私の散歩論

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2024年7月17日水曜日

有吉北貝塚北斜面貝層 土器関連データ予備分析のまとめ

 Summary of preliminary analysis of pottery-related data for the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita shell mound


I summarized the preliminary analysis I conducted by extracting pottery-related data from the electronic artifact ledger file of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita shell mound, and identified the issues. Creating a 3D bar graph by grid of data is effective for understanding distribution characteristics. In the future, I will link the excavation report list to the data so that it can be combined and used.


有吉北貝塚北斜面貝層の遺物台帳電子化ファイルから土器関連データを抜き出して実施した予備分析をまとめ、課題を確認しました。データのグリッド別3D棒グラフ作成は分布特性把握に効果的です。今後発掘調査報告書リストをデータにリンクして、結合して利用できるようにします。

1 土器関連データ予備分析でしたこと、わかったこと

1-1 データのグリッド別3D棒グラフ作成方法の確認

土器関連データを使って、データをグリッド別3D棒グラフで表現する方法を確認して、いつでも迷うことなくできるようになりました。

2024.07.11記事「有吉北貝塚北斜面貝層 土器・土製品出土数のグリッド別分布 3D棒グラフ

生データ(遺物台帳データ)から次のステップを踏んでグリッド別3D棒グラフを作成します。

1 グリッド別件数データ作成(Pythonスクリプト利用)

2 グリッド座標追加(Pythonスクリプト利用)

3 データ調整(標準化)

4 csvファイル出力

5 Blenderでグリッド別3D棒グラフ造形(BlenderPythonスクリプト利用)

なお、異なる指標のグリッド別3D棒グラフを比較しやすくするために、グラフ表現の標準化について検討しました。

2024.07.15記事「技術メモ 有吉北貝塚北斜面貝層 3D棒グラフ表現の標準化

1-2 グリッド別分布比較の有用性確認

土器と土錘のグリッド別3D棒グラフを比較したところ、2つの分布特性が異なり、興味深い結果を得ることができました。

2024.07.12記事「有吉北貝塚北斜面貝層 土器と土錘の分布特性の違い

土器と土錘の投棄原理が異なる可能性が濃厚です。土器以外のアイテムも含めて、分布を検討することにより儀礼活動積み重ねの状況を知る突破口を開けるかもしれません。


有吉北貝塚北斜面貝層 土器と土錘の分布3D棒グラフ画像

1-3 分布や分布比較記述の困難さ確認

グリッド別3D棒グラフで分布を見るとその様相は直観的に理解できます。また二つのグリッド別3D棒グラフを比較するとその違いを直観的に理解できます。しかし、それを文章にして表現しようとすると、途端に困難を感じます。その理由の最大のものは北斜面貝層空間にゾーンなどの名称が一切ないことです。北斜面貝層の空間の各所に名称(いわば地名)を設定して、分布記述をしやすくする必要があります。

朱塗土器件数と朱塗土器件数率の二つのグリッド別3D棒グラフの比較では、その相違を記述することが困難でした。

2024.07.14記事「有吉北貝塚北斜面貝層 朱塗土器の分布

1-4 遺物台帳データの不揃い確認

土器口縁部率データをみると、土器部位観察をしていないグリッドの存在を確認できます。遺物台帳データに不揃い(いわば欠測)があることになります。データ不揃いを確認したとき、それを補正する方法を見つけて、データを有用データとよみがえらせることが必要です。

2024.07.14記事「有吉北貝塚北斜面貝層 朱塗土器の分布

2 遺物台帳データに関連した当面の課題(土器関連)

2-1 北斜面貝層空間に地名に準じる名称をつける

北斜面貝層空間に地名に準じる名称をつけて、分布記述をしやすくします。

また、分布情報をChatGPTに説明させる方法について検討することも意義のあることだと考えます。

2-2 遺物台帳データ不揃い対応

遺物台帳データ不揃いを見つけた場合の当面の対応方法を決めるとともに、データ補正方法を検討します。

2-3 発掘調査報告書掲載遺物リストの電子化

土器関連では次のリストが発掘調査報告書に掲載されています。

・土器片錘 1087点(完形のみ)

・土製円盤 18点

・耳栓 6点

・ミニチュア土器 6点

・土製品(その他) 5点

このリスト電子化ファイルを遺物台帳ファイルとリンクして、遺物コード(グリッド番号、遺物番号から新規生成)で二つのファイルを結合して利用できるようにします。

2-4 その他

・遺物台帳データの電子化作業における不備の訂正(入力ミスの訂正)

・円盤などのグリッド別3D棒グラフ作成

3 全土器現物閲覧プロジェクト

現状では発掘調査報告書土器番号と遺物台帳データは対応していません。そこで、発掘調査報告書掲載土器リストと遺物台帳リストをリンクするために、全土器現物閲覧プロジェクトに中期的観点から取り組みます。

●有吉北貝塚北斜面貝層 発掘調査報告書掲載全土器現物閲覧プロジェクト

・発掘調査報告書掲載全土器(器形復元土器がメイン)現物を閲覧して、土器破片に記載されているグリッド番号、遺物番号の読取り確認調査を実施する。

・全土器全破片と遺物台帳データを遺物コード(グリッド番号、遺物番号から新規生成)でリンクする。

・掲載土器番号-土器型式対応表(最新情報により西野雅人先生作成)がすでに使える状況にある。

・これにより、遺物台帳データに発掘調査報告書土器番号と土器型式情報を取り込み、利用分析できるようにする。


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