2025年9月5日金曜日

阿玉台式・勝坂式・七郎内Ⅱ群3系統キメラ深鉢(柏市小山台遺跡)観察記録3Dモデル

 3D Observation Record Model of Atamadai, Katsusaka, and Shichirouuchi Group II, 3-Lineage Chimera Deep Bowls (Koyamadai Site, Kashiwa City)


I created a 3D model of the observation record of the Atamadai, Katsusaka, and Shichirouuchi Group II, 3-Lineage Chimera Deep Bowls (Koyamadai Site, Kashiwa City), which are currently on display at the historical special exhibition "Shining! Kashiwa's Jomon All-Stars" (Kashiwa City Local History Exhibition Room). I also created a 3D model in 2021. I'm fascinated by the human body.


開催中の歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)で展示されている阿玉台式・勝坂式・七郎内Ⅱ群3系統キメラ深鉢(柏市小山台遺跡)の観察記録3Dモデルを作成しました。2021年にも3Dモデルを作成したことがあります。人体文に魅了されます。

1 阿玉台式・勝坂式・七郎内Ⅱ群3系統キメラ深鉢(柏市小山台遺跡)観察記録3Dモデル

阿玉台式・勝坂式・七郎内Ⅱ群3系統キメラ深鉢(柏市小山台遺跡)観察記録3Dモデル

撮影場所:歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)

撮影月日:2025年7月29日


展示の様子

3DF Zephyr v8.017 で生成 processing 107 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 メモ

今後GigaMesh Software Frameworkによる展開や3Dモデルそのものへの色塗りなどを引き続き楽しむことにします。

3 過去検討資料(2021.11.03)

2021.11.03記事「3系統キメラ土器を3Dモデルで観察


過去3DモデルのGigaMesh Software Framework展開


観察メモ1


観察メモ2

2025年9月2日火曜日

2025年8月ブログ活動のふりかえり

 Reflecting on August 2025 Blog Activities


I reflected on the activities of the blog "Walking the Hanami River Basin" in July 2025.

Continuing from July, August continued with my main focus on inputting coordinates for shell layer artifacts on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound. My remaining time was spent mainly practicing Blender on pits in the first half of the month, and creating 3D models of the Jomon pottery on display in the second half.


ブログ「花見川流域を歩く」の2025年7月活動をふりかえりました。

8月は7月から引き続き、有吉北貝塚北斜面貝層遺物の座標入力作業をメインとする生活に終始しました。余った時間は主に、月前半は土坑をテーマとするBlender習熟活動、月後半は展示縄文土器の3Dモデル作成に当てました。

1 ブログ「花見川流域を歩く」

・2025年8月の記事数は18です。

・毎日午前中は、有吉北貝塚北斜面貝層の遺物平面図からの座標読取作業を日課としています。作業の効率化が進んでいます。

・毎日午後は、月前半は土坑3Dモデル作成をテーマとするBlender習熟活動、月後半は歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)で展示されている縄文土器の3Dモデル作成活動となりました。

2 ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」

・早朝散歩記事を1編書きました。

3 2025年7月活動の特徴

3-1 平面作業入力作業の継続

無味乾燥な入力作業の継続に成功しています。入力作業中は気持が落ち着き、苦痛に感じることはなくなりました。生産される情報の意義の大きさについての理解が進んでいるからだと考えます。

3-2 土坑をテーマとするBlender習熟活動

土坑の平面図、断面図からBlenderで3Dモデルを作成する活動がある程度進んでいます。これまで自分はフォトグラメトリで3Dモデルを作成していますが、Blenderで一から3Dモデルを作成する活動は不慣れです。その不慣れをなんとか克服しようとする活動です。

この活動の中で、土坑3Dモデル作成技術を地山平面図掲載情報(ところどころに標高数値がある地形変換線(≠等高線)情報)に基づく3Dモデル作成作業に適用できることに気が付き、秘かに感動しました。

これまで公開DEM以外の資料から地形3Dモデルを作成する次の技術を試してきて、実用しています。

・等高線から3Dモデル作成(QGIS(GRASSプラグイン、v.surf.rstツール))

・ランダム標高点から3Dモデル作成(QGIS(GRASSプラグイン、v.surf.rstツール))

・複数断面線から3Dモデル作成(Blender(Bsurfaces機能))

・複数空中写真から3Dモデル作成(3DF Zephyr Lite)

このレパートリーに新たに新技術を追加できたことは、自分にとって、特筆すべきことです。

3-3 展示縄文土器の3Dモデル作成

歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)で展示されている縄文土器の3Dモデル作成活動を進めています。

フォトグラメトリ用撮影がしやすい展示物が多く、3Dモデル作成でストレスが少なくなっていて、その分学習が深まっています。7月に撮影した「在庫」がなくなりつつありますので、柏市郷土資料館展示室には再度観覧に訪れることにします。

3-4 E.S.モース著「大森貝塚」(岩波文庫)に興味を持つ

考古とは全く無関係なサヴァン症候群のweb記事を読んでいる中で、エドワード・モースと天才言語サヴァンのディキンズの、ダーウィンも巻き込んだ論争を知り、E.S.モース著「大森貝塚」(岩波文庫)に興味を持ちました。「大森貝塚」は当時の汎世界的問題意識から研究対象になったのであり、日本人の問題意識ではないことにあらためて気が付きました。自分には、考古学史知識がほとんどないことに気が付きました。

4 2025年9月活動の展望

9月は8月活動を継続していくことにします。10月頃までに有吉北貝塚北斜面貝層の平面入力作業の粗入力を終え、11月一杯でその調整を終え、12月頃から分析活動に入れれば、自分の活動は理想的です。

参考

ブログ「花見川流域を歩く」2025年8月記事(〇は閲覧の多いもの)

ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」2025年8月記事


2025年8月 Sketchfabに投稿した3Dモデル


2025年8月 YouTubeに投稿した動画


2025年8月 ブログ「花見川流域を歩く」投稿記事に掲載した画像



2025年8月28日木曜日

土偶(柏市石揚遺跡)観察記録3Dモデル

 3D Observation Record Model of a Clay Figurine (Ishiage Site, Kashiwa City)


I enjoyed creating and observing a 3D model of the observation records of a clay figurine believed to have been created in the first half of the Early Jomon period, which is currently on display at the "Shining! Kashiwa's Jomon All-Stars" historical exhibition (Kashiwa City Local History Exhibition Room). This is a rare clay figurine. It's upside down when displayed.


開催中の歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)で展示されている縄文前期前半につくられたとされる土偶の観察記録3Dモデルをつくり、観察を楽しみました。珍しく希少な土偶です。展示では天地逆になっています。

1 土偶(柏市石揚遺跡)観察記録3Dモデル

土偶(柏市石揚遺跡)観察記録3Dモデル

撮影場所:歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)

撮影月日:2025年7月29日


展示の様子

3DF Zephyr v8.017 で生成 processing 59 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 展示説明

「市内最古の土偶 -石揚遺跡-

石揚(いしあげ)遺跡は、手賀沼を北に臨む標高20~22メートルの平坦な台地上に位置します。石揚遺跡では、市内で最も古い縄文前期の土偶(どぐう)が見つかっています。

千葉県内で土偶が作られ始めるのは縄文時代早期からで、前期前半に作られたと考えられるこの土偶は、初期の土偶として特に珍しく希少なものです。

三角形の粘土板に少し手を加えた程度ですが、顔や体を表す文様が描かれ、乳房らしき突起が2箇所つけられています。」

3 観察メモ


観察メモ

大きな口を開けて歌を歌っている土偶であると想像しました。

これまでに観察記録3Dモデルを作成したことのある大きな口を開けた土偶の例として、時代は異なりますが、次のようものがあります。いずれも歌を歌っているのかもしれません。


土偶(箕輪町丸山遺跡)中期


土偶(市原市根田祇園原貝塚)晩期


土偶(市原市根田祇園原貝塚)晩期


2025年8月26日火曜日

鳥形把手(柏市寺下前遺跡)観察記録3Dモデル

 3D Observation Record Model of a Bird-Shaped Handle (Terashitamae Site, Kashiwa City)


I enjoyed creating a 3D model of the observation record of a bird-shaped handle, which is on display at the ongoing historical special exhibition "Shining! Kashiwa's Jomon All-Stars" (Kashiwa City Local History Exhibition Room). I was intrigued by the realistic bird-like feel of the beak and eyes.


開催中の歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)で展示されている鳥形把手の観察記録3Dモデルを作成して楽しみました。嘴と目から鳥のリアル感を受けたので興味を持ちました。

1 鳥形把手(柏市寺下前遺跡)観察記録3Dモデル

鳥形把手(柏市寺下前遺跡)観察記録3Dモデル

撮影場所:歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)

撮影月日:2025年7月29日


展示の様子

3DF Zephyr v8.017 で生成 processing 72 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 3Dモデルのオルソ投影画像


前から


左から


右から


カメラ配置

3 メモ

これまで見たことのある鳥形把手とくらべて、嘴と目から鳥のリアル感を受けたので興味を持ちました。


2025年8月23日土曜日

E.S.モース著「大森貝塚」(岩波文庫)に興味を持つ

 Becoming interested in "Omori Shell Mounds" by E.S. Morse (Iwanami Bunko)


By chance, I became interested in "Omori Shell Mounds" by E.S. Morse (Iwanami Bunko) and wanted to study it in depth.


ヒョンなことからE.S.モース著「大森貝塚」(岩波文庫)に興味を持ち、じっくりと学習したくなりました。

1 E.S.モース著「大森貝塚」(岩波文庫)に興味を持った経緯

1-1 ディキンズとダーウィン・モースの論争

考古とは全く無関係ですがサヴァン症候群のweb記事を読んでいる中で、次の文章に遭遇し、驚きました。

「ちなみに、もともとは医師であったディキンズさんは、Nature 誌などに論文も発表しています。その中に、大森貝塚に関するエドワード・モース先生の論文(Morse, 1879)に反論した論考があります(Dickins,1880a, p. 350)。モース先生は、当然のことながらその主張に再反論します。既にアメリカに帰国していたモース先生は、その原稿を何とダーウィンに送り、同誌に転送してもらうのです。それは、ダーウィンが大森貝塚に関心を寄せていたためでもあったようです。そのような事情から、モース先生の反論は、冒頭にダーウィンの添え書きが付されて、ダーウィンの名義で発表されています(Darwin, 1880, pp. 561-62)。このような逸話を見ると、わが国とは縁遠く見えるチャールズ・ダーウィンという稀代の生物学者も、ずいぶんと身近に感じられることでしょう。」

サイト心の研究室「神経心理学と心理的要因 1.サヴァン症候群という現象」から引用

この記事の中で、ディキンズは天才的言語的サヴァンとして紹介されています。「百人一首」や「仮名手本忠臣蔵」の英語訳を出版したり、葛飾北斎の冨嶽百景に関する学術研究書を書いた人です。

その天才言語サヴァンのディキンズが、モースの大森貝塚研究にイチャモンをつけ、ダーウィンがモースに肩入れして論文を発表したというのですから、興味が深まります。

その事情についてwebでいろいろ調べる中で、その論争資料のNature掲載古論文が1編6000円程度でダウンロード販売されていることも知りました。英語に弱く金もない自分が手を出せるはずもなく我慢しましたが、はやまった行動をとらないで正解でした。

なんと、論争資料(日本語訳)がE.S.モース著「大森貝塚」(岩波文庫)に掲載されていることを知りました。


E.S.モース著「大森貝塚」(岩波文庫)

1-2 論争の内容

論争の主内容は大森貝塚の居住者と年代で、ディキンズが(歴史に登場する)日本人、600年前、モースが「アイヌが住みつく以前」の種族、年代(日本人が住みついたころ、それ以前に住んでいたアイヌの抵抗を受けた。神武天皇は1世紀に日本征服のために九州からやってきた。)としています。今となっては、モースの居住者観、年代観の方に軍配があがります。

1-3 モースやダーウィンの知識レベルに興味を持つ

webで大森貝塚やモースやダーウィンについて調べて行くうちに、モースの知識の中に、現代に通じるものが多くあると直観しました。氷河期などの概念も所持していたようです。モースやダーウィンの知識を知りたくなりました。

また、縄文土器(cord marked pottery)という用語もモースの大森貝塚報告を出発点として生まれたように、遺物についての観察がどのように行われたのかということも知りたくなりました。

モースの記述の中にはデンマーク、ニューイングランド、フロリダ、バルト海沿岸など世界各地の貝塚の比較が出てきます。比較対象は貝(動物)だけでなく遺物にも及んでいます。世界の貝塚の知識で大森貝塚を論じています。このような汎地球的視点は現代日本貝塚研究ではとても少ないように感じます。北米太平洋岸貝塚との比較論説を幾つか見る程度です。貝塚研究の視野の広さは明治期モースの方がはるかに優っていたようです。

天才言語サヴァンのディキンズに対する興味はしばらく封印して、モースやダーウィンについて学習したくなりました。

2 学習の視点

次のような視点でE.S.モース著「大森貝塚」(岩波文庫)学習を楽しむことにします。

・図版をスキャンして拡大して、現代発掘調査資料における実測図等と比べて、「作品」として楽しむ。

・明治期発掘における発掘者の興味の持ち方について知る。(現代の興味の持ち方と較べる。)

・大森貝塚に関する国際的論争に関わった人物がどのような背景知識を持っていたのかについて知る。(モース、ダーウィン、ディキンズ)

3 メモ

E.S.モース著「大森貝塚」(岩波文庫)の全文をwebで公開しているサイトがあります。

http://ktymtskz.my.coocan.jp/S/Iseki/omori0.htm


2025年8月20日水曜日

焼町式土器(柏市大松遺跡)のGigaMesh Software Framework展開

 GigaMesh Software Framework Deployment of Yakemachi Pottery (Omatsu Site, Kashiwa City)


I created an unfolded image using the GigaMesh Software Framework from the 3D model of the observation records of Yakemachi Pottery (Omatsu Site, Kashiwa City). Since there is information that two human figures are depicted, I added my own interpretation of the human figures to the unfolded image.


焼町式土器(柏市大松遺跡)観察記録3DモデルからGigaMesh Software Frameworkで展開画像を作成しました。人体文が2つ表現されているとの情報があるので、展開画像に人体文の自分の想定を描き込んでみました。

1 焼町式土器(柏市大松遺跡)観察記録3Dモデル


焼町式土器(柏市大松遺跡)観察記録3Dモデル画像

2025.08.19記事「焼町式土器(柏市大松遺跡)観察記録3Dモデル

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開画像


GigaMesh Software Frameworkによる展開画像(カラー)


GigaMesh Software Frameworkによる展開画像(ソリッド)

3 人体文の想定


人体文の想定

西川博孝著「柏市小山田・大松遺跡の縄紋中期土器-多様で華麗な紋様を楽しもう-」(2023.02.19講演会資料)に掲載されている次の別土器人体文想定図を参考に、自分の想定を楽しみ、その結果を画像にかきこんだものです。

手を大きく広げた人(女性?)とその人と手を結んでいる人(男性?)が踊っている様子の表現でしょうか。


西川博孝著「柏市小山田・大松遺跡の縄紋中期土器-多様で華麗な紋様を楽しもう-」(2023.02.19講演会資料)掲載資料


2025年8月19日火曜日

焼町式土器(柏市大松遺跡)観察記録3Dモデル

 3D Observation Record Model of Yakemachi Pottery (Omatsu Site, Kashiwa City)


I created a 3D model of the observation record of Yakemachi pottery (more precisely, pottery that appears to have been made in Kashiwa City, Chiba Prefecture, in imitation of Yakemachi pottery), which is currently on display at the historical special exhibition "Shining! Kashiwa's Jomon All-Stars" (Kashiwa City Local History Exhibition Room). For someone accustomed to seeing Chiba Jomon pottery, the pottery's patterns seem exotic. I plan to create a GigaMesh Software Framework unfolded diagram in the future.


開催中の歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)で展示されている焼町式土器(正確には焼町式土器を模して千葉県柏市でつくられたらしい土器)の観察記録3Dモデルを作成しました。千葉縄文土器を見慣れた自分にはエキゾチックな文様の土器です。GSF展開図を今後作成予定。

1 焼町式土器(柏市大松遺跡)観察記録3Dモデル

焼町式土器(柏市大松遺跡)観察記録3Dモデル

撮影場所:歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)

撮影月日:2025年7月29日


展示の様子

3DF Zephyr v8.017 で生成 processing 200 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 資料 西川博孝著「柏市小山田・大松遺跡の縄紋中期土器-多様で華麗な紋様を楽しもう-」(2023.02.19講演会資料)抜粋

「もう一つの逸品は、図6のやはり大松遺跡のSK226から出土した土器です。上記、縄紋土器の三つの特徴をあげると、以下の点が指摘されます。

①紋様は口縁部と体部の2帯となる。口縁突起がカタツムリ状の特異な形をしている。  

② 口縁部は主紋様として斜行するヘアピン状の隆線紋様がおそらく6単位で繰り返される。体部は道訓前遺跡のような4単位の人体紋がある

③隆線と沈線による紋様が隙間無く施されている ①のカタツムリ状の突起は同じ時期の新潟県の在地土器に付く特徴的な突起で、関東地方では他に1例があるだけです。また、口縁部の主紋様である斜行するヘアピン状の隆線紋様は富山県や石川県の中期中葉に特徴的な独特の紋様で、他地域にはこうした斜行紋様はほとんどありません。さらに、器肌の色は黄色味を帯びていてこの地方の土器とよく似ています。しかし、隆線は細くて北陸の豪快な斜行隆線とは違っていますし、小さな円環が多数付くのは道訓前の土器と共通した特徴です。また、体部の人体紋は道訓前と同じ2種類が認められよく似ていますが、腕の表現が不完全です。このように、大松遺跡SK096の土器は千葉県では類を見ない異色の土器ですが、異なった地域の紋様が混合していてどこで制作されたのか理解に苦しみます。ただ、この土器の制作者は複数の地域の紋様をほぼ正確に理解していて、器肌の色までも再現しており、それらの土器を実際に見ていたのではないでしょうか。」

(webからダウンロード引用)

3 メモ

今後GigaMesh Software Frameworkによる展開図を作成する予定です。


カメラ配置

2025年8月18日月曜日

有吉北貝塚北斜面貝層の遺物分布図座標入力作業日誌(2025.08.18)

 Log of the work to input coordinates for artifact distribution maps of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound (August 18, 2025)


I have written a log of the work to acquire 3D coordinates for all artifacts in the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. With 38,245 artifacts plotted in 3D space, the overall picture is beginning to emerge, albeit vaguely. Analysis will begin once all artifacts are plotted, but it is time to consider an analysis plan tailored to the actual data situation.


有吉北貝塚北斜面貝層の全遺物3D座標取得活動の日誌をメモしました。3D空間にプロットした遺物は38245となり、全体像がおぼろげながら見えてきました。分析活動は全遺物プロット後に開始しますが、そろそろデータ実情に合わせた分析活動計画を検討することにします。

1 有吉北貝塚北斜面貝層の遺物分布図データ(2025.08.18現在)

有吉北貝塚北斜面貝層の遺物分布図データ(2025.08.18現在)

38245遺物データ

3DF Zephyr v8.017でアップロード


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像


3Dモデルの画像(上から、オルソ投影)

2 メモ 1

原票(遺物分布図)からの座標読取活動とその後のデータ調整は、慣れと諸段階におけるPythonを活用した自動化により、効率化が加速しています。

3D空間にプロットできる遺物の約7割についてプロットが済んだようです。

毎日午前中は入力作業に集中し、ノルマ(最低600件入力/1日)達成は事情の有無によらず自分に義務化しています。体調の良い日には1500件ほど入力できたこともありました。


Blender画面(38245オブジェクトがプロットされている様子)

3 メモ 2

遺物平面座標入力後の活動イメージ

1 分析用データ作成

1-1 データ確認作業

入力作業の確認作業(遺物台帳、遺物分布図、グリッド別)

分析用データ整備

1-2 グリッド別基本統計作成(数値表、必要に応じグリッド別平面分布図)

グリッド別の全遺物数及び種別遺物数

グリッド別の3D空間プロット遺物数、3D空間プロット種別遺物数

2 基本分析

2-1 種別遺物分布分析

北斜面貝層全体を対象に種別遺物分布図を作成して、種別間の分布特性の違いを分析する。

2-2 地山地形と貝層区分分析

地山地形と貝層区分分布について分析し、流動特性を踏まえて、オリジナル貝層と流動貝層の違いなどについて分析する。

2-3 2-1と2-2の相関分析

流動特性を踏まえた貝層区分に基づいて、種別遺物分布特性を分析する。同じく、種別間の分布特性の違いを分析する。

3 基本分析の次のステップ 土器遺物データと土器型式の対応調査

土器遺物データ現物(遺物番号に対応する土器片)の土器型式を調査し、その結果を貝層区分に反映させることによって出土遺物と土器型式との関係を把握する。(貝層と出土遺物のおおよその年代を知る。)


2025年8月17日日曜日

技術資料 勝坂式土器(柏市大松遺跡)(半裁)の渦巻文と三叉文の分布3Dモデル

 Technical Data: 3D Model of the Distribution of Spiral and Trident Patterns on Katsusaka-style Pottery (Omatsu Site, Kashiwa City) (Half-section)


I had fun creating a 3D model that simulates the distribution of spiral and trident patterns on Katsusaka-style pottery (Omatsu Site, Kashiwa City) (Half-section). I previously attempted the same thing with the wild boar line engraving on Kasori EIV-style pottery.


勝坂式土器(柏市大松遺跡)(半裁)の渦巻文と三叉文の分布だけを疑似的に抽出した3Dモデルを作成して楽しみました。以前同じ試みをイノシシ線刻画加曽利EⅣ式土器でしたことがあります。

1 勝坂式土器(柏市大松遺跡)(半裁)の渦巻文と三叉文の分布3Dモデル

勝坂式土器(柏市大松遺跡)(半裁)の渦巻文と三叉文の分布3Dモデル


3Dモデルのテクスチャ画像

3DF Zephyr v8.017でアップロード


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像


3Dモデルの画像

2 参考 イノシシ線刻画3Dモデル

イノシシ線刻画3Dモデル


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2023.02.11記事「イノシシ線刻画がある加曽利EⅣ式深鉢(市川市権現原貝塚) 観察記録3Dモデル v2

3 感想

この記事は下記記事の続きです。

2025.08.16記事「技術資料 フォトグラメトリ生成3Dモデルのテクスチャを画像編集ソフトで直接編集可能にする方法

フォトグラメトリ生成3Dモデルのテクスチャを画像編集ソフトで直接編集可能にすると、分析や表現の可能性が大きく広がる一端をこの記事で確認しました。


2025年8月16日土曜日

技術資料 フォトグラメトリ生成3Dモデルのテクスチャを画像編集ソフトで直接編集可能にする方法

 Technical Information: How to Edit the Texture of a Photogrammetry-Generated 3D Model Directly in Image Editing Software


I've been working on a method for directly editing the texture of a photogrammetry-generated 3D model in image editing software for the first time in a while, and I've finally managed to get it done. I cut a Katsusaka-style pottery vessel on display at "Shining! Kashiwa's Jomon All-Stars" (Kashiwa City Local History Exhibition Room) in half and traced the spiral and trident patterns.


フォトグラメトリ生成3Dモデルのテクスチャを画像編集ソフトで直接編集可能にする方法に久しぶりに取組み、なんとかかんとか、形になりました。「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)展示勝坂式土器を半裁し、渦巻文と三叉文をなぞりました。

1 画像ソフトでテクスチャ編集した勝坂式土器(柏市大松遺跡)(半裁)3Dモデル

画像ソフトでテクスチャ編集した勝坂式土器(柏市大松遺跡)(半裁)3Dモデル

元3Dモデルの撮影場所:歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)

元3Dモデルの撮影月日:2025年7月29日

半裁した3Dモデルのテクスチャに、画像編集ソフトで渦巻文と三叉文を描き加えた3Dモデル


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 フォトグラメトリ生成3Dモデルのテクスチャを画像編集ソフトで直接編集可能にする方法

この方法の原理は既に次の記事で説明しています。

ブログ花見川流域を歩く 番外編 2022.05.26記事「3Dモデル直接描画方法

3 今回の取組み

2の方法で勝坂式土器(柏市大松遺跡)のテクスチャを編集して、文様をなぞった3Dモデルを作成しようと試みました。

ところが思うようにできません。3日間程「あーだ、こーだ」と時間を浪費して、ようやく解決の糸口をみつけた段階にたどりつきました。

とりあえず、土器を半裁にして、隠れた「穴」(土器外面と内面をチューブ状につなぐ穴)を見つけて対処したところ、所望する結果に至りました。

今後、さらに技術的吟味をして、土器全体について所望する結果を得たいと思います。(3Dモデルにもともと開いている穴3箇所と、普通に見ただけでは判らない隠れた穴2箇所の対処をすれば、所望する結果を得られると期待しています。)

4 フォトグラメトリ生成3Dモデルのテクスチャと画像編集ソフトで編集できるテクスチャ


フォトグラメトリ生成3Dモデルのテクスチャ

一般にフォトグラメトリ生成3Dモデルのテクスチャは人の目では理解できない画像となっていますから、画像編集ソフトでは編集できません。


3DF Zephyr LiteとBlenderの連携により作成した人が理解できるテクスチャ画像


同上画像に画像編集ソフト(Illustrator)で渦巻文と三叉文を書きこんだ画像


2025年8月13日水曜日

技術資料 234グリッド付近の精細地山地形3Dモデル作成

 Technical Information: Creating a High-Detail 3D Model of Natural Terrain at Near-234 Grids


I developed a technique for creating a high-detail 3D model of natural terrain from a topographical map that uses terrain boundaries (terrain borders) rather than contour lines. This technique applies techniques for creating 3D models of pits and other structures (using Bézier curves in Blender).


等高線ではない地形境界線(地形縁取線)で表現された地山平面図(地形学図)から、精細な地形3Dモデルを作成する技術を開発しました。土坑等の3Dモデル作成技術(Blenderにおけるべジェ曲線利用)を応用したものです。

1 有吉北貝塚北斜面貝層234グリッド付近の地山地形3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層234グリッド付近の地山地形3Dモデル

垂直比率:×1.0

Blenderでべジェ曲線から作成


地山平面図検討図

3DF Zephyr v8.017 でアップロード


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像


3Dモデルの画像

2 作成方法

2-1 利用ツール

・Blenderでべジェ曲線から面を貼り、地形を表現する。

・ベジェ曲線描画はアドオン「Bezier Toolkit」(フリー)による。

・べジェ曲線の標高分布は自作アドオン「Bezier Z Interpolator」による。

2025.07.11記事「縄文遺構実測図の縁取線(地形変換線)の高度線形補間Blenderアドオン

・面貼り(メッシュ生成)はアドオン「Curves To Mesh」(有償)による

2-2 Blenderにおける手順

・地形境界線(地形縁取線)(=非等高線)をべジェ曲線でなぞる。べジェ曲線作成区間はメッシュ生成単位(地形面単位)に対応させる。

・アドオン「Bezier Z Interpolator」で2~3点の標高点で線形補間して、べジェ曲線の標高分布を滑らかなものとする。

・ほとんどのべジェ曲線は隣接する地形面との接合線となるので、同じものが2つ必要であることから、Shift+Dでコピーする。

・アドオン「Curves To Mesh」で、地形面単位毎に2本のべジェ曲線からメッシュ生成する。

・全ての地形面メッシュを三角面化し、ノーマルを揃えてから統合してメッシュオブジェクトとする。必要に応じて微細不都合等を調整する。

3 感想

土坑等の3Dモデル作成習熟活動の中で、自作アドオン「Bezier Z Interpolator」とアドオン「Curves To Mesh」が活躍していますが、同じことを地山平面図3Dモデル化に活用できることに気が付き、早速試してみました。その結果、とてもよい成果を得ることができました。

地山平面図に表現されている情報がそのまま、ありのまま精細3Dモデルにできるのでとても有用な技術開発ができたとうれしくなっています。

これまで公開DEM以外の資料から地形3Dモデルを作成する次の技術を試してきて、実用しています。

・等高線から3Dモデル作成(QGIS(GRASSプラグイン、v.surf.rstツール))

・ランダム標高点から3Dモデル作成(QGIS(GRASSプラグイン、v.surf.rstツール))

・複数断面線から3Dモデル作成(Blender(Bsurfaces機能、辺ループのブリッジなど))

・複数空中写真から3Dモデル作成(3DF Zephyr Lite)

空中写真を除き、これらの技術と比べると、今回の地形境界線(=非等高線)から3Dモデルをつくる方法がもっとも精度がよいと考えます。精度よいとは、資料情報をそのまま3Dモデルにできるという意味です。等高線やランダム標高点から作成する3Dモデルは「まるまっている」「空間平均的情報演算操作の中で微細凹凸が失われている」のです。


2025年8月11日月曜日

勝坂式土器(柏市大松遺跡)文様の観察

 Observing the Patterns of Katsusaka Pottery (Omatsu Site, Kashiwa City)


The Katsusaka pottery (Omatsu Site, Kashiwa City), on display at the special exhibition "Shining! Kashiwa's Jomon All-Stars" (Kashiwa City Local History Exhibition Room), features two distinct patterns. I observed the patterns on this pottery by comparing the GigaMesh Software Framework unfolded diagram with a 3D model.


企画展「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)で展示されている勝坂式土器(柏市大松遺跡)は2つの趣の違う文様を共存させて所持しています。この土器の文様をGigaMesh Software Framework展開図と3Dモデルを照らし合わせて観察しました。

1 勝坂式土器(柏市大松遺跡)展示の様子


勝坂式土器(柏市大松遺跡)展示の様子

観察記録3Dモデルを作成してGigaMesh Software Framework展開図を作成しました。

2025.08.10記事「勝坂式土器(柏市大松遺跡)観察記録3Dモデル


GigaMesh Software Framework展開図

2 GigaMesh Software Framework展開図による観察


GigaMesh Software Framework展開図による観察

三角区画文優勢範囲と渦巻文優勢範囲を図示しました。それぞれの文様優勢範囲の特徴が際立っていると感じた部分の色を濃くしました。

三角区画文優勢範囲には粘土紐のジグザグ配置による文様がありますが、これは渦巻文優勢範囲にはありません。

渦巻文優勢範囲には粘土紐表面を細かく刻む装飾があります。この装飾は三角区画文優勢範囲にはありません。また土器文様最下段の区画文をみると、渦巻文優勢範囲の直下だけに刻みがみられます。


三角区画文優勢範囲の装飾


渦巻文優勢範囲の装飾

3 感想

・土器の2つの半面にそれぞれ異なる趣の文様を、意図して、造形していることを確認できます。

・しかし、三角区画文と渦巻文はそれぞれの半面で使われています。三角区画文優勢かそれとも渦巻文優勢かという違いは程度の違いであるように感じます。

・縄文人社会の何らかの2つの集団の共存関係を表現したものかもしれません。例えば三角区画文はA集団をイメージしていて、渦巻文はB集団をイメージしていて、A集団とB集団の共存共和の象徴としてこの土器を作成したのかもしれません。より具体的にはA家とB家の婚姻関係成立を寿ぐツールだったのかもしれません。

・土器製作縄文人の心境は、文様の新しい組み合わせと装飾に関する創作意欲、創造意欲にあふれていたと想像します。


技術資料 有吉北貝塚北斜面貝層グリッドの遺物出土順番動画

 Technical Information: Video of the Order of Artifact Excavation in the Grid of Shell Layers on the North Slope of the Ariyoshikita Shell Mound


I created a 3D video showing the order of artifact excavation in the grid (2m x 2m), the unit of excavation work at the shell layer on the north slope of the Ariyoshikita Shell Mound. This video commemorates the hard work of the excavation work and may be useful for data checking.


有吉北貝塚北斜面貝層の発掘作業単位であるグリッド(2m×2m)における遺物出土順番動画を3D空間のなかで作成しました。発掘作業のご苦労をしのぶとともに、データチェックなどに使えそうです。

1 有吉北貝塚北斜面貝層227グリッドにおける遺物出土順番動画


有吉北貝塚北斜面貝層227グリッドにおける遺物出土順番動画

2 同 その2


同 その2(オルソ投影断面)

3 メモ

有吉北貝塚北斜面貝層の発掘作業はグリッド(2m×2m)単位で行われました。地表から順を追って遺物を発掘して遺物番号をふっています。

この動画はBlender3Dビューポートのなかで、遺物番号の若い順に0.1秒単位で累積的に遺物を表示した画面のキャプチャー動画です。

この動画は発掘作業のご苦労をしのぶとともに、データチェックなどの確認作業に使います。

Blenderにおける遺物番号順累積的遺物表示はChatGPT支援により、特製のBlenderPythonスクリプトを作成して、実行しました。


2025年8月10日日曜日

勝坂式土器(柏市大松遺跡)観察記録3Dモデル

 3D Observation Record Model of Katsusaka Pottery (Omatsu Site, Kashiwa City)


I created a 3D model of the observation record of Katsusaka pottery, which is currently on display at the historical exhibition "Shining! Kashiwa's Jomon All-Stars" (Kashiwa City Local History Exhibition Room). This is a rare piece of pottery, with spiral patterns and triangular compartment patterns covering half of each side. I was able to create a 3D model with minimal difficulty. I plan to analyze the GigaMesh Software Framework expansion diagram in the future.


開催中の歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)で展示されている勝坂式土器の観察記録3Dモデルを作成しました。渦巻文と三角区画文が半面ずつ占める珍しい土器です。難の少ない3Dモデルができました。GigaMesh Software Framework展開図を今後分析予定。

1 勝坂式土器(柏市大松遺跡)観察記録3Dモデル

勝坂式土器(柏市大松遺跡)観察記録3Dモデル

撮影場所:歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)

撮影月日:2025年7月29日


展示の様子

3DF Zephyr v8.011 で生成 processing 207 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの動画(カラー無効化バージョン)


3Dモデルの画像(渦巻文がメインの面)


3Dモデルの画像(渦巻文がメインの面、カラー無効化)


3Dモデルの画像(三角区画文がメインの面)


3Dモデルの画像(三角区画文がメインの面、カラー無効化)

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開1


GigaMesh Software Frameworkによる展開2


GigaMesh Software Frameworkによる展開(カラー無効化)

3 資料 西川博孝著「柏市小山田・大松遺跡の縄紋中期土器-多様で華麗な紋様を楽しもう-」(2023.02.19講演会資料)抜粋

「2番目に感動したのが今回展示している大松遺跡SK096から出土した土器です。高さは道訓前と同じ62㎝で、重くて一人で持てない重量があります。上記、縄紋土器の三つの特徴で見ると、

  ①口縁部、体部の2帯に分かれ、最下段にも狭い区画帯がある

  ② 見る位置でまったく紋様が異なる二面性を持つ。一面は多数の渦巻紋様が目立つ(13 ~15個)が、その裏面は三角形を基調とした区画紋様が際立つ。

  ③ 個々の紋様、三角形区画は勝坂式の特徴だが、口縁部・体部とも紋様区画は不統一で、そうした構成を持つ勝坂式は西関東にはない。だが、見ていて違和感はない。 

 ②のとおり、この土器は異なった角度から見るとまったく別の土器に見えるのです。しかし、ぐるりと回りながら見ると、渦巻が基調となる紋様から三角基調へと次第に移り変わっていることが理解できます。いわば、一つの土器で二度楽しめ、かつ二つの世界を回り灯篭のように見ることができるすぐれた作品と言えるでしょう。また、③の特徴によりこの土器を制作したのは大松遺跡の縄紋人と考えられます。袋状土坑内に完形品として立った状態で埋納されていたので、当時の縄紋人もこの土器を特別なものと見ていたに違いありません。」(webからダウンロード引用)

4 メモ

4周をガラスで覆うショーケースに展示されているので周回撮影が可能で、難の比較的少ない3Dモデルができました。


カメラ配置の様子

一部ガラス面反射がテクスチャに焼き付いてしまっています。

引用資料のとおり、この土器は1面は渦巻文がメインで、1面は三角区画文がメインという珍しい文様となっています。

別記事でGigaMesh Software Framework展開図に色をつけて塗り絵を楽しむことにします。さらに別記事で、3Dモデルそのものの色塗りにチャレンジして遊んでみることにします。

3Dモデル色塗り技術の記事 2023.01.25記事「縄文土器3Dモデルの色塗り遊び」など