2026年3月15日日曜日

3DF Zephyr Liteバージョンの違いによる結像精度向上の確認

 Confirmation of Image Accuracy Improvements Due to Version Differences in 3DF Zephyr Lite


I have confirmed that the image accuracy of the current version of the photogrammetry software 3DF Zephyr Lite has significantly improved compared to the 7-year-old version. Therefore, I realized that creating 3D models from older photos using the current version would result in better 3D models, making the rework highly worthwhile.


フォトグラメトリソフト3DF Zephyr Liteの7年前バージョンと比べて、現在バージョンの結像精度が大幅に向上していることを確認しました。従って、過去写真を現在バージョンで3Dモデルにすればより良い3Dモデルとなり、再作業の価値が大きいことに気が付きました。

1 比較のための3バージョン

1-1 比較のための撮影写真

造形対象:注口付舟形鉢形土器(八千代市ヲサル山遺跡)

撮影場所:八千代市郷土博物館

撮影月日:2019.04.26

撮影枚数:14 images

1-2 3DF Zephyr Liteの3バージョンによる3Dモデル

v4.353による3Dモデル(2019.05.13):https://skfb.ly/6Kvxs

v5.016による3Dモデル(2021.01.19):https://skfb.ly/o6CuJ

v8.038による3Dモデル(2026.03.15):https://skfb.ly/pHAVA

2 バージョンの違いによる造形の違い

2-1 シーン1


v4.353


v5.016


v8.038

造形範囲がv4.353、v5.016と比べてv8.038の方が広がっています。

2-2 シーン2


v4.353


v5.016


v8.038

土器の底の造形範囲がv4.353、v5.016と比べてv8.038の方が広くなっています。

2-3 シーン3


v4.353


v5.016


v8.038

対象土器の展示正面の造形は3つのバージョンで大差ありません。

3 メモ

たった14枚の写真からこのような3Dモデルが出来ること自体、自分にとって驚きですが、v8.038になると土器内面の結像が大幅に進み、バージョンによる結像精度向上が顕著です。

この実験結果から、過去に既に作成した3Dモデルを3DF Zephyr Lite最新バージョンで再作業することの価値が大きいことがわかりました。

4 感想

これまで展示遺物の3Dモデルは1300くらい作成し、Sketchfabに投稿してあります。撮影だけで3Dモデルにしていないものは3000くらいあります。これらの過去資産を自分の考古学習に役立つように活用することにします。そのために、過去撮影遺物リストをつくることにします。

5 注口付舟形鉢形土器の3Dモデルについて

7年前に撮影した写真(14枚)で作成して3Dモデルと最近撮影(162枚)した写真で作成した3Dモデルでは、展示置き換えがあり土器の向きが逆です。従って、二つの3Dモデルを合わせると、途切れるとことのない3Dモデルができそうです。そのような3Dモデル技術遊びもいつかしてみることにします。




2026年3月14日土曜日

注口付舟形鉢形土器(八千代市ヲサル山遺跡)観察記録3Dモデル

 Observation Record 3D Model of a Boat-Shaped Bowl-Shaped Earthenware Vessel with a Spout (Osaruyama Site, Yachiyo City)


I enjoyed creating an observation record 3D model of a boat-shaped bowl-shaped earthenware vessel with a spout (Osaruyama Site, Yachiyo City) currently on display at the Yachiyo City Local History Museum. I created a 3D model of the same vessel seven years ago. Viewing this vessel strongly reminded me of waterfowl floating on the water's surface.


八千代市郷土博物館で展示されている注口付舟形鉢形土器(八千代市ヲサル山遺跡)の観察記録3Dモデル作成を楽しみました。7年前に同じ土器の3Dモデルを作成しています。この土器を観覧して、水面に浮く水鳥の印象を強く持ちました。

1 注口付舟形鉢形土器(八千代市ヲサル山遺跡)観察記録3Dモデル

注口付舟形鉢形土器(八千代市ヲサル山遺跡)観察記録3Dモデル

撮影場所:八千代市郷土博物館

撮影月日:2026.03.10


展示の様子

一部ガラス面越し撮影

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 162 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像(テクスチャ有り)


3Dモデルの画像(テクスチャ無し)


3Dモデルの画像(テクスチャ有りと無しの差の絶対値ミックス)

2 メモ

2019.05.13記事「阿玉台式土器 注口付舟形鉢形土器(ヲサル山遺跡出土) 展示3Dモデル」で同一土器の3Dモデルを既に作成しています。この時の撮影枚数は14枚(今回は162枚)です。自分がフォトグラメトリを始めた時期であり、3Dモデル作成方法についてほとんど知識・技術が無かった時期です。

2021.01.19記事「阿玉台式注口付舟形鉢形土器(八千代市ヲサル山遺跡) 観察記録3Dモデル」では、阿玉台式深鉢と同じような文様パーツ(曲線隆線による区画、2重点列による区画のナゾリ)を指摘するとともに「土器全体の形状は、注口部を首、反対側把手を尾に見立てる、水面に浮く水鳥であるという印象を持ちました。」との感想を書いています。

今回この土器を観覧して、水面に浮く水鳥の印象をさらに強く持ちました。


有吉北貝塚北斜面貝層の貝層・土層構造の予備解釈

 Preliminary Interpretation of the Shell and Soil Layer Structure of the Shell Layer on the North Slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound


I have made a note of my preliminary interpretation of the shell and soil layer structure of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. I believe that the shell mudflows and mudflows flowing down from both slopes came into contact (collided) at the bottom of the valley, stopped without mixing, or continued flowing further.


有吉北貝塚北斜面貝層の貝層・土層構造の予備解釈をメモしました。両斜面から流下した貝殻泥流と泥流が谷底で接触(衝突)し、混ざりあうことなく停止あるいはさらに流下したと考えました。

1 有吉北貝塚北斜面貝層の貝層・土層構造の予備解釈


有吉北貝塚北斜面貝層の貝層・土層構造の予備解釈

破線…混ざりあうことなく接触(衝突)した貝殻泥流・泥流堆積物

上流から下流方向をみた断面


有吉北貝塚北斜面貝層の貝層・土層構造の予備解釈

大雨の時、両斜面から貝殻泥流・泥流が流れてきて堆積する。

下流から上流方向をみたポンチ絵

2 メモ

大雨の時、両斜面で貝殻泥流と泥流が発生し、それが谷底で接触(衝突)して混ざりあうことなく、停止あるいは流下すれば断面図における鉛直方向の貝層-土層境界線が残ると考えました。

この考えに従うと、谷底に沿って下流方向に堆積物を運ぶような独自の流れは存在しないことになります。


2026年3月13日金曜日

バックアップのためのハードディスク交換

 Hard Drive Replacement for Backup


My hard drive, which I use for my hobby activities, was full, so I replaced it with a larger capacity hard drive (20 terabytes). At the same time, I set up a backup system. The files I copied amounted to a whopping 12 terabytes, and it took 13 days. 80% of that capacity is photos for creating 3D models.


趣味活動で使っているハードディスクが満杯となったので容量の大きいハードディスク(20テラ)に交換しました。同時にバックアップ体制を整えました。コピーしたファイルはなんと12テラとなり、13日間かかりました。容量の8割は3Dモデル作成用写真です。

1 ハードディスク交換前の状況

日常作業に使うハードディスクAを1台使っていました。また、これまで作成し利用した全ファイルを2台のハードディスクB,Cに分けて保存してあります。Aのファイルは毎日Bにバックアップしていました。

ハードディスクB,Cのもともとの情報は別のハードディスク数台にバックアップしてあり、それはパソコンに接続していない状況です。

一応どのハードディスクが壊れても、これまで自分が作ってきた(利用してきた)全情報は復元できる体制にはなっています。しかし、複雑であり「嫌な状況」です。


ファイルの様子(記事内容と関係ありません)

2 ハードディスクの交換と今後のバックアップ

ハードディスクAが満杯となり、容量の大きなハードディスクD(20テラ)を購入し、それにハードディスクB,Cの内容を全部コピーしました。今後は日常的にハードディスクDを使い、新しいファイルはハードディスクB,Cにバックアップします。

3 ハードディスク交換のためのファイルコピー

ハードディスクB,CをハードディスクDにコピーする手間が想定をはるかに越えました。当初は2晩徹夜でパソコンを動かせば終わるだろうと想定していましたが、恐ろしく甘い想定でした。実際の時間は次ぎ通りかかりました。

・作業回数 33回

・合計コピー容量 11817ギガ(11.817テラ)

・合計作業時間(バックアップソフトの稼働時間) 8208分(136.8時間、5.7日)

・バックアップ容量/時間=86.4ギガ/時間

ファイルの8割は3Dモデル作成用に撮影した展示物写真です。


デバイスとドライブ


20テラハードディスクのフォルダー

4 感想

・常時使うメインハードディスクに自分の所持する全情報が入っていて、いつでも見れる。その全情報が別のハードディスクに全部コピーされていて、毎日更新されるというバックアップ体制が完成しました。

・自分が作成した全過去情報の整理ができたので、作業しやすくなりました。

・ハードディスク故障があっても情報を失うリスクがほとんどなくなり、その時の対応も単純化できました。ただし、復旧に半月は覚悟することになります。

・数年前はハードディスク内容を全部Cloud(Amazonドライブ…プライム会員は無料で無制限利用)に保存していたのです。その方が明らかにベストです。しかし残念ながら、Amazonドライブは終了してしまいました。(ただし、Amazonフォトで写真だけは現在も無料で無制限利用ができるので、毎日の早朝写真はAmazonフォトにだけ保存していて、そちらはハードディスク内容と重複がありますが、10テラ以上となっています。)

5 メモ

・ファイルコピーの過程で全所持ファイルの概要に目を通すことになりました。この中で、過去に撮影した展示物について、3Dモデルを作成していないものがかなりあることに気が付きました。折角の自分の活動が生きていない部分があり、もったいないことになっています。これから、未利用過去撮影写真を使った3Dモデル増産を一つのテーマとして楽しむことにします。


2026年3月11日水曜日

考古学切手 加曽利貝塚特別史跡指定記念フレーム切手

 Archaeological Stamp: Kasori Shell Mound Special Historic Site Designation Commemorative Frame Stamp


I was lucky enough to acquire the Kasori Shell Mound Special Historic Site Designation Commemorative Frame Stamp (issued in 2017). While my archaeological stamp collection is primarily overseas, I couldn't resist collecting the local Kasori Shell Mound commemorative stamps. Scanning these tiny stamps and viewing them at super-large magnification on a screen is a real pleasure.


運よく、加曽利貝塚特別史跡指定記念フレーム切手(2017年発行)を入手しました。考古学切手蒐集は海外がメインですが、地元加曽利貝塚記念切手を外すわけにはいきません。小さい切手をスキャンして、画面で超拡大して見ることが最高の楽しみです。

1 加曽利貝塚特別史跡指定記念フレーム切手


加曽利貝塚特別史跡指定記念フレーム切手

2017年発行

2 加曽利貝塚 加曽利E式土器


加曽利貝塚 加曽利E式土器

2017年発行

加曽利貝塚特別史跡指定記念

3 加曽利貝塚 異形台付土器


加曽利貝塚 異形台付土器

2017年発行

加曽利貝塚特別史跡指定記念

4 加曽利貝塚 加曽利B式土器


加曽利貝塚 加曽利B式土器

2017年発行

加曽利貝塚特別史跡指定記念

5 加曽利貝塚 みみずく形土偶


加曽利貝塚 みみずく形土偶

2017年発行

加曽利貝塚特別史跡指定記念

6 加曽利貝塚 アクセサリー


加曽利貝塚 アクセサリー

2017年発行

加曽利貝塚特別史跡指定記念

7 加曽利貝塚 PR大使かそりーぬ


加曽利貝塚 PR大使かそりーぬ

2017年発行

加曽利貝塚特別史跡指定記念

8 加曽利貝塚 イボキサゴ


加曽利貝塚 イボキサゴ

2017年発行

加曽利貝塚特別史跡指定記念

9 加曽利貝塚 南貝塚発掘(1964年)


加曽利貝塚 南貝塚発掘(1964年)

2017年発行

加曽利貝塚特別史跡指定記念

10 加曽利貝塚 北貝塚発掘(1962年)


加曽利貝塚 北貝塚発掘(1962年)

2017年発行

加曽利貝塚特別史跡指定記念

11 加曽利貝塚 北貝塚貝層断面


加曽利貝塚 北貝塚貝層断面

2017年発行

加曽利貝塚特別史跡指定記念

12 入手方法

web空間のフリーマーケットで偶然入手できました。これまでも探していた切手をフリーマーケットで入手できた例がかなりあります。(それも格安で入手できる事例が多いです。)

13 感想

代表的遺物と発掘断面、過去発掘の様子からなるこの考古学切手セットは、日本の貝塚発掘文化を世界の考古学関係者に紹介できる小さな美術媒体です。考古学切手世界で最も価値の高い考古学切手セットの一つであると言えます。


2026年3月10日火曜日

剥取断面における貝殻連続性の予備解釈

 Preliminary Interpretation of Shell Continuity in the Denudation Profile


I have provided a preliminary interpretation of the shell deposition continuity in the shell layer denudation profile on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound. The shell continuity line shows a discontinuous relationship, and erosion is also evident. I interpret the slope shell layer as a culmination of erosion and deposition from a mini-hyperconcentration flow (shell mudflow).


有吉北貝塚北斜面貝層剥取断面の貝殻堆積連続性に関する予備解釈をしました。貝殻連続線には切った切られた関係があり、侵食作用も確認できます。斜面貝層とはミニ高濃度流(貝殻泥流)侵食・堆積の総集であると解釈します。

1 剥取断面、予察検討範囲の略位置


剥取断面、予察検討範囲の略位置

2 貝殻連続性の予備観察


土器破片凸面方向分布と貝殻堆積の連続性

貝殻連続性を線で示しました。

貝殻連続線AとBは斜面上部でCによって切られています。この現象を次のように解釈します。

AとBが堆積した後、それを斜面上部でCが削りその場で堆積し、斜面下部ではAとBの上に乗って堆積した。

3 貝殻連続性の予備解釈

貝殻連続性とは検討範囲よりはるか上部で投棄された貝殻や土器破片が崩壊して、規模の小さなミニ高濃度流(貝殻泥流)になって斜面を下り、堆積した様子を表現していると解釈します。高濃度流(貝殻泥流)は水・泥・砂・微細な破砕貝殻片・イボキサゴなどの小さな貝殻、ハマグリなどの大きな貝殻、土器破片を含みます。発生したミニ高濃度流(貝殻泥流)は斜面を流下する際に、既に堆積していた高濃度流堆積物を侵食して巻き込む場合も多かったと考えられます。高濃度流が斜面下部で堆積する場合、先頭は土器破片やハマグリなど大きなモノから構成され、また土器破片は沈降の再に重力により下凸に回転したと考えられます。

剥ぎ取り断面で観察される斜面貝層はミニ高濃度流(貝殻泥流)の侵食・堆積の総集であると解釈します。


八千代市郷土博物館 旧石器時代局部磨製石斧等観覧

 Viewing Paleolithic polished stone axes and other artifacts at the Yachiyo City Museum of Local History


I viewed Paleolithic polished stone axes and other artifacts at the Yachiyo City Local History Museum and took photographs to create 3D models. The polished stone axes, which are usually on display at the Iwajuku Museum, happened to be on homecoming display, and all eight examples excavated in Yachiyo City were on display.


八千代市郷土博物館で旧石器時代局部磨製石斧等を観覧し、3Dモデル作成用撮影を行いました。常時は岩宿博物館で展示されている局部磨製石斧がたまたま里帰り展示されていて、八千代市出土の全8件が揃っていました。

1 八千代市郷土博物館観覧と3Dモデル作成用撮影

久しぶりに八千代市郷土博物館を訪れ、原始・古代コーナーをメインに観覧しました。展示物及び展示の仕方はこの数年間大きな変化はないようです。

次の10件について3Dモデル作成用撮影をおこないました。


顔面突起


局部磨製石斧

深鉢


深鉢と鉢


人物埴輪


注口付舟形鉢形土器

東内野型尖頭器等

磨製石斧

弥生壺

有舌尖頭器

2 旧石器時代局部磨製石斧

「坊山遺跡のS44地点から出土しました。砂岩製です。岩宿博物館に展示されているものです。」という説明のある局部磨製石斧があり、その説明の意味が判りませんでした。ここに展示されているのに、岩宿博物館の展示の意味が不明でした。係りの人に質問すると、常時は岩宿博物館で展示されているものであるけれども、岩宿博物館改装工事のため、たまたま里帰りしているとのことでした。同様の別事情もあり、八千代市出土局部磨製石斧全8件が全部展示されている、稀有な展示状況にあるとのことでした。

3 ローム層剥取断面


ローム層剥取断面

展示されているローム層断面が、現場でみるローム層露頭と異なり、上下方向にほとんど変化が感じられませんでした。剥取断面風の単なる断面模型かもしれないと思い、係りの人にその旨質問しました。

答えはローム層の剥取断面そのものであるとのことでした。ローム層観察では色とかクラックとかが指標になりますが、それらの指標は水分を含んでいる時の状況です。薬剤で剥取ると、水分はなくなり、クラックそのものを剥取ることは不可能であったに違いないと感じました。別の場所でローム層の剥取断面をみたことがあるか調べて比較することにします。なお、係の人から、「あそこに境がある」と教えてもらうと、確かにローム層の境が見えてきて、自分の観察眼の虚弱さが恥ずかしくなりました。


2026年3月9日月曜日

有吉北貝塚北斜面貝層剥取断面 土器破片凸面方向分布図

 Distribution map of pottery fragment convexity direction from a shell layer exfoliation cross section on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound.


A distribution map of pottery fragment convexity direction was created from a 3D model of the shell layer exfoliation cross section on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. There are many convexities (the outer surface of the pottery faces downward). I believe this provides clues to understanding the events that occur when shells and pottery fragments move downslope.


有吉北貝塚北斜面貝層剥取断面の3Dモデルから土器破片凸面方向分布図を作成しました。下凸(土器外面が下を向く)が多くなっています。貝殻と土器片が斜面を移動する時の事象を知る手がかりになると考えます。

1 有吉北貝塚北斜面貝層剥取断面 3Dモデル正面オルソ投影画面


有吉北貝塚北斜面貝層剥取断面 3Dモデル正面オルソ投影画面

枠線が土器破片凸面方向分布図作成範囲


参考 3Dモデル左から オルソ投影

参考 3Dモデル上から オルソ投影

2 有吉北貝塚北斜面貝層剥取断面 土器破片凸面方向分布図

2-1 土器破片凸面方向判定方法

剥取断面3Dモデルで土器破片1件1件について、目視で凸面方向の鉛直線に対するベクトルが上方向か下方向か判定しました。加曽利EⅡ式土器の破片はほとんどが湾曲していますので、判定は比較的容易です。


下凸判定例 土器破片湾曲


下凸判定例 土器破片湾曲と外面文様確認

2-2 有吉北貝塚北斜面貝層剥取断面 土器破片凸面方向分布図


有吉北貝塚北斜面貝層剥取断面 土器破片凸面方向分布図

●土器破片分布

土器破片分布が貝殻密集分布と関連しているよぅに観察できます。

●土器破片凸面分布

上凸(土器外面が上を向く):3件

下凸(土器外面が下を向く):20件

不明:6件

土器片の約7割が下凸です。不明は土器片に湾曲がなく、内外面判別ができないものです。1件は土器か石器か判別できないものです。

3 メモ

土器片の約7割が下凸という現象は単なる偶然ではなく、斜面貝層形成にかかる崩落事象の特徴を表現していると考えています。

土器破片凸面方向分布図作成の問題意識や2026.02.26記事「土器集中ゾーンにおけるファブリック観察」(断面6付近における土器片密集域露頭写真で土器片下凸が77%)との関連は次の記事で検討します。


2026年3月6日金曜日

考古学切手 イェットボーレ・アイドル オーランド諸島発行

 Archaeological Stamp: Göttbøre Idol, Issued in the Åland Islands


I was delighted to find a clay figurine-themed stamp issued by the Åland Islands (an autonomous region of Finland) in my archaeological stamp collection. This clay figurine was left behind by hunter-gatherers approximately 5,000 years ago (the middle Neolithic period). Comparing it to the Jomon clay figurines is timeless.


マイ考古学切手コレクションの中からオーランド諸島(フィンランド自治領)発行の土偶をテーマとした切手を見つけて楽しみました。この土偶は約5000年前(新石器時代中期)の狩猟採取民が残したものです。縄文土偶との比較に時を忘れます。

1 イェットボーレ・アイドル オーランド諸島発行


イェットボーレ・アイドル オーランド諸島発行

2025年

EUROPA切手 テーマ:国内の考古学的発見


参考 土偶写真 Clay Idol from Jettböle. Photo Finna archives.

https://janfast.blogspot.com/2022/03/newly-found-stone-age-clay-figurines.html#:~:text=Sensational%20new%20finds%20of%20several,fom%20MEDIS%20(Mariehamns%20Medborgarinstitut).


参考 オーランド諸島(フィンランド自治領)の位置(Wikipediaから引用)

2 webから得られた情報

2-1 切手

切手に描かれているのは、イェットボーレ・アイドル(Jettböle idol)と呼ばれる、約5,000年前の石器時代の粘土像です。

2-2 土偶の概要

発見の歴史: この像は1906年、オーランド諸島のヨマラにあるイェットボーレ遺跡で、フィンランド人考古学者ビョルン・セダーバルブによって発見されました。

特徴: 焼成された粘土で作られた小さな人物像で、頭部や胴体に幾何学模様や印が刻まれています。スカンジナビアで石器時代の人間を模した粘土像が見つかったのは、当時これが初めてのことでした。

意義: 現在では、オーランド諸島の石器時代を象徴する重要な文化的シンボルとなっています。その用途については、儀式用の道具など、長年にわたり様々な解釈がなされています。 

2-3 イェットボーレ遺跡

フィンランドのオーランド諸島(Åland)にあるイェットボーレ遺跡(Jettböle)は、紀元前3400年〜2800年頃(新石器時代中期)の代表的な石器時代居住跡です。オーランド諸島で最初に発見された石器時代遺跡であり、当時の海上交易や独自の文化を伝える極めて重要な場所です。 

2-3-1  遺跡の重要性と特徴

場所: オーランド諸島のヨマラ(Jomala)に位置し、かつては2つの島の間の狭い海峡に面した北側の斜面にありました。

生活様式: 狩猟採集民の居住地であり、アザラシ狩り、鳥の狩猟、漁業が生活の中心でした。時代が下るにつれて、牛、羊、豚の飼育や、おそらく大麦の栽培も行われていたと考えられています。

出土品: 独特なピット・ウェア(Pitted Ware / くぼみ文土器)文化の土器が多数見つかっています。 

2-3-2 「イェットボーレ型」の土製偶像(Clay Figurines)

この遺跡の最大の特徴は、「イェットボーレ型(Jettböle Type)」と呼ばれる、珍しい人型や動物型の土偶が出土していることです。 

100年以上前の発掘で頭部などが見つかり、2021年にも同種の大きな頭部破片が再発見されました。

これらは儀礼や祭祀に使われたと考えられています。 

2-3-3 カニバリズム(食人)の可能性

1905年から1911年にかけて行われた初期の発掘で、埋葬された男性の遺体とともに、人間の骨が細かく砕かれた状態で大量のゴミ層から見つかりました。 

骨に見られる切断痕(カットマーク)から、カニバリズム(食人)の習俗があった可能性が古くから議論されています。 

2-3-4 まとめ

イェットボーレは、単なる居住地ではなく、独特の土偶や墓の状況から、宗教的・祭祀的な意味を持つ場所であったと研究されています。 

3 感想

縄文土偶との比較思考に時を忘れます。

縄文土偶のように乳房、妊娠など女性要素がありません。

祭祀道具だとしても、背景となる神話・ナラティブが全く異なるのだと想像します。

4 参考

オーランド諸島帰属の歴史の中で、Wikipediaに次の記述があり、興味が深まりました。

「1921年に、国際連盟の事務次官であった新渡戸稲造を中心として、オーランドのフィンランドへの帰属を認め、その条件としてオーランドの更なる自治権の確約を求めたいわゆる「新渡戸裁定」が示された。これらは両国政府の具体化作業と国際連盟の承認の後、1922年にフィンランドの国内法(自治確約法)として成立し、オーランドの自治が確立した。」


Illustratorの生成塗りつぶし(シェイプ)によるピカチュウ遊び(形状比較資料作成)

 Pikachu Play Using Illustrator's Generative Shape Fill (Shape) (Creating a Shape Comparison Material)


I used Illustrator's Generative Shape Fill to create a shape comparison material showing similarities between images of animal-shaped clay products and Pikachu.


Illustratorの生成塗りつぶし(シェイプ)を使って、動物形土製品画像とピカチュウが似ている資料(形状比較資料)を作って遊びました。

1 動物形土製品画像と生成したピカチュウ画像


動物形土製品画像

千葉市埋蔵文化財調査センターで開催中の令和7年度特別展「謎多き縄文晩期」で展示されている動物形土製品の3Dモデル画像

2026.03.04「動物形土製品4点(佐倉市吉見台遺跡)観察記録3Dモデル


動物形土製品画像とピカチュウ画像の乗算画像


ピカチュウ画像

2 ピカチュウ画像の作り方

Illustratorの生成塗りつぶし(シェイプ)では輪郭線から画像を生成できます。今回は下の輪郭線を使ってピカチュウ画像を作成し、目の位置だけ手作業で調整しました。従って、より目になっています。


Illustrator生成塗りつぶし(シェイプ)でつかった輪郭線

Illustrator生成塗りつぶし(シェイプ)機能そのもので目の位置を指定したり、輪郭線にピカチュウの体を完全に一致させることはできないようです。Illustrator生成塗りつぶし(シェイプ)は自分の肥大化した期待感から見ると限界があり万能ではありませんが、これまでできなかった資料的情報図作成ができるようになり、とても有用なツールであると理解でき、感心しました。