います。
地形段彩図の1例
偶然生まれた段彩区分であるが、どのような標高レベルでも水系パターンを詳細に観察できる。
次のような事象を観察して、記事にしていきたいと思っています。(事象リストは確定したものではありません。また順不同です。)
●レーキ状水系パターン(活向斜軸が存在か)
●ミニ地溝のような地形(活地溝が存在か)
●弧状の小崖地形(活断層が存在か)
●オタマジャクシ状の台地凹地(局地的沈降部か)
●下総台地東部隆起帯における東北東方向を示す特徴的水系パターン
●下総台地西部隆起帯と下総台地東部隆起帯の合部付近の地形
●下総下位面の分布
この記事ではレーキ状水系パターンについて検討を始めます。
1 レーキ状水系パターンという仮称の設定
花見川流域の印旛沼水系がなす水系パターンは大変特徴のある形状をしており、私は庭で使うレーキの先っぽを想起しました。そこで、このブログではこの水系パターンをレーキ状水系パターンと仮称することにします。
(以前千葉県立中央博物館地学研究科の方々にお話しをおうかがいしたところ、花見川流域にあるような水系パターンに名前が付けられていることはないとお伺いしました。)
花見川流域の水系網
レーキ状水系パターンのイメージ
2 レーキ状水系パターンの形成仮説
レーキ状水系パターンの形成仮説を次のように考えます。
ア 下総上位面(下末吉面)が離水してすぐに、下総上位面(下末吉面)の最大傾斜方向に原始谷津が平行して刻まれる。
最初の原始谷津
イ 原始谷津の流向と直角に近い角度で縦ずれ断層(実は横ずれ量の方がはるかに大きい断層)や向斜軸・背斜軸等が発達して(※)、原始谷津の多くが断層崖や向斜軸・背斜軸等に阻まれ、それらの軸線に沿って流れるようになる。しかし、断層崖や向斜軸・背斜軸等を乗越えて流下する河川も生まれ(※※)、先行河川として生き残る。これによりレーキ状水系パターンの原形が生まれる。
原始谷津を堰き止める地殻運動の発生
先行河川の発生によるレーキ状水系パターン原形の完成
ウ レーキ状水系パターンがその後の地形発達の中でも、保守維持され、はるかに深い谷形状に修飾され、現在に至る。
※原始谷津の流向と直角に近い角度で縦ずれ断層や向斜軸等が発達することから、下総上位面(下末吉面)の離水そのものに、後に断層線や向斜軸・背斜軸等の地殻運動を引き起こす地殻運動(つまり下総台地西部隆起帯と下総台地東部隆起帯をつくる運動)がすでにかかわっていたと考えることができます。(この記述は間違っています。2013.11.30記事「続 4つの真性レーキから判ること(訂正と各部名称)」参照)
※※断層線や向斜軸・背斜軸等に沿って細長い湖沼が一時的に生まれ、その後そこからの溢水により先行河川が生まれることが多かったのではないかと想像しています。
このように考えると、レーキ状水系パターンは下総上位面離水直後の水系網の状況と地殻運動を記録した貴重な意義のある地形であるということができます。
つづく
レーキ状水系パターンの主な分布、考察等は次の記事で行います。
千葉県北部地域を対象に航測レーザ測量による5mメッシュDEMにより地形段彩図を作成し、褶曲変位地形がどのようになっているのか、その概略を知り、問題意識を深めいたいと思います。
偶然生まれた段彩区分であるが、どのような標高レベルでも水系パターンを詳細に観察できる。
次のような事象を観察して、記事にしていきたいと思っています。(事象リストは確定したものではありません。また順不同です。)
●レーキ状水系パターン(活向斜軸が存在か)
●ミニ地溝のような地形(活地溝が存在か)
●弧状の小崖地形(活断層が存在か)
●オタマジャクシ状の台地凹地(局地的沈降部か)
●下総台地東部隆起帯における東北東方向を示す特徴的水系パターン
●下総台地西部隆起帯と下総台地東部隆起帯の合部付近の地形
●下総下位面の分布
この記事ではレーキ状水系パターンについて検討を始めます。
1 レーキ状水系パターンという仮称の設定
花見川流域の印旛沼水系がなす水系パターンは大変特徴のある形状をしており、私は庭で使うレーキの先っぽを想起しました。そこで、このブログではこの水系パターンをレーキ状水系パターンと仮称することにします。
(以前千葉県立中央博物館地学研究科の方々にお話しをおうかがいしたところ、花見川流域にあるような水系パターンに名前が付けられていることはないとお伺いしました。)
花見川流域の水系網
レーキ状水系パターンのイメージ
2 レーキ状水系パターンの形成仮説
レーキ状水系パターンの形成仮説を次のように考えます。
ア 下総上位面(下末吉面)が離水してすぐに、下総上位面(下末吉面)の最大傾斜方向に原始谷津が平行して刻まれる。
最初の原始谷津
イ 原始谷津の流向と直角に近い角度で縦ずれ断層(実は横ずれ量の方がはるかに大きい断層)や向斜軸・背斜軸等が発達して(※)、原始谷津の多くが断層崖や向斜軸・背斜軸等に阻まれ、それらの軸線に沿って流れるようになる。しかし、断層崖や向斜軸・背斜軸等を乗越えて流下する河川も生まれ(※※)、先行河川として生き残る。これによりレーキ状水系パターンの原形が生まれる。
原始谷津を堰き止める地殻運動の発生
先行河川の発生によるレーキ状水系パターン原形の完成
ウ レーキ状水系パターンがその後の地形発達の中でも、保守維持され、はるかに深い谷形状に修飾され、現在に至る。
※
※※断層線や向斜軸・背斜軸等に沿って細長い湖沼が一時的に生まれ、その後そこからの溢水により先行河川が生まれることが多かったのではないかと想像しています。
このように考えると、レーキ状水系パターンは下総上位面離水直後の水系網の状況と地殻運動を記録した貴重な意義のある地形であるということができます。
つづく
レーキ状水系パターンの主な分布、考察等は次の記事で行います。
2013年11月24日日曜日
地形段彩図技術
花見川流域の小崖地形 その61
花見川流域の小崖地形(断層地形)を検討するなかで、地形を褶曲変位地形として捉えることが必要であり、活褶曲は2つのプレートが沈み込む運動によって引き起こされていることがわかりました。
2つのプレートが沈み込む運動によって生じた活褶曲の姿を知るためには、花見川流域とその周辺だけの検討では不十分であり、千葉県北部一帯に視野を拡げる必要を感じました。
そこで、千葉県北部の2万5千分の1地形図24面分の範囲を対象に5mメッシュDEMデータを入手し、GIS上で使えるようにし、広域的な観点から活褶曲の概要を検討することにします。
このシリーズ記事では、もともと柏井小崖(柏井断層)のC地区の検討をしているところで、それを中断している状況になっています。
しかし、広域的な視点から褶曲変位地形について検討しておき、その検討で得られた知識・情報に基づいて再び柏井断層C地区の検討に戻りたいと思います。
活褶曲の検討を行うにあたり、5mメッシュDEMデータを使った地形段彩図を有効活用したいと思っていますので、まず地形段彩図技術について検討します。
次の図はGISソフト(地図太郎PLUS)で初期設定されている色区分に基づく地形段彩図です。参考に花見川流域とこれまでの5メッシュ利用範囲を記入しておきました。
地図太郎PLUSで初期設定されている色区分に基づく地形段彩図
花見川流域と5メッシュのこれまで(2013.11.19まで)の利用範囲を記入
地図太郎PLUSで初期設定されている色区分
地形の高低や水系網の状況などわかりやすくバランスのとれた地形段彩図となっていて、全体の概況を知る上では有効です。
しかし、次のような知りたい事柄(目的)があるので、そうした目的によりあった地形段彩図をいくつか試作してみます。
活褶曲について知りたい事柄
1 活褶曲軸等(活背斜軸、活向斜軸、活断層)の分布
2 活褶曲軸等と水系網発達の関係
3 下総台地西部隆起帯と下総台地東部隆起帯の関係(合部の状況)
地形段彩図 試作1
地形段彩図 試作1の色区分
花見川流域付近の下総上位面の褶曲変位を浮き彫りにするために標高24mから30mまで1m刻みとし、30mから52mまでは2m刻みとしたものです。
下総台地西部隆起帯付近(フィリピン海プレートによる応力場)の検討に有効活用できると思います。
地形段彩図 試作2
地形段彩図 試作2の色区分
標高5mから95mまで5m刻みでつくったものです。
下総台地東部隆起帯付近(太平洋プレートによる応力場?)の検討に有効活用できると思います。
地形段彩図 試作3
地形段彩図 試作3の色区分
作業している時図らずも偶然にできたものです。サイケデリックな模様になっていますが、それだけに水系網の状況がよくわかります。
標高の区分と色との関係を合理的、計画的に思考して地形段彩図をつくることだけが、目的にあった図をつくる方法でないことが判りました。
地形段彩図 試作4
地形段彩図 試作4の色区分
色を多用しないで、色のグラデーションを利用したものです。色数を減らし色のグラデーションを利用すると、詳細な情報が視覚的に欠落してしまい、有用な資料にはならないことが判りました。
地形段彩図 試作5
地形段彩図 試作5の色区分
5m刻みで白色を挿入したものです。等高線的表示になり、接峰面図等のように抽象化した地形の表情が判るかもしれないと目論んで作成しました。しかし、そうした効果はあまりないようです。
この他にも多種の地形段彩図を作成してみました。
結論として、試作1、2、3などを検討内容に応じてその都度使い分けることがよいと考えました。
また、「地形段彩図の色区分」(段彩設定ファイル)のライブラリーをつくって、情報を蓄積しておくことが大切であることにも気がつきました。
2013年11月23日土曜日
マウスパッド
マウスパッドを取り換えたという些細すぎる出来事ですが、私にとって久しぶりの大感動なので、記事にします。
いつの間にかパソコンの前にへばりつく時間が増え、マウス操作が思ったようにできない不快感を感じるたびに、その感情が生れないようにいろいろと工夫をしてきています。
その一つの工夫として、マウスパッドに関して、普通の市販マウスパッドより、自家特製マウスパッドの調子がよいので最近数か月はそれを使ってきました。
自家特製マウスパッド
ガソリンスタンドでもらったモノクロ印刷チラシを段ボールに貼り付けたもの
マウスはロジクール製
写真に撮るとみすぼらしい限りですが、これまで使った普通の市販マウスパッドより操作は快適で、100%にはなりませんが、密かに満足していました。
先日たまたま秋葉原のヨドバシカメラの店内を歩いている時、突然、マウスパッドのことが頭をよぎり、おそらく夢遊病者の如き足取りでマウスパッドコーナーに行きました。
そして、目に飛び込んだもののなかで一番高機能っぽい商品であったエレコム製「滑るマウスパッド」A4サイズをさしたる思考なしで、1480円で購入しました。
エレコム製「滑るマウスパッド」MP-119SV
「驚異の表面滑性」「滑るつ!マウスパッド」「表面シートの特殊エンボス加工」などとうたっている。
「驚異の表面滑性」「滑るつ!マウスパッド」「表面シートの特殊エンボス加工」などとうたっている。
実際に使ってみると、私にとってこれまで体験したことがない快適なマウス操作ができます。マウスがよく滑り、かつしっかりと読み取るので、3枚のディスプレーがつくる空間内のカーソル移動と操作がとてもスムーズで確実です。
1480円という値段でこのような快適環境が得られるとは思ってもいませんでした。
もっとはやく気がついていれば…と後悔すらします。
翌朝布団の中で目が覚めた時、パソコンの前に坐って早くマウスを動かしたいという感情が強く生じました。
こんな感情は最近味わったことがありません。
1枚のマウスパッドで、このような感情が生まれたことに自分自身でも驚きます。
それほど手と脳が体験した感覚がうれしいことであったと気がつきました。
2013年11月22日金曜日
参考 5mメッシュDEMの重複読み取りについて
花見川流域の小崖地形 その60
2013.11.20記事「5mメッシュの広域利用開始」で述べたように、千葉県北部の約2320km2の範囲について、航空レーザ測量による5mメッシュDEM(基盤地図情報(数値標高モデル))をダウンロードして利用することにしました。しかし、情報をGISに投影してみると、一部情報が整備されていない地域が見つかりました。
その情報未整備部分については写真測量による5mメッシュDEMにより代用するしかありません。しかし、そうすると、どうしても航空レーザ測量による5mメッシュDEMと写真測量による5mメッシュDEMが重複してしまう部分が生じてしまいます。
その5mメッシュDEMの重複読み取りがGIS利用上どのようになっているのか、詳しく見てみました。
1 GISソフトの機能を使った地形断面図作成
次に、GISソフト(地図太郎PLUS)の機能を使って、航空レーザ測量による5mメッシュDEMの表示と地形断面、写真測量による5mメッシュDEMの表示と地形断面、2種の5mメッシュDEM重複読み取りの表示と地形断面を示します。
航空レーザ測量による5mメッシュDEMの表示と地形断面
写真測量による5mメッシュDEMの表示と地形断面
2種の5mメッシュDEM重複読み取りの表示と地形断面
この結果から、次の事柄が判りました。
ア 航空レーザ測量による5mメッシュDEMのみ読み込んだ場合の地形断面図の素データは航空レーザ測量による5mメッシュDEMによる。
イ 写真測量による5mメッシュDEMのみ読み込んだ場合の地形断面図の素データは写真測量による5mメッシュDEMによる。
ウ 2種の5mメッシュDEMの重複読み込みの場合の地形断面図の素データは、航空レーザ測量による5mメッシュDEMによる。
ア 航空レーザ測量による5mメッシュDEMのみ読み込んだ場合の地形断面図の素データは航空レーザ測量による5mメッシュDEMによる。
イ 写真測量による5mメッシュDEMのみ読み込んだ場合の地形断面図の素データは写真測量による5mメッシュDEMによる。
ウ 2種の5mメッシュDEMの重複読み込みの場合の地形断面図の素データは、航空レーザ測量による5mメッシュDEMによる。
アとイは当然ですが、ウがなぜそうなるのか、理由は今後調べたいと思います。
GISソフト(地図太郎PLUS)の地形断面図作成機能の仕様上のなんらかの要件で、重複データがある場合、一方を採り、重複表示を避けているものと思います。
GISソフト(地図太郎PLUS)の地形断面図作成機能の仕様上のなんらかの要件で、重複データがある場合、一方を採り、重複表示を避けているものと思います。
(航空レーザ測量による5mメッシュDEMのファイル名にはAが付き、写真測量による5mメッシュDEMのファイル名にはBがつくので、そのAとBの違いが関係しているのかもしれません。)
結果として、重複読み取り部分において、GISソフトの地形断面作成機能が、航空レーザ測量による5mメッシュDEMを優先していることはありがたいことです。
写真測量による5mメッシュDEMは、私が利用して致命的欠陥を有すると感じたことがあり、できるだけ使わないで済ませたいものです。2012.9.30記事「参考 2種の数値地図5mメッシュ(標高)による土木遺構認識の違い」
写真測量による5mメッシュDEMは、私が利用して致命的欠陥を有すると感じたことがあり、できるだけ使わないで済ませたいものです。2012.9.30記事「参考 2種の数値地図5mメッシュ(標高)による土木遺構認識の違い」
次の画像は、GISソフト(地図太郎プラス)に異なる5mメッシュDEMを読み込んで、地形段彩図を作ったときの画像比較図です。
異なる5mメッシュDEMで作成した地形段彩図の比較
上 航空レーザ測量による5mメッシュDEMのみ
中 写真測量による5mメッシュDEMのみ
下 航空レーザ測量による5mメッシュDEMと写真測量による5mメッシュDEMの重複
この比較図からわかるように下(2種の5mメッシュDEMの重複)は上と中の画像の重複となっています。そのために色が濃くなったり、模様が複雑になっています。
つまり、地形段彩図という平面表示では、2種の5mメッシュDEMの重複はそのまま表現されています。
地形断面図では重複表示されないのに、地形段彩図では重複表示されるということが判りました。
鬱陶しい画像になってしまいます。
しかし、重複データ(写真測量による5mメッシュ)を特定してそれを排除する作業を行うまでは、当面は我慢せざるをえません。
とりあえずはこのような利用上の特殊性を引きずりながら5mメッシュを活用することにします。
注 DEM: Digital Elevation Model
……………………………………………………………………
参考情報 国土地理院webサイトで入手できる基盤地図情報(数値標高モデル)の説明資料(5mメッシュDEM部分の抜粋)
上 航空レーザ測量による5mメッシュDEMのみ
中 写真測量による5mメッシュDEMのみ
下 航空レーザ測量による5mメッシュDEMと写真測量による5mメッシュDEMの重複
この比較図からわかるように下(2種の5mメッシュDEMの重複)は上と中の画像の重複となっています。そのために色が濃くなったり、模様が複雑になっています。
つまり、地形段彩図という平面表示では、2種の5mメッシュDEMの重複はそのまま表現されています。
地形断面図では重複表示されないのに、地形段彩図では重複表示されるということが判りました。
鬱陶しい画像になってしまいます。
しかし、重複データ(写真測量による5mメッシュ)を特定してそれを排除する作業を行うまでは、当面は我慢せざるをえません。
とりあえずはこのような利用上の特殊性を引きずりながら5mメッシュを活用することにします。
注 DEM: Digital Elevation Model
……………………………………………………………………
参考情報 国土地理院webサイトで入手できる基盤地図情報(数値標高モデル)の説明資料(5mメッシュDEM部分の抜粋)
2013年11月21日木曜日
秋の花見川風景
晴天と乾燥した空気で、秋の花見川風景写真が鮮やかに撮れます。
サイクリングロード沿いの草刈が2日前に行われて、ぼさぼさの髪の毛が刈られた後のようなさっぱり感のある風景で、いつもとは別の新鮮さがありました。
秋の花見川風景 1
2013.11.20撮影
秋の花見川風景 2
2013.11.20撮影
2013年11月20日水曜日
5mメッシュの広域利用開始
花見川流域の小崖地形 その59
1 2万5千分の1地形図24面分の5mメッシュダウンロード等
作業フォルダーを作成したり、情報のダウンロード・解凍・GIS取り込み方法を確認したりなどの下準備に2時間程かけて、その後実際のダウンロード等を行い、結局合計6時間ほどで2万5千分の1地形図24面分の情報をGIS上で使えるようにしました。
今回5mメッシュを入手した範囲
情報入手上の問題点として、航空レーザ測量による5mメッシュ情報が欠けている地域があり、そこについては写真測量による5mメッシュにより補完する必要があることです。
航空レーザ測量による5mメッシュの表示
白抜きの部分は航空レーザ測量による5mメッシュが整備されていない。
国土地理院に問い合わせたところ、航空レーザ測量によるデータが整備されていない部分に対応する(それを穴埋めする)写真測量によるデータは作成していないとのことでした。
従って、付近の写真測量によるデータをいわば適当にあてはめることになり、重複部分が生じます。重複部分のないシームレスの情報作成は時間がかかりそうなので、当座はあきらめました。(2000以上あるxmlファイルの中から該当部分を見つけ出し、そのファイル内容を書き直せばシームレスの情報作成も可能だと思います。現実には後日の課題にしました。)
今回入手した5mメッシュの表示
色の濃くなっている部分は情報が重複表示されている。
ただ、情報が重複表示されている(ように見える)部分があるのですが、GIS上で地形断面図を作成するなどの操作をしても不都合がありません。なぜ不都合が生じないのか今は不明です。どのような不都合があるのか、無いのか、今後検討していきます。
なお、面積は2320km2、情報量はxmlファイルが2330、メッシュ数は約9280万になります。
作業時間のほとんどはファイルの解凍とその結果を所定のフォルダーにコピーするために要した時間でした。
パソコンのメモリー(16ギガ搭載)不足により、GISソフトが情報を動かせないかもしれないという心配は、杞憂にすぎませんでした。パソコンの動作状況から、メモリーの余裕はまだまだ沢山あると感じました。今後必要に応じて周辺地域の5mメッシュをさらに取り込みたいと思います。
2 地域検討の有力ツールとして活用したい
次の段彩図はこれまで使ってきた区分によるものです。
これまで使ってきた区分による地形段彩図
これまでは情報の範囲が花見川流域周辺に限られていたので、「その続き」がどうなっているのか、正確に知ることが出来なかったのですが、これからは、「その続き」が明明白白になりました。
この地形段彩図を一見しただけでも、いろいろな興味深い事象が目に飛び込んできます。
詳しくは今後記事にします。
また、この地形段彩図の区分は標高34m以上は区分していないので、標高34m以上を区分すると、下総台地西部隆起帯の詳しい情報を得ることが出来ると思います。それによって、下総台地東部隆起帯との関係を浮き彫りにできると思います。
5mメッシュを地域検討の有力ツールとして活用したいと思います。