I compared three types of pseudo-coordinate GIS analysis using QGIS.
I define pseudo-coordinate GIS analysis as a method of analyzing geographic information independently of the actual geographic space by using QGIS coordinates as dummy data. I compared and examined the usability of three pseudo-coordinate GIS analysis methods, each differing in their use of coordinate reference systems (CRS).
QGISの座標をダミーとして使って、現実地理空間とは無関係に地理情報を解析する方法を疑似座標GIS解析と呼ぶことにします。座標参照系(CRS)利用法の違いによる3つの疑似座標GIS解析法について、その使い勝手を比較して確かめてみました。
1 疑似座標GIS解析について
有吉北貝塚北斜面貝層の発掘平面図(発掘調査報告書から引用)
上図は地図上で任意位置に設定したグリッドに基づいて発掘が行われた事例です。遺物などの位置情報もグリッドを基準に収集されています。このような事例で解析にGISを使う場合、方位をGISに合わせるとそれに合わせてグリッド単位の遺物情報も全て変換する必要があり、とても複雑になります。方位を北上で表現しているGIS画面からグリッド線が水平垂直になるように表現し直すことも複雑な操作となります。またこの図だけからこの図をGISにジオリファレンスすることはできないので、別の正確な位置図が必要になり、手間がかかります。
このような各種不都合を避けて、上図と関連情報を現実地理空間とは無関係に直接GISにプロットしてGIS解析する方法を疑似座標GIS解析と呼ぶことにします。
疑似座標GIS解析を使えば、座標位置が不明確な地理情報、局地的分布資料や略図などもGISで気軽に解析できるようになります。
2 3種の疑似座標GIS解析法
座標参照系(CRS)利用法の違いにより、疑似座標GIS解析を次の3つに区分して、その使い勝手をQGISで比較して確かめてみました。
・座標参照系なし利用法(CRSなし)
・カスタム座標参照系利用法(カスタムCRS)
・既存座標参照系のダミー利用法(ダミーCRS)
3 疑似座標GIS解析法のテスト
まずQGISに、発掘平面図をジオリファレンスでインポートし、さらに標高点群csvファイルをレイヤー追加でインポートしました。
発掘平面図(ジオリファレンス用)
参考 ジオリファレンス資料
次に標高点群資料からTIN補間で地形3Dモデルを作成し、標高点群資料と地形3DモデルをQgis2threejsで立体表示しました。
4 座標参照系なし利用法(CRSなし)
4-1 プロジェクトCRSの設定
プロジェクトCRSをCRSなしに設定します。
CRSなしの設定
4-2 発掘平面図のジオリファレンス
発掘平面図をジオリファレンスします。ジオリファレンスの項目でCRS入力欄があり、この中にCRSなしがありません。そこで今回はダミーでEPSG6677を入れました。
4-3 標高点群csvファイルのレイヤ追加
標高点群csvファイルをレイヤー追加します。追加の際、CRS入力欄があり、この中にCRSなしがありません。そこでダミーとしてEPSG6677を入れました。
4-4 標高点群から地形3Dモデルの作成
標高点群からTIN補間で地形3Dモデルを作成しました。
4-5 Qgis2threejsによる立体表示
Qgis2threejsによる立体表示結果
標高点群は立体表示できます。しかし地形3Dモデルは立体表示できません。プロジェクトCRSをEPSG6677にすると地形モデルも立体表示されます。
4-6 感想
情報をプロットする際にダミーCRSの入力が必要なことと、Qgis2threejsがCRSのない地形3Dモデルを受け付けないことから、この方法は実用性が低いといえます。
ちなみにこのQGISにGoogleMapを投影すると、(0,0)は大西洋上の赤道と子午線交点になります。
5 カスタム座標参照系利用法(カスタムCRS)
5-1 プロジェクトCRSの設定
設定→カスタム投影法で開く画面で新しいユーザー定義CRSを追加して、形式欄に次のスクリプトを記入して、CRSの名前も設定してカスタムCRSを定義しました。
入力した定義スクリプト(Proj文字列)
+proj=tmerc +lat_0=0 +lon_0=0 +k=1 +x_0=0 +y_0=0 +ellps=GRS80 +units=m +no_defs
入力した名前
Local_XY_meter
ユーザー定義CRS画面
プロジェクトCRSをクリックして開く画面に座標参照系として次の新しい座標参照系が設定されているので、適用します。
USER:100026-Local_XY_meter
ユーザーCRSを適用している様子
5-2 発掘平面図のジオリファレンス
発掘平面図をジオリファレンスします。ジオリファレンスの項目のCRS入力欄にはUSER:100026を入れます。
5-3 標高点群csvファイルのレイヤ追加
標高点群csvファイルをレイヤー追加します。追加の際のCRS入力欄にはUSER:100026を入れます。
5-4 標高点群から地形3Dモデルの作成
標高点群からTIN補間で地形3Dモデルを作成しました。
5-5 Qgis2threejsによる立体表示
標高点群と地形3Dモデルは正常に立体表示できました。
Qgis2threejsによる立体表示
5-6 感想
最初にカスタムCRSを設定することが手間になります。
ちなみにこのQGISにGoogleMapを投影すると、(0,0)は大西洋上の赤道と子午線交点になります。
6 既存座標参照系のダミー利用法(ダミーCRS)
6-1 プロジェクトCRSの設定
今回はEPSG6677を使いました。
6-2 発掘平面図のジオリファレンス
発掘平面図をジオリファレンスします。CRSはEPSG6677です。
6-3 標高点群csvファイルのレイヤ追加
標高点群csvファイルのレイヤを追加します。CRSはEPSG6677です。
6-4 標高点群から地形3Dモデルの作成
標高点群からTIN補間で地形3Dモデルを作成しました。
6-5 Qgis2threejsによる立体表示
標高点群と地形3Dモデルは正常に立体表示できました。
Qgis2threejsによる立体表示
6-6 感想
通常のQGIS利用と全く同じ方法で利用できました。
ちなみにこのQGISにGoogleMapを投影すると、(0,0)は野田市中里付近になります。
7 まとめ
次の順番で使い勝手が良くなることを理解しました。
・座標参照系なし利用法(CRSなし) 難あり
↓
・カスタム座標参照系利用法(カスタムCRS) 余分な手間がかかる
↓
・既存座標参照系のダミー利用法(ダミーCRS) 通常利用と同じ(難無し)
CRSなしやカスタムCRSに利用利点があるかもしれないと考えて(期待して)実施したテストですが、その期待ははずれ、ダミーCRS利用がもっとも良いことが判りました。