2025年6月10日火曜日

イランの農業

 Agriculture in Iran


I learned about agriculture in Iran by reading the April issue of Geography magazine's article "Agriculture and Soil in Iran." While looking at Google Earth Pro, an agricultural dam caught my eye, and when I looked it up, I found out that it was the Band-e-Amir bridge, an agricultural irrigation dam built in the 10th century that is still in operation today.


雑誌地理4月号記事「イランの農業と土壌」を読んで、イランの農業について学習しました。Google earth proを眺めていると農業用堰が目にとまり、調べるとなんと10世紀につくられ現在も稼働している農業水利堰(Band-e-Amir bridge)でした。

1 イランBand-e-Amir bridge付近の地形3Dモデル

イランBand-e-Amir bridge付近の地形3Dモデル

Vertical ratio: ×3


Band-e-Amir bridge付近のGoogle earth画面

Attributions

Generator: DEM Net Elevation API - https://elevationapi.com

Digital Elevation Model: AW3D30 OpenTopography - https://opentopography.org/

Imagery: Esri World Imagery - https://services.arcgisonline.com/ArcGIS/rest/services/World_Imagery/MapServer


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 メモ


Band-e-Amir bridge

https://historicaliran.blogspot.com/2009/11/bande-amir.htmlから引用


Band-e-Amir bridgeGoogle earth画面

雑誌地理4月号記事、中家惠二著「イランの農業と土壌」を読んで、イランの農業について学習しました。関連して、Google earth proを眺めていると存在感のある水利施設が見つかりました。調べていくと、なんと10世紀につくられ現在も稼働している農業水利堰(Band-e-Amir bridge)でした。

多数の灌漑水路が派生して広い農地を潤しています。

また堰の上下流を行き来するバイパス舟運路跡も確認できます。

数十年前までは水車があり、近在の粉ひきにもつかわれていたそうです。「堰集落」の存在が土地利用として確認できる面白い例です。

写真(引用)に写る堰構造物は数世紀前に改築されたもののようです。


Band-e-Amir bridgeの場所
イランの農業についての知識はとても貧弱ですが、10世紀に立派な石造堰をつくり、灌漑している様子を知り、少しだけ認識を深めました。

2025年6月9日月曜日

縄文遺構の3Dモデル作成習熟プロジェクト

 A project to learn how to create 3D models of Jomon ruins


I am starting a project to learn the skills to create accurate and good-looking 3D models of Jomon ruins. This is a technical field where the Blender function "edge loop bridge" can be useful. To start with, I tried to create a basic 3D model of the Ariyoshi Kita shell mound pit.


縄文遺構の正確で見栄えのよい3Dモデルを作成する技術習得プロジェクトをスタートします。Blender機能「辺ループのブリッジ」が活躍する技術分野になります。手始めに有吉北貝塚土坑の初歩的3Dモデルを作成してみました。

1 過去の取組み

2022年秋頃、大膳野南貝塚屋外漆喰炉3Dモデル作成にチャレンジしました。

2022.09.14記事「3ステージ別屋外漆喰炉・出土遺物3Dモデルを作成」など多数

出土遺物(土器など)を遺物を3Dモデルにする活動のみならず、遺構(竪穴住居、土坑、陥穴、炉穴、・・・)を3Dモデルにすることにもともと興味があります。将来的には、その遺構に人モデルを配置して、動かして、人動作と遺構大きさの関係を知りたいです。

2 縄文遺構の3Dモデル作成習熟プロジェクト

2-1 はじめに

遺物(土器など)は、フォトグラメトリで、つまり遺物の周回撮影写真に基づき、フォトグラメトリソフトにより3Dモデルを作成します。しかし、遺構の3Dモデル作成は発掘調査報告書掲載の遺構平面図・断面図から3Dモデルを作成します。アプローチが全く異なります。より具体的に言えば、遺構3Dモデル作成はBlender技術があってはじめて可能です。Blender技術なくして、遺構3Dモデル作成はないと考えます。

この数か月の間、Blender機能の「辺ループのブリッジ」に親しんだので、ようやく、自分にとって、遺構3Dモデル作成のチャンス到来と感じます。

なお、「辺ループのブリッジ」機能に類似した「Bsurfaces」機能に以前は大いに期待していました。しかし、「Bsurface」機能には弱点(グリースペンシル使用)があることと、最新Blenderバージョン4ではBlenderのバグで使えないことなどから、今年に入って、「Bsurfaces」派から「辺ループのブリッジ」派に転向しました。

2-2 プロジェクトの目標

遺構(竪穴住居、土坑、陥穴、炉穴、・・・)の正確で見栄えの良い3Dモデルを発掘調査報告書掲載平面図・断面図等から作成するBlender操作技術の獲得を目指します。

最終的には遺構とそれを利用する人動作との関係分析を行います。

2-3 プロジェクトのステップ

第1ステップ 遺構種別試作による技術習得課題把握

縄文遺構種別毎に3Dモデルを試作し、技術習得における課題を把握します。

第2ステップ 遺構種別3Dモデル作成

有吉北貝塚はじめ、これまで学習した遺跡を中心に代表的遺構の3Dモデルを作成し、縄文学習で利用できるようにデータベース化します。

2-4 有吉北貝塚077土坑簡易3Dモデル

現在手持ちの技術で、有吉北貝塚077土坑を例に簡易3Dモデルを試作してみました。

有吉北貝塚077土坑簡易3Dモデル


発掘調査報告書掲載資料

3DF Zephyr v8.011でアップロード


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像


3Dモデルの画像

2-5 メモ

・Blender技術を試用するための作業として3Dモデルを作成しました。従って、この3Dモデルは発掘調査報告書資料から読みとれる平面・断面詳細情報を表現したものではなく、簡易的に土坑の様子を表現したものです。

・任意に設定した図郭線および4本の平面境界線から3Dモデルを作成しました。平面境界線は傾斜変換線であり、等高線ではありませんが、今回作業では等高線として扱いました。

・辺ループのブリッジ機能、Bsurfaces機能ともに1回の操作では、一見はよいのですが、よくみるとほんのわずかですが「面のよじれ・重なり」が生じてしまいました。

・Bsurfaces機能作業+辺ループのブリッジ機能及び辺ループのブリッジ機能2回の操作で「面のよじれ・重なり」のない全うな3Dモデルを作成することができました。

・平面図・断面図から読みとれる全情報を活用した3Dモデル(精細3Dモデル)を追って作成し、簡易3Dモデルとどの程度印象が異なってくるか、比較が楽しみです。


2025年6月8日日曜日

遺物分布図から座標読取を行う作業の効率化

 Improving the efficiency of the work of reading coordinates from artifact distribution maps


We are currently working on reading coordinates from artifact distribution maps (paper images) of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. It is tiresomely tedious. We took notes on the work process and considered ways to make it more efficient.


有吉北貝塚北斜面貝層の遺物分布図(紙画像)から座標読取作業を行っています。うんざりするほど煩雑です。その作業工程をメモして、効率化について検討しました。

1 座標読取作業工程詳細

有吉北貝塚北斜面貝層の遺物分布図(紙画像)からの座標読取作業工程詳細を次のメモしました。

……………………………………………………………………

1 フォルダー作成

座標を読みとり、その情報をデータベースとリンクするための作業を行うグリッド別フォルダー、サブフォルダーをエクスプローラに作成します。

例 グリッド別フォルダー

118、119、128、129、…

例 サブフォルダー

1xy読取、2kado付与、3差し替え座標、4dbにリレーション、5プロット用

2 1xy読取フォルダーにおける作業

2-1 ファイルコピー

読取に使う画像や読取ツールをフォルダーにコピーします。

・遺物分布図画像

・このフォルダーでの作業(テキスト)

・Pythonスクリプト(1m用.py)

2-2 作業に必要な情報作成

4分割図座標表示画像等を作成します。

・当該グリッド位置図(画像とIllustratorファイル)

・当該グリッド4分割図の座標(画像とIllustratorファイル)

2-3 遺物分布図4分割作業

遺物分布図の当該グリッド部分を4分割し、それぞれファイルとします。

2-4 4分割図別座標読取

Pythonスクリプト(1m用.py)を使って、4分割図別座標読取作業を行い、読取結果csvファイルと読取結果画像(チェック用)を生成します。

3 2kado付与フォルダーにおける作業

3-1 ツール等ファイルのコピー

・このフォルダーでの作業(テキスト)

・Pythonスクリプト(add_kado.py、このフォルダー内csvファイル結合.py)

3-2 読取結果csvファイルにkado値を付与し結合

4分割座標読取結果csvファイルにPythonスクリプト(add_kado.py)でkado値を与え、それらのファイルをPythonスクリプトで一つに結合します。

4 3差し替え座標フォルダーにおける作業

4-1 ツール等ファイルのコピー

・このフォルダーでの作業(テキスト)

・Pythonスクリプト(XY差替kado補正コード.py、重複確認別バージョン.py)

4-2 コード・座標値Excelファイル作成

Pythonスクリプト(XY座標kado補正コード.py)で座標差し替え、座標係数付加等の複雑な作業を行い、所望するコードと座標値のExcelファイルを作成します。

コードの重複をPythonスクリプトで除去する。

5 4dbにリレーションフォルダーにおける作業

5-1 ツール等ファイルのコピー

・このフォルダーでの作業(テキスト)

・グリッドのデータを検索するpostgreSQLスクリプト(テキスト)

・Pythonスクリプト(コードでリレーション.py、utf8-shiftjis変換Excel.py)

5-2 グリッド別の遺物台帳データベースファイル取得・調整

遺物台帳データベース(postgreSQL)からクエリで当該グリッド分のデータベースファイルをcsvファイルとしてアウトプットします。

Pythonスクリプト(utf8-shiftjis変換Excel.py)を使って、データベースファイルの日本語コードをshiftjisに変換してExcelファイルに書き出します。

5-3 遺物分布図由来データと遺物台帳由来データの結合

Pythonスクリプト(コードでリレーション.py)で遺物台帳(postgreSQL)由来データベースファイルと遺物分布図座標読取ファイルをファイル結合します。このファイルはグリッド別であるが、XYZ座標が掲載されたデータベースとしての最終成果です。

6 5プロット用フォルダーにおける作業

6-1 ツール等ファイルのコピー

・このフォルダーで行う作業(テキスト)

・Pythonスクリプト(プロット可能デベ.py)

・BlenderPythonスクリプト(コード記入する座標プロット.py)

6-2 XYZ座標が揃ったデータ抽出

3D空間表示のためのXYZ座標が揃ったデータをPythonスクリプト(プロット可能デベ.py)で抽出します。

6-3 3Dモデル表示

BlenderPythonスクリプト(コード記入する座標プロット.py)でデータをBlender3Dビューポートに表示します。

……………………………………………………………………

2 メモ

2-1 工程が煩雑な理由

工程が煩雑な理由は主に次の2つの要因が関係しています。

・北斜面貝層グリッド座標設定と一般3D空間座標の難調和性

・遺物分布図の文字の小ささ(手書き文字が小さいため、画像を4分割して拡大表示して扱わざるを得ない)(=原図がB3と大きいこと)。

2-2 これまでに工夫した効率化

2-2-1 Pythonによる座標読取ツール自作活用

Pythonにより座標読取ツールを自作し活用しています。

・1m用.py


座標読取ツールの様子

2-2-2 Pythonによるcsv・Excelファイル操作の自動化

次のPythonスクリプトによりcsv・Excelファイル操作の自動化を進めました。これにより、Excel画面で列挿入削除とか数値入力コピー・計算とかの通常作業はほぼゼロとなりました。

・add_kado.py

・このフォルダー内csvファイル結合.py

・XY差替kado補正コード.py

・重複確認別バージョン.py

・コードでリレーション.py

・utf8-shiftjis変換Excel.py

・プロット可能デベ.py

・コード記入する座標プロット.py

2-2-3 「このフォルダーで行う作業」(メモ)の全フォルダー掲載

煩雑な作業のどの部分を現在作業しているのか、いつでも確認できるようにメモ文を全てのフォルダーに掲載しました。

2-2-4 作業工程の見直し

グリッド毎に順を追って作業すると、体調によっては、煩雑な工程の中で迷ったり、作業意欲を集中できなくなることがあります。そこでグリッド単位の作業ではなく、工程単位の作業としました。つまり、ある工程について、多数のグリッドの作業を一括して行います。この工程の方が、同じ作業になるので、煩雑さが軽減して、機械的作業になり、楽です。体調が万全でなくても、作業を継続できます。

2-3 効率化に関する今後の改善策

2-3-1 Pythonスクリプトの改善

Pythonスクリプトの中には、操作するファイルの名称をaaa.csvなど汎用名称にして扱うものがありますが、GUI選択できるように改善します。

2-3-2 作業習熟による効率化

時々行う作業ではいつでも同じような心理抵抗が生まれますが、作業を継続して行うことにより作業に習熟すれば、心理抵抗が軽減し、おのずと効率性が増すと考えます。

2-3-3 作業工程の再度見直し

現在は工程単位作業(フォルダー単位作業)をしていますが、複数工程のPythonによる一括処理などが可能であるか、検討します。

2025年6月5日木曜日

Salt dome in Iran

 Salt dome in Iran


I learned about the geology of Iran by reading the article "Geology of Iran" in the April issue of the Geography magazine. I became interested in the salt domes described in the article, so I created a 3D model of the salt dome (vertical ratio x 5) using the DEM-Net Elevation API and enjoyed observing the salt dome topography.


雑誌地理4月号記事「イランの地質」を読んで、イランの地質について学習しました。記述中の岩塩ドームに興味を持ち、DEM-Net Elevation APIで岩塩ドーム3Dモデル(垂直比率×5)をつくり、岩塩ドーム地形観察を楽しみました。

1 Salt dome in Iran

Salt dome in Iran

Vertical ratio: ×5


参考 テクスチャ画像

Attributions

Generator: DEM Net Elevation API - https://elevationapi.com

Digital Elevation Model: AW3D30 OpenTopography - https://opentopography.org/

Imagery: Esri World Imagery - https://services.arcgisonline.com/ArcGIS/rest/services/World_Imagery/MapServer


3Dモデル動画


3Dモデル画像


3Dモデル画像


3Dモデル画像

2 メモ

雑誌地理4月号記事の高安克己著「イランの地質」を読んで、イランの地質について学習しました。記述中の岩塩ドームに興味を持ち、DEM-Net Elevation APIで岩塩ドーム3Dモデル(垂直比率×5)をつくり、岩塩ドーム地形観察を楽しみました。


3Dモデルの位置

近くには沢山の岩塩ドーム地形が観察できます。


岩塩ドーム群

岩塩ドームの成因はWikipediaでは次のように説明されています。

「●岩塩層の形成

クラトンやプレートの大規模な地殻の移動や、長期にわたる堆積によって、岩塩が地層内に取り込まれて岩塩層となることがある。一般の岩石は、地下深くで圧力による続成作用や熱による変成を受け、成分変化を起こしたり相転移を起こして密度や結晶構造が変化したりするが、塩の結晶構造は非常に安定しており変成をほとんど受けない。

●岩塩ドームの形成

その結果、地下深くへ運ばれた岩塩層は周囲に比べて密度が相対的に低くなる。このため岩塩層は地層中で浮力を生じ、上部の地層に対して鉛直方向へ岩塩層が貫入して丘状、ドーム状の地質構造を生じる。浮力による上昇で形成された貫入地質構造を「ダイアピル」というが、これが岩塩により生じた構造が「岩塩ドーム」と呼ばれる。

地形としては、ドーム状に大きく膨らんだ地形のほか、円柱状のダイアピル、シート(板)など多様な構造が知られている。幅が1 - 10キロメートル、深さが10キロメートルにもなった地形も見つかっている。地表に現れた岩塩ドームは塩が帯状に流れて「塩氷河」と呼ばれることがある。」Wikipediaから引用


2025年6月3日火曜日

イランの地形

 Topography of Iran


I learned about the topography of Iran by reading the article "Topography of Iran" in the April issue of the magazine Geography. I was interested in the published topographical map of the Tehran area, so I created a 3D model of the topography (vertical ratio x 3) using the DEM-Net Elevation API and enjoyed checking the model.


雑誌地理4月号記事「イランの地形」を読んで、イランの地形について学習しました。掲載されたテヘラン付近地形学図に興味を持ち、DEM-Net Elevation APIで地形3Dモデル(垂直比率×3)をつくり、確認学習を楽しみました。

1 テヘラン付近地形3Dモデル Tehran Terrain 3D Model

テヘラン付近地形3Dモデル Tehran Terrain 3D Model

Vertical ratio: ×3


参考 テヘラン付近の地形 今村作成 (雑誌「地理」2025.04から引用)

Attributions

Generator: DEM Net Elevation API - https://elevationapi.com

Mesh reduction: geometry3Sharp (GradientSpace, Ryan Schmidt) BSL 1.0 License - https://github.com/gradientspace/geometry3Sharp/blob/master/LICENSE

Digital Elevation Model: GEBCO Compilation Group (2019) GEBCO 2019 Grid (doi:10.5285/836f016a-33be-6ddc-e053-6c86abc0788e) - https://www.gebco.net/data_and_products/gridded_bathymetry_data/gebco_2019/gebco_2019_info.html

Imagery: Esri World Imagery - https://services.arcgisonline.com/ArcGIS/rest/services/World_Imagery/MapServer


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像


3Dモデルの画像


3Dモデルの画像

2 メモ

雑誌地理4月号記事、今村遼平・高安克己著「イランの地形」を読んで、イランの地形について学習しました。掲載されたテヘラン付近地形学図に興味を持ったのですが、Google earth画面で見ただけでは実感的に理解できません。そこで、DEM-Net Elevation APIで地形3Dモデル(垂直比率×3)をつくり、確認したところ、地形の様子をよく理解でき、学習を楽しむことができました。

DEM-Net Elevation APIに感謝します。


2025年6月2日月曜日

イランルート砂漠の砂海 SAND SEA IN LUT DESERT

 Sand Sea in the Iranian Rut Desert SAND SEA IN LUT DESERT


I created a 3D model of the "Sand Sea in the Iranian Rut Desert SAND SEA IN LUT DESERT" terrain using the DEM Net Elevation API to enjoy the sand sea terrain. The vertical ratio is x1.0. It is a group of sand dunes with a relative height of over 300m.


DEM Net Elevation APIで「イランルート砂漠の砂海 SAND SEA IN LUT DESERT」地形3Dモデルを作成して砂海地形を楽しみました。垂直比率は×1.0です。比高300m以上ある砂丘群です。

1 イランルート砂漠の砂海 SAND SEA IN LUT DESERT

イランルート砂漠の砂海 SAND SEA IN LUT DESERT

Vertical magnification: ×1

Attributions

Generator: DEM Net Elevation API - https://elevationapi.com

Mesh reduction: geometry3Sharp (GradientSpace, Ryan Schmidt) BSL 1.0 License - https://github.com/gradientspace/geometry3Sharp/blob/master/LICENSE

Digital Elevation Model: AW3D30 OpenTopography - https://opentopography.org/

Imagery: Esri World Imagery - https://services.arcgisonline.com/ArcGIS/rest/services/World_Imagery/MapServer

DEM Net Elevation APIからアップロード


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像


3Dモデルの画像


3Dモデルの画像

2 メモ


3Dモデルの位置

比高300m以上ある砂丘群です。垂直比率は×1.0ですが、それでも砂丘起伏を充分に堪能できます。

素晴らしいサービスを提供しているDEM-Net Elevation APIに感謝します。


2025年6月1日日曜日

イランの歴史

 History of Iran


I read the April issue of Geography magazine's article "History of Iran" and learned about the history of the various dynasties that rose and fell in Iran. During this study, I remembered learning about wooden tablets that revealed that there were Persians among the officials of Heijo Palace.


雑誌地理4月号記事「イランの歴史」を読んで、イランの土地で興亡した諸王朝の歴史を学習しました。この学習の中で、平城宮役人にペルシャ人がいたことが判明した木簡について、過去に学習したことを思い出しました。

1 雑誌地理4月号記事 高安克己著「イランの歴史」

この論説では、イランの歴史は7世紀中頃にイスラム化する以前とそれ以後で大きく分けられるとして、それぞれについて諸王朝の興亡を詳しい年表と版図地図で説明しています。年表はとてもわかりやすく、日本との関係においてとても参考になります。アケメネス朝ペルシャやアレキサンダー大王の東方遠征が縄文時代であったことに気が付き、なぜか感慨が深まります。


ペルシャからイランに至る歴史

この論説を読んでいる中で、以前平城宮にペルシャ人がいたことが判明した木簡発見について学習したことを思い出しましたので、次のその内容をメモします。

2 平城宮にいたペルシャ人

(この項は主にWikipedia「破斯清道」によります。)(雑誌論説とは関係ありません)

奈良文化財研究所の赤外線調査により、平城宮跡で出土した「天平神護元年」(765年)と書かれた木簡にペルシャ人と見られる「破斯清道」(はしのきよみち)の名前が発見されました。


破斯清道の文字が発見された木簡 木簡庫(奈良文化財研究所)から引用

「破斯」という文字は、ペルシャを意味する「波斯」と同音であり、同様の意味を持つと判断されました。ペルシャ人を示す文字が出土品で確認されたのは、日本国内では初めてです。

破斯清道は員外大属(いんがいだいさかん)という職で、「大属」は大学寮の四等事務官にあたる下級官吏であり、「員外」とは定員外で任じられた特別職であり、渡辺晃宏(奈良文化財研究所)によって外国人の学問と知識を生かすための特別枠で任命された可能性が指摘されています。

「続日本紀」には天平8年(736年)8月、帰国した遣唐副使中臣名代が、「唐人三人、波斯人一人」と共に聖武天皇に拝謁したという記述があり、同年11月、名代ら遣唐使への叙位が行われた際に、ペルシャ人の李密翳にもそれぞれ位を授けられたと記載されています。

李密翳が聖武天皇に謁見した時からこの木簡に記された年までの隔たりは30年ほどであり、渡辺晃宏は、「破斯清通は李密翳本人か、家族や従者だった可能性がある」と述べています。

参考 2016.10.06記事「平城京役人にペルシャ人の新聞記事



研究のまとめ

 Research summary


The results of the research on database construction and utilization for the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita shell mound (interim report) have been summarized. The construction of a database for 3D spatial analysis is believed to be the first in shell mound research in Japan.


有吉北貝塚北斜面貝層に関するデータベース構築活用研究(中間報告)の結果をまとめました。3D空間分析用データベース構築は本邦貝塚研究で初出であると考えられます。

1 遺物投棄原理検討材料を集めた

本研究では、北斜面貝層において異なる遺物種の投棄(埋納)原理の違いを浮彫にする材料をある程度集めることができました。データベースを活用することにより、今後さらに多くの材料を集める予定です。土器、骨・歯のみならず、土錘、円盤、貝刃、磨貝、打製石斧、磨製石斧・・・など遺物種毎に投棄特性データを収集し、比較するつもりです。

2 データベース構築により出土遺物を100%利用できるようになる


北斜面貝層出土遺物の発掘調査報告書掲載件数、掲載率

データベース構築は北斜面貝層出土全遺物を対象としており、今後データベースを活用すれば調査研究において出土遺物100%の情報を利用できます。現状(発掘調査報告書限定の調査研究)での遺物に関する最大利用率は5.1%にとどまります。データベースを活用することにより今までより20倍の遺物情報を利用できることになり、調査研究のレベルアップに資することが期待できます。また、データベースを利用することにより、遺物と貝層との関係がはじめて明らかになり、画期的です。

3 3D空間分析用データベースは本邦貝塚研究で初出である

データベース構築作業に関連した資料収集では、3D空間の中で貝層分布、遺物分布を精細に把握し、その関係を分析した事例を本邦貝塚研究で見つけることが出来ませんでした。本研究が初出であると考えられます。研究類例がないため、3D空間分析用データベース構築は試行錯誤の中で進めたが、今回プロトタイプとしての姿を表すことができました。

活用事例の中での貝層大区分(斜面性貝層と流動性貝層)及び貝層別遺物件数、密度(件/㎥)、密集度などの指標は過去の研究で扱われたことがなく、これも本研究が初出です。

4 活用事例分析の成果は大きなものであった

活用事例分析はデータベース試用を主目的とした試行的作業であるため、その結果に考古学的結論を直接期待するものではないが、予察的検討しての成果は予想外に大きなものでした。

特に、土器現物破片の遺物番号を知れば、データベースに土器型式情報(即ち時期情報)を取り込むことができ、貝層と遺物関係に時期情報をリンクできることが確認できました。その意義は大きなものです。

5 データベースの完成をめざす

一方、「斜面における貝殻・遺物の移動実体」など分析に必要な基礎的事項のデータ不足も判明しました。今後データ不足を補う活動について検討します。

データベース構築及び利用に関して次の課題が残っているので引き続き取組み、完成を目指すこととします。

● 3D 空間分析用データベース構築及び利用に関する課題

・遺物分布図からXY 座標を読みとる残作業などの完遂。

・土器現物から破片別遺物番号を読み取り、その情報を遺物データベースに加える。

・セクション図記載情報(分層情報)を再吟味し、その活用法について検討を深める。

・3D空間における各種分析技法の開発

3D空間分析用データベースの構築は第二の発掘です。

6 謝辞

最後になりましたが、北斜面貝層発掘原票の閲覧利用を許可していただいた千葉県教育委員会に感謝申し上げます。


参考引用資料

・「千葉東南部ニュータウン19 - 千葉市有吉北貝塚1(旧石器・縄文時代)- 第1分冊(本文)」(平成10年3月、住宅・都市整備公団・財団法人千葉県文化財センター)

・同第2分冊(分析・付図・付表)

・同第3分冊(写真図版)


研究経済:この研究は組織・団体からの資金提供を受けていません。


技術的工夫

 Technical ingenuity


We have summarized the technical ingenuity used in our research on utilizing databases for 3D spatial analysis. Python played a major role in our research activities. ChatGPT was used to generate Python scripts.


3D空間分析用データベース活用研究における技術的工夫をまとめました。研究活動ではPython活用が大きな役割を果たしました。Pythonスクリプト生成にはChatGPTを利用しました。

1 技術的工夫

技術的工夫

本研究で開発利用した主な技術的工夫を表に列挙しました。

遺物データベース構築ではPythonスクリプトを多用しました。3D表現、3D分析ではBlenderPythonスクリプトを多用しました。

Pythonスクリプト生成、BlenderPythonスクリプト生成はChatGPT支援を活用しました。

2 利用したパソコンソフト等


利用したパソコンソフト・プログラミング言語・人工知能

本研究で利用したソフト、プログラミング言語、人工知能を整理して表に示しました。

3 感想

生成AI普及(ChatGPT登場)がなければ、本研究(中間報告)はあと数年かかっていたかもしれません。

有吉北貝塚北斜面貝層のデータベースを活用した検討事例のまとめ

 Summary of case studies using the database of shell layers on the northern slope of the Ariyoshi Kita shell mound


By utilizing the database, we were able to obtain a lot of important information, such as compiling the history of shell layer development. Much of this information would have been impossible to know without the database, and we confirmed the usefulness of the database.


データベースを活用することにより、貝層発達史を編むことができるなど多くの重要情報を得ました。これらの情報はデータベースが無ければ知ることが不可能であるものが多く、データベースの有用性を確認しました。

1 貝層発達順番の把握


貝層発達の順番と遺物量

貝層と土器型式の関係を検討し、おおよその対応関係を観察しました。

この検討で、検討空間の貝層発達の順番と遺物量の関係を表のように捉えることができました。貝層発達の順番(貝層発達史)把握は今回検討における大きな成果です。発掘調査報告書では未踏だった領域です。

この観察の中で、北斜面貝層上流部の際立った土器密集が褐色貝層R3層の時期に対応することに気が付きました。

2 前代貝層痕跡の確認

斜面性貝層形成時点ではすでに存在していなかった前代貝層の痕跡(貝層ブロック、土器)が発掘調査で観察記録されています。(千葉県立中央博物館展示剥ぎ取り断面でその現物を見ることができます。)

北斜面貝層における前代貝層痕跡確認も今回検討の成果です。

3 土器集中域と骨・歯集中域が異なることの発見

3D空間において、斜面性貝層における土器の密集分布域が貝層下段にあることを観察しました。骨・歯の密集分布域が斜面性貝層の上~中段のあることも観察しました。このことから、土器と骨・歯の分布特性(投棄原理)が異なる可能性を知りました。

この発見は遺物投棄原理を検討していくうえで、大きな収穫となります。

4 イノシシ顎骨に関連する特異事例発見

イノシシ顎骨、刺突具(鹿骨)、釣針(海獣骨)、石鏃が接近出土する特異な事例を発見しました。この事例の空間は骨・歯密集域分布の空白部に該当するとともに、事例空間を取り囲んで骨・歯密集域が広がります。このことから、この事例空間は何らかの意味がある可能性があります。今後類例が増えた段階で検討を深めることにします。

5 データベースの有用性確認

以上の貝層と遺物の関係観察・理解は3D空間分析用データベース構築・活用が無ければほぼ不可能です。

3D空間分析用データベースの有用性は、当初の想定をはるかに越えて、より大きなものであることを確認しました。


2025年5月ブログ活動のふりかえり

 A look back at blog activities in May 2025


I looked back on the activities of the blog "Walking the Hanami River Basin" in May 2025.

In the first half of May, I focused on Blender analysis techniques and creating add-ons, and in the second half of May, I worked on a detailed report on the Ariyoshikita Shell Mound study and the creation of a 3D model of Late Jomon pottery.


ブログ「花見川流域を歩く」の2025年5月活動をふりかえりました。

5月前半はBlender分析技術やアドオンづくりに集中し、5月後半は有吉北貝塚検討の詳細報告記事と縄文晩期土器3Dモデル作成にはげみました。

1 ブログ「花見川流域を歩く」

・2025年5月の記事数は37で過去最高レベルです。

・5月連休をつかった独自活動としてBlender操作技術向上に取組んだため、5月前半はBlender関連記事が多くなり、アドオンづくりにまで進みました。

・5月後半は有吉北貝塚北斜面貝層検討の詳細報告記事、千葉市埋蔵文化財調査センターで観覧した縄文晩期土器等の3Dモデル作成に取組みました。

2 ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」

・早朝散歩記事を1編書きました。

3 2025年5月活動の特徴

5月17日に西野雅人さんとの共同研究の発表を千葉縄文研究会で行いました。発表内容は好評でした。この日を境に、発表準備など普段は体験しない慣れない「重圧」がなくなったので、反動で記事数が急増しました。自分の心理状況はとても単純であることに気が付きました。

50年以上前の最初の会社で一緒だった中家さんから謹呈していただいたイラン関係特集雑誌の感想記事シリーズに取組み始めました。約束から2ヵ月遅れです。

4 2025年6月活動の展望

共同研究の後半取組みを6月からスタートすることにします。懸案事項である遺物分布図からの座標読取残作業に取り掛かります。頭脳を使わない単純パソコン作業であり、理屈なしに取組みを継続させます。午前中は単純作業、午後はブログ記事作成で午前中のきつい労働のうっぷん晴らしをする生活パターンになります。

参考

ブログ「花見川流域を歩く」2025年5月記事

ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」2025年5月記事


2025年5月 Sketchfabに投稿した3Dモデル


2025年5月 YouTubeに投稿した動画


2025年5月 ブログ「花見川流域を歩く」投稿記事に掲載した画像