2026年8月26日水曜日

貝層断面ファブリック分析の新指標 二枚貝殻の破損・磨耗

 A New Metric for Shell Midden Fabric Analysis: Bivalve Shell Breakage and Abrasion


I am currently conducting a fabric analysis using a 3D model of the shell midden on the northern slope of the Ariyoshi-Kita Shell Midden. I have identified a need for a new metric regarding bivalve shell breakage and abrasion, so I am noting it here. This metric differs from the fragmentation rate typically reported in excavation reports.


有吉北貝塚北斜面貝層の3Dモデルを対象にファブリック分析を行っていますが、二枚貝の破損・磨耗に関する新指標の必要性を感じましたので、メモします。発掘調査報告書における破砕率とは異なる指標です。

1 有吉北貝塚と加曽利貝塚のハマグリ純貝層の破損・磨耗の違い


有吉北貝塚剥取断面のハマグリ純貝層


加曽利貝塚北貝塚断面のハマグリ純貝層

2つの画像を子細に観察すると、有吉北貝塚のハマグリは欠け、割れ、ヒビ、破片化が目立ちます。加曽利貝塚のハマグリは小さな欠けがあるものがありますが、割れ、ヒビ、破片化は目立ちません。有吉北貝塚のハマグリは剥取断面作成時に外力で生じた破砕が含まれていると考えられますが、剥取断面作成時外力とは無関係に本来存在していたと考えられる欠け、割れ、ヒビ、破片化が多いと判断できます。

2 有吉北貝塚と加曽利貝塚のハマグリ純貝層の破損・磨耗の違いの理由

縄文人がハマグリを食して、その貝殻を捨てる直前までにその貝殻に生じる破砕の程度はどの集落でもほぼ同じであったと想定します。つまり、イボキサゴ破砕とは異なり、ハマグリなど二枚貝の貝殻を意識して破砕したことは縄文時代に無かったと過程します。この仮定を踏まえると、有吉北貝塚と加曽利貝塚の違いは次のようなものであったと想定します。

【有吉北貝塚】

崖上から貝塚に投棄されたハマグリは数回の重力性移動現象を経て斜面に最終堆積した。この数回にわたる重力性移動現象の中でハマグリに欠け、割れ、ヒビ、破片化が生じた。

【加曽利貝塚】

平場の貝塚に投棄されたハマグリのほとんどはそのまま最終堆積した。(貝塚の改変工事が縄文時代にあった場所を除く。)

3 二枚貝殻の破損・磨耗がファブリック分析の新指標となる可能性


北斜面貝層形成仮説のイメージ

2026.07.22記事「有吉北貝塚北斜面貝層と地考古学(Geoarchaeology) その2」から引用

有吉北貝塚における二枚貝殻の破損・磨耗が重力性移動現象に起因しているとするならば、二枚貝殻の破損・磨耗の程度が重力性移動現象を知る新指標(手がかり)になる可能性があります。

欠け、割れ、ヒビ、破片化など肉眼観察可能な破損状況だけでなく、写真や現場観察では把握できない微細なキズ、スレなど顕微鏡的磨耗状況まで含めれば、重力性移動現象程度を知る手がかりになる可能性があります。

二枚貝殻の破損・磨耗が重力性移動現象に起因しているとするならば、斜面上部では(移動が少ないので)破損・磨耗が少なく、斜面下部では(移動が多いので)破損・磨耗が多くなると想定できます。その想定に合った情報が一般的に得られるならば、二枚貝殻の破損・磨耗がファブリック分析の新指標となる可能性がより高まります。

4 発掘調査報告書の指標「破砕率」との違い

有吉北貝塚発掘調査報告書では貝層観察の指標の一つに貝殻の破砕率を使っています。この破砕率はハマグリなど二枚貝とイボキサゴなど巻貝を含めて貝殻一般の破砕率を求めています。イボキサゴは投棄される前に人為的に破砕される場合と破砕されない場合の双方があることが知られています。従って、発掘調査報告書の指標「破砕率」では破砕イボキサゴが含まれる貝層では、二枚貝殻の状況にかかわらず破砕率が高まります。「破砕率」は今回検討している「二枚貝殻の破損・磨耗の程度」とは異なる指標です。


2026年8月25日火曜日

剥取断面の観察記録3Dモデルの集成

 Compilation of 3D Models Based on Observation Records of Removed Shell-Midden Profiles


I am conducting a fabric analysis of 3D models derived from observation records of removed shell-midden profiles from the northern slope of the Ariyoshi-Kita Shell Midden. I strongly anticipate that comparing these with other shell-midden layers will deepen the analysis. Therefore, as a foundational step for this comparative analysis, I have compiled the 3D models of the removed shell-midden profiles—originally created for exhibition purposes—that I have produced to date.


有吉北貝塚北斜面貝層の剥取断面3Dモデルを対象にファブリック分析を行っています。この中で、他の貝層との対比により分析が深まることを強く予感しています。そこで、比較分析を行うための基礎作業として、これまでに作成した展示貝層剥取断面の観察記録3Dモデルを集成しました。

1 展示貝層剥取断面の観察記録3Dモデル集成

1-1 リスト

・有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 二枚貝角度計測用3Dモデル

・有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 下部小部分3Dモデル

・有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 観察記録3Dモデル

・【軽量版】加曽利貝塚南貝塚(貝層断面観覧施設)剥取断面の一部 観察記録3Dモデル

・加曽利貝塚南貝塚(貝層断面観覧施設)剥取断面の一部 観察記録3Dモデル

・加曽利貝塚南貝塚剥ぎ取り断面(部分) 観察記録3Dモデル

・2026.05作成 園生貝塚剥取断面 観察記録3Dモデル

・園生貝塚貝層断面 観察記録3Dモデル

・貝層剥取断面(東金市・大網白里市養安寺遺跡) 観察記録3Dモデル

・貝層剥取断面(東金市・大網白里市養安寺遺跡)と包含土器観察所見資料 3Dモデル

・祇園原貝塚貝層断面(部分) 観察記録3Dモデル

1-2 有吉北貝塚

1-2-1 有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 二枚貝角度計測用3Dモデル


有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 二枚貝角度計測用3Dモデル

撮影場所:千葉県立中央博物館常設展

撮影月日:2025.12.20

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 1053 images

注)この3DモデルはSketchfab投稿可能とするためにポリゴンを1/10に削減しています。

Sketchfabモデル

ブログ記事

2025.12.30 有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 二枚貝角度計測用3Dモデル作成

1-2-2 有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 下部小部分3Dモデル


有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 下部小部分3Dモデル

撮影場所:千葉県立中央博物館常設展

撮影月日:2025.12.20

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 151 images

Sketchfabモデル

ブログ記事

2025.12.28 有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 下部小部分3Dモデル

1-2-3 有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 観察記録3Dモデル


有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 観察記録3Dモデル

高さ4.3m、幅4.0m

撮影場所:千葉県立中央博物館常設展

撮影月日:2023.03.07

3DF Zephyr v7.003で生成 processing 396 images

Sketchfabモデル

ブログ記事

2023.03.08 有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 観察記録3Dモデル

1-3 加曽利貝塚

1-3-1 【軽量版】加曽利貝塚南貝塚(貝層断面観覧施設)剥取断面の一部 観察記録3Dモデル


【軽量版】加曽利貝塚南貝塚(貝層断面観覧施設)剥取断面の一部 観察記録3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚南貝塚に設置されている貝層断面観覧施設

加曽利貝塚南貝塚には貝層断面観覧施設が設置されている。

通路両側にそれぞれ長さ約31mの剥取断面が展示されている。

この観察記録3Dモデルは東側展示剥取断面のうち約4m部分である。

西側断面の剥取断面(反転像)が東側に展示されている。

撮影月日:2026.04.22

ガラス面越し撮影

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 312 images

Sketchfabモデル

ブログ記事

2026.05.02 加曽利貝塚南貝塚(貝層断面観覧施設)剥取断面の一部 観察記録3Dモデル

1-3-2 加曽利貝塚南貝塚(貝層断面観覧施設)剥取断面の一部 観察記録3Dモデル


加曽利貝塚南貝塚(貝層断面観覧施設)剥取断面の一部 観察記録3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚南貝塚に設置されている貝層断面観覧施設

加曽利貝塚南貝塚には貝層断面観覧施設が設置されている。

通路両側にそれぞれ長さ約31mの剥取断面が展示されている。

この観察記録3Dモデルは東側展示剥取断面のうち約4m部分である。

西側断面の剥取断面(反転像)が東側に展示されている。

撮影月日:2026.04.22

ガラス面越し撮影

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 312 images

Sketchfabモデル

ブログ記事

2026.05.02 加曽利貝塚南貝塚(貝層断面観覧施設)剥取断面の一部 観察記録3Dモデル

1-3-3 加曽利貝塚南貝塚剥ぎ取り断面(部分) 観察記録3Dモデル


加曽利貝塚南貝塚剥ぎ取り断面(部分) 観察記録3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚博物館

撮影月日:2021.10.07

ガラスショーケース越しに撮影

実寸法付与

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.009 processing 63 images

Sketchfabモデル

ブログ記事

2021.10.10 加曽利貝塚南貝塚剥ぎ取り断面(部分) 観察記録3Dモデル

1-4 園生貝塚

1-4-1 2026.05作成 園生貝塚剥取断面 観察記録3Dモデル


2026.05作成 園生貝塚剥取断面 観察記録3Dモデル

平成20年度確認調査

縄文時代後期~晩期(約4000~3000年前)

断面の大きさ:95㎝×270㎝

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター

撮影月日:2026.05.21

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 175 images

Sketchfabモデル

ブログ記事

2026.05.22 園生貝塚剥取断面の観察記録3Dモデル作成 3回目挑戦

1-4-2 園生貝塚貝層断面 観察記録3Dモデル


園生貝塚貝層断面 観察記録3Dモデル

平成20年度確認調査

縄文時代後期~晩期(約4000~3000年前)

断面の大きさ:95㎝×270㎝

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター

撮影月日:2020.08.21

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.003 processing 102 images

Sketchfabモデル

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2020.08.25 園生貝塚貝層断面3Dモデル

1-5 養安寺遺跡

1-5-1 貝層剥取断面(東金市・大網白里市養安寺遺跡) 観察記録3Dモデル


貝層剥取断面(東金市・大網白里市養安寺遺跡) 観察記録3Dモデル

縄文中期、北斜面貝層(SS009)、貝層断面B 主にチョウセンハマグリ、ダンベイキサゴ、フジノハナガイから構成される。 膨大な土器(メインは加曽利EⅡ式土器)とともに石器、骨角歯牙貝製品、コハク等出土。 貝層の最大層厚1.92m、傾斜角40度のガリーに堆積。 

撮影場所:千葉県立中央博物館令和2年度企画展「ちばの縄文」 

撮影月日:2020.11.13 

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.009 processing 109 images

Sketchfabモデル

ブログ記事

2020.11.22 貝層剥取断面(東金市・大網白里市養安寺遺跡)の3Dモデル作成

1-5-2 貝層剥取断面(東金市・大網白里市養安寺遺跡)と包含土器観察所見資料 3Dモデル


貝層剥取断面(東金市・大網白里市養安寺遺跡)と包含土器観察所見資料 3Dモデル

●貝層剥取断面(東金市・大網白里市養安寺遺跡)観察記録3Dモデル 

縄文中期、北斜面貝層(SS009)、貝層断面B 主にチョウセンハマグリ、ダンベイキサゴ、フジノハナガイから構成される。 膨大な土器(メインは加曽利EⅡ式土器)とともに石器、骨角歯牙貝製品、コハク等出土。 貝層の最大層厚1.92m、傾斜角40度のガリーに堆積。 

撮影場所:千葉県立中央博物館令和2年度企画展「ちばの縄文」 

撮影月日:2020.11.13 

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.009 processing 109 images 

●包含土器観察所見資料 3Dモデル 

東金市・大網白里市養安寺遺跡発掘調査報告書掲載資料 Blenderにより3Dモデル作成

Sketchfabモデル

ブログ記事

2020.11.22 貝層剥取断面(東金市・大網白里市養安寺遺跡)と包含土器観察所見資料の3Dモデル作成

1-6 祇園原貝塚

1-6-1 祇園原貝塚貝層断面(部分) 観察記録3Dモデル


祇園原貝塚貝層断面(部分) 観察記録3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚博物館特別展「-市原市史跡指定-祇園原貝塚 千年続いた縄文のムラ」

撮影月日:2021.10.07

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.009 processing 63 images

Sketchfabモデル

ブログ記事

2021.10.08 祇園原貝塚貝層断面(部分) 観察記録3Dモデル

2 Sketchfabのコレクション

Sketchfabのarakiminoruサイトのコレクション剥ぎ取り断面に上記観察記録3Dモデルを全て収録しています。


コレクション剥ぎ取り断面

3 感想

有吉北貝塚、養安寺遺跡は斜面貝層で、加曽利貝塚、園生貝塚は平場貝層ですから、二枚貝殻の出土姿勢などについて比較すると面白いデータが得られると予感します。


2026年8月24日月曜日

考古学切手 「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群切手シート

 Archaeology Stamps: "Sacred Island of Okinoshima and Associated Sites in the Munakata Region" Stamp Sheet


I really enjoyed the stamp sheet featuring the "Sacred Island of Okinoshima and Associated Sites in the Munakata Region." The panoramic strip of stamps at the top of the sheet captures the vast scale of this site complex in a way that truly moves the heart.


「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群切手シートを楽しみました。シート上部の遺産群全景連刷切手がこの遺跡群のスケールの大きさを空間的に表現していて心が動かされます。

1 「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群切手シート


「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群切手シート

2018年

特殊切手「世界遺産シリーズ<第11集> 『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の82円切手シート。

①・② 遺産群全景(上部連刷切手): 遥か玄界灘に浮かぶ御神体「沖ノ島」の雄大な全景。

③ 宗像大社沖津宮遙拝所: 沖ノ島を遥か大島から拝むための遙拝所。

④ 宗像大社中津宮: 大島に鎮座し、田心姫神を祀るお社。

⑤ 宗像大社辺津宮: 九州本土に位置する、宗像三女神の一柱を祀る社殿。

⑥ 新原・奴山古墳群: 沖ノ島への信仰を支えた古代豪族「宗像氏」の墳墓群。

⑦ 金製指輪: 沖ノ島から出土した、古代の対外交流を象徴する国宝の指輪。

⑧ 金銅製龍頭: 精巧な装飾が施された、儀礼用とみられる国宝の龍の頭部。

⑨ 奈良三彩有蓋小壺: 唐三彩の影響を受けて国内で焼かれたとされる国宝の小壺。

⑩ 三角縁神獣鏡: 古代の祭祀に用いられた代表的な神獣鏡(国宝)。

2 遺産群全景(上部連刷切手)


遺産群全景(上部連刷切手)

3 資産・国宝・神宝


資産・国宝・神宝

4 メモ

シート上部の遺産群全景連刷切手がこの遺跡群のスケールの大きさを空間的に表現していて心が動かされます。

シート下部の8種切手画像(写真)が鮮明で明るく、好印象です。


波状口縁土器の模擬3Dモデル生成

 Generating Simulated 3D Models of Wavy-Rimmed Earthenware


Using a custom AI assistant designed for Blender, I have become able to create simple 3D models of Jomon-period earthenware—based on their forms as solids of revolution—from 2D source materials. I am currently applying this method to generate simulated 3D models of wavy-rimmed earthenware. I am now on the verge of finalizing a Blender Python script capable of producing satisfactory simulated 3D models.


自作Blender専用AIアシスタントをツールにして、2次元資料から縄文土器の単純回転体3Dモデルが作れるようになりました。これを利用して、波状口縁土器の模擬3Dモデル生成にチャレンジしています。納得できる模擬3Dモデル生成が可能なBlenderPythonスクリプト生成まであと一歩のところまできました。

1 モデルの対象とした波状口縁土器


モデルの対象とした波状口縁土器

称名寺Ⅰ式深鉢(千葉市上谷津第2遺跡)

撮影場所:加曽利貝塚博物館令和3年度企画展「あれもE これもE 加曽利E式土器 千葉市編2 -加曽利EⅣ式土器とその末裔たち-」

撮影日:2022.02.22

ブログ記事 2022.03.07「称名寺Ⅰ式深鉢(No.18)(千葉市上谷津第2遺跡)の3Dモデル観察

2 波状口縁土器の模擬3Dモデル生成のための単純回転体生成


波状口縁土器の模擬3Dモデル生成のための単純回転体生成

波状口縁土器のフォトグラメトリ3Dモデルの正面オルソ投影画像を作成し、失われている底部分を類似土器から復元した2次元土器画像を作成しました。

その2次元土器画像の外面輪郭線を抽出しました。

外面輪郭線からBlenderPythonスクリプトで単純回転体3Dモデルを生成しました。このBlenderPythonスクリプトは自作Blender専用AIアシスタントで生成したものです。

3 単純回転体から波状口縁土器模擬3Dモデルの生成


単純回転体から波状口縁土器模擬3Dモデルの生成


波状口縁土器模擬3Dモデル(上からオルソ)


波状口縁土器模擬3Dモデル(正面からオルソ)


波状口縁土器模擬3Dモデル(斜めから)

ChatGPT支援により作成したBlenderPythonスクリプトで単純回転体から波状口縁土器模擬3Dモデルを生成しました。

4 課題


単純回転体と模擬3Dモデルの同時表示(正面からオルソ)


単純回転体と模擬3Dモデルの同時表示(斜めから)

単純回転体と模擬3Dモデルの同時表示(斜めから)で判るように、模擬3Dモデルの形状が単純回転体に収まっていません。あと一歩完成に届いていません。今後完成に向けてさらに取組みます。

なお、Blender画面で、模擬3Dモデルの波状頂部の高さ、波状の形状・深さなどをその場で変更して直ぐに確認することができます。


2026年8月20日木曜日

考古学切手 特別史跡キトラ古墳寄附金付郵便切手シート

 Archaeology Stamps: Special Historic Site Kitora Tumulus Charity Stamp Sheet


I enjoyed this charity stamp sheet featuring the Special Historic Site Kitora Tumulus, issued in 2003. It contains five pairs of stamps depicting the White Tiger and the Vermilion Bird. A 10-yen donation has been added to the 80-yen face value.


平成15年(2003年)発行の特別史跡キトラ古墳寄附金付郵便切手シートを楽しみました。白虎と朱雀の2連刷が5枚印刷されています。額面80円に寄附金10円が上乗せされています。

1 特別史跡キトラ古墳寄附金付郵便切手シート

特別史跡キトラ古墳寄附金付郵便切手シート

2003年

キトラ古墳について:キトラ古墳は、奈良県明日香村にある直径約14mの円形の古墳で、7世紀末~8世紀初頭に造られたと考えられています。

埋葬者は不明ですが、古墳の石室内部に描かれた壁画には、古代の神獣である四神や星宿図など、中国や朝鮮半島の壁画古墳と同じモチーフが描かれ、高松塚古墳と同様東アジア文化の流れを考える上で、極めて重要なものと言えます。

このため文化庁は、平成12年7月31日付で国の史跡に、又平成12年11月24日には特別史跡に指定しました。

(日本郵便ページから引用)

デザインについて:切手の原画には、キトラ古墳の石室内部の壁画に描かれている四神から西面に描かれている「白虎(部分)」と、南面に描かれている「朱雀(部分)」を採用しています。

四神は中国古代の想像上の動物で、それぞれ天空の四方に輝く星宿に割り当てられており、地上では四方(東:青竜、西:白虎、南:朱雀、北:玄武)の土地を分担して守護する霊禽神獣と考えられています。

(日本郵便ページから引用)

2 白虎と朱雀の連刷


白虎と朱雀の連刷

2003年

3 メモ

もっぱら海外考古学切手を収集してたのしんでいるのですが、このような優美な日本考古学切手の存在を知り、日本考古学切手も集めてみたくなりました。


2026年8月19日水曜日

ファブリック分析 見上げる範囲の観察方法調整

 Fabric Analysis: Adjusting Observation Methods for the "Looking-Up" Section


I am currently acquiring observation data for fabric analysis using a 3D model of a shell-midden section—specifically, a detached section from the northern slope of the Ariyoshi-Kitakaizuka site. During this process, I discovered that when generating a frontal orthographic projection of the section's "looking-up" area (the underside), a significant portion falls into shadow and fails to render clearly. Consequently, I decided to forgo the exhaustive observation of bivalve shells in this specific area.


有吉北貝塚北斜面貝層剥取断面3Dモデルを対象に、ファブリック分析用の観察データを取得しています。この作業の中で、剥取断面3Dモデルの見上げる範囲については正面オルソ投影画像にすると、結像されない陰の部分がかなりの面積になることが判明しました。そこで、この部分については二枚貝殻の悉皆観察は諦めることにしました。

1 剥取断面3Dモデルの見上げる範囲の正面オルソ投影画像

1-1 検討場所


検討場所

54分析区5413作業単位

1-2 検討場所の正面オルソ投影画像


画像1 検討場所の正面オルソ投影画像

54分析区5413作業単位

2 3Dモデルの見上げた場合の画像


画像2 3Dモデルの見上げた場合の画像


画像3 3Dモデルの見上げた場合の画像

画像1~画像3の★印は同一貝殻

3 検討

画像1(正面オルソ投影画像)と画像1、2(見上げた画像)を比較すると、画像1、2では全ての貝殻が鮮明に観察できます。しかし、画像1では見上げた場合に陰となる部分が白っぽくなり結像していません。このため個別貝殻の観察は著しく困難になります。貝殻の悉皆観察は不可能です。

このため、見上げる範囲における二枚貝殻観察方法を次のように調整することにします。

【3Dモデルの見上げる範囲における二枚貝殻観察方法】

3Dモデルの見上げる画像を参考にして、確実に2枚貝殻と理解できる場合に限定して、これまでの項目(※)について観察する。

※ 二枚貝殻の場所、偏位角、見かけ長さ、殻位

見上げる範囲について悉皆性を諦めたので、画像ノイズの中で生まれる不確かさに起因する恣意性を最小化するために、確実に二枚貝殻の形状等を観察できる場合に限定してデータを取得することにします。

従って、分析の際も見上げる範囲とそうでない範囲の扱い方を適切に分けることにします。


2026年8月18日火曜日

2次元資料から波状口縁土器3Dモデル生成

 Generating 3D Models of Pottery with Wavy Rims from 2D Source Material


I am working on generating prototype 3D models of Jomon pottery from 2D source material using a custom AI assistant designed for Blender. In this instance, I generated a solid of revolution from a cross-sectional profile and then created a wavy rim on that form. For the wavy rim generation, I employed a method based on the numerical control of the Z-coordinates of the rim's vertices.


自作Blender専用AIアシスタントをツールにして、2次元資料から縄文土器3Dモデル祖型生成に取組んでいます。今回は、断面輪郭線から回転体を生成し、その回転体に波状口縁を生成しました。波状口縁生成方式は「口縁頂点Zを数値制御」方式を採用しました。

1 波状口縁土器の2次元資料


波状口縁土器の2次元資料

加曽利貝塚博物館発行パンフレットから引用

4単位の波状口縁の例です。

2 断面輪郭線から回転体生成


断面輪郭線から回転体生成

自作Blender専用AIアシスタント(以下AABと略称)で作成したBlenderPythonスクリプトで、断面輪郭線から回転体を生成します。


回転体3Dモデル(マテリアルプレビュー)


回転体3Dモデル(ワイヤフレーム)

3 波状口縁の生成

3-1 今回波状口縁生成に使った原理

今回は波状口縁の無い回転体の口縁部頂点を口縁部を構成する辺に沿って少しずつ移動させて波状口縁を実現しました。


今回波状口縁生成に使った原理

口縁部の外面側頂点全部(64)、内面側頂点全部(64)について、一部を除き辺に沿って適切なカーブを描くように少しずつ移動(下方ベクトル)させました。

頂点移動は頂点IDと対応する辺ID及び移動する座標のZ値を記述したcsvを読み込んで、頂点をその通り移動させるBlenderPythonスクリプトによりおこないました。このBlenderPythonスクリプトはAABで生成しました。


参考 口縁部外面側頂点のID

3-2 波状口縁生成結果


波状口縁生成結果


波状口縁土器3Dモデル(マテリアルプレビュー)


波状口縁土器3Dモデル(ワイヤフレーム)

4 メモ

回転体から波状口縁をBlenderで生成する方法についてChatGPTに提案してもらったところ次の11方法についての方法がありました。


Blenderで回転体から波状口縁を生成する方法

今回はこのうち、再現性があり、シミュレーション(やり直し)が容易な「口縁頂点Zを数値制御」方式を採用しました。

波状口縁形状は、今回は2次元資料から想定曲線を描き、頂点毎にZ値を按分比例で当てはめました。

波状口縁が出来るようになると、次のテーマは把手ということになります。回転体、波状口縁、把手ができるようになると、縄文土器3Dモデル祖型づくり基本技術が揃います。


2026年8月17日月曜日

ファブリック分析範囲の限定

 Limiting the Scope of Fabric Analysis


I am conducting a fabric analysis using a 3D model of a peel section from the shell midden on the northern slope of the Ariyoshi Kitakaizuka site. It became apparent that the upper part of the peel section's 3D model was unsuitable for fabric analysis due to the shallow angle of incidence of the camera's line of sight, which resulted in inadequate 3D model reconstruction. Consequently, I decided to limit the scope of the fabric analysis.


有吉北貝塚北斜面貝層の剥取断面3Dモデルを対象としたファブリック分析を進めています。剥取断面3Dモデルの上部はカメラ視線入射角が浅くなり、3Dモデル結像が不十分であり、ファブリック分析に適さないことが判りました。そこで、ファブリック分析範囲を限定することにしました。

1 54分析区の3Dモデルの様子

1-1 54分析区の場所


54分析区の場所


参考 分析区

1-2 54分析区の作業単位の3Dモデル画像


54分析区の作業単位


5401作業単位の3Dモデル画像


5405作業単位の3Dモデル画像


5409作業単位の3Dモデル画像


5413作業単位の3Dモデル画像

1-3 検討

5401作業単位及び5405作業単位の3Dモデル画像では二枚貝の様子が把握できないので、分析は不可能と考えます。

5409作業単位の3Dモデル画像では難はありますが、なんとかファブリック分析のための観察は可能です。

5413作業単位の3Dモデル画像はファブリック分析のための観察は可能です。

2 ファブリック分析範囲の確定

1-3検討から剥取断面3Dモデルを次のA、B、C、Dに分け、剥取断面3Dモデル分析範囲をA、Bとし、データが使えるようならばCも加えることにします。


ファブリック分析範囲

A:既データ作成範囲(分析範囲)

B:今後データ作成範囲(分析範囲)

C:今後データ作成範囲(結果がよければ分析範囲に加える)

D:データ作成を諦める範囲(分析範囲外)

3 ファブリック分析範囲外の分析について

3-1 別分析の工夫


54分析区付近の撮影写真

剥取断面3Dモデルの画像(正面オルソ投影した画像)を対象とすると、残念ながら剥取断面上部は使えないという結果になりました。しかし、視線入射角が浅いとはいえ、実際に撮影した写真は貝殻が鮮明に写っています。そこで、ファブリック分析外となった3Dモデル上部については、撮影写真を使った分析を行うことにします。分析方法は今後工夫することにします。

3-2 再撮影

剥取断面上部を対象にした再撮影を工夫して行い3Dモデルを作成し、本当にファブリック分析が不可能であるか、確かめることも検討することにします。

剥取断面から少し離れ(視線入射角は少しだけ深くなる)、撮影写真を増やせば、3Dモデル結像は改善する可能性があります。道具(脚立やカメラ設置用ポール)を使えば改善が見込めますが、手続きが必要であり、リスクも発生します。