Viewing the special exhibition "Haniwa"
I visited the special exhibition "Haniwa" at the Tokyo National Museum. As a beginner to haniwa, it was a great opportunity for me to see the whole picture of haniwa. The biggest benefit was seeing the smiling shield bearer.
東京国立博物館で開催中の特別展「はにわ」を観覧しました。埴輪初心者の自分にとって、埴輪の全貌を眺めることができるとても良い機会となりました。笑う盾持人を見れたことが最大の収穫となりました。
1 特別展「はにわ」
東京国立博物館で開催中の特別展「はにわ」を観覧しました。チケット売り場での長い行列や会場での混在は久しぶりの体験でした。しかし、埴輪現物を完全に四周から遮るものなく観察できるものが多いことは極上の体験です。さすが「国立」です。世界に自慢できる展示です。実際、外国人の観覧も多かったです。
特別展入口
図録も豪華で、重量もあり、持って帰るのが一苦労でした。
図録
2 3Dモデル用撮影を行った埴輪
会場が混雑していることもあり、全ての展示物撮影は断念しました。次の6点は特段の興味がありましたので、3Dモデル用撮影を行いました。混雑会場で少しずつカニ歩きして撮影しました。ソフトの機能により、写った観覧人物を消去すれば、きれいな3Dモデルができると思いますが、どうなるか、楽しみです。
23 水鳥形埴輪
40 子持家形埴輪
50 あごひげの男子
57 挂甲の武人
61 挂甲の武人(彩色復元)
70 盾持人
3 笑う盾持人について
笑う盾持人埴輪に関して次の考察をしたことがあります。
「図書(設楽博己著「顔の考古学 異形の精神史」)では、盾をかざした威嚇表現なのに笑っている理由を、天鈿女(あまのうずめ)が笑いで猿田彦の眼力に立ち向かった神話を引き合いに出す、辟邪説で説明しています。
笑いに辟邪の意味があるとすれば、その笑いは攻撃的、破壊的であり、相手に恐怖心を与え、相手の闘争心を萎えさせるものです。
盾持人埴輪は、相手(邪悪で強力な侵入者)よりも、それに立ち向かう自らの方がはるかに武力、知力、気力が優っていて、その自らの圧倒的優越性を相手心理に直接知らせるための手段として笑いを使っているのだと思います。
実際に戦えば相手を確実に圧倒殲滅できることを確信しているので、その確信に一点のくもりもないので、その自らの意識を笑いという手段で相手に直接提示したのだと思います。笑いの本質の一つに相手に対する優位性表現があることは万人が理解しています。
盾持人埴輪は実闘争の前に心理戦、情報戦で勝利している様子を表現していると考えます。
古墳社会における闘争において心理戦、情報戦が行われていた様子をこの盾持人埴輪は伝えていると考えます。」(ブログ「芋づる式読書のメモ」2021.03.10記事「笑う盾持人埴輪」)