2026年4月9日木曜日

6断面分層記載の検討

 Examination of the Description of Six Cross-Sectional Layers


I examined the six cross-sections of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound, focusing on the shell fragmentation rate, major shell species, and shell layer color from the detailed descriptions in the excavation report. There are areas where shell layers with low shell fragmentation rates are concentrated.


有吉北貝塚北斜面貝層6断面について、発掘調査報告書の詳細記述のうち、貝殻破砕率、主要貝種、貝層色について把握し、検討しました。貝殻破砕率が小さい貝層が集中しているところがあります。

1 6断面貝殻破砕率


6断面貝殻破砕率

Aの領域は貝殻破砕率の値が大きいものが多くなっています。一方、Bの領域は貝殻破砕率が小さいものが多くなっています。

高濃度流(貝殻泥流)が斜面からガリー谷底に流れる様子をイメージすると、高濃度流(貝殻泥流)の先端部にゆくほど大きな物質が集まる(ソートされる)という特性と、この結果は整合します。

投棄された貝殻にはハマグリやイボキサゴの貝殻だけでなく、イボキサゴの人工的破砕物が混じり、それらが高濃度流で運ばれるなかで、貝殻の破壊も進みますが、堆積した結果をみると、運ばれた物質の大きさでソートされて堆積するので、斜面では貝殻破砕率が大きく、斜面下部(ガリー谷底)では貝殻破砕率が小さく観察されると考えます。

Cでは破砕率が大きくなっていますが、この堆積物の下部は水平堆積していて、Bなどと較べると勢いの弱い高濃度流の堆積物(高濃度流の先端から離れた場所の堆積物)であると考えます。

2 主要貝種


主要貝種

ハマグリが主要な貝層 4

イボキサゴが主要な貝層 3

ハマグリとイボキサゴが主要な貝層 6

という結果になりました。

断面中央部で純貝層と貝層(混土率20%未満)の主要貝種がイボキサゴとなっています。この貝層を含む高濃度流(貝殻泥流)の全体の主要貝種がイボキサゴであるのか、それとも、この断面から離れると、ハマグリやハマグリ・イボキサゴに変化するのか、その立体空間における変化が判れば、このデータの解釈が出来るようになります。現状では、6断面から下流(高濃度流の先端方向)にいくと、イボキサゴからイボキサゴ・ハマグリへ、さらに行くとハマグリへと変化すると予想します。

3 貝層の色


貝層・土層砂層の色

全体に貝層・土層砂層に色は暗褐色が多くなっています。谷底の2つの貝層が黒褐色になっていますが、堆積環境(地下水の影響)によるものであるかどうか、興味が湧きます。

4 メモ

高濃度流(貝殻泥流)の特性として、結果として物質が大きさでソートされて堆積すると想定しています。その想定が真であるかどうか理論的・実験的検討が必要です。同時に、堆積物ソートの実体を把握することを資料調査(発掘調査報告書データ解析)で進めています。


2026年4月8日水曜日

6断面の分層詳細把握とブロック区分

 Detailed Understanding of the Layer Division and Block Classification of 6 Cross-Sections


Regarding the six cross-sections of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound, I created layer division diagrams based on the detailed descriptions in the excavation report. Based on these diagrams, I performed block classification to examine the developmental stages. I felt that the cross-sectional structure had become clearly visible.


有吉北貝塚北斜面貝層6断面について、発掘調査報告書の詳細記述による分層区分図を作成しました。この分層区分図に基づき、発達段階を検討するためのブロック区分を行いました。断面構造があぶり出てきたという感想を持ちました。

1 6断面の分層詳細把握

6断面に関する発掘調査報告書の詳細記述に基づき、分層区分図を作成しました。同じものは発掘調査報告書に掲載されていますが、適切でない箇所が幾つかあるので、今回作成したものがより正確です。また分層名称が判りづらいので、平易な名称に変更しました。


有吉北貝塚北斜面貝層 6断面

2 貝層ブロック区分

上記断面図に密集土器分布をプロットするとともに、貝層ブロック区分を行いました。


貝層ブロック区分と密集土器分布

各ブロックに仮番号1~7を与え、ブロックの発達順番を予察的にイメージしてみました。

ブロック1~3の発達は1→2→3の順番で間違いありません。

ブロック4~7の発達は4→5→6→7の順番で間違いないと考えます。

ブロック5はブロック1と2を切っています。

ブロック6はブロック3を切っています。

このような状況から次のような発達をイメージしました。詳細の正確性は現状では思考対象外です。

1ブロック(ガリー斜面崩落物)の堆積

2ブロック(貝層)、4ブロック(貝層)の堆積(4ブロックはもともと2ブロックの一部であったものが、ブロック5の貝殻泥流で浸食され分離したものと推察します。)

3ブロック(貝層)と5ブロック(貝層)の堆積(3ブロックと5ブロックはもともと連続する貝殻泥流であったものが、ブロック6の貝殻泥流で浸食分断されたものと推察します。)

6ブロック(貝層)の堆積(下位の堆積物を浸食して堆積したと考えます。)

7ブロック(貝層)の堆積

まとめると順番に次のようになります。

・1ブロック崩落層堆積

・もともと連続していた2ブロックと4ブロックからなる貝殻泥流堆積

・もともと連続していた3ブロックと5ブロックからなる貝殻泥流堆積

・6ブロック貝殻泥流堆積

・7ブロック貝殻泥流堆積

土器型式との対応は次のようになります。

・1ブロック崩落層堆積→現状でデータなし

・もともと連続していた2ブロックと4ブロックからなる貝殻泥流堆積→現状でデータなし

・もともと連続していた3ブロックと5ブロックからなる貝殻泥流堆積→加曽利EⅡ中

・6ブロック貝殻泥流堆積→加曽利EⅡ中・加曽利EⅡ中~新・加曽利EⅡ新

・7ブロック貝殻泥流堆積→現状でデータなし

土器型式からみて、3・5ブロックと6ブロックに時間差はほとんどないような印象を受けます。

下位の地層を浸食するという点で、3・5ブロックと6ブロックの貝殻泥流が顕著です。その二つが顕著な密集土器を伴います。

なお、5と6の貝種はイボキサゴがメインとなっています。なぜイボキサゴであるのか、今後検討を続けます。

3 感想

発掘調査報告書の詳細記述を読み直し、Illustratorによる手作業で分層区分図を作成してみると、発掘調査報告書掲載分層図と異なる箇所がかなりあり、問題意識を深めることができました。また、密集土器分布図と発掘状況写真と分層区分図を一緒に検討することにより、さらに問題意識を深めることができました。断面構造があぶり出てきたという感想を持ちました。


2026年4月6日月曜日

阿玉台式深鉢(八千代市ヲサル山遺跡)観察記録3DモデルのGigaMesh Software Framework展開

 GigaMesh Software Framework Deployment of the 3D Model of the Observation Record of the Atamadai-style Deep Bowl (Osaruyama Site, Yachiyo City)


I enjoyed deploying the GigaMesh Software Framework for the 3D model of the observation record of the Atamadai-style deep bowl (Osaruyama Site, Yachiyo City). The 3D model was severely damaged due to the poor shooting environment, but I managed to deploy it.


阿玉台式深鉢(八千代市ヲサル山遺跡)観察記録3DモデルのGigaMesh Software Framework展開を楽しみました。撮影環境が劣悪で満身創痍の3Dモデルですが、なんとか展開できました。

この記事は2026.04.06記事「阿玉台式深鉢(八千代市ヲサル山遺跡)観察記録3Dモデル」の続きです。

1 阿玉台式深鉢(八千代市ヲサル山遺跡)観察記録3DモデルのGigaMesh Software Framework展開


GigaMesh Software Framework展開(テクスチャ有り)


GigaMesh Software Framework展開(テクスチャ無し)


GigaMesh Software Framework展開(Non-Photorealistic Rendering)

2 メモ

撮影環境が劣悪で、3Dモデルは満身創痍です。しかし、なんとかGigaMesh Software Framework展開できました。

土器上部外面が斜めになっているため、カメラ視線入射角が浅くなり、3Dモデル結像が不十分になりました。土器下部はガラス越しとなり、ガラス面に反射が著しく、正常な結像となりませんでした。そのため、各所に土器外面と内面がチューブのようにつながる穴が多く発生しました。それらをすべて穴埋めすることによって、GigaMesh Software Framework展開が可能となりました。


阿玉台式深鉢(八千代市ヲサル山遺跡)観察記録3Dモデル

 Observation Record 3D Model of the Atamadai-style Deep Bowl (Osaruyama Site, Yachiyo City)


I enjoyed creating an observation record 3D model of the Atamadai-style deep bowl (Osaruyama Site, Yachiyo City) displayed at the Yachiyo City Local History Museum. I also enjoyed reminiscing about creating a 3D model of the same object from five photographs five years ago.


八千代市郷土博物館に展示されている阿玉台式深鉢(八千代市ヲサル山遺跡)の観察記録3Dモデル作成を楽しみました。同一対象を5年前に5枚写真から3Dモデルをつくった思い出も楽しみました。

1 阿玉台式深鉢(八千代市ヲサル山遺跡)観察記録3Dモデル

阿玉台式深鉢(八千代市ヲサル山遺跡)観察記録3Dモデル

撮影場所:八千代市郷土博物館

撮影月日:2026.03.10


展示の様子

ガラス面越し撮影

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 235 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像(テクスチャ有り)


3Dモデルの画像(テクスチャ無し)


3Dモデルの画像(テクスチャ有りと無しのミックス)

2 阿玉台式深鉢(八千代市ヲサル山遺跡)展示風景の視覚変奏動画


阿玉台式深鉢(八千代市ヲサル山遺跡)展示風景の視覚変奏動画

6フィルター写真のバリエーションをクロスディゾルブを使って連続表示したスライドシーケンス動画です。Photoshopで作成しました。

3 メモ

同一対象を7年前に5枚撮影しました。その5枚写真により5年前に3Dモデルを作成しました。

2021.01.18記事「阿玉台式深鉢(八千代市ヲサル山遺跡) 観察記録3Dモデル(仮)

たった5枚写真から3Dモデルを作成して楽しむ(学習する)という、5年前の自分は意欲的でもあり、同時に世間知らずでズーズーしいとも感じます。

なお、この5枚写真による観察記録3Dモデルは世界の59人の人に閲覧していただき、ダウンロード回数は16回になっています。全く無意味でだったということでもなかったようです。

https://skfb.ly/ouDHU


今回作成観察記録3DモデルのGigaMesh Software Framework展開は次の記事で行います。


2026年4月5日日曜日

貝層堆積機構に関する予備解釈

 Preliminary Interpretation Regarding the Shell Layer Deposition Mechanism


I have been working on correlating shell layer divisions for each section of the northern slope shell layer.

This work is constantly plagued by ambiguous judgments, resulting in a lack of final certainty.

I intuitively feel that the main reason for this wavering confidence is that the shell layer deposition mechanism is not fully understood.

Therefore, I have attempted to deepen my preliminary interpretation of the shell layer deposition mechanism of the northern slope shell layer based on the current information and knowledge.


これまで北斜面貝層の断面毎貝層区分の対比作業を行ってきました。

この作業はあいまいな判断が絶えず混ざり、最後の確信が持ていない作業となっています。

確信が揺らぐ主因は貝層堆積機構が十分に判っていないことだと直観しています。

そこで、現状の情報・知識で北斜面貝層の貝層堆積機構に関する予備解釈を深めてみました。

1 北斜面貝層の貝層堆積機構に関する予備解釈

1-1 貝殻等の継続的投棄

・台地斜面を深く抉るように発達するガリー侵食谷地形の中に、台地面縁から貝殻・土器片・食料生活残滓などが継続的に投棄される。

・投棄された貝殻等が貝層堆積物の原資となっている。

1-2 間歇的貝殻泥流(高濃度流)の発生

・投棄され急斜面に貯まった貝殻等は間歇的に貝殻泥流(高濃度流)となってガリー侵食谷の谷底方向に流れ、堆積した。

・貝殻泥流は繰り返し発生し、局所的現象である。また、1波の貝殻泥流が発生すると、過去の貝殻泥流堆積物を浸食して(削って)その堆積物を巻き込みながら移動し堆積する。

・セクション図分層線(分層区分)は繰り返し発生した貝殻泥流による浸食・堆積の様子の記録であると考えられる。

1-3 土器片が密集し下凸が多い

・断面5、6では土器片が密集する。断面10、11、剥取断面でもその度合いは異なるが、土器片が密集する。それらの土器片はいずれも形状が下凸の上下関係で堆積しているものが多い。

・この出土状況は貝殻泥流に土器片が巻き込まれて流れる際に、貝殻より大形の土器片が貝殻泥流の先端方向に移動集中するとともに、泥流が減速停止する際に貝殻泥流に浮いていた土器片が重力により沈下する際に重力方向に回転して安定したものと考える。(土石流堆積物に関する研究から敷衍)

1-4 斜面下部でハマグリ純貝層が観察できる断面が多い

・貝殻泥流(高濃度流)では土器片が先端付近に運ばれるのと同じ原理で、ハマグリは先端、イボキサゴはそれより後ろ、小さい貝殻片は最後部というソート現象が働くと考える。

・貝殻泥流(高濃度流)が斜面上部でも、斜面下部でも間歇的に発生することにより、ソート現象の結果として、斜面下部でハマグリ純貝層が観察できる断面が多くなる。

2 予備解釈の検証

上記予備解釈は作業継続の中で生まれて育ってきたアイディアであり、それがどの程度使い物になるか、まだ判りません。そこで次のような活動を行い、本格検証作業につなげたいと思います。

2-1 文献調査・ヒアリング

2-1-1 文献調査

高濃度流と堆積物との関係を調査研究実験した文献調査を行い、高濃度流と堆積物相との関係を調べることにします。しかし、次のような条件の調査研究はほとんど存在しない可能性があります。

・堆積物の原資となる物質が極めて特異である。(土石流などの堆積物の原資となるものは岩石・土砂や立木である。一方、北斜面貝層の貝殻泥流は、ハマグリ等2枚貝、イボキサゴ(小巻貝)、イボキサゴウの破砕片、土器片、骨など食料残滓・廃生活道具等に限られる。土石流と北斜面貝層貝殻泥流では、堆積物構成物質の比重、大きさ、形状の組合わせが全く異なる。)

・堆積物の原資となる物質の供給が常時発生している。(土石流などでは既に存在する地層地質・立木が原資となって移動する。一方北斜面貝層では、人の日常の継続投棄活動で物質の供給が発生していて、供給された分について高濃度流が発生する。土石流のように、既に存在する地層地質・立木が移動するのではない。)

2-1-2 専門家ヒアリング

北斜面貝層の貝殻泥流仮説(予備解釈)について、高濃度流研究専門家からヒアリングを行い、その評価をいただくことにします。

2-2 予備解釈検証のための基礎作業

2-2-1 ガリー浸食谷地形3Dモデルの断面における投棄場所と貝層の関係図示

ガリー浸食谷地形3Dモデルの断面において、投棄場所と貝層の関係を図示して、確認します。(投棄物質が堆積するまでの全断面を「確定」させて、物質移動の全過程を把握できるようにする。(これまではポンチ絵で表現してきた。)

この検討の中で、発掘直前断面地形の合理的推定を行います。(発掘のために「表土除去」や「足場造成のための掘削」が行われていて、今から考えると貝層のかなりの部分が事前除去されています。その事前除去範囲を推定します。)

2-2-2 セクション図(貝層分層図原票)の検討

手始めに6断面、5断面について、セクション図(貝層分層図原票)について、上記予備解釈に基づいて、分層発達状況を解釈検討して、上記予備解釈の妥当性を検討することにします。(Illustratorによる精細作業)

その後他の断面に検討範囲を拡げることにします。

2-2-3 密集土器分布の解釈

6断面、5断面の密集土器分布について、解釈を行い、上記予備解釈の妥当性を検討します。

この検討はガリー浸食谷地形3Dモデルの中で行い、検討における空間識を強化します。

また全土器分布図を作成し、上記予備解釈の妥当性を検討します。

他の遺物3D分布も必要に応じて同じ検討を行います。

2-3 剥取断面3Dモデルの貝殻ファブリック観察・分析

剥取断面3Dモデルの貝殻ファブリック観察・分析を行い、上記予備解釈の妥当性を検討します。

3 予備解釈の意義

上記予備解釈がそのまま首肯できるならば、これまでの検討は次のように変化する可能性があります。

3-1 断面間貝層区分の対比作業はあまり意味がない

貝層分層が局所的貝殻泥流(高濃度流)の跡であるので、多数断面など、広域を対象とした貝層区分対比作業は原理的にできない。つまり断面間の貝層区分対比作業は、隣接する断面(2m間隔)では対比できるものもあるけれども、離れた断面間ではできない場合が多いということになります。

3-2 密集土器連続を指標に断面対比をすることはあまり意味がない

密集土器の連続が一波の高濃度流に対応している根拠はありません。多数回の貝殻泥流(高濃度流)の結果として、土器片密集が連続して残ることと区別できません。従って、密集土器連続を指標に断面対比をすることはあまり意味がありません。

4 感想

4-1 予備解釈について

北斜面貝層における貝殻泥流(高濃度流)の仕組みは土石流などとは全く異なることが想定されるので、詳しく知るためには実験的研究が有益であると考えます。上記予備解釈の妥当性が2の取組みで高まった場合、実験的研究に移行する価値は大であると考えます。(現実に実験的研究に移行できる可能性はほとんどゼロであるが、エアー実験研究(パソコンでのシミレーション)を楽しむことは出来るであろう。)

特に、ハマグリなどの二枚貝という形状の高濃度流における挙動、イボキサゴ(小巻貝)が高濃度流の中で貝内部に空気が残り、浮力が付き、それが高濃度流で果たす役割、ほとんどすべての個体が湾曲形状をなす土器片が高濃度流で運ばれて堆積する時に下凸に回転する様子などの実験研究に強い興味を覚えます。

4-2 予備解釈による断面間対比について

これまでの作業、つまり貝層分層を基にした貝層区分を断面間で対比する作業は一旦ご破算にして、あらたな対比作業方法構築にチャレンジします。

貝層分層の精細な「切った切られた」関係を追うことで、全体の前後関係が把握できるかどうかどうか。

何れにしても、予備解釈がレベルの高い仮説になれば、それによりセクション図など原票に基づいた断面間対比作業が可能となると考えます。


剥取断面(剥取作業前)

2026年4月3日金曜日

東内野型尖頭器2点外(八千代市権現後遺跡)観察記録3Dモデル

 Observation Record 3D Model of Two Higashiuchino-type Projectile Points (Gongen-ushiro Site, Yachiyo City)


I enjoyed creating a 3D model of observation records for two Higashiuchino-type projectile points and other artifacts displayed at the Yachiyo City Local History Museum. The term "Higashiuchino-type" reminded me of the Higashiuchino site, which I had previously become interested in.


八千代市郷土博物館に展示されている東内野型尖頭器2点などの観察記録3Dモデル作成を楽しみました。東内野型という言葉から、以前興味を深めた東内野遺跡の様子を思い出しました。

1 東内野型尖頭器2点外(八千代市権現後遺跡)観察記録3Dモデル

東内野型尖頭器2点外(八千代市権現後遺跡)観察記録3Dモデル

東内野型尖頭器2点、敲石、ナイフ形石器2点

撮影場所:八千代市郷土博物館

撮影月日:2026.03.10


展示の様子

ガラス面越し撮影

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 200 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像(テクスチャ有り)


3Dモデルの画像(テクスチャ無し)


3Dモデルの画像(テクスチャ有りと無しのハードライトミックス)

2 東内野型尖頭器2点外(八千代市権現後遺跡)展示風景の視覚変奏動画


東内野型尖頭器2点外(八千代市権現後遺跡)展示風景の視覚変奏動画

6フィルター写真のバリエーションをクロスディゾルブを使って連続表示したスライドシーケンス動画です。Photoshopで作成しました。

3 メモ

東内野型尖頭器という尖頭器型があることをはじめて知りました。

東内野型尖頭器(ひがしうちのがたせんとうき)は、千葉県富里市の東内野遺跡で発見された旧石器時代後期(約2万年前〜1万5千年前)の狩猟用石器(槍先)です。縦長剥片を基に作られ、半両面・片面調整による明確な「肩」や基部の抉入(えぐり)が特徴で、小型の規格品が量産されたことで知られます。(webから)

東内野遺跡は以前から興味があります。台地上にあるにも関わらず、旧石器時代ころには大きな池があり、その水場の周囲に遺跡(キャンプ)が営まれたようです。下総台地には東内野以外にも池(湖)が幾つかあり、戦後まで続いた池(湖)として長沼があります。

2014.09.17記事「東内野遺跡に興味を持つ




2026年4月2日木曜日

有舌尖頭器2点(八千代市権現後遺跡)観察記録3Dモデル

 Observation Record 3D Model of Two Tanged Projectile Points (Gongen-ushiro Site, Yachiyo City)


I enjoyed creating 3D models of observation records of two tanged projectile points displayed at the Yachiyo City Local History Museum. The jagged, saw-like blades are particularly striking.


八千代市郷土博物館に展示されている有舌尖頭器2点の観察記録3Dモデル作成を楽しみました。鋸のような刃のギザギザが印象的です。

1 有舌尖頭器2点(八千代市権現後遺跡)観察記録3Dモデル

有舌尖頭器2点(八千代市権現後遺跡)観察記録3Dモデル

旧石器時代終末~縄文時代草創期

撮影場所:八千代市郷土博物館

撮影月日:2026.03.10


展示の様子

ガラス面越し撮影

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 83 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像(テクスチャ有り)


3Dモデルの画像(テクスチャ無し)


3Dモデルの画像(ワイヤフレーム)


3Dモデルの画像(テクスチャ有りと無しのピンライトミックス)

2 有舌尖頭器2点(八千代市権現後遺跡)展示風景の視覚変奏動画


有舌尖頭器2点(八千代市権現後遺跡)展示風景の視覚変奏動画

6フィルター写真のバリエーションをクロスディゾルブを使って連続表示したスライドシーケンス動画です。Photoshopで作成しました。

3 メモ

鋸のような刃のギザギザが印象的です。

7年前、3DF Zephyr Liteを使い始めた頃、千葉県香取郡多古町一鍬田甚兵衛山南遺跡出土の有舌尖頭器の観察記録3Dモデルを作成したことがあります。同じように刃にギザギザがついています。

2020.05.11記事「縄文草創期有舌尖頭器(千葉県多古町一鍬田甚兵衛山南遺跡) 観察記録3Dモデル


縄文草創期有舌尖頭器(千葉県多古町一鍬田甚兵衛山南遺跡)撮影 2019.05.27


6断面発掘状況写真に写る土器片の型式

 Types of Pottery Fragments in Photographs of Excavation Sites (6 Sections)


During the process of correlating shell layers between sections, I examined the types of pottery fragments near the six sections shown in the photographs. In areas with a high concentration of pottery due to a single wave of shell mudflow, Kasori EII type pottery (middle, middle to early, and early) was found together. I believe that the mudflow occurred in a location where these types of pottery coexisted simultaneously.


断面間の貝層対比作業の中で、写真に写る6断面付近土器片の土器型式を調べました。1波の貝殻泥流による土器密集ヶ所で、加曽利EⅡ式中、中~新、新が一緒に出土します。これらの型式土器が同時に存在していた場所で泥流が発生したと考えます。

この記事は2026.03.31記事「3D空間における発掘状況写真の土器片と密集土器分布図の対応関係」の続きです。

1 6断面の発掘状況写真に写る土器と密集土器分布図の対応関係


6断面の発掘状況写真に写る土器と密集土器分布図の対応関係

前の記事で、写真に写る土器片とその土器片が断面図の中でどこに位置するか、上図で突きとめました。

写真と断面図で、4ヶ所で対応関係が確認できます。

2 6断面密集土器の型式

6断面写真で確認できて、断面における分布が判明した土器について、型式を調べました。


6断面密集土器の型式

写真と断面図で見られる4ヶ所の対応関係のうち、2ヶ所で土器型式が判明しました。

1ヶ所では1土器の型式が判明しました。

238番土器で、この土器は加曽利EⅡ式中段階土器です。

もう1ヶ所では7土器の型式が判明しました。

303番土器:加曽利EⅡ式中段階土器

274番土器:加曽利EⅡ式中段階土器

319番土器:加曽利EⅡ式中段階土器

392番土器:加曽利EⅡ式新段階土器

227番土器:加曽利EⅡ式中段階土器

295番土器:加曽利EⅡ式中~新段階土器

395番土器:加曽利EⅡ式土器

3 メモ

7土器が集中するヶ所での土器型式が加曽利EⅡ式中段階4件、中~新1件、新1件となります。これらの土器は1波の高濃度流(貝殻泥流)で運ばれてきたものと考えることができます。従って、ある狭い範囲にこれら3つの土器型式の土器が集中して存在していたと考えることができます。

今後さらに情報を増やして調べる必要がありますが、これら3つの土器型式はある時間断面では同時に利用され、同時に廃棄されていたのではないかと仮想定することにします。

1土器の型式が判明したヶ所は断面層位的には7土器出土ヶ所より明らかに下位です。より古い貝殻泥流に起因するものです。しかしこの土器型式が加曽利EⅡ式中段階ですから、層位的に上下が明瞭でも、土器型式からみると差異が無い(弱い)といえます。土器型式という時間尺でみると、層位の上下の時間差はほとんど無いことになります。

2026年4月1日水曜日

2026年3月のブログ活動ふりかえりと4月の見通し

 March 2026 Blog Activity Review and April Outlook


This post reviews the activities of the blog "Walking the Hanami River Basin" for March 2026 and provides an outlook for April.

The high-concentration flow (shell mud layer) concept, which was developed at the end of February, was confirmed in March through fabric observation of 3D models of exfoliated cross-sections. Furthermore, a new shell layer classification was attempted by applying this concept. In April, the cross-sectional comparison work based on the new shell layer classification will be expanded.

I enjoyed creating 3D models of exhibits at the Yachiyo City Local History Museum and wrote articles about it.

I enjoyed collecting archaeological stamps and wrote articles about them.

I enjoyed learning 3D-related technologies and wrote articles about them.


ブログ「花見川流域を歩く」の2026年3月活動をふりかえり、4月活動を見通しました。

2月末に生まれた高濃度流(貝殻泥層)概念を、3月に剥取断面3Dモデルのファブリック観察で確かめました。さらに、この概念を適用して新たな貝層区分を試行しました。4月は新たな貝層区分による断面対比作業を拡張する予定です。

八千代市郷土博物館展示物の3Dモデル作成を楽しみ、記事にしました。

考古学切手蒐集を楽しみ、記事にしました。

3D関連などの技術習得を楽しみ、記事にしました。

1 ブログ「花見川流域を歩く」のふりかえり

1-1 有吉北貝塚北斜面貝層の貝層断面図対比作業

2月末に貝層堆積機構が高濃度流(貝殻泥流)によるものであるとする概念が貝層写真ファブリック観察から生まれました。3月にその概念にもとづいて剥ぎ取り断面3Dモデルファブリック観察を行い、概念の確からしさを確認しました。さらに土器集中ゾーン写真ファブリック観察で、5断面で2波の高濃度流(貝殻泥流)を予察しました。全部で10記事を書きました。

1-2 展示物の観察記録3Dモデル作成

八千代市郷土博物館展示物などの観察記録3Dモデル作成を楽しみ、11記事を書きました。

1-3 考古学切手蒐集

考古学切手蒐集を楽しみ、6記事を書きました。

1-4 技術習得

3D関連などの技術習得を楽しみ、8記事を書きました。この中で、次の事項は今後の活動に役立つもので、自分にとっての「新技術」です。

・Sketchfab投稿3DモデルリストのPythonによるダウンロード

・視覚変奏動画のPhotoshopによる作成

・3DF Zephyr Liteの最新バージョンによる精度向上確認(により、過去3Dモデルの改良が可能であることの確認)

2 ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」のふりかえり

早朝散歩記事4編を書きました。

3 2026年3月活動の特徴

3-1 北斜面貝層検討(断面対比作業)

2月末に生まれた高濃度流(貝殻泥流)概念を3月に入って確かめて、この概念で断面対比作用をやり直す決断がついたことは、北斜面貝層検討作業における大きな画期になったと考えます。

3-2 展示物3Dモデル、考古学切手、技術習得

展示物3Dモデル、考古学切手、技術習得について継続して記事を書き、自分のブログ活動として定着したように感じます。過去にはこれらの記事作成で「存在する時間」をすべて消費して楽しむ「悪風」がありましたが、現在その「悪風」はかなり退治しています。

3-3 X(Twitter)活動の終了

突然、X(Twitter)からアカウントの永久凍結の連絡を受けました。理由は規約違反(信頼性に反するルールに違反)です。違反の自覚がないので異議申し立てを2回しましたが、返答はありませんでした。

連絡してきた相手がAIであり、コミュニケーションできる状況ではないので、アカウント凍結は受け入れざるを得ません。15年間無料で利用できたことはXに感謝し、別アカウント作成は止めて、X活動は終了することにします。

15年間Xで私をフォローしていただいた1000人以上の皆様、いいねをいただき、リポストしていただいた多くの皆様に心から感謝し、御礼申し上げ、X活動終了のご挨拶とさせていただきます。

ありがとうございました。

今後はXに投入したエネルギーをブログ充実に振り向けたいと思います。

4 2026年4月活動の見通し

北斜面貝層検討では、5断面の検討を周辺断面に拡張敷衍して、高濃度流概念の適用蓋然性をさらに確かめる予定です。高濃度流概念適用がどれだけ的確なものであるのか、検討を深めることが大切であり、いたずらに定形作業を進めることはいましめることにします。貝層断面対比作業における技術的飛躍を確実にしたいと思います。

展示物3Dモデル、考古学切手、技術習得に取組みます。

参考

ブログ「花見川流域を歩く」2026年3月記事(〇は閲覧の多いもの)

ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」2026年3月記事


2026年3月 Sketchfabに投稿した3Dモデル


2026年3月 YouTubeに投稿した動画


2026年3月 ブログ「花見川流域を歩く」投稿記事に掲載した画像


2026年3月31日火曜日

考古学切手 ドイツの考古学 ドイツ発行

 Archaeological Stamps: Archäologie in Deutschland, Issued in Germany


I enjoyed stamp issued in Germany in 2002, themed "Archäologie in Deutschland." The stamps feature a rather understated image: an aerial photograph of the remains of Roman public baths. This suggests that archaeology holds a high social value in Germany.


2002年にドイツで発行された「ドイツの考古学」をテーマにした記念切手を楽しみました。ローマ時代公衆浴場跡の空撮写真という地味な絵で切手を作っています。ドイツでは考古学の社会的価値が高いことを察します。

1 ドイツの考古学 ドイツ発行


ドイツの考古学 ドイツ発行

2002年

テーマ:ドイツの考古学

額面:51ペニヒ(ユーロ導入直前)

描画内容:ヴルムリンゲンにあるローマ時代の公衆浴場跡の空撮写真


空撮写真(https://www.schutzhaus-wurmlingen.de/index.php/bilderから引用)

2 Römisches Bad Wurmlingenの場所


Römisches Bad Wurmlingenの場所(GoogleMap)

3 感想

考古学切手蒐集を趣味としていて、既に多数の切手を所持しています。しかし、この切手に類似する切手がいつまで待っても集まりません。考古学切手はほとんどすべて特徴的な出土遺物や柱・建物・構造物など自慢の地物を描画内容としています。しかしこの切手は確かに出土した建物基礎ですからそれ自身は価値の高い遺構ですが、切手に描画する内容としては地味です。建物基礎分布図という地味さのために類似切手がないのだと気が付きました。

ドイツでは考古学の社会的価値が高く、従ってお宝を図案にしなくても、考古学的資料そのものでも切手図案になり、社会が許容するのだと思います。