私の散歩論

ページ

2024年5月9日木曜日

出土層位別の遺物3D分布 (事例)

 3D distribution of artifacts by excavated stratigraphy (example)


I created a 3D distribution document of artifacts by excavated stratigraphy using the II-27 grid (2m x 2m) of the shell layer on the north slope of Ariyoshi Kita Shell Mound as an example.

It is likely to be a material that shows that the density and type of artifacts differ depending on stratigraphy. Also, it seems possible to know the three-dimensional distribution of stratigraphic classification.


有吉北貝塚北斜面貝層のⅡ-27グリッド(2m×2m)を事例に出土層位別の遺物3D分布資料を作成しました。

層位によって遺物密度や遺物種類が異なることがわかる資料になりそうです。また、層位区分の立体的分布を知ることができそうです。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 Ⅱ-27グリッドの出土層位別遺物3D分布

有吉北貝塚北斜面貝層 Ⅱ-27グリッドの出土層位別遺物3D分布

白CUBE:A層(混貝土層 暗褐色)

赤CUBE:C層(混貝土層 暗黄褐色)

緑CUBE:D層

青CUBE:E層(混土貝層 黒褐色)

黄CUBE:E2層(混貝土層 暗赤褐色)

セクション図は千葉県教育委員会資料を調整して転載


3Dモデルの画像 1


3Dモデルの画像 2



3Dモデルの画像 3

3Dモデルの動画

2 メモ

この資料から、遺物は層位と明瞭に対応して分布していることが読み取れます。

遺物はA層、C層、E層、E2層から出土しています。上部からの崩落層(二次堆積層)に遺物が含まれていないことが確認できます。またF2層(混貝砂層)にも遺物は含まれていません。

この資料を分析すれば、層位によって遺物密度や遺物種類が異なることがわかることになりそうです。

これらのデータはこの付近の貝層発達史(貝層利用史)を考えるうえでとても重要であると考えます。貝層断面図と遺物平面分布図だけからでは決して判らい貴重なデータであると考えます。

同時に、層位別遺物分布情報は層位の3D分布図作成の重要な手がかりになると考えます。

3 参考 セクション図(3188)の記載

A層(混貝土層 暗褐色):Ⅱ-28・29のA層と同じ、最上位である。うすい堆積で急斜面に発達する。混貝率20%、キサゴ主体、小型ハマグリ少。

C層(混貝土層 暗黄褐色):混貝率30%、破砕率70%、ロームを主体とし、ロームブロック小塊多く混在、砂の混入もやや多。キサゴ主体、小型ハマグリ多、キサゴの完存率高い。この層は斜面の広範囲に堆積し、下方にいくに従い厚くなる。

D層(このセクション図には記載がない)

E層(混土貝層 黒褐色):混貝率90%、破砕率10%、キサゴ主体、小型ハマグリ、シオフキ、アサリ、シメタガイ微、腐植土の混入があり、黒味強い。部分的な堆積で部分的な層と考えられる。

E2層(混貝土層 暗赤褐色):混貝率30%、破砕率 %、キサゴ主体、小型ハマグリ、シオフキ、アサリ、ツメタガイ微、貝は部分的に混在するだけで、層状を呈していない。主としてチョコレート色の粘土を混入し、粘性に富む。ロームブロック少、Eとふくめてもよいかもしれないが、純貝層に近い部分のみE層として分層した。

F2層(混貝砂層 明褐色):砂を主体とする。チョコレート色粘土ブロック少、砂ブロック大塊20㎝前後を混在させる。混貝率5%、破砕率50%。貝は層状を呈さず、散発的に混在する。


0 件のコメント:

コメントを投稿