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2017年5月4日木曜日

西根遺跡(縄文時代)各種分布図のGIS貼り付け

西根遺跡(縄文時代)学習を始めるに当たってその見立て(作業仮説)は既に検討しました。
2017.04.20記事「西根遺跡学習用作業仮説
2017.04.26記事「西根遺跡は翡翠原石入荷ミナトか? 学習用作業仮説追補

この記事では学習を実務的に始めるための準備として発掘調査報告書に掲載されている各種分布図をGISに貼り付けましたので、紹介します。

1 GISに貼り付けた分布図

次の5図をとりあえずGIS(地図太郎PLUS)に貼り付けました。

GISに貼り付けた西根遺跡(縄文時代)分布図

発掘調査報告書の中でのサイズはまちまちであり、また略図的なものから精細な地図まであります。

2 GIS貼り付け結果
GISに貼り付けた様子を示します。

広域の中で西根遺跡
今後、縄文時代の周辺遺跡や遺構をGISにプロットして、西根遺跡の意義の検討を深めたいと思います。

周辺地形の中での西根遺跡
台地状の竪穴住居祉から、台地斜面のどこを通ってこの西根遺跡の場所に降りてきたかなどの分析は早い時期に行いたいと考えています。

地図の重ね合わせ
土器集中域精細図(青)と土器重量分布図(メッシュ図)(赤)を重ねたものです。
土器集中域の空間分析を徹底して行う予定です。

地図の重ね合わせ(拡大)
同上

地図の重ね合わせ(拡大)
土器重量分布図(赤)と獣骨重量分布図(緑)を重ね合わせたものです。
獣骨(焼骨細片)の分布が土器分布と同じ場所で面的である理由に興味が湧いています。

3 GIS活用のイメージ
発掘調査報告書では10万片以上の土器片を対象に分析を行い土器形式別等の分布図を作成しています。

土器形式別等の分布図

土器形式別等の分布図

これらの分布図に含まれる情報を自分なりに咀嚼してその結果をGISにプロットして、他の情報との関連をみたいと考えています。
その作業の中で、発掘調査報告書における土器分析結果から新たな有益情報を汲みだすことを目指します。
予定調和的に興味深い事象が発見できることを期待しますが、そうならないことも考えられますから、興味津々です。

4 参考 分布図のGIS貼り付け方法
実は以前の西根遺跡(古墳・奈良・平安時代)検討で既に類似分布図をGIS(地図太郎PLUS)に貼り付けてあります。
その過去における分布図貼り付け結果を利用して、今回は簡便な方法で、かつ正確に貼り付けしました。

紙地図GIS貼り付け結果の再利用
遺跡における紙地図GIS貼り付け結果(位置情報ファイル)は、私にとって重要な知的資産になっています。




 

2016年11月13日日曜日

上谷遺跡 竪穴住居跡遺物出土ヒートマップ作成

2016.11.12記事「上谷遺跡 竪穴住居覆土層出土遺物は廃棄物か?」でA102a竪穴住居の遺物分布図を示し、「確実に言えることは竪穴住居の中央部に密であるという分布でないこと」と述べました。

A102a竪穴住居 遺物分布図 2

この分布図からヒートマップを作成しより直観的に「竪穴住居の中央部に密であるという分布でないこと」を示すことができましたので、作業図を紹介します。

A102a竪穴住居 遺物分布図 のヒートマップ
GIS(地図太郎PLUS)作業画面 (ヒートマップそのものはQGISで作成)
(ちなみに、上記画面が地図太郎PLUSの画面拡大限界(1/45))

遺物出土地点の密集域は赤、密集域から離れると色が順次オレンジ、黄色、緑、青と変化し、50㎝以内に遺物出土地点がない空間は色がつきません。

カーネル密度推定における半径パラメータが50㎝(!)ということになります。

この図から、単に遺構中央部の遺物密度が密ではないという情報以外に、遺物出土域がクラスター状になっている理由など、もっといろいろな情報を引き出し、同時に各種問題意識をこの図に投影して考察したいと思います。

また、遺物種類別にヒートマップを作成することも行いたいと思います。

この竪穴住居は約5.6m×約5.6mの大きさですが、この空間を地理空間としてGISで扱うことによってヒートマップができること自体に、技術的に感動しました。