私の散歩論

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2023年9月30日土曜日

有吉北貝塚北斜面貝層の学習計画 発掘原票に基づくデータベース作成と分析

 Learning plan for the north slope shell layer of Ariyoshi Kita Shell Mound

Database creation and analysis based on excavation records


I have finished copying and organizing all of the excavation records for the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound, and I am finally starting to create the artifact database. The final goal is to obtain and organize detailed data and 3D coordinates of 63,000 artifacts and visualize the structure of the northern slope shell layer.


有吉北貝塚北斜面貝層の発掘原票全部の複写と整理が終わり、いよいよ遺物データベース作成に取り掛かります。63000遺物の詳細データと3D座標を取得整理して、北斜面貝層の構造を見える化することが最終目標です。

参考 2023.09.24記事「発掘原票複写資料の整理

1 遺物データベース作成の手順と最終成果のイメージ

1-1 遺物台帳(原票)データベース作成

遺物台帳データベースのメイン項目

・メッシュ番号

・遺物番号

・名称(遺物種別)

・状況(出土層位等)

・標高値(z座標値)

関連項目(メッシュ番号にリレーションさせる項目)

・メッシュ番号のBlender位置情報

・メッシュ番号収録遺物台帳の編冊番号


遺物台帳ページ例

1-2 遺物分布図(原票)データベース作成

遺物分布図データベースのメイン項目

・メッシュ番号

・遺物番号

・メッシュ内におけるx座標値(メッシュ内における計測読み取り値)

・メッシュ内におけるy座標値(メッシュ内における計測読み取り値)

・Blender空間におけるx座標値(Blender空間原点に対応したx座標値)

・Blender空間におけるy座標値(Blender空間原点に対応したy座標値)

関連項目

・遺物番号掲載遺物分布図番号(座標読み取りした図面番号)


遺物分布図例

1-3 原票による素遺物データベース作成

1と2のデータベースをメッシュ番号、遺物番号でリレーションさせて次の項目のデータベースを作成する。

メイン項目

・メッシュ番号

・遺物番号

・名称(遺物種別)

・状況(出土層位等)

・Blender空間におけるx座標値

・Blender空間におけるy座標値

・Blender空間におけるz座標値

1-4 発掘調査報告書掲載の遺物種別リストの電子化

発掘調査報告書には石器、石斧、土器片錘、貝刃、装飾品、イノシシ頭骨、散乱人骨、磨貝等についてメッシュ番号、遺物番号、名称・諸元を含むリストが掲載されています。この遺物種別リストを電子化します。


発掘調査報告書掲載磨製石斧リスト例

1-5 土器現物閲覧による土器破片データベース作成

発掘調査報告書に掲載されている北斜面貝層出土全土器の現物を閲覧して、全土器の全破片のメッシュ番号・遺物番号を調査して、次の項目を含む土器破片データベースを作成します。

・土器番号

・メッシュ番号

・遺物番号

・土器種別(2022年における新分類)


294土器の破片別メッシュ番号・遺物番号調査例

1-6 遺物総合データベース作成

3のデータベースに4と5の情報をメッシュ番号・遺物番号でリレーションして、遺物総合データベースを作成します。

遺物総合データベースの主な項目

・メッシュ番号

・遺物番号

・遺物種別

・遺物種別毎の諸元(遺物種別毎に異なる複数諸元項目が設定される)

・出土層位

・Blender空間におけるx座標値

・Blender空間におけるy座標値

・Blender空間におけるz座標値

2 貝層3D精細資料作成

セクション図、貝層分布図、地山分布図(いずれも発掘原票)から貝層に関する精細な3D資料を作成します。

3 北斜面貝層の遺物・貝層の分析と表現

1と2から北斜面貝層の遺物・貝層に関する分析を総合的の行い、貝層発達史と貝層利用史について検討します。分析結果を判りやすい3D資料で表現して、北斜面貝層を見える化します。


有吉北貝塚北斜面貝層の学習計画

4 メモ

4-1 学習活動の時間イメージ

1の遺物データベース作成に18ヵ月、2の貝層3D精細資料作成に6ヵ月かかるイメージを持っています。1と2は同時並行的に進める予定ですから、本格分析できる状況になるまでに2ヵ年の作業時間を消費することになります。分析と表現に12ヵ月掛けることにすると、この学習は今後3ヵ年のプロジェクトになります。

4-2 予察的分析

分析活動の主眼は3Dモデル分析になります。しかし、メッシュ別分析(平面分析)も資料が整う中で順次可能になります。そこで、3Dモデル分析を行う方向を探るために、メッシュ別分析を随時実施することにします。

4-3 遺物・貝層の見える化技術開発

63000遺物や貝層モデルを3D空間にプロットすると、全体が塊になり、その内部構造を見ることは困難です。内部構造を見える化するための技術(特徴抽出表現、情報要約表現、断面連続表現、・・・)を入手し、開発することに注力することにします。


2023年9月29日金曜日

Sketchfabにおける棒グラフの結像不全改善と視認性向上

 Improving image formation and improving visibility of bar graphs in Sketchfab


I am posting a bar graph on Sketchfab, but I was having trouble with poor imaging and poor visibility. But I finally found a way to improve it.


Sketchfabに棒グラフを投稿していますが、結像が不全となり、また視認性が不良で困っていました。しかしやっとその改善策にたどり着きました。

1 Sketchfabにおける棒グラフの結像不全改善と視認性向上

棒グラフをSketchfabに投稿すると、オブジェクト(棒)が接する面の結像が崩れてしまいます。また赤一色では立体的視認性がありません。しかし、このような不都合は元作業ソフトであるBlenderと3DF Zephyr Liteではありません。Sketchfab特有の現象です。

Sketchfabサイト(英語)で解決策を探ったのですが、英語力が追いつかないためか、解決に至りませんでした。そこで試行錯誤的に解決を探り、次のような結果に至りました。


Sketchfabにおける棒グラフの結像不全改善と視認性向上

棒グラフの底辺の大きさをメッシュと同じ2m×2mではなく、1.8m×1.8mに変更しました。これによりオブジェクト(棒)の接触面が無くなりました。その結果Sketchfabにおける結像不全が無くなりました。Blenderとか3DF Zephyr Liteでは起こらない障害がなぜSketchfabにあるのか、理解できていませんが、とにかく実務的には問題解決です。

オブジェクトの色を赤一色にしていてもBlenderとか3DF Zephyr Liteでは立体的視認性が得られます。しかし、Sketchfabでは得られません。そこで赤に文様を混ぜてみました。文様を濃くするとSketchfabでも立体的視認性が得られました。

2 メモ

棒グラフはBlenderでBlenderPythonスクリプトを使って作成しています。BlenderPythonスクリプトの軽微な変更で棒の底辺の大きさを変えることができました。

赤色に文様を混ぜる作業はPhotoshopで行いました。文様の形状を工夫すれば、より立体的視認性が強まる可能性があります。

3 参考 有吉北貝塚北斜面貝層 土器破片数メッシュ別分布棒グラフ

有吉北貝塚北斜面貝層 土器破片数メッシュ別分布棒グラフ

土器破片の総数は660

発掘調査報告書掲載グラフから作成

DF Zephyr v7.021でアップロード

有吉北貝塚北斜面貝層 土器破片数メッシュ別分布棒グラフ動画


2023年9月28日木曜日

ツタンカーメン考古学切手

 Tutankhamun archaeological stamp


I enjoyed looking at the archaeological stamps featuring historical photographs related to the discovery of King Tutankhamun's tomb. This stamp commemorates the 100th anniversary of Howard Carter's discovery in 1922.


ツタンカーメン王墓発見に関連する歴史的写真を図案にした考古学切手を眺めて楽しみました。1922年にハワード・カーターによる発見100周年記念切手です。

1 ハワード・カーターによるツタンカーメン王墓発見100周年記念切手(2022年、イギリス)


Objects in the antechamber


Examining the innermost coffin


Moving small shrine to laboratory


Head of the outermost coffin


小型シート

2 メモ

昨晩(2023.09.27)NHKBS番組「英雄たちの選択スペシャル ツタンカーメン 秘宝に隠された真実」(1時間半)が再放送されました。この番組を最初に見た時(2022.05.04)、それをネタにブログ記事を書いたことがあります。

TV番組「英雄たちの選択スペシャル ツタンカーメン 秘宝に隠された真実」の学習開始

など数編。

その当時ツタンカーメン王墓発見100周年に関連する切手を多数紹介したことがあります。

考古学切手収集を楽しむ

しかし、発見・発掘に関連する歴史的写真を図案にしたこの切手シートはまだ紹介していなかったことに気が付き、BS番組に刺激されて、この記事を書いた次第です。

3 参考 過去にブログで紹介したツタンカーメン王墓発見100周年切手の一部


黄金のマスク、ペンダント

イギリス 2022年発行 ツタンカーメン王墓発見100周年


玉座のライオン像、玉座のツタンカーメン王

イギリス 2022年発行 ツタンカーメン王墓発見100周年


ツタンカーメン王、扇

イギリス 2022年発行 ツタンカーメン王墓発見100周年


ボートモデル、番兵

イギリス 2022年発行 ツタンカーメン王墓発見100周年




2023年9月27日水曜日

有吉北貝塚北斜面貝層 土器破片数と遺物総数の平面分布比較

 Northern slope shell layer of Ariyoshi Kita Shell Mound

Comparison of the planar distribution of the number of pottery fragments and the total number of artifacts


The planar distribution of the total number of pottery fragments and the total number of artifacts was expressed and compared in a bar graph, and their characteristics were predicted and observed. It is clearly seen that the principle of distribution of pottery fragments and the principle of distribution of the total number of artifacts are different. This can be said to be new knowledge about the Ariyoshi Kita Shell Mound.


土器破片総数と遺物総数の平面分布を棒グラフで表現・比較して、その特性を予察観察しました。土器破片分布原理と遺物総数分布原理が異なっていることが明瞭に判ります。有吉北貝塚に関する新知見誕生の可能性を感じます。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 土器破片数と遺物総数の平面分布比較3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層 土器破片数と遺物総数の平面分布比較3Dモデル

左…土器破片数メッシュ別分布棒グラフ(土器破片の総数は660)(発掘調査報告書掲載グラフから作成)

右…遺物総数メッシュ別分布棒グラフ(遺物総数は63930)(遺物台帳から集計)


有吉北貝塚北斜面貝層 土器破片数と遺物総数の平面分布比較3Dモデル画像


有吉北貝塚北斜面貝層 土器破片数と遺物総数の平面分布比較3Dモデル動画

2 メモ

平面分布(2m×2mメッシュ別分布)で見ると土器破片数はガリー谷頭部直下付近に分布のピークが存在します。一方、遺物総数はガリー谷の下流域に分布のピークがあります。その場所は斜面貝層になっているところです。土器破片数分布原理と遺物総数分布原理が異なることは明白です。有吉北貝塚に関する新知見誕生の可能性を感じます。

発掘調査報告書掲載グラフから得られた土器破片数は実際の出土土器破片数よりはるかに少数であると考えられます。しかし、土器破片が土器塚のように集中的に出土する分布特性は発掘調査報告書掲載グラフに表現されていると考えます。

遺物総数には土器破片、石鏃、打製石斧、磨製石斧、土器片錘、ハマグリ貝刃、装飾品(貝製品、骨角歯牙製品)、イノシシ頭骨、散乱人骨、アリソガイ・ハマグリ製磨貝などが含まれます。


2023年9月25日月曜日

遺物台帳からメッシュ別遺物数データ(オリジナル)を取得する

 Obtain the number of relics by mesh data (original) from the relic ledger


I obtained data on the number of relics by mesh from the relic ledger of the shell layer on the north slope of Ariyoshi Kita Shell Mound. The acquisition of original data to deepen my understanding of the excavation report has finally begun. At a glance, the distribution of pottery and the distribution of the number of relics are different, and my interest deepens anew.


有吉北貝塚北斜面貝層の遺物台帳からメッシュ別遺物数データを取得しました。発掘調査報告書理解を深めるためのオリジナルデータ取得がいよいよ始まりました。一瞥して、土器分布と遺物数分布の山が異なり、興味が新たに深まります。

1 メッシュ別遺物数棒グラフ3Dモデル(予察検討のための資料)

メッシュ別遺物数棒グラフ3Dモデル(予察検討のための資料)

この3Dは次の資料から構成されています。

1 メッシュ別遺物数棒グラフ(最小1、最大2704)

2 メッシュ図(貝層分布図)

3 北斜面貝層の地山地形と付近の地形

1、2、3は平面位置は正確ですが、高さ関係は任意です。


メッシュ別遺物数棒グラフ3Dモデル(予察検討のための資料)画像1


メッシュ別遺物数棒グラフ3Dモデル(予察検討のための資料)画像2


メッシュ別遺物数棒グラフ3Dモデル(予察検討のための資料)画像3


メッシュ別遺物数棒グラフ3Dモデル(予察検討のための資料)動画

2 メモ

2-1 メッシュ別遺物数順位グラフ


メッシュ別遺物数順位グラフ

メッシュ(2m×2m)別にみると、遺物数は最大2704、最小1、平均457、メッシュ数140となります。遺物総数は63930です。なお、ここで言う遺物数とは正確には遺物番号数です。完形土器が押しつぶされてバラバラになって一カ所から出土する場合、その遺物番号は1つになります。また遺物番号を個々に与えるだけの価値のない土器小片などはメッシュ単位で適宜集めて「一括」や「清掃」として1つの遺物番号が与えられます。

2-2 メッシュ別遺物数分布の特性

メッシュ別遺物数棒グラフ3Dモデル(予察検討のための資料)から一瞥して、発掘調査報告書掲載土器破片分布と遺物数分布はその山が異なります。土器投棄と全遺物の投棄原理が異なる、つまり土器投棄と土器以外遺物投棄の投棄原理が異なる可能性が予感できて、きわめて興味深い情報です。今後どのようにその分析をするか、じっくり検討していくことにします。


土器分布の山とは異なる遺物分布の山

2023年9月24日日曜日

発掘原票複写資料の整理

 Organizing the excavation record copies


The basic arrangement of the copies of excavation records related to the north slope shell layer of the Ariyoshi Kita Shell Mound has been completed. So, I made a note of the situation. I am impressed that by using Python with support from ChatGPT, I was able to complete a week's work in one day.


有吉北貝塚北斜面貝層発掘原票の複写資料の基礎整理が一段落しましたので、その様子をメモしました。ChatGPT支援によるPython利用により、1週間作業が1日作業で終わったことに感動しています。

1 図面と遺物台帳の複写

千葉県教育委員会の許可を得て有吉北貝塚北斜面貝層の次の資料を複写しました。

図面(遺物分布図、セクション図、貝層分布図、地山地形図等、A2判)450枚は、全てについて書画カメラ(A2)で撮影するとともに、計測資料として利用予定の図面321枚はA3スキャナーでスキャンしました。

遺物台帳14冊(4600ページ、A4判)は全てをA4見開き2ページ単位にて書画カメラで撮影しました。


図面と遺物台帳の複写

2 図面の解像調整

図面は現場で薄鉛筆細線で描かれ、かつ紙質が経年劣化していてスキャン画像をそのまま利用することが困難であるため、書画カメラ画像、スキャナー画像ともにレベル補正とハイパスフィルター補正をPhotoshopマクロバッチ機能で一括調整しました。

遺物台帳はペン書きで文字も大きく、画像調整は不必要でした。


Photoshopによる図面の解像調整

3 図面の種別整理

図面を種別フォルダーをつくり、それぞれ収納しました。

4 メッシュ別フォルダーによる整理

遺物分布図と遺物台帳について、メッシュ別フォルダーに関連ファイルを整理しました。これにより発掘調査報告書掲載全遺物(土器を除く)の3D座標計測が効率的に出来るようになりました。

発掘調査報告書掲載全遺物(土器を除く)にはメッシュ番号と遺物番号が記載されています。この情報により、遺物分布図からx座標、y座標(平面位置)を、遺物台帳からz座標(標高)を知ることが可能です。


メッシュ別フォルダーによる遺物分布図の整理


メッシュ別フォルダーによる遺物台帳の整理

なお、土器は現物閲覧により破片別に記載されているメッシュ番号と遺物番号を調べ、その情報から破片の3D座標を知る活動を今後展開する予定です。

5 技術メモ

遺物分布図と遺物台帳のメッシュ別フォルダー整理作業は当初1週間程度の作業時間を予定しました。しかし、Pythonを使えば面倒臭い作業を効率的に処理出来る可能性に気が付き、ChatGPTの支援を受けて次のPythonスクリプトを利用して、結果として1日で作業を終えることができました。

5-1 ファイル名称変更のPythonスクリプト


ファイル名称変更のPythonスクリプト


ファイル名称変更の効果

5-2 メッシュ別フォルダー作成と関連画像をそこに収納するPythonスクリプト


メッシュ別フォルダー作成と関連画像をそこに収納するPythonスクリプト


フォルダー名称と収納ファイル名の指示テキスト

6 感想

ChatGPT支援Pythonスクリプトの絶大な作業時間短縮効果に大感動です。まるで未来世界に足を踏み入れたような感覚を覚えます。ChatGPT支援によるPythonやBlenderPython活用をさらに進め、さらにChatGPTに限定しないで、多様な生成AIを活用して縄文学習をより深く楽しむことにします。


2023年9月22日金曜日

ロゼッタ・ストーン発見200年記念切手

 Stamp commemorating the 200th anniversary of the discovery of the Rosetta Stone


I received a stamp commemorating the 200th anniversary of the discovery of the Rosetta Stone (Egypt), so I enjoyed looking at it carefully. I remembered the scene 10 years ago when I caught a glimpse of the actual object in the crowded British Museum.


ロゼッタ・ストーン発見200年記念切手(エジプト)が手元に来ましたので、じっくり眺めて楽しみました。10年前に、大英博物館の混雑の中で現物を垣間見た場面を思い出しました。

1 ロゼッタ・ストーン発見200年記念切手(エジプト)


ロゼッタ・ストーン発見200年記念切手(エジプト)

半年ほど前、切手商に注文したところ売り切れとなり、ようやく再入荷したものです。

2 大英博物館での現物観覧

30年程前に大英博物館でロゼッタ・ストーン現物を見ていますが、その時の写真は見つかりません。10年程前に大混雑の中で、人込みの隙間から現物を見ました。


人込みの隙間から見たロゼッタ・ストーン


人込みの隙間から見たロゼッタ・ストーン(拡大)

3 ChatGPTにロゼッタ・ストーンの考古学的意義を聞く

ChatGPTにロゼッタ・ストーンの考古学的意義を聞いたところ、次のような回答を得ました。

●ロゼッタストーンの考古学的意義について教えてください。

…………………

ロゼッタ・ストーンは、考古学的に非常に重要な発見の一つです。この石は、1799年にエジプトで発見され、古代エジプトのヒエログリフ文字を解読する鍵となりました。以下に、ロゼッタ・ストーンの考古学的意義について詳しく説明します。

1 ヒエログリフ解読の鍵:

ロゼッタ・ストーンには、同じテキストが3つの異なる言語で記されています。ギリシャ語、デモティック(古代エジプト語の一種)、そしてヒエログリフ(神聖文字)です。この多言語の碑文が同じ内容を伝えていることから、ヒエログリフの解読に重要な手がかりとなりました。フランスの学者ジャン=フランソワ・シャンポリオンが、ロゼッタ・ストーンを元にしてヒエログリフを解読し、古代エジプト文化の理解に大きな貢献をしました。

2 古代エジプトの歴史と文化の復元:

ヒエログリフの解読により、古代エジプトの歴史、宗教、文化、社会構造などについて深い洞察が得られるようになりました。ロゼッタ・ストーンに刻まれたテキストは、プトレマイオス朝時代(紀元前4世紀から紀元前1世紀)のものであり、この時代のエジプトに関する貴重な情報源となっています。

3 言語学的研究への影響:

ロゼッタ・ストーンの発見とヒエログリフの解読は、言語学や古代文字の研究において革命的な進歩をもたらしました。これは、異なる言語や文字系統を比較し、解読するための方法論を提供した重要な事例です。この手法は、他の未解読の古代文字や言語にも応用され、新たな知識の獲得に寄与しました。

4 考古学とエジプト学の進展:

ロゼッタ・ストーンの解読により、古代エジプトに関する研究が飛躍的に進展し、考古学やエジプト学の分野が豊かな成果を生み出しました。古代エジプトの遺跡や文化遺産の理解が深まり、多くの発見や研究プロジェクトが生まれました。

総括すると、ロゼッタ・ストーンは古代エジプトに関する知識の大幅な増加と、言語学や考古学の分野における重要な発展に貢献した重要な考古学的な発見です。その解読は、文化や歴史の理解において不可欠な要素となりました。

…………………


2023年9月19日火曜日

加曽利EⅡ式深鉢形土器(千葉市有吉北貝塚) 観察記録3Dモデル(文様抽出バージョン)

 Kasori EII type deep bowl-shaped pottery (Ariyoshi Kita Shell Mound,Chiba City) Observation record 3D model (Pattern extraction version)


When making a pattern extraction version of this pottery, the polished drooping patterns make the bulge in the lower half of the body look more graceful. I imagine that this bulge is associated with fertility and proliferation (fruit ripening, pregnancy and childbirth, etc.) in animals, plants, and people.


この土器の文様抽出バージョンを作ってみると、磨消垂下文が胴部下半の膨らみをより優美な姿に見えるように演出しています。この膨らみは動植物や人における豊穣や増殖(結実成熟とか妊娠出産とか)に紐づけられていると想像します。

1 加曽利EⅡ式深鉢形土器(千葉市有吉北貝塚) 観察記録3Dモデル(文様抽出バージョン)

加曽利EⅡ式深鉢形土器(千葉市有吉北貝塚) 観察記録3Dモデル(文様抽出バージョン)

千葉県教育委員会所蔵

撮影:加曽利貝塚博物館夏休み企画展示「調べて発見!!わたしのまちの縄文時代」

撮影月日:2023.08.30


展示の様子


テクスチャ画像の操作

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v7.021で生成 processing 127 images


加曽利EⅡ式深鉢形土器(千葉市有吉北貝塚)観察記録3Dモデル(文様抽出バージョン)と本モデルのオルソ投影画像


加曽利EⅡ式深鉢形土器(千葉市有吉北貝塚)観察記録3Dモデル(文様抽出バージョン)動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


加曽利EⅡ式深鉢形土器(千葉市有吉北貝塚)観察記録3Dモデル(文様抽出バージョン)のGigaMesh Software Frameworkによる展開

3 メモ

3-1 磨消垂下文の器形演出効果

文様抽出バージョンを作ってみると、両側に沈線を伴う磨消垂下文が胴部下半の膨らみをより優美な姿に見えるように演出しているように感じます。

胴部下半の優美な膨らみは動植物や人における豊穣や増殖(結実成熟とか妊娠出産とか)に紐づけられた形状だと想像します。

3-2 人が理解できるテクスチャ画像への変換

フォトグラメトリにより作成した3Dモデルのテクスチャ画像は人が理解できない画像ですが、これを人が理解できる画像に変換する方法に慣れてきました。

3-3 テクスチャ画像の色塗り

人が理解できるテクスチャ画像の文様をPhotoshopを使って抽出する方法になれてきました。遅ればせながら、1本の界線の両側で色がピタリと変わるように見える色塗りが出来るようになりました。


2023年9月17日日曜日

称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡)観察記録3Dモデルの文様抽出バージョンと干渉色バージョン

 Pattern extraction version and interference color version of observation record 3D model of Shomyoji type deep pot-shaped pottery (Uchinodaiichi Site,Chiba City) 


I enjoyed creating a pattern extraction version and an interference color version of the observation record 3D model of Shomyoji type deep pot-shaped pottery (Uchinodaiichi Site,Chiba City).


称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡)観察記録3Dモデルの文様抽出バージョンと干渉色バージョンを作成して楽しみました。

1 称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡) 観察記録3Dモデル(文様抽出バージョン)

称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡) 観察記録3Dモデル(文様抽出バージョン)

千葉県教育委員会所蔵

文様を塗色(沈線→赤、縄文→緑)し、文様だけのテクスチャ画像による3Dモデル

撮影:加曽利貝塚博物館夏休み企画展示「調べて発見!!わたしのまちの縄文時代」

撮影月日:2023.08.30


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v7.021で生成 processing 101 images


称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡)観察記録3Dモデル(文様抽出バージョン)画像


称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡)観察記録3Dモデル(文様抽出バージョン)動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡) 観察記録3Dモデル(文様抽出バージョン)のGigaMesh Software Frameworkによる展開

3 称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡) 観察記録3Dモデル(干渉色バージョン)

称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡) 観察記録3Dモデル(干渉色バージョン)

千葉県教育委員会所蔵

3Dモデルテクスチャ画像を干渉色変換ツール(やまだこーじさん発明、地図アート研究所)で干渉色に変換

https://ymd5022002.github.io/map-art-jp/tools/index.html

撮影:加曽利貝塚博物館夏休み企画展示「調べて発見!!わたしのまちの縄文時代」

撮影月日:2023.08.30


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v7.021で生成 processing 101 images


称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡)観察記録3Dモデル(干渉色バージョン)画像


称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡)観察記録3Dモデル(干渉色バージョン)動画

4 GigaMesh Software Frameworkによる展開


称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡) 観察記録3Dモデル(干渉色バージョン)のGigaMesh Software Frameworkによる展開

5 メモ

・文様抽出バージョンや干渉色バージョンを作成する過程はまことに楽しい時間です。もっと多用なバージョンを作成して、3Dモデル作成を楽しみたいと思います。

・人が理解できる3Dモデルテクスチャ画像作成の一つのコツが判ってきました。土器の縁や底部以外で土器外面と内面がつながっている所がある場合、それを切断して置く必要に気が付きました。

・土器文様のトレースの効率化に意識が向き、そのテクニックに興味を持ちました。Photoshopの初歩的な使い方ですが、いままで「いつか、いつか・・・」とほっぽておいた学習課題です。

・干渉色変換ツールは大変有用なツールで、あらためてやまだこーじさんに感謝します。土器の外面がザラザラしているので、その様子が干渉色変換ツールに表現され、まるで点描画のようになっています。



2023年9月16日土曜日

称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡) 観察記録3Dモデル(塗色バージョン)

 Shomyoji type deep pot-shaped pottery (Uchinodaiichi Site,Chiba City) Observation record 3D model(Colored version)


I had fun painting the sinking lines of the 3D model of observation records of Shomyoji type deep pot-shaped pottery (Uchinodaiichi Site,Chiba City) in red and the Cord-mark impressions in green.


称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡)観察記録3Dモデルの沈線を赤、縄文を緑に塗色して楽しんでみました。

1 称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡) 観察記録3Dモデル(塗色バージョン)

称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡) 観察記録3Dモデル(塗色バージョン)

千葉県教育委員会所蔵

沈線→赤色、縄文→緑色に塗色

撮影:加曽利貝塚博物館夏休み企画展示「調べて発見!!わたしのまちの縄文時代」

撮影月日:2023.08.30


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v7.021で生成 processing 101 images


称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡)観察記録3Dモデル(塗色バージョン)画像


称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡)観察記録3Dモデル(塗色バージョン)動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡)観察記録3Dモデル(塗色バージョン)のGigaMesh Software Frameworkによる展開

3 メモ

塗色方法は次の通りです。

ア Wabefront(.obj)ファイルのテクスチャファイルを人が理解できるように作成する。

イ そのテクスチャファイルをPhotoshopで塗色する。


2023年9月14日木曜日

称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡) 観察記録3Dモデル

 Shomyoji type deep pot-shaped pottery (Uchinodaiichi Site,Chiba City) Observation record 3D model


This individual piece of Shomyoji type pottery is perfectly formed and has a typical vessel shape and pattern, as it was exhibited at past exhibitions of excellent products. This pottery is of great interest to me because it was excavated from a ruin in the Hanamigawa River Basin (Uchinodaiichi Site) near my home.


この土器個体は、過去優品展でも展示されたように、完形で称名寺式のひとつの典型的器形・文様をしています。自宅近くの花見川流域内遺跡(内野第一遺跡)から出土しているので、自分にとって着目度が強い土器です。

1 称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡) 観察記録3Dモデル

称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡) 観察記録3Dモデル

千葉県教育委員会所蔵

撮影:加曽利貝塚博物館夏休み企画展示「調べて発見!!わたしのまちの縄文時代」

撮影月日:2023.08.30


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v7.021で生成 processing 101 images


称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡)観察記録3Dモデル画像


称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡)観察記録3Dモデル動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


称名寺式深鉢形土器(千葉市内野第一遺跡)観察記録3DモデルのGigaMesh Software Frameworkによる展開

3 メモ

この土器個体は、過去優品展でも展示されたように、完形で称名寺式の典型的器形・文様をしています。自宅近くの花見川流域内遺跡(内野第一遺跡)から出土しているので、自分にとって着目度が強い土器です。


2023年9月12日火曜日

ガリー谷頭付近の型式別土器破片分布3Dモデル

 3D model of distribution of pottery fragments by type near the head of the gully


Pottery from each period after the early period has been excavated near the head of the gully in the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. Pottery dumping activities existed from the early period, indicating that gully erosion was weak at least from that period onwards.


有吉北貝塚北斜面貝層におけるガリー谷頭付近では前期土器以降の各時期土器が出土します。前期から土器投棄活動が存在し、少なくともその頃以降はガリー侵食が虚弱だったことがわかります。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 ガリー谷頭付近の型式別土器破片分布3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層 ガリー谷頭付近の型式別土器破片分布3Dモデル


凡例

貝層断面図2より上流域をここでのガリー谷頭付近とします


有吉北貝塚北斜面貝層 ガリー谷頭付近の型式別土器破片分布3Dモデル画像


有吉北貝塚北斜面貝層 ガリー谷頭付近の型式別土器破片分布3Dモデル動画


参考 有吉北貝塚北斜面貝層谷頭部付近土器破片分布

2 メモ


有吉北貝塚北斜面貝層 谷頭部破片数の割合(%) 表


有吉北貝塚北斜面貝層 谷頭部破片数の割合(%) グラフ

ガリー谷頭付近の型式別土器破片分布をみると、前期土器以降全ての土器型式が出土します。また前期土器と阿玉台式土器は出土全破片に対する割合が高くなっています。この情報から次の推測の合理性が高いと判断します。

・前期土器から加曽利EⅡ式新段階土器まで、谷頭部の上から谷底に向けて土器投げ入れによる廃用土器投棄活動が行われてきた。

・谷頭部の上から谷底に向けて投げ入れられた土器の破片の一定数は谷頭部急斜面に「引っかかって」その場に堆積して、下流に流れ出ることが少なかった。そのため、前期土器や阿玉台式土器では谷頭部の土器破片がだけが残存し、下流に流れ出た土器破片はより下流にはこばれたので、谷頭部出土の割合が大きくなった。

・前期土器以降の各時期の土器型式が谷頭部から出土することから、ガリー谷頭部がすでに強い侵食力にさらされていないことがわかります。少なくとも前期以降は、このガリー侵食谷における侵食営力ははなはだ虚弱であったと考えられます。このガリー侵食谷が発達した時期がいつの時代であるのか、興味学習の対象となります。(前期以降にガリー侵食が虚弱であった様子は、下流の貝層断面に侵食力を示す土砂層が全くと言っていいほどみられないことからも判ります。)

・ガリー侵食が台地集落に迫り、縄文人が危機意識、防災的意識から貝殻や土器を投棄したという想像の成立は難しい感じです。

・ガリー侵食により台地付近の竪穴住居が谷底に流れ込み、それにより竪穴住居に存在していた大量の遺物が貝層に流れ込んだという想像も成立は困難です。