2026年3月30日月曜日

断面の模式的予備解釈

 A Schematic Preliminary Interpretation of the Cross-Section


I have been continuing my detailed analysis of the pottery-dense zone of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. During this work, a schematic preliminary interpretation of the cross-section emerged, which I have noted down. I assumed two waves of shell mudflow (high-concentration flow) in the cross-section.


有吉北貝塚北斜面貝層の土器密集ゾーンの詳細分析を継続してきました。その作業の中で、断面の模式的予備解釈が生まれましたのでメモしました。断面に2波の貝殻泥流(高濃度流)を想定しました。

この記事は2026.03.26記事「294土器の出土場所の特定」の続きです。

1 上下2層で構成される土器密集


上下2層で構成される土器密集

2 土器密集の分布


密集土器分布(Blender作業図)


5断面の密集土器分布

3 断面の模式的予備解釈


断面の模式的予備解釈

土器密集が上下2層で構成される事実を踏まえ、294土器出土場所付近の写真を模式的予備解釈しました。下総層群(基盤)の上に土器混じり泥層と貝殻混じり泥層のセットが2つ乗っていると捉えました。それぞれのセットを下から第1波貝殻泥流堆積物、第2波貝殻泥流堆積物と捉えました。

この付近(266グリッド)で貝殻泥流(高濃度流)が止まったと想定します。貝殻泥流が止まるとき、その中に含まれていた土器片が重力で沈下して下凸で堆積し、その上に土器片より軽い貝殻混じり泥が堆積した想定します。


予備解釈 密集土器を基底とする2波の貝殻泥流

上記断面の模式的解釈を5断面全体の敷衍して、2波の貝殻泥流の範囲を断面図に描き込みました。

詳細な検討を待つことなく、まず自分の想定を作業仮説として図化して、その作業仮説を叩いて、より正確な仮説造成作業を進めることにします。

有吉北貝塚北斜面貝層の断面の対比作業を進める上で、その根拠が多少虚弱であっても、作業仮説に基づいて作業を進めることが必須です。

4 発掘調査報告書の5断面の注釈について

発掘調査報告書の5断面には「第206図における土器出土層準」という注釈が線付きで描き込んであります。線の先は土器密集の下層部分です。しかし、土器密集の主要部分は上層部分です。注釈は間違いではありませんが、正確なものではありません。


2026年3月29日日曜日

Sketchfabに投稿した3Dモデル1420件の日付入リスト作成

 Creating a dated list of 1420 3D models uploaded to Sketchfab


From 2019 to the present (2026), I have uploaded 1420 3D models to Sketchfab. I obtained this dated list using the Sketchfab Data API v3. I downloaded it using a Python script. This allows me to begin organizing my Sketchfab-uploaded 3D models.


2019年から現在(2026年)までに私がSketchfabに投稿した3Dモデルは1420件になります。この日付入リストをSketchfab Data API v3 を利用して取得しました。Pythonスクリプトによりダウンロードしました。これによりSketchfab投稿3Dモデルの整理作業に着手できます。

1 Sketchfab画面


Sketchfab画面

現在(2026.03.29)1420件の3Dモデルを投稿した私のSketchfab画面です。

Sketchfab画面から3Dモデルのリストや3Dモデル投稿の日付を知ることが出来ないので不便です。

2 日付入3Dモデルリストの取得方法

Sketchfab Data API v3 を利用して、Pythonスクリプトにより日付入3Dモデルリストをcsvファイルでダウンロードしました。Pythonスクリプト生成はChatGPT支援によります。

3 取得した日付入3Dモデルリスト


取得した日付入3Dモデルリスト(直近部分 ~2026.03.27)


取得した日付入3Dモデルリスト(最初部分 2019.03.12~)

4 今後の3Dモデル整理

3Dモデルの対象分類、時代分類、場所(遺跡)分類、観覧場所分類等を行い、3Dモデルのデータベースを作成し、今後の自分の学習の基礎資料とします。

csvファイルには3DモデルURLも掲載しているので、csvファイルから直接Sketchfabの3Dモデルに飛ぶこともでき、便利です。

5 ChatGPTのケアレスミス

絶大なるパワーをそこから汲み取っているChatGPTが、今回はPythonスクリプト生成でケアレスミスをして、その結果2時間程時間を無駄にしました。時々(20回に1回くらい?)ChatGPTがミスをするので、要注意です。


2026年3月28日土曜日

考古学切手 チャタルホユック遺跡 トルコ共和国発行

 Archaeological stamp: Çatalhöyük site, issued by the Republic of Turkey


I enjoyed this archaeological stamp featuring the Çatalhöyük site in Turkey.


トルコのチャタルホユック遺跡をテーマとした考古学切手を楽しみました。

1 トルコのチャタルホユック遺跡 トルコ共和国発行


トルコのチャタルホユック遺跡 トルコ共和国発行

2025年

EUROPAシリーズ(2025年テーマ:考古学的発見)

テーマ: トルコの「チャタルホユック」の遺跡をテーマにしている。ユネスコ世界遺産にも登録されている新石器時代の重要な遺跡です。

額面:35トルコリラ

2 AIによる説明

チャタルホユック遺跡(紀元前7500年〜6200年頃、トルコ)は、世界最古の都市遺跡とされ、住居の壁面に残された鮮明な壁画やレリーフが有名です。赤・黄・黒の顔料を用い、狩猟や野生動物、幾何学模様などを描写しており、新石器時代の精神世界や高度な芸術表現を示す貴重な考古学的資料です。 

●チャタルホユックの壁画の主な特徴と内容

場所: 住居内の漆喰(しっくい)が塗られた壁面。

技法: 漆喰の上に赤土、黄土、炭などの顔料で描かれ、上塗りが繰り返されていたため、良好な状態で保存された。

モチーフ: 野生動物(牡牛、ライオン、ヒョウ)や、狩猟シーン、人間、幾何学模様が中心。

有名なテーマ:

狩猟場面: 猛獣や獲物を追いかける描写。

火山噴火図(とされる壁画): 町の上空で火山が噴火する様子を描いたとされる最古の壁画例(議論あり)。

幾何学模様: 装飾的または象徴的なパターン。

表現の傾向: 初期は幾何学模様が多く、後の時代になると、より自然主義的で高度な技術(輪郭線を彫り込む、立体感を出す)を用いた描写が見られる。 

●保存と展示

遺跡自体が世界遺産に登録されており、発掘現場で直接壁画の痕跡を見ることができるほか、一部は「アナトリア文明博物館(アンカラ)」やコンヤの博物館に収蔵されています。 

これらの壁画は、当時の人々の生活、信仰、死生観、そして環境との関わりを示す、人類史においてきわめて重要な美術・歴史遺産です。

3 チャタルホユック遺跡の場所


チャタルホユック遺跡の場所(Google earth pro画面)


チャタルホユック遺跡(Google earth pro画面)

チャタルホユック遺跡はコンヤから約20㎞の場所にあります。10年前にトルコ旅行した時にはこの遺跡を知らなかったので、情報を集めることもなく、他の事柄に関する興味を満足させて、通り過ぎました。もし知っていたら、そこに行くことは出来なかったですが、いろいろと情報をあつめて、持ち帰るモノ(紙資料など)もあったかもしれません。

これまでの海外旅行はほとんどすべてGPSログを取っています。上図には2016.11.26前後の移動ログを描き込みました。

顔面突起(八千代市赤作遺跡)観察記録3Dモデル

 顔面突起(八千代市赤作遺跡)観察記録3Dモデル


Observation Record 3D Model of Face-Mounted Handle (Akasaku Site, Yachiyo City)


I enjoyed creating an observation record 3D model of the face-mounted handle (Akasaku Site, Yachiyo City) exhibited at the Yachiyo City Local History Museum. I had created a 3D model of the same object five years ago, and comparing the two, I was able to confirm an improvement in quality.


八千代市郷土博物館に展示されている顔面突起(八千代市赤作遺跡)の観察記録3Dモデル作成を楽しみました。5年前にも同じ対象の3Dモデルを作成していて、較べると品質向上を確認できました。

1 顔面突起(八千代市赤作遺跡)観察記録3Dモデル

顔面突起(八千代市赤作遺跡)観察記録3Dモデル

撮影場所:八千代市郷土博物館

撮影月日:2026.03.10


展示の様子

2重ガラス面越し撮影

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 96 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像(テクスチャ有り)


3Dモデルの画像(テクスチャ無し)


3Dモデルの画像(テクスチャ有りと無しのハードライトミックス)

2 顔面突起(八千代市赤作遺跡)展示風景の視覚変奏動画


顔面突起(八千代市赤作遺跡)展示風景の視覚変奏動画

6フィルター写真のバリエーションをクロスディゾルブを使って連続表示したスライドシーケンス動画です。Photoshopで作成しました。

3 参考 同一対象過去作成3Dモデル

顔面突起(十三菩提式)(八千代市赤作遺跡) 観察記録3Dモデル

撮影場所:八千代市立郷土博物館「らくがく縄文館-縄文土器のマナビを楽しむ-」

撮影月日:2021.11.02

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.010 processing 33 images

2021.11.06記事「十三菩提式土器顔面突起の3Dモデル観察

4 技術的感想

2重のガラス面越しという劣悪な撮影環境ですが、3Dモデル品質はそれなりのものになりました。2021年に作成した3Dモデルと較べるとメッシュの粗さが異なり、今回作成3Dモデルの相対精緻さが確認できます。撮影枚数の違いとフォトグラメトリソフト(3DF Zephyr Lite)バージョンアップの双方に起因して品質向上しています。


今回作成3Dモデル(テクスチャ無し)


2021年作成3Dモデル(テクスチャ無し)

2026年3月26日木曜日

294土器の出土場所の特定

 Identification of the excavation site of 294 pottery fragments


The excavation site of 294 pottery fragments (the largest pottery fragments in the northern slope shell layer) has been identified. This confirms that the pottery fragments in the concentrated zone are distributed across two layers, upper and lower.


294土器(北斜面貝層最大級土器)の出土場所を特定しました。それにより、土器集中ゾーンの土器は上下2層で分布していることを確認しました。

この記事は2026.03.26記事「359土器の出土場所の特定」の続きです。

1 294土器(a土器)の出土状況

a土器は写真と平面図の対比指標としてつかった土器です。


a土器を対比指標として使った写真


a土器を対比指標として使った平面図

この土器は発掘調査報告書では294土器で、北斜面貝層最大級土器です。西野雅人さんによって「加曽利EⅡ式中~新」として分類されています。


294土器


294土器出土状況写真

土器片がほとんど下凸になっていて、貝殻泥流で流されてきた土器片が停止する時に重力により下凸に回転して沈下堆積した様子が読み取れます。


294土器資料

2 294土器の出土場所


294土器の出土場所

294土器の出土場所を5断面でほぼ特定しました。その高さは359土器より20~40㎝高い場所になります。

つまりこの付近の土器集中は上下2層から構成されていることが判明しました。

土器片が最下層で、その上に貝殻を含む泥層からなる断面セットが1波の貝殻泥流の跡であると想定します。

従って、266グリッド付近では発生時期が異なる2波の貝殻泥流の跡が残ったと想定します。

下の貝殻泥流の土器(359土器)の型式が加曽利EⅡ式新、上の貝殻泥流の土器(294土器)の型式が加曽利EⅡ式中~新ですから、その時間差は極めて小さいと考えます。(2波の貝殻泥流は「加曽利EⅡ式新」土器と「加曽利EⅡ式中~新」土器が同時に使われていた時期にともに発生したと考えます。)


359土器の出土場所の特定

 Identifying the Excavation Site of Pottery No. 359


By correlating photographic and plan view information of the pottery concentration zone with a 3D spatial analysis of the distribution of densely packed pottery, the specific excavation site of pottery No. 359 was identified in 3D space. This allows for the analysis of the relationship between pottery concentration information (photographs and plan views) and stratigraphy.


土器集中ゾーンの写真・平面図情報と3D空間密集土器分布分析を対応させることで、具体土器(359番土器)の出土場所を3D空間で特定しました。これにより、土器集中情報(写真・平面図)と層位との関係分析ができるよになります。

この記事は2026.03.25記事「土器集中ゾーン発掘状況写真とグリッド・断面の対応関係」の続きです。

1 低所にあるため写真では観察できない359番土器

266グリッド付近の土器集中ゾーンの発掘状況写真と平面図を対比すると、平面図では359番土器が真二つに割れて近くに分布するのに、写真ではそれが観察できません。その様子から359番土器は低所にあるため陰になり、写真に写っていないことが想定できます。


359番土器が写っていない写真


359番土器が写っていない写真


359番土器が表現されている平面図


359番土器が表現されている平面図

2 359番土器の発掘状況写真

359番土器の発掘状況写真が発掘調査報告書に掲載されています。


359番土器の発掘状況写真

この写真から359番土器は貝層基底面(地山地形面…下総層群侵食面)に直接乗る貝混じり泥層から出土しているように見えます。359番土器そのものが基底面に接触しているように見えます。

3 3D空間密集土器分布分析

発掘原票(遺物台帳、遺物分布図)由来データに基づく3D空間における密集土器分布(距離10㎝以内に別の土器が存在する土器の分布)と5断面との空間位置関係を分析して、5断面の前後10㎝以内の空間における密集土器分布を把握しました。


密集土器分布と5断面との空間関係


5断面前後10㎝以内の密集土器分布


5断面前後10㎝以内の密集土器分布(拡大)

この図から、密集土器を高さという観点でみると、基底面に直接乗るものと、それより20~40㎝程上の貝層の中に存在するものの2つにわけて捉えることができます。

4 359番土器の出土場所


359番土器の出土場所

土器集中ゾーン平面図と5断面前後10㎝以内の密集土器分布図から359番土器出土場所を特定できました。

写真で想定した通り、貝層基底面に直接乗ってこの土器が出土していることが確認できました。

この情報により、写真・平面図の土器集中ゾーン情報と層位(断面図)との詳細関係が分析できるようになりました。続きの記事で分析を進めます。

5 359番土器の型式


359番土器実測図(発掘調査報告書から引用)

359番土器は西野雅人さんにより「加曽利EⅡ式新」と判断され、有吉北貝塚北斜面貝層では最も新しい型式に分類されます。この情報は今後北斜面貝層発達を考える上で重要情報となります。


2026年3月25日水曜日

土器集中ゾーン発掘状況写真とグリッド・断面の対応関係

 Correspondence between excavation photos of the pottery concentration zone and grid/cross-sections


This document summarizes the correspondence between excavation photos of the prominent pottery concentration zone on the northern slope shell layer of the Ariyoshi Kita Shell Mound and grid/cross-sections.


有吉北貝塚北斜面貝層の顕著な土器集中ゾーンの発掘状況写真とグリッド・断面との対応関係を整理しました。

2026.03.22記事「土器集中ゾーン発掘状況写真の分析」の続きです。

1 発掘状況写真とグリッド・断面の対応関係


土器集中ゾーンとグリッド・断面の対応関係(写真)

グリッド・断面線はイメージ的なもので正確性はありません。次の写真も同じです。


土器集中ゾーンとグリッド・断面の対応関係(写真)


土器集中ゾーンとグリッド・断面の対応関係(平面図)


土器集中ゾーンとグリッド・断面の対応関係(平面図)


平面図と断面図の対応


平面図と断面図の対応(拡大)

2 メモ

1で作成した資料により、発掘状況写真と遺物3D空間分布との対応関係を分析する基礎が出来ました。写真が現場でどの方向から撮影され、どの層位が表面になっているのか、判断できるようになりました。


2026年3月24日火曜日

五領ヶ台式土器2点のGigaMesh Software Framework展開

 GigaMesh Software Framework Deployment of Two Goryogadai-style Pottery Pieces


I enjoyed observing the patterns of two Goryogadai-style pottery pieces (from the Kamiya site in Yachiyo City), which are on display at the Yachiyo City Local History Museum, by deploying the 3D models of my observation records onto a 2D plane using the GigaMesh Software Framework. Triangles are used throughout the short bowl. The pattern on the deep bowl is difficult to fully understand.


八千代市郷土博物館に展示されている五領ヶ台式土器2点(八千代市上谷遺跡)の観察記録3DモデルをGigaMesh Software Frameworkで平面に展開して文様観察を楽しみました。背の低い鉢は随所に三角が使われています。深鉢の文様は全体を理解できません。

1 背の低い鉢のGigaMesh Software Framework展開


背の低い鉢のGigaMesh Software Framework展開(テクスチャ有り)


背の低い鉢のGigaMesh Software Framework展開(テクスチャ無し)


背の低い鉢のGigaMesh Software Framework展開(テクスチャ有りと無しのハードライトミックス)

2 背の低い鉢の文様観察


背の低い鉢の文様

随所に三角が使われているのが特徴です。

3 深鉢のGigaMesh Software Framework展開


深鉢のGigaMesh Software Framework展開(テクスチャ有り)


深鉢のGigaMesh Software Framework展開(テクスチャ無し)


深鉢のGigaMesh Software Framework展開(テクスチャ有りと無しのハードライトミックス)

4 深鉢の文様観察


深鉢の文様(GigaMesh Software Framework展開画像をPhotoshopで調整)


深鉢の文様(撮影写真)

展示正面付近の渦巻状付近の文様はよく視認できるのですが、それから離れると文様として理解できません。しかし、よくよく見ると、文様があるように感じます。文様が土器の黒色にまぎれ、彫も浅く、観察(撮影)も遠方からであり、文様観察限界を越えています。近々発掘調査報告書も調べて実測図を探すことにします。(全国文化財総覧にこの土器が掲載されている発掘調査報告書はまだアップされていないようです。)

深鉢の底部には鋭利な刻み込みがあります。土器製作者が特定の意味を表現するための刻み込みであると考えます。


深鉢底部の刻み込み

他の土器で類似のものを見たことがあります。


加曽利EⅠ式併行期土器(有吉北貝塚出土)の底部の稜線を切るような刻み(写真は発掘調査報告書)