2026年8月17日月曜日

ファブリック分析範囲の限定

 Limiting the Scope of Fabric Analysis


I am conducting a fabric analysis using a 3D model of a peel section from the shell midden on the northern slope of the Ariyoshi Kitakaizuka site. It became apparent that the upper part of the peel section's 3D model was unsuitable for fabric analysis due to the shallow angle of incidence of the camera's line of sight, which resulted in inadequate 3D model reconstruction. Consequently, I decided to limit the scope of the fabric analysis.


有吉北貝塚北斜面貝層の剥取断面3Dモデルを対象としたファブリック分析を進めています。剥取断面3Dモデルの上部はカメラ視線入射角が浅くなり、3Dモデル結像が不十分であり、ファブリック分析に適さないことが判りました。そこで、ファブリック分析範囲を限定することにしました。

1 54分析区の3Dモデルの様子

1-1 54分析区の場所


54分析区の場所


参考 分析区

1-2 54分析区の作業単位の3Dモデル画像


54分析区の作業単位


5401作業単位の3Dモデル画像


5405作業単位の3Dモデル画像


5409作業単位の3Dモデル画像


5413作業単位の3Dモデル画像

1-3 検討

5401作業単位及び5405作業単位の3Dモデル画像では二枚貝の様子が把握できないので、分析は不可能と考えます。

5409作業単位の3Dモデル画像では難はありますが、なんとかファブリック分析のための観察は可能です。

5413作業単位の3Dモデル画像はファブリック分析のための観察は可能です。

2 ファブリック分析範囲の確定

1-3検討から剥取断面3Dモデルを次のA、B、C、Dに分け、剥取断面3Dモデル分析範囲をA、Bとし、データが使えるようならばCも加えることにします。


ファブリック分析範囲

A:既データ作成範囲(分析範囲)

B:今後データ作成範囲(分析範囲)

C:今後データ作成範囲(結果がよければ分析範囲に加える)

D:データ作成を諦める範囲(分析範囲外)

3 ファブリック分析範囲外の分析について

3-1 別分析の工夫


54分析区付近の撮影写真

剥取断面3Dモデルの画像(正面オルソ投影した画像)を対象とすると、残念ながら剥取断面上部は使えないという結果になりました。しかし、視線入射角が浅いとはいえ、実際に撮影した写真は貝殻が鮮明に写っています。そこで、ファブリック分析外となった3Dモデル上部については、撮影写真を使った分析を行うことにします。分析方法は今後工夫することにします。

3-2 再撮影

剥取断面上部を対象にした再撮影を工夫して行い3Dモデルを作成し、本当にファブリック分析が不可能であるか、確かめることも検討することにします。

剥取断面から少し離れ(視線入射角は少しだけ深くなる)、撮影写真を増やせば、3Dモデル結像は改善する可能性があります。道具(脚立やカメラ設置用ポール)を使えば改善が見込めますが、手続きが必要であり、リスクも発生します。


2026年8月16日日曜日

考古学切手 ターヌムの岩絵群

 Archaeology Stamp: Rock Carvings in Tanum


I enjoyed this archaeology stamp featuring Sweden's World Heritage site, the "Rock Carvings in Tanum." The figure performing a somersault on a boat is particularly striking.


スウェーデンの世界遺産「ターヌムの岩絵群」をモチーフとした考古学切手を楽しみました。船の上で宙返りする人が印象的です。

1 ターヌムの岩絵群(船の上で宙返りする人ほか) スウェーデン発行


ターヌムの岩絵群(船の上で宙返りする人ほか) スウェーデン発行 

2001年

BREV INRIKES(国内普通手紙用・無額面切手)

描かれている絵柄: 青銅器時代の岩文字・岩絵(ペトログリフ)で、古代の船(太平洋や北欧の初期の船に似たデザイン)の上で宙返りをする人や儀式を行う人々、巨大な人物像などが描かれています。

2 ターヌムの岩絵群(牛による耕作ほか) スウェーデン発行


ターヌムの岩絵群(牛による耕作ほか) スウェーデン発行  

2001年

EKONOMIBREV(割引国内郵便用切手)

デザイン:ユネスコの世界文化遺産に登録されている「ターヌムの岩絵」に描かれた、青銅器時代の人間や動物(牛など)の線画がモチーフになっています。

3 メモ

船の上で宙返りする人がとても印象的です。祝祭行事を描いたのでしょうか。


ファブリック分析作業日誌 2

 Fabric Analysis Work Log 2


I am currently preparing data for a fabric analysis of a peel section taken from the shell midden on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Midden.

I am recording the orientation angle and shell position of each bivalve specimen observable in the 3D model. Work on seven analysis zones (totaling approximately 6 m²) has been completed.


有吉北貝塚北斜面貝層の剥取断面を対象としたファブリック分析のためのデータ作成作業を進めています。

3Dモデルで観察できる二枚貝の偏位角、殻位などを1つ1つ記録しています。7つの分析区(合計6㎡程度)の作業が済みました。

1 作業完了分析区


作業完了分析区

剥取断面下半の8分析区の作業が完了しました。

2 二枚貝殻分布


二枚貝殻分布

計測二枚貝殻は3024です。

3 二枚貝殻分布ヒートマップ


二枚貝殻分布ヒートマップ

ヒートマップは二枚貝殻の密集度の高-低を赤-白の色グラデーションで表現したイメージ図です。

4 二枚貝殻分布とヒートマップオーバーレイ


二枚貝殻分布とヒートマップオーバーレイ

5 二枚貝殻偏位角分布


二枚貝殻偏位角分布

二枚貝殻偏位角(鉛直線天空方向を基準に計測した剥取断面と殻縁面交線が成す角度)を線分角度で表現した分布図です。

6 二枚貝殻見かけ長さ分布


二枚貝殻見かけ長さ分布

二枚貝殻の見かけ長さ(見えている部分の長さ)を偏位角線分の長さで表現したものです。

7 殻位分布


殻位分布

赤は上凸、青は下凸です。

8 メモ

詳細分析は全てのデータが揃ってからおこないます。

二枚貝殻の分布が3Dモデルや画像から受ける印象ではなく、データとして把握できるメドがつきつつあります。どのように分析するか、データ完成後が楽しみです。

残されたデータ作成作業を急ぐことにします。



2026年8月15日土曜日

2026.08.15大和田機場排水による花見川水面変化の様子

 August 15, 2026: Changes in the water level of the Hanami River due to drainage from the Owada Pumping Station


August 13, 2026: The Hanami River basin sustained damage due to exceptional heavy rainfall in northwestern Chiba Prefecture and surrounding areas. As of August 15, the flow rate of the Hanami River has reached near-peak levels due to pump drainage from the Owada Pumping Station; the following photographs document the situation and allow for a comparison with normal conditions.


2026.08.13千葉県北西部等の特異な大雨により花見川流域も被害を受けました。08.15現在大和田機場ポンプ排水により花見川の流量が最大級になっていますので、写真記録して普段と比較しました。

1 花見川水面の様子


花見川水面の様子(京成本線鉄橋下)2026.08.15

京成本線鉄橋下ではゴーという音を立てて排水が流下しています。

2 高津川合流部


高津川合流部 2026.08.15


高津川合流部 2026.08.09

いつも釣り人がいる護岸天端も完全に水没しています。

3 花見川堤防から上流京成本線鉄橋方向


花見川堤防から上流京成本線鉄橋方向 2026.08.15


花見川堤防から上流京成本線鉄橋方向 2026.08.09

堤防からいつもは水面がほとんど視角に入らないのですが、今日は水面の波がよく見えます。

4 勝田川合流部から勝田川上流方向


勝田川合流部から勝田川上流方向 2026.08.15


勝田川合流部から勝田川上流方向 2026.08.09

バックウォーターで勝田川の水位が上昇していmす。

5 勝田川合流部から弁天橋方向


勝田川合流部から弁天橋方向 2026.08.15


勝田川合流部から弁天橋方向 2026.08.09

今朝は水面上昇により岸に繁茂した草が水没して開けた水景観が広がっていました。

6 弁天橋から花見川上流方向


弁天橋から花見川上流方向 2026.08.15


弁天橋から花見川上流方向 2026.08.09

広い水面が広がり、さざ波がたっています。

7 弁天橋から花見川下流方向


弁天橋から花見川下流方向 2026.08.15


弁天橋から花見川下流方向 2026.08.09

2026.08.09写真にはゴムボートに乗った釣り人が写っています。2026.08.15では釣り人やボート遊びの人はゼロでした。

8 弁天橋から花見川下流方向2


弁天橋から花見川下流方向2 2026.08.15


弁天橋から花見川下流方向2 2026.08.09

9 メモ

2026.08.13千葉県北西部等の特異な大雨により花見川流域も被害を受けました。被災された皆様にお見舞い申し上げます。08.14買い物で高津川沿いを自動車走行したのですが、過去にも浸水があったゾーンで床上浸水が続出し、濡れた畳や家具が路上近くに散乱し、道路は水没放置自動車で通行が危険な状況でした。自分が考えていた以上に深刻な被害です。この場所以外の国道などにも放置自動車がとても多く、道路は大渋滞していました。このような経験ははじめてです。

過去の大和田機場排水に関する記事例

2013.12.05記事「大和田機場から花見川への洪水排水統計



2026年8月13日木曜日

2次元資料から縄文土器3Dモデル生成 その2

 Generating Jomon Pottery 3D Models from 2D Source Material: Part 2


I generated a 3D model of Jomon pottery—representable entirely as a solid of revolution—based on 2D source material. By simply drawing the cross-sectional outline, I was able to create the model instantly using a Blender Python script I had previously developed. The image texture was applied manually using the UV Project modifier.


回転体だけで表現できる縄文土器3Dモデルを2次元資料に基づいて生成しました。断面輪郭線だけを描き、既に作成したBlenderPythonスクリプトで一瞬で作成できました。画像は手作業でUV投影モディファイアで貼りつけました。

1 2次元資料


2次元資料(有吉北貝塚発掘調査報告書から引用)

有吉北貝塚北斜面貝層から出土した土器です。

2 3Dモデル生成方法

AAB(Blender専用AIアシスタント)で作成した断面輪郭線から回転体を作成するBlenderPythonスクリプトで、3Dモデルを生成しました。

3 生成3Dモデル

画像貼りつけは手作業でUV投影モディファイアで行いました。


生成3Dモデル(マテリアル)


生成3Dモデル(ソリッド)


生成3Dモデル(ワイヤフレーム)


生成3Dモデル(画像と3Dモデル)


生成3Dモデル(マテリアル)


生成3Dモデル(マテリアル)

2次元資料から縄文土器3Dモデル生成

 Generating 3D Models of Jomon Pottery from 2D Source Material


I experimented with generating 3D models of Jomon pottery—which features relatively simple shapes—from 2D source material using an AI assistant designed for Blender.


最も単純形状である縄文土器について、2次元資料から3Dモデル生成をBlender専用AIアシスタントで試しました。

1 縄文土器2次元資料


縄文土器2次元資料(加曽利貝塚博物館発行パンフレットから引用)


縄文土器2次元資料

2 断面輪郭線の描画


断面輪郭線の描画

今回はBlenderにインポートされた縄文土器2次元資料をなぞって、断面輪郭線を手作業で描画しました。ビェジェ曲線で描き、メッシュオブジェクトに変換しました。

3 Blender専用AIアシスタント(以下AABと略称)による3Dモデル生成

3-1 AABに入力したメッセージ

選択されているメッシュ(ライン)のZ軸下方の端点に原点を移動してください。次にそのメッシュ(ライン)にスクリューモディファイアを次の条件で追加してください。角度:360度、スクリュー:0m。回数:1、座標軸:X、ビューのステップ数:32、レンダー:32、ノーマル:スムーズシェーディングにチェック。さらにソリッド化モディファイアをモード:シンプル、幅:0.02m、オフセット:-1.0、ふち:フィルにチェックで追加してください。

3-2 AABの作業方針

選択中のメッシュオブジェクトを対象に、各メッシュの「Zが最も低い端点」へ原点を移動し、形状の見た目は動かさず保持します。  

その後、スクリューモディファイア(X軸・360度・ステップ32)とソリッド化モディファイア(Simple・幅0.02m・オフセット-1・ふちFill)を追加します。  

端点は「接続エッジ数が1以下の頂点」を優先し、見つからない場合は全頂点から最低Zを選びます。複数選択時は選択メッシュすべてに適用します。  

次の改良候補:最低Zが複数ある場合の選択ルール、既存同名モディファイアの再利用/上書き、適用後メッシュ化など

3-3 結果


生成された3Dモデル


生成された3Dモデル


生成された3Dモデル

4 検討

AABに指示した内容は次の3点です。

・メッシュ原点を下方端に移動する。

・スクリューモディファイアを追加して土器立体形を描く。

・ソリッドモディファイアを追加して土器に厚みをつける。

これらの指示通りのBlenderPythonスクリプトが生成され、土器3Dモデルを生成することができました。

この1例だけの作業なら、AABを利用するよりも手作業ですべて実行した方が手間が少ないことになります。しかし、今後同じような事例を多数扱う場合はBlenderPythonスクリプトを利用して瞬間的に作業を実行することができ、大きな省力化につながります。またBlenderPythonスクリプトでは設定条件を最初にまとめて書いてあるので、条件変更は柔軟にできます。


BlenderPythonスクリプト画面(冒頭部)

5 画像投影

平行投影カメラをAABで所定位置に追加し、UV投影モディファイアで土器3Dモデルに画像を投影してみました。今回のUV投影モディファイア追加は手作業です。最終微調整を手作業で行うことにすれば、UV投影モディファイア追加もAABで行うことは直ぐにできそうです。


土器3Dモデルに画像を投影した様子


土器3Dモデルに画像を投影した様子

この場合、UV投影モディファイアでは、同じ画像が土器外面と内面のそれぞれ2箇所に投影されます。


2026年8月11日火曜日

Blender専用AIアシスタント(自作Blenderアドオン)の試用項目

 Trial items for a custom Blender AI assistant add-on


I have listed the trial items for the custom Blender AI assistant add-on developed in collaboration with ChatGPT. Through these trials, the goal is to implement a "Function Registry" for archaeology-specific operations—enabling the registration, management, and execution of specialized, standardized tasks. Please note that this trial is being conducted as a secondary activity alongside my primary areas of interest, rather than as a standalone project.


ChatGPTと共同開発したBlender専用AIアシスタント(自作Blenderアドオン)の試用項目をリストアップしました。これらの試用の中で、考古学専用操作のFunction Registry化(特殊定形作業の登録管理実行)を目指します。なお、この試用は独自活動というよりも、自分の本来興味活動の中で副次的に行います。

1 地山地形3Dモデル

1-1 既存地山地形3Dモデルの補修

既存の有吉北貝塚北斜面貝層地山地形3Dモデルの精緻化のための補修をBlender専用AIアシスタント(AI Assistant for Blender、以下AABと略称します)を使って行います。


北斜面貝層地山地形3Dモデル

1-2 2次元資料から地山地形3Dモデル生成

既存3Dモデル生成では利用方法がわからなかった2次元資料もあるので、これらを含めて、改めて2次元資料から地山地形3DモデルをAABを使って生成します。


利用方法出来なかった地山地形資料(地形学図)

2 貝層3Dモデル

2-1 2次元資料から貝層3Dモデル生成

当初、セクション図(貝層断面図)から貝層3Dモデル作成は「できる」と考えていたのですが、それは甘い考えで、数年たった今でも局所は別にして、全体について納得できる貝層3Dモデルは出来ていません。その理由は貝層が継続的に供給され、それが規模の大きなものから小さなものまで含めて断続的な重力性移動の結果堆積したものであるためです。河川や海岸や風などによる堆積層とは根本的に異なります。従って、3Dモデル生成の前に、現在ある2次元資料の分析理解が深まることが最も重要です。2次元資料の分析理解が深まり、全体像のピントを十分に合わせてから、AABを使って貝層3Dモデルを生成します。


セクション図の様子

3 遺物点群3Dモデル

3-1 多属性分析が可能な遺物点群3Dモデルの生成

AABを活用して点群分析に最適化したgeometry nodesを具備する遺物点群3Dモデルを生成出来るようにします。これによりgeometry nodesの組合わせや係数を変化させて効果的分析ができるようにします。


geometry nodesの例

3-2 遺物点群3Dモデルの効果的背景整飾生成

遺物3D分布点群モデルが配置されたBlenderにおいて、背景や整飾(スケール、凡例、表題、説明等)をAABを使って生成し、単なる分析資料としてだけでなく、見せる価値の創出をはかります。

4 縄文土器3Dモデル

4-1 縄文土器3Dモデル補修

フォトグラメトリで作成した展示土器3Dモデルの補修をAABを使って行います。


展示土器3Dモデルの補修イメージ

4-2 2次元資料から縄文土器3Dモデル生成

2次元資料からAABをつかって縄文土器3Dモデル生成を試みます。


2次元資料例

5 貝殻・貝製品3Dモデル

5-1 貝殻・貝製品3Dモデル補修

ハマグリ、アワビ等貝殻・貝製品3Dモデルの補修をAABを使って行います。

5-2 2次元資料から貝殻・貝製品3Dモデル生成

2次元資料からAABをつかって貝殻・貝製品3Dモデルを生成します。

6 土坑等縄文遺構3Dモデル

6-1 2次元資料から土坑等縄文遺構3Dモデル生成

土坑等遺構を2次元資料からAABをつかって生成します。

7 重力性貝殻移動シミュレーションモデル

7-1 北斜面貝層重力性移動の想定シミュレーション生成

北斜面貝層重力性移動の想定モデルを幾つか作成し、その3DシミュレーションをAABを使って生成します。

8 メモ

ChatGPTと共同開発したBlender専用AIアシスタント(自作Blenderアドオン)の試用項目をリストアップしました。これらの試用の中で、考古学専用操作のFunction Registry化(特殊定形作業の登録管理実行)を目指します。なお、この試用は独自活動というよりも、自分の本来興味活動の中で副次的に行います。

また、この試用活動のなかで、次の技術習得を目指します。

・Blenderのあらゆる機能を試して知り、全てを活用できる基礎技術を習得する。(特にgeometry nodes)

・Pythonの構造を読み解く技術を習得する。(→ChatGPTにPythonの解説を出力させることができる)