花見川流域の小崖地形 その6
花島小崖のC検討区の地形と地質を詳しく検討します。
花島小崖C検討区の位置
C検討区(花島地区)は花島小崖の地形の保存状態が良く、かつ地質情報で断層の存在を推察できるので、花見川小崖の模式地と呼んでよい場所です。
1 小崖地形(崖地形そのもの)
市街地化が行われる前の地図のうち最も精度のよい1960年航空写真測量地図から小崖地形を判読して示すと次のようになります。
縮尺3000分の1千葉市都市図14(1960年測量)から判読した小崖地形
千葉市都市図14は千葉市立郷土博物館提供
次の図は都市化が進んだ現在の地図(千葉市DMデータ)に上記千葉市都市図(1960年測量)で判読した小崖分布をオーバーレイしたものです。
小崖そのものは都市化前とほとんど形状の変化がないことを確認できます。
千葉市DMデータに千葉市都市図(1960年測量)で判読した小崖分布をオーバーレイした図
千葉市DMデータは千葉市提供
同じ確認を5mメッシュから作成した地形段彩図でも行いました。
次の図は数値地図5mメッシュ(標高)データ(航空レーザ測量、標高の値は0.1m刻み)を地形段彩図に表現したものに千葉市都市図(1960年測量)で判読した小崖分布をオーバーレイしたものです。
5mメッシュによる地形段彩図に千葉市都市図(1960年測量)で判読した小崖分布をオーバーレイした図
5mメッシュは基盤地図情報5mメッシュ(標高)(航空レーザ測量による成果)。
これらの情報から現在この付近にある小崖地形はもともとここに在った小崖地形であることを確認できます。同時に規模の大きな人工改変を経ていないことも確認でます。
次に小崖の現在の横断形状を見てみます。
小崖横断図
小崖の比高は3mから3.5mほどです。
小崖横断形状説明図
間近で大規模開発(花見川団地開発)が行われたにも関わらず小崖地形が残っていることは稀有な出来事です。
小崖地形の意義(意味)はこれからこの連載記事で明らかにして行きますが、身近にみられる断層地形であり、将来に向かって保全することがふさわしい、地学現象です。
つづく
次回記事予定
2 地質
・小崖の上と下で地層に段差があることを示します。
次次回記事予定
3 小崖地形と谷津との関係
・小崖地形が下総上位面に発達する谷津とどのような関係にあるのか検討します。
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