Extraction of artifacts excavated from 11 cross-section, 20cm-wide slit
Artifacts excavated from 11 cross-section, 20cm-wide slit on the shell layer on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound were extracted. Next, a document was created that correlated the artifacts excavated from the slits with the cross-section of the shell layer in 3D space. This document will be useful for examining the formation of the shell layer from the perspective of artifact distribution.
有吉北貝塚北斜面貝層の11断面幅20㎝スリットから出土した遺物を抽出しました。次に3D空間の中で、スリット出土遺物と貝層断面図を対応させた資料をつくりました。この資料は貝層形成の様子を遺物分布の側面から検討できる有力材料となります。
1 11断面
11断面貝層断面図
11断面貝層断面写真
2 11断面幅20㎝スリットの遺物抽出
11断面幅20㎝スリットの遺物抽出
11断面幅20㎝スリット
11断面の幅20㎝(前後各10㎝)からなるスリットを設定し、そのスリット内の遺物を抽出しました。
●スリット内遺物
遺物件数:400
内訳
1 土器・土製品 90
2 石器・石 11
3 骨角歯牙製品 1
4 貝製品 13
5 骨・歯(魚類を除く) 274
6 貝 1
7 魚骨・鱗 10
3 11断面幅20㎝スリットにおける遺物と断面図の対応
11断面幅20㎝スリットにおける遺物と断面図の対応資料を作成しました。遺物は種別に色分しました。
11断面幅20㎝スリットから出土した遺物の種別
11断面幅20㎝スリットから出土した遺物の種別
11断面幅20㎝スリットから出土した遺物の種別
11断面幅20㎝スリットから出土した遺物の種別
4 「11断面幅20㎝スリットにおける遺物と断面図の対応」資料の画期的意義
「11断面幅20㎝スリットにおける遺物と断面図の対応」資料は、当該貝層断面図分層とほぼ直接的に対応する発掘資料が判明したという点で画期的です。3D空間の中で貝層は激しく変化します。従って記録された貝層断面図と出土遺物を直接的に関連付けることは一般に困難です。しかし、遺物3D分布資料を断面スリットで抽出することにより、この関連付けが可能となりました。この資料は恐らく本邦初出であると考えられます。
5 メモ
ここではスリット内遺物分布データを貝層分布検討の資料として扱います。
・遺物分布のパターンが貝層分層線の傾きと同じ部分が多く見受けられます。この対応関係は遺物と貝層が斜面に沿って移動しているという仮説を支持します。
・分層毎にみると斜面最上部より斜面中下部の方が遺物分布密度が高くなっているものが多くなっています。これも遺物と貝層が斜面に沿って移動しているという仮説を支持します。
・崩落層にも基底部を含めて遺物が散見されます。これは崩落層形成中にも貝殻投棄が行われたという貝層分析結果と整合します。
・K層からの遺物出土が極めて少なく、K層の由来(規模の小さな湖成層)想定と整合します。
6 技術メモ
11断面幅20㎝スリットの遺物抽出と種別表現は次の手順で行いました。
●北斜面貝層全部の遺物3Dデータ(csvファイル)からスリット分をPythonスクリプトで抽出する。
●抽出データ(csvファイル)をBlenderにBlenderPythonスクリプトで、属性情報付き点群としてプロットする。
●Blenderで、geometry nodesで属性情報の種別データを色分けしたICO球て表示する。










































