2017.09.03記事「西根遺跡 弥生時代以降における縄文土器露出状況」の検討副産物を記事にします。
次の図は時代別流路の断面図を例示したものです。
時代別戸神川流路の深さ
流路2(古墳時代前期以前)と流路3(古墳時代前・中期)の深さが大きく、また断面自体も大きくなっています。
戸神川の浸食力が大きく、極端にいえば沖積低地が河岸段丘のようになっている様子がわかります。
時代前後の流路1(縄文時代)や流路4~6・7は極浅い流路となっています。
この現象はいわゆる「弥生の小海退」に対応する地象であると考えます。
このような戸神川浸食力増加時期があったため、その期間に水田耕作する人々は戸神川に可動堰を作ったと考えます。
戸神川の浸食力が衰え、流路の深さが浅くなれば、可動堰は必要なくなり、自然流下で水田に水を引くことができます。
古墳時代にのみ戸神川に可動堰がつくられた理由は「弥生の小海退」の影響によるものであると考えます。
参考 古墳時代(流路3)可動堰
「印西市西根遺跡-県道船橋印西線埋蔵文化財調査報告書-」(平成17年)から引用
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