2026年3月2日月曜日

技術メモ 展示物の3Dモデル作成用撮影について

 Technical Note: Photographing Exhibits for 3D Modeling


When I photographed a double-mouthed pottery vessel on display in the special exhibition "The Mysterious Late Jomon Period" and created a 3D model, the 3D model completely failed. However, after reworking it with just one additional photograph, I was able to create a satisfactory 3D model. I investigated the reasons for this and made notes.


特別展「謎多き縄文晩期」で展示されている双口土器を周回撮影し、3Dモデルを作成したところ、3Dモデルが完全に破綻しました。しかし、たった1枚の写真を追加して再作業すると、立派な3Dモデルができましたので、その理由を検討し、メモしました。

1 3Dモデル作成 ケース1

千葉市埋蔵文化財調査センター特別展「謎多き縄文晩期」で展示されている弥生前期双口土器の3Dモデルを作成しました。170枚の写真を多段(6段)周回撮影しました。


多段周回撮影の様子

撮影は双口土器が画面の中央にくるように撮影しました。


双口土器撮影写真例


撮影写真

フォトグラメトリソフト3DF Zephyr Liteで3Dモデルを作成したところ、完全に破綻した3Dモデルとなりました。


完全に破綻した3Dモデル

3DF Zephyr Liteがはねた写真は9枚です。

2 3Dモデル作成 ケース2

ケース1で使った170枚写真の先頭に次の展示台全体が写る写真1枚を加えました。


ケース1の170枚に加えた1枚

3DF Zephyr Liteで同じ作業をしたところ、次の完全に正常な3Dモデルができました。


正常に造形された3Dモデル

3DF Zephyr Liteがはねた写真は1枚です。

3 写真1枚で3Dモデル造形が劇的に改善した理由

ケース1に写真1枚を加えたケース2で、3Dモデル造形が劇的に改善した理由について、ChatGPTの支援をうけて検討し、次のように想定しました。

3-1 ケース1で3Dモデルが破綻した理由

・土器が黒く微細テクスチャに乏しく、土器以外がほぼ白く無地で安定した特徴点(対応点)が得られない。

・そのため誤対応が混ざり、誤った姿勢推定となり、メッシュ化で破局して、紙が剥がれたようになった。

3-2 1枚の写真で造形が劇的に改善した理由

・加えた1枚の写真には展示台、壁の継ぎ目、説明板、他遺物、ラベルなど形がはっきりした特徴点が大量に増え、カメラ姿勢が一気に安定した。これは結果として「はねられる写真」が 9→1 に減ったこととも整合する。

・加えた1枚の写真を先頭に入れることによって、スコアの高い特徴点が採用され、初期解が最適化した。3DF Zephyr LiteのようなSfMでは、最初の数枚で作る骨格が悪いと、その後ずっと悪い解を引きずる。

・結果として1枚で劇的に改善された。

・加えた1枚の写真は構図が広いので、画面全域に直線や構造物が入りやすく、歪み推定の手掛かりが増えるため、内部パラメータが安定→姿勢推定も安定、につながった。

4 メモ

展示物3Dモデル作成では150枚程度撮影するとそれなりの品質のものができることを経験的につかんできています。しかし、今回のように真っ黒で表面テクスチャに特徴がなく、かつ周辺に別の地物がないと、3Dモデルが破綻することを改めて理解しました。

今後、展示物3Dモデル作成用撮影では構図の広い写真を数枚以上必ず意識的に追加することとします。

この双口土器は次の記事で説明してます。

2026.02.17記事「弥生時代前期 双口土器(富岡市上高田社宮子原遺跡)観察記録3Dモデル



独鈷石(佐倉市宮内井戸作遺跡)観察記録3Dモデル

 3D Model of Observation Records of a Dokkoishi (Miyauchi Idosaku Site, Sakura City)


I enjoyed creating a 3D model of the observation records of a Dokkoishi (Miyauchi Idosaku Site, Sakura City) from the Early Yayoi period, which is on display at the Chiba City Buried Cultural Properties Research Center's special exhibition "The Mysterious Late Jomon Period."

While many Jomon ritual implements have disappeared, this one is being exhibited in the context of being passed down to the Yayoi people.


千葉市埋蔵文化財調査センターで開催中の特別展「謎多き縄文晩期」で展示されている弥生時代前期の独鈷石(佐倉市宮内井戸作遺跡)の観察記録3Dモデルをつくり楽しみました。

縄文時代の多くの祭祀具が姿を消すなか、弥生人に受け継がれたものとしての文脈で展示されています。

1 独鈷石(佐倉市宮内井戸作遺跡)観察記録3Dモデル

独鈷石(佐倉市宮内井戸作遺跡)観察記録3Dモデル

千葉県指定文化財

弥生時代前期

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター 令和7年度特別展「謎多き縄文晩期」

撮影月日:2026.02.12


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 164 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像(テクスチャ有り)


3Dモデルの画像(テクスチャ無し)


3Dモデルの画像(テクスチャ有りと無しのハードライトミックス)


3Dモデルの画像(テクスチャ有りと無しの差の絶対値ミックス)

2 展示の文脈

2-1 弥生人に引き継がれたもの

縄文時代晩期前葉を境に、縄文人が使っていた多くの祭祀具は姿を消していきますが、弥生人に受け継がれたものもあります。


独鈷石

2-2 独鈷石という名前の由来


独鈷石という名前の由来

3 空想

縄文時代・弥生時代の独鈷石のルーツは大陸にあり、それと仏具としての独鈷杵のルーツ(武器)は、同じものに収れんするのではないだろうかと素人空想を楽しみます。


2026年3月1日日曜日

2026年2月のブログ活動のふりかえり

 Reflecting on February 2026 Blog Activities


I reflected on my February 2026 blog activities for "Walking the Hanami River Basin."

While struggling to compare cross sections of shell layers on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound, the concept of hyperconcentration flow (shell mudflow) emerged from fabric observations of pottery excavations. This deepened my fundamental understanding of shell layer formation, and shed light on the possibility of comparing shell layers.


ブログ「花見川流域を歩く」の2026年2月活動をふりかえりました。

有吉北貝塚北斜面貝層の貝層断面図対比作業の難渋の中で、土器集中出土のファブリック観察により、高濃度流(貝殻泥流)概念が生まれました。貝層形成の根本理解が進み、貝層対比に光明が射しました。

1 ブログ「花見川流域を歩く」

・2026年2月の記事数は31です。

・有吉北貝塚北斜面貝層の貝層断面図対比作業を進めましたが地域が広がるに従い、難渋しました。その中で、新しい対比指標を見つける作業に切り替え、土器集中出土のファブリック観察をしました。観察で高濃度流(貝殻泥流)概念が生まれました。貝層形成の根本理解が進み、貝層対比に光明が射しました。

・千葉市埋蔵文化財調査センター企画展「謎多き縄文晩期」展示物の3Dモデル作成を楽しみ、多数の記事にしました。

・考古学切手に関する記事を複数書き、楽しみました。

2 ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」

・早朝散歩記事を3編書きました。

3 2026年2月活動の特徴

3-1 北斜面貝層検討の難渋と光明

有吉北貝塚北斜面貝層のガリー中下流域の貝層断面図対比作業は2月上旬頃まで順調に前進しました。

しかし、範囲が上流域になると、断面構造が変化し、対比作業が難渋しました。対比指標が消失していくような状況で、作業をいくら精細にしても技術的確信が持てなくなりました。

いつまでも無為な徒労を繰り返しても意味がないので、思い切ってこれまでの作業継続を止め、土器集中の指標化に取組むことにしました。

その最初の取組みとして、土器集中写真・分布図のファブリック観察を行いました。その中で、土器が高濃度流(貝殻泥流)で運ばれ、堆積したことを突きとめました。高濃度流(貝殻泥流)概念の獲得により、貝層形成理解が一気に深まりました。今後の貝層対比作業に光明が射します。

なお、1月から懸案になっている剥ぎ取り断面3Dモデルを使った貝殻方向分析は2月も持ち越しとなりました。しかし、剥ぎ取り断面3Dモデルを予備的にファブリック観察すると、そこに高濃度流(貝殻泥流)概念を投影できそうです。作業持ち越しは悪いことではなく、逆に良いことだった可能性を感じます。

3-2 Illustrator操作習熟

3-1作業の中で、Illustrator操作習熟が進み、これまでできなかったことができるようになり、その感覚を楽しみました。

3-3 展示物の3Dモデル作成

2月に企画展「謎多き縄文晩期」の2回目の観覧を行い、9点の遺物について3Dモデル作成用撮影を行いました。展示物3Dモデルの記事作成で、自分の独自解釈や独自分析に長大時間をかけて楽しむ風習を改めました。独自分析は感想程度にすることにより、記事作成のハードルが大幅に下がり、多数記事を書くことができました。

3-4 考古学切手記事

気軽なブログ記事として、考古学切手記事を継続的に書くことを決断して実践しはじめました。切手画像をchromeの画像検索(Googleレンズ)に投入すると、詳しく調べてくれます。以前はその切手の素性を調べるのが一大苦労でしたが、今は一瞬です。記事作成ハードルが一気に下がりました。

4 2026年3月活動の展望

高濃度流(貝殻泥流)概念をできるだけ深め展開することによって、北斜面貝層の貝層形成理解を豊かにすることにします。それにより貝層対比作業を全域で行い、貝層発達の全体像(大局観)を把握することにします。

積み残している剥ぎ取り断面ファブリック観察に着手します。

参考

ブログ「花見川流域を歩く」2026年2月記事 (○は閲覧の多いもの)

ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」2026年2月記事


2026年2月 Sketchfabに投稿した3Dモデル


2026年2月 YouTubeに投稿した動画


2026年2月 ブログ「花見川流域を歩く」投稿記事に掲載した画像


2026年2月28日土曜日

土器集中ゾーンの土器型式

 Pottery Types in the Pottery Concentration Zone


An examination of pottery types in the pottery concentration zone in the shell layer on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound revealed a mixture of three periods: Kasori EII type, Middle, Middle-Late, and Late. I hypothesize that pottery discarded during these three periods was engulfed in a single wave of high-concentration flow (shell mudflow) due to the shell mound collapse.


有吉北貝塚北斜面貝層における土器集中ゾーンの土器型式を調べたところ、加曽利EⅡ式中、中~新、新の3区分が混ざっています。貝塚崩壊により、これら3区分の期間に投棄された土器が1波の高濃度流(貝殻泥流)に巻き込まれたと想定します。

この記事は2026.02.26記事「土器集中ゾーンにおけるファブリック観察」の続きです。

1 土器集中ゾーンの土器型式


土器集中ゾーンの位置


土器集中ゾーンの土器型式

土器型式の区分は西野雅人さんによるものです。

発掘調査報告書(平成10年3月)刊行後、加曽利E式土器に関する情報蓄積が大幅に進み、それにより、有吉北貝塚北斜面貝層出土土器の新型式区分案が西野雅人さんにより作成されました。


土器集中ゾーンの土器型式(表)


土器集中ゾーンの土器型式(グラフ)

2 考察

土器集中ゾーンから出土した土器型式は加曽利EⅡ式中段階のものが52%、加曽利EⅡ式中~新段階のものが36%で合わせて88%となります。また加曽利EⅡ式新段階のものが7%となります。

土器集中ゾーンの現場では、土器型式という視点でみると、これらの土器の破片がほぼ完全に混ざりあって存在しています。

土器集中ゾーンを残した地学現象は貝塚崩壊→高濃度流(貝殻泥流)流下→高濃度流(貝殻泥流)停止堆積と考えられます。そのため、3つの土器型式破片が混ざりあって存在している様子から、1波の高濃度流(貝殻泥流)が流下途中で、すでに投棄されて存在していた3型式土器を巻き込んだものと考えることができます。

3土器形式のうち加曽利EⅡ式新段階のものの割合が小さいので、貝塚崩壊(高濃度流発生)は加曽利EⅡ式新段階の初期に発生したものであると考えることも可能です。


2026年2月27日金曜日

土製耳飾3点(千葉市内野第一遺跡)観察記録3Dモデル

 3D Models of Observation Records of Three Clay Earrings (Uchino Daiichi Site, Chiba City)


I enjoyed creating 3D models of the observation records of three clay earrings (Uchino Daiichi Site, Chiba City), which are on display at the Chiba City Archaeological Research Center's special exhibition "The Mysterious Late Jomon Period."

The clay earrings convey the Jomon people's enjoyment of free and creative design.


千葉市埋蔵文化財調査センターで開催中の特別展「謎多き縄文晩期」で展示されている土製耳飾3点(千葉市内野第一遺跡)の観察記録3Dモデルをつくり楽しみました。

土製耳飾から、縄文人が自由で創造的な造形デザインを楽しんでいた様子が伝わってきます。

1 土製耳飾3点(千葉市内野第一遺跡)観察記録3Dモデル

土製耳飾3点(千葉市内野第一遺跡)観察記録3Dモデル

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター 令和7年度特別展「謎多き縄文晩期」

撮影月日:2026.02.12


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 127 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像(テクスチャ有り)


3Dモデルの画像(テクスチャ無し)


3Dモデルの画像(テクスチャ有りと無しの差の絶対値ミックス)


3Dモデルの画像(テクスチャ有り)


3Dモデルの画像(テクスチャ無し)


3Dモデルの画像(テクスチャ有りと無しのリニアライトミックス)

2 耳飾り装着イメージ


タイ北部長首族少女

https://kknews.cc/zh-hk/travel/j4lr6.html


マサイ族女性

https://www.pinterest.jp/pin/796926096553960977/


マサイ族男性

https://www.pinterest.jp/pin/675821487826264685/

いずれも観光客用に耳飾りを装着した写真


現代イヤリング商品宣伝ページ

3 感想

土製耳飾から、縄文人が自由で創造的な造形デザインを楽しんでいた様子が伝わってきます。


2026年2月26日木曜日

地理学切手 3種

 Three Geographical Stamps


I bought a packet of 1,000 Soviet stamps and searched for archaeological stamps, but found none. They're not part of my collection, so I had no choice but to find three rare geographical stamps, which I enjoyed.


ソ連切手パケット(1000種)を購入して考古学切手を探しましたが、ゼロでした。仕方がないので、コレクション対象外ですが、見つけた地理学切手3種が珍しいので楽しみました。

1 ソ連切手パケット(1000種)の購入

考古学切手コレクション方法として、通常の通信販売利用とパケット(主に使用済み切手の袋入り商品)購入を利用しています。エジプト、ペルー、メキシコなどのパケットには多くの考古学切手が含まれていて、その整理を楽しんでいます。とくにエジプトパケットは考古学切手の宝庫であり、これまで500種、1000種、1500種と3回も購入したほどです。

こうした趣旨からソ連パケット(1000種)を購入しました。そして全部調べたところ、自分がイメージする考古学切手はなんとゼロでした。なんとも残念です。

パケットには美麗切手が多数含まれていて、風景とか、建物とか、動物・植物とか、自動車・船・飛行機とか、絵画とか、宇宙とか、レーニンとかに興味があれば、これだけで素晴らしい切手コレクションができます。仕方がないので、このパケットは封筒に詰めてお蔵入りとします。

しかし、折角の購入活動を完全に無駄にしたくないので、もう一度全切手を見直したところ、地理学切手3種を見つけましたので、それを代償的に楽しみました。

2 砂漠化防止キャンペーン ソ連発行


砂漠化防止キャンペーン ソ連発行

1989年発行

額面15コペイカ

砂漠の進行を止めよう!

土地の不合理な利用は、地域の砂漠化と地球規模の気候変動を招く

自然と平和を守ろう!シリーズ

3 北極圏の自然保護 ソ連発行


北極圏の自然保護 ソ連発行

1989年発行

額面10コペイカ

北極のエコシステムの破壊と汚染は、有害で不可逆的な結果を招く

自然と平和を守ろう!シリーズ

4 森林の保護と再生 ソ連発行


森林の保護と再生 ソ連発行

1989年発行

額面5コペイカ

森を守ろう-地球の肺!

森林の再生と保全が、地球規模の生態学的惨劇を防ぐための必要な条件

自然と平和を守ろう!シリーズ

5 参考 レーニン切手 ソ連発行


偉大なる10月社会主義革命70周年記念 ソ連発行

1987年発行

中央にウラジーミル・レーニン、左にレフ・トロツキー、右にフェリックス・ジェルジンスキー。彼らが戦略地図(サンクトペテルブルグ)を囲んで作戦を練っている様子の描写。

ヴァレリー・ピメノフ(Valery Pimenov)による絵画作品「突撃の前(Before the Storm)」に基づいている。


人面付土版(印西市馬場遺跡)観察記録3Dモデル

 3D Model of Observation Records of the Clay Tablet with a Human Face (Baba Site, Inzai City)


I enjoyed creating a 3D model of the observation records of the clay tablet with a human face (Baba Site, Inzai City), which is on display at the Chiba City Archaeological Research Center's special exhibition "The Mysterious Late Jomon Period."

The exhibit explains that the clay tablet shares similarities with the Bundo-gata clay figurine in that it is a clay object depicting a face, and that there may have been a connection between the two.


千葉市埋蔵文化財調査センターで開催中の特別展「謎多き縄文晩期」で展示されている人面付土版(印西市馬場遺跡)の観察記録3Dモデルをつくり楽しみました。

展示では、顔を表現する土製品という意味で分銅形土偶と共通し、関連があった可能性が説明されています。

1 人面付土版(印西市馬場遺跡)観察記録3Dモデル

人面付土版(印西市馬場遺跡)観察記録3Dモデル

241号土坑出土の祭祀具

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター 令和7年度特別展「謎多き縄文晩期」

撮影月日:2026.02.12


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 84 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像(テクスチャ有り)


3Dモデルの画像(テクスチャ無し)


3Dモデルの画像(テクスチャ有りと無しのハードライトミックス)

2 メモ

・展示では、顔を表現する土製品という意味で分銅形土偶と共通し、関連があった可能性が説明されています。

・中央部渦巻き様の文様の上の窪みが口になるのでしょうか。

・中央部渦巻き様の文様はいろいろな遺物で見かけます。左右から伸びる手が握手してるような印象を受けます。両家のめでたい姻戚関係成立(婚姻成立)を祝う文様であると勝手に想像しています。


土器集中ゾーンにおけるファブリック観察

 Fabric Observation in the Pottery Concentration Zone


I conducted fabric observations of the pottery fragment deposits in the pottery concentration zone using outcrop photographs and distribution maps. 70-80% of the fragments were deposited in a convex-downward position (with the inner surface of the fragment facing upward), suggesting that they were deposited by subsidence during the cessation of high-concentration flow (shell mudflow).


露頭写真や分布図から、土器集中ゾーンにおける土器片堆積層のファブリック観察を行いました。土器片の70-80%は下に凸(土器内面が上)の位置関係で堆積している特徴があり、高濃度流(貝殻泥流)の停止時沈下で堆積したと想定できます。

1 土器片堆積層における土器片の配列


土器片堆積層における土器片の配列

露頭写真では土器配列に次の顕著な特徴が見られます。

a 写真範囲内で80%の土器が下に凸(土器内面上)で配列している。

b 土器片長軸方向が一定の方向に揃っていない。バラバラである。

c 土器片の重なり順序がバラバラで将棋倒しのような法則性がない。

また、土器片を充填する貝層に次のような特徴が見られます。

d 他の土器片に密着しない土器片がかなりある。

e 土器片充填貝層はそれより上の貝層と比べて貝殻が大きく、貝殻が密集している。

土器片そのものにも次の特徴が見られます。

f 土器片の割れ方大きい

g 土器片の割れ口が新鮮で磨耗していない。

2  土器集中ゾーンの土器片配列


土器集中ゾーンの土器片配列

色の面積を計測すると、下に凸(土器内面上)が77%、上の凸(土器外面上)が23%となります。

土器片配列は1の露頭写真だけでなく、全体で下に凸(土器内面上)が多いことが判ります。

3 考察

3-1 通常流水による運搬堆積ではない

一般に流水で礫などが流されて堆積するばあい、インブリケーション(覆瓦状構造)という構造が残ることが多いです。もし土器片が通常流水に完全に水没して流されて堆積した場合、インブリケーション構造が残り、上が凸(土器外面上)で将棋倒しのように連続して重なることが考えられます。しかし、今回観察土器片は下が凸(土器内面上)であり、通常流水に流されて堆積したものと考えることができません。

3-2 高濃度流(貝殻泥流)による運搬堆積の可能性

土器片堆積層のファブリック観察の結果から、土器片は高濃度流(貝殻泥流)による運搬堆積の結果であると仮説します。

土器片の多くが下に凸(土器内面が上)で、土器片の間に貝殻が充填されていることから、貝殻・土砂・土器片からなる高濃度流(貝殻泥流)の動きが弱まった時、重たい土器片が沈降し、同時に土器片の次に重い貝殻(粗粒物)が充填されていった状況を考えることができます。

この時、土器片沈降は土器片重心位置から、下に凸の配置になったと考えることができます。また土器片沈降時の流速が虚弱であると考える想定と、土器片長軸方法の規則性がないことは整合的です。

土器片の大きさが比較的大きいことと割れ口が新鮮であることは、土器片が運ばれた距離が短いことを表現していると考えます。

大胆に仮説すれば、土器片が流された高濃度流(貝塚泥流)を指標する堆積層は次図のaであると考えます。a層は下から土器片(超大形)→貝殻(大形)→貝殻(小形)・泥→泥のように分級していて、1波の泥流跡であると考えます。


土器片堆積にかかる高濃度流堆積物a

3-3 高濃度流(貝殻泥流)について

・土器集中ゾーンはその背景に次の事象があったと考えることができます。

貝塚崩壊 → 高濃度ガリー流 → 土器の巻き込み→谷底停止

・斜面貝層(11断面や剥ぎ取り断面など)でも、貝層下部に土器片が集中し、かつ土器片のほとんどが下に凸になっています。斜面貝層でも高濃度流(貝塚泥流)と同じような機構を考えることができる可能性があります。

・貝層流動が高濃度流であることから、ガリー流路における貝層と泥層の流心付近の完全分離の仕組みを解くことができる可能性があります。


2026年2月25日水曜日

InDesign 25周年記事に目がとまる

 An article about the 25th anniversary of InDesign caught my eye.


I came across the words "Adobe InDesign Japanese Edition 25th Anniversary" on the web. After reading the article, I was reminded of my positive impression of InDesign. It made me want to try it out.


webで「Adobe InDesign日本語版25周年」の文字が目に入りました。当該記事を読み、InDesignに対する好印象を反芻しました。InDesignを利用したくなりました。

1 InDesign 25周年記事

web世界で何かについて渉猟している時に「Adobe InDesign日本語版25周年」の文字が目に入り、Adobeブログサイトに移動しました。InDesign25周年イベントの様子が発信されています。


AdobeブログのInDesign25周年イベント記事

InDesignの利用は年に1回か2回にすぎないのですが、InDesignには特別の思いがあります。

DTPに特別の興味があるわけでもないのに、この記事を読みながら、次のInDesign利用では「あーしよう、こーしよう」といろいろの思いがめぐり、時間を楽しみました。

2 InDesignスプラッシュスクリーン


25年前のInDesign1.0のスプラッシュスクリーン(Adobeブログから引用)


2017年のInDesignスプラッシュスクリーン

2017年InDesignを利用したくて、CreativeCloudを導入しました。単体InDesign販売は有りませんでしたから、単体Illustrator、Photoshopなどを使っていたのにも関わらず、CreativeCloudを導入しました。


2026年のInDesignスプラッシュスクリーン

3 PageMakerの良い印象がInDesignに引き継がれる

大昔、PageMakerというDTPソフトを使い、良い印象が残っています。そのPageMakerがInDesignに引き継がれたので、InDesignに良い印象(一種の「あこがれ」)を持っているのだと思います。

2024.12.21記事「InDesignの操作を楽しむ






2026年2月24日火曜日

考古学切手 タンバリの岩絵 カザフスタン発行

 Archaeological Stamps: Tambari Rock Art, Kazakhstan


I enjoyed the Tambari rock art stamps issued by Kazakhstan. Two stamps were issued just before the site was registered as a World Heritage Site, and one stamp commemorating the 20th anniversary of the site's registration. The striking image depicts a sun god with a cluster of dots on his head and dots and lines surrounding it, representing radiation.


カザフスタン発行のタンバリの岩絵切手を楽しみました。世界遺産登録直前の切手2種と登録20周年記念切手1種。頭に点が密集し、周辺に点や線で放射を表現する太陽神が印象的です。

1 タンバリの岩絵 カザフスタン発行


タンバリの岩絵 カザフスタン発行

岩絵白抜きデザイン

2024年発行

UNESCO世界遺産20周年記念

額面500テンゲ

青銅器時代(約3000年前)からの岩絵

2 タンバリの岩絵 カザフスタン発行


タンバリの岩絵 カザフスタン発行

岩絵実写デザイン

2003年発行

額面30

大きく湾曲した角のある山羊と擬人化された太陽神

3 タンバリの岩絵 カザフスタン発行


タンバリの岩絵 カザフスタン発行

岩絵実写デザイン

2003年発行

額面25

山羊が重ねて描画


タンバリ岩絵群は5000点を越える岩絵群で、古いものは紀元前14世紀後半ごろのものと考えられていて、露天の岩面に残されています。動物や人物像のほか、神格化された太陽の顔がいくつも描かれていて、その太陽像の芸術性は高く評価されています。2004年にタンバリの考古的景観の岩絵群(Petroglyphs of the Archaeological Landscape of Tanbaly)として世界遺産に登録されました。(Wikipediaによる)