Chiba City Ningyozuka Tomb: Study materials for the original 3D shape restoration
In order to restore the original 3D shape of Chiba City's Ningyozuka Tomb, I created a document (conceptual material) in which the information currently known is entered into the 3D model of the excavated tomb. This has deepened my understanding of the 3D shape of the tomb.
千葉市人形塚古墳の築造当初3D形状を復元するために、現段階で判った事項を出土古墳3Dモデルに記入した資料(概念資料)を作成しました。古墳3D形状認識が一歩深まりました。
1 千葉市人形塚古墳 当初3D形状復元のための検討資料
千葉市人形塚古墳 当初3D形状復元のための検討資料説明
1 周溝などからの古墳立ち上がり線(35.0m~36.0m)二重になっているところもある。
2 地割線が描画されている整地盛土面の造成範囲(36.5m)古墳平面外形に近似した形で造成されている。
3 テラスの範囲(37.2m)上段テラスとの境は地割線による。武人埴輪などが展示された。
4 上段テラスの範囲(37.5m)馬や馬子埴輪が展示されたテラス。
5 小段(盛土第1ステップ)範囲(38.2m)盛土施工の段階区切に小段が残ったと考えられる。
6 墳頂部(38.2m~40.2m)前方部墳頂部には家形埴輪が展示された。
テクスチャ図面は沼澤豊氏作成「千葉市人形塚古墳企画図」を引用
垂直比率:×3.0
3DF Zephyr v7.531でアップロード
3Dモデル画像
3Dモデル動画
2 メモ
千葉市人形塚古墳の築造当初の3D形状を復元するために、現段階(2024.10.29)で判った事項を出土古墳3Dモデル(表土、流土を剥がして出土した古墳3D形状…等高線図から3Dモデル化)に記入した資料を作成しました。
1 古墳立ち上がり線
周溝などからの古墳立ち上がり線(35.0m~36.0m)は出土古墳3Dモデル(元は等高線図)から地形を読み取り描画しました。。
2 整地盛土面の造成範囲
地割線が描画されている整地盛土面の造成範囲(36.5m)は斜め空中写真と地割線空中写真を出土古墳3Dモデルおよび等高線図と照らし合わせて判定しました。後円部の整地盛土面の造成範囲は地割線外円推定線にほぼ一致します。地割線が描画されている整地盛土面が古墳平面外形に近似した形で造成されている事実は、地割線を描く前に既に設計諸元に基づき整地盛土工事が行われていたことを物語っていて、地割線描画意義検討に関する重大情報となります。
3 テラス
テラスの範囲(37.2m)上段テラスとの境は地割線によります。武人埴輪などが展示された。後円部のテラス内側線は地割線内円に一致します。
4 上段テラス
上段テラスの範囲(37.5m)馬や馬子埴輪が展示されたテラス。古墳及び埴輪展示を観覧するための主要視点場は横穴式石室付近であると考えられます。この付近からテラスに展示されている埴輪を観覧する時、馬、馬子などの埴輪は遠方になるため、テラスを一段(30cm)高くして見やすくしたと考えられます。埴輪展示の演出(他界観の演出)の詳細(テラスを一段高くした)を地割線に描いたこと自体が、この古墳の特性を物語っています。この古墳は発掘調査報告書で強調されているように、埴輪展示の演出効果を特段に意識しています。
5 小段
小段(盛土第1ステップ)範囲(38.2m)盛土施工の段階区切に小段が残ったと考えられます。小段の線形は地割線により想定しました。盛土を安定させる(排水、圧密沈下)ために墳丘盛土は2段階に行われたと土層断面図から判断されています(発掘調査報告書)。盛土の最初のステップと最後のステップの間に小段(イヌ走り)が形成されたと想定します。等高線図にその残片を観察できます。
6 墳頂部
墳頂部(38.2m~40.2m)前方部墳頂部には家形埴輪が展示されました。前方部墳頂部線形は地割線に基づきます。前方部墳頂部の高さは40.2m、くびれ部の高さは38.2m、後円部墳頂部の高さは39.2mと想定しました。高さ推定の根拠は沼澤豊氏の古墳設計原理復元研究にもとづく24等分値(基準単位)の援用によります。
なお本資料での墳頂部表現は単純模式的ですが、実際の古墳形状は滑らかな線形であったと推定します。