2013年8月13日火曜日

柏井・高津古代官道遺跡の存在予測

花見川地峡の自然史と交通の記憶 54

柏井・高津古代官道の遺跡がほぼ確実に存在していると考えられる場所を見つけましたので、報告します。

1 古代官道ルート
次の図はGIS上に背景として最新空中写真(2012年撮影)を開き(※)、柏井・高津古代官道ルート及び他の情報をプロットしたものです。

電子国土空中写真上にプロットした柏井・高津古代官道ルート
基図は電子国土最新空中写真(2012年撮影)にDMデータ(千葉市及び八千代市提供)をオーバーレイしている

官道ルートは米軍空中写真で判読したソイルマーク、馬防土手、土地利用界をつないだもので、真直線といえる線分です。

官道ルートと地図表記の町丁界線が異なります。本来、原理的にこの二つの線分は一致するはずです。そこで、地籍図(千葉市土地調査図)との対照及び現場調査をしました。

その結果、官道ルートとした線分を柏井高校付近の現場で確認し、正確なものであることを実感しました。

地図表記の町丁界線は誤りといっていい精度の線分であることを現場で確認しました。恐らく旧柏井村地籍図だけを頼りにつじつま合わせを図面上で作図したものだと思います。

地籍図(千葉市土地調査図)は、ここでは紹介しませんが、つじつま合わせの図面であることにかわりがありません。(地籍図は旧柏井村と旧横戸村の資料を調整してつじつま合わせをしたような印象を受ける。)

2 土地開発からみた官道遺跡存在予測
官道ルートの土地利用を見ると、花見川西岸では大部分がゴルフ場となっています。ゴルフ場域では官道の遺跡が存在している可能性は低いと考えます。

ゴルフ場と花見川にはさまれた所が印旛沼堀割普請の捨土土手となっています。
この捨土土手の下には古代官道がそのまま眠っている可能性が濃厚です。いわば捨土土手によって遺跡が守られていることになります。

花見川東岸では横戸台団地建設の際の開発(消防用地建設等)と昨年の小規模開発によって古代官道の遺跡は壊されたと考えられます。

以上の検討から、古代官道遺跡は花見川西岸の捨土土手の下に現在でも存在している可能性を確認できます。

古代官道遺跡が存在していると考えられる場所
基図は電子国土最新空中写真(2012年撮影)にDMデータ(千葉市及び八千代市提供)をオーバーレイしている

将来、捨土土手の構造等の把握も含めて、古代官道遺跡を発掘調査することが望まれます。

ここで古代官道遺跡が見つかれば、古代道路研究、古代水運研究、古代千葉の植民研究の発展に大いに資することになると思います。

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※ 手持ちGIS(地図太郎PLUS)では、電子国土(国土地理院)の次の地図及び空中写真を背景として自動的に開くことが出来ます。

●標準地図
●刊行地図
●空中写真 2007年以降撮影
●空中写真 198890年撮影
●空中写真 198486年撮影
●空中写真 197983年撮影
●空中写真 197483年撮影

花見川流域付近ではこれらすべての資料を利用できます。
GIS上で空中写真と各種地図・情報を自由にオーバーレイできるので、本ブログでは各種作業を極めて効率的かつ正確に行うことができます。
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つづく

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