Preliminary Interpretation Regarding the Shell Layer Deposition Mechanism
I have been working on correlating shell layer divisions for each section of the northern slope shell layer.
This work is constantly plagued by ambiguous judgments, resulting in a lack of final certainty.
I intuitively feel that the main reason for this wavering confidence is that the shell layer deposition mechanism is not fully understood.
Therefore, I have attempted to deepen my preliminary interpretation of the shell layer deposition mechanism of the northern slope shell layer based on the current information and knowledge.
これまで北斜面貝層の断面毎貝層区分の対比作業を行ってきました。
この作業はあいまいな判断が絶えず混ざり、最後の確信が持ていない作業となっています。
確信が揺らぐ主因は貝層堆積機構が十分に判っていないことだと直観しています。
そこで、現状の情報・知識で北斜面貝層の貝層堆積機構に関する予備解釈を深めてみました。
1 北斜面貝層の貝層堆積機構に関する予備解釈
1-1 貝殻等の継続的投棄
・台地斜面を深く抉るように発達するガリー侵食谷地形の中に、台地面縁から貝殻・土器片・食料生活残滓などが継続的に投棄される。
・投棄された貝殻等が貝層堆積物の原資となっている。
1-2 間歇的貝殻泥流(高濃度流)の発生
・投棄され急斜面に貯まった貝殻等は間歇的に貝殻泥流(高濃度流)となってガリー侵食谷の谷底方向に流れ、堆積した。
・貝殻泥流は繰り返し発生し、局所的現象である。また、1波の貝殻泥流が発生すると、過去の貝殻泥流堆積物を浸食して(削って)その堆積物を巻き込みながら移動し堆積する。
・セクション図分層線(分層区分)は繰り返し発生した貝殻泥流による浸食・堆積の様子の記録であると考えられる。
1-3 土器片が密集し下凸が多い
・断面5、6では土器片が密集する。断面10、11、剥取断面でもその度合いは異なるが、土器片が密集する。それらの土器片はいずれも形状が下凸の上下関係で堆積しているものが多い。
・この出土状況は貝殻泥流に土器片が巻き込まれて流れる際に、貝殻より大形の土器片が貝殻泥流の先端方向に移動集中するとともに、泥流が減速停止する際に貝殻泥流に浮いていた土器片が重力により沈下する際に重力方向に回転して安定したものと考える。(土石流堆積物に関する研究から敷衍)
1-4 斜面下部でハマグリ純貝層が観察できる断面が多い
・貝殻泥流(高濃度流)では土器片が先端付近に運ばれるのと同じ原理で、ハマグリは先端、イボキサゴはそれより後ろ、小さい貝殻片は最後部というソート現象が働くと考える。
・貝殻泥流(高濃度流)が斜面上部でも、斜面下部でも間歇的に発生することにより、ソート現象の結果として、斜面下部でハマグリ純貝層が観察できる断面が多くなる。
2 予備解釈の検証
上記予備解釈は作業継続の中で生まれて育ってきたアイディアであり、それがどの程度使い物になるか、まだ判りません。そこで次のような活動を行い、本格検証作業につなげたいと思います。
2-1 文献調査・ヒアリング
2-1-1 文献調査
高濃度流と堆積物との関係を調査研究実験した文献調査を行い、高濃度流と堆積物相との関係を調べることにします。しかし、次のような条件の調査研究はほとんど存在しない可能性があります。
・堆積物の原資となる物質が極めて特異である。(土石流などの堆積物の原資となるものは岩石・土砂や立木である。一方、北斜面貝層の貝殻泥流は、ハマグリ等2枚貝、イボキサゴ(小巻貝)、イボキサゴウの破砕片、土器片、骨など食料残滓・廃生活道具等に限られる。土石流と北斜面貝層貝殻泥流では、堆積物構成物質の比重、大きさ、形状の組合わせが全く異なる。)
・堆積物の原資となる物質の供給が常時発生している。(土石流などでは既に存在する地層地質・立木が原資となって移動する。一方北斜面貝層では、人の日常の継続投棄活動で物質の供給が発生していて、供給された分について高濃度流が発生する。土石流のように、既に存在する地層地質・立木が移動するのではない。)
2-1-2 専門家ヒアリング
北斜面貝層の貝殻泥流仮説(予備解釈)について、高濃度流研究専門家からヒアリングを行い、その評価をいただくことにします。
2-2 予備解釈検証のための基礎作業
2-2-1 ガリー浸食谷地形3Dモデルの断面における投棄場所と貝層の関係図示
ガリー浸食谷地形3Dモデルの断面において、投棄場所と貝層の関係を図示して、確認します。(投棄物質が堆積するまでの全断面を「確定」させて、物質移動の全過程を把握できるようにする。(これまではポンチ絵で表現してきた。)
この検討の中で、発掘直前断面地形の合理的推定を行います。(発掘のために「表土除去」や「足場造成のための掘削」が行われていて、今から考えると貝層のかなりの部分が事前除去されています。その事前除去範囲を推定します。)
2-2-2 セクション図(貝層分層図原票)の検討
手始めに6断面、5断面について、セクション図(貝層分層図原票)について、上記予備解釈に基づいて、分層発達状況を解釈検討して、上記予備解釈の妥当性を検討することにします。(Illustratorによる精細作業)
その後他の断面に検討範囲を拡げることにします。
2-2-3 密集土器分布の解釈
6断面、5断面の密集土器分布について、解釈を行い、上記予備解釈の妥当性を検討します。
この検討はガリー浸食谷地形3Dモデルの中で行い、検討における空間識を強化します。
また全土器分布図を作成し、上記予備解釈の妥当性を検討します。
他の遺物3D分布も必要に応じて同じ検討を行います。
2-3 剥取断面3Dモデルの貝殻ファブリック観察・分析
剥取断面3Dモデルの貝殻ファブリック観察・分析を行い、上記予備解釈の妥当性を検討します。
3 予備解釈の意義
上記予備解釈がそのまま首肯できるならば、これまでの検討は次のように変化する可能性があります。
3-1 断面間貝層区分の対比作業はあまり意味がない
貝層分層が局所的貝殻泥流(高濃度流)の跡であるので、多数断面など、広域を対象とした貝層区分対比作業は原理的にできない。つまり断面間の貝層区分対比作業は、隣接する断面(2m間隔)では対比できるものもあるけれども、離れた断面間ではできない場合が多いということになります。
3-2 密集土器連続を指標に断面対比をすることはあまり意味がない
密集土器の連続が一波の高濃度流に対応している根拠はありません。多数回の貝殻泥流(高濃度流)の結果として、土器片密集が連続して残ることと区別できません。従って、密集土器連続を指標に断面対比をすることはあまり意味がありません。
4 感想
4-1 予備解釈について
北斜面貝層における貝殻泥流(高濃度流)の仕組みは土石流などとは全く異なることが想定されるので、詳しく知るためには実験的研究が有益であると考えます。上記予備解釈の妥当性が2の取組みで高まった場合、実験的研究に移行する価値は大であると考えます。(現実に実験的研究に移行できる可能性はほとんどゼロであるが、エアー実験研究(パソコンでのシミレーション)を楽しむことは出来るであろう。)
特に、ハマグリなどの二枚貝という形状の高濃度流における挙動、イボキサゴ(小巻貝)が高濃度流の中で貝内部に空気が残り、浮力が付き、それが高濃度流で果たす役割、ほとんどすべての個体が湾曲形状をなす土器片が高濃度流で運ばれて堆積する時に下凸に回転する様子などの実験研究に強い興味を覚えます。
4-2 予備解釈による断面間対比について
これまでの作業、つまり貝層分層を基にした貝層区分を断面間で対比する作業は一旦ご破算にして、あらたな対比作業方法構築にチャレンジします。
貝層分層の精細な「切った切られた」関係を追うことで、全体の前後関係が把握できるかどうかどうか。
何れにしても、予備解釈がレベルの高い仮説になれば、それによりセクション図など原票に基づいた断面間対比作業が可能となると考えます。
剥取断面(剥取作業前)






































