2026年9月20日日曜日

人面付土版(千葉市内野第1遺跡)観察記録3Dモデル

 3D Observation Model of a Clay Tablet with a Human Face (Uchino Site No. 1, Chiba City)


I created a 3D observation model of a clay tablet featuring a human face that evokes the look of a comical toddler. This marks the fifth time I have created a 3D observation model of this specific artifact; it possesses a compelling quality that ensures I create such a model whenever it is exhibited.


ひょうきんな幼児の顔を連想させる人面付土版の観察記録3Dモデルを作成しました。この土版は過去4回観察記録3Dモデルを作成していて、今回が5回目です。展示されれば観察記録3Dモデルを必ず作成させるだけの魅力があります。

1 人面付土版(千葉市内野第1遺跡)観察記録3Dモデル

人面付土版(千葉市内野第1遺跡)観察記録3Dモデル

縄文時代晩期前葉

千葉市指定文化財

撮影場所:加曽利貝塚博物館「令和8年度企画展 新千葉市指定文化財記念 ちばの宝物」

撮影月日:2026.09.02


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v9.013 processing 163 images


3Dモデルの動画


3Dモデル画像


参考 実測図

発掘調査報告書から引用

2 メモ

この人面付土版(千葉市内野第1遺跡)の観察記録3Dモデルは過去4回の別会場展示で作成しています。今回の観察記録3Dモデル作成は5回目となります。千葉市の宝物ですから、展示会場で見かければ必ず観察記録3Dモデルを作成することになります。とても興味をひく遺物です。

2020.02.05 人面付土版 観察記録3Dモデル

2022.01.09 人面付土版(千葉市内野第1遺跡)の観察記録3Dモデル

2024.09.05 人面付土版(千葉市内野第1遺跡) 観察記録3Dモデル

2026.01.28 人面付土版3点 観察記録3Dモデル



2026年9月19日土曜日

技術資料 QGISのGeoPackageに保存されたジオメトリに多数スタイルを同梱する方法

 Technical Note: How to bundle multiple styles with geometries stored in a QGIS GeoPackage


I have verified a method for bundling multiple styles (such as classifications and color schemes) with geometries stored in a QGIS GeoPackage. When these geometries are imported into a different QGIS project, the styles are preserved exactly as they were. It is a very convenient feature.


QGISのGeoPackageに保存されたジオメトリに多数スタイル(分類や色塗りなど)を同梱する方法を確認しました。このジオメトリを別QGISプロジェクトに取り込めば、多数スタイルがそのまま再現できます。とても便利です。

1 作成したジオメトリのGeoPackage保存


作成されたジオメトリ(例 ボロノイ多角形を作成して、angleフィールドの値を等量分類(分類数5)して色分けしている)

QGISで作成したジオメトリ(ここでの例はボロノイ多角形ですでに分類色分けされている)をレイヤパネルで右クリック→エクスポート→新規ファイルに保存→立ち上がるウィンドウで形式をGeoPackage、ファイル名を入力、レイヤ名を入力、CRSを入力(普通はプロジェクトCRS)、その他項目はデフォルトでOKをクリックすれば、GeoPackageファイルに当該ジオメトリが保存されます。


GeoPackageにレイヤを保存する画面(例)

GeoPackageにレイヤを保存すると、ブラウザパネルのGeoPackageに当該GeoPackageファイル名が、その子項目に当該レイヤ名が表示されます。


ブラウザパネルの画面例

ここまでの操作でGeoPackageに保存されたジオメトリを別のQGISプロジェクトにとりこむと(ブラウザパネルからレイヤパネルにドラッグすると)ジオメトリはボロノイ多角形だけの素ジオメトリが表示され、分類や色塗りなどのスタイルは表現されません(スタイルを所持していません)。


スタイルを保存していない素ジオメトリ

2 GeoPackageにスタイルを保存

1で既にgeometry nodesに保存したレイヤのプロパティ→シンボロジ→(左下)スタイル→スタイルを保存→立ち上がるウィンドウでスタイルを保存をデータソースデータベース(In)、ファイル名入力(分類や分類数や色が思い出せるような分類名称がよい)、このレイヤの規定スタイルとして利用するはこのレイヤの最初のスタイルの場合はチェック(同じレイヤに複数レイヤを保存する場合は、2番目以降はチェックしない)、それ以外項目はデフォルト(未入力)でOKをクリックすると画面に表示されているスタイルが当該ジオメトリに保存されます。


スタイル保存画面

この操作をした後、GeoPackageに保存されたジオメトリを別のQGISプロジェクトにとりこむと(ブラウザパネルからレイヤパネルにドラッグすると)ジオメトリはスタイルを伴って(分類や色塗りを伴って)表示されます。

なお、ブラウザパネルのGeoPackage欄には保存したスタイルは子項目等で表示されません。

3 GeoPackageに複数スタイルを保存

2でGeoPackageに保存したジオメトリに1つのスタイルを保存しましたが、別の複数スタイルを同じジオメトリに保存することができます。操作は2と同じですが、このジオメトリの規定スタイルとして利用するにはチェックをいれません。規定スタイルは1つしか指定できません。

同じジオメトリに多数スタイルを保存しても、ブラウザパネルのGeoPackage欄には保存したスタイルは子項目等で表示されません。

4 規定以外スタイルの利用

スタイルを複数保存したジオメトリを別のQGISプロジェクトで取り込むと、そのレイヤは規定スタイルで表示されます。そのレイヤのシンボロジ→(左下)スタイル→スタイルを読み込むをクリックして立ち上がるウィンドウ(データベーススタイルマネージャ)で当該レイヤに保存されたスタイルの名称リストが表示されます。


データベーススタイルマネージャ画面

そのリストから規定スタイル以外の名称をクリックしてスタイルを読み込むをクリックすれば、レイヤは規定スタイルではない別のスタイルで表示されます。


規定スタイルではない別のスタイルで表示された様子(等量分類(分類数10)別カラーランプ)

5 メモ

GeoPackageに保存されたジオメトリに多数のスタイルを保存できるのですが、ブラウザパネルのGeoPackageではそのスタイルリストが確認できないので、戸惑います。どのようなスタイルが保存されているのかを確認するには4の操作を途中までする必要があります。(データベーススタイルマネージャを表示する必要があります。)

しかし、GeoPackageの中の1つのジオメトリに多数スタイルを同梱できるので、大変便利です。


2026年9月18日金曜日

考古学切手 古代エジプト建築柱頭

 Archaeology Stamps: Ancient Egyptian Architectural Capitals


I have enjoyed collecting archaeology stamps featuring ancient Egyptian architectural capitals. A commemorative series depicting four types of capitals was issued in 1980, but I have so far collected only two of them. I have not found any stamps featuring these capitals issued by countries other than Egypt and Greece.


古代エジプト建築柱頭をテーマとした考古学切手を集めて楽しみました。1980年には4種柱頭が描かれたシリーズ記念切手が発行されていますが、まだそのうち2種しか集めていません。柱頭の切手はエジプトとギリシャ発行以外のものは見つけていません。

1 初期キリスト教柱頭と古代エジプト様式柱頭 エジプト発行


初期キリスト教柱頭と古代エジプト様式柱頭 エジプト発行

1980年

デザイン: 左上には植物や鳥が彫刻された初期キリスト教(コプト織・コプト美術風)の美しい柱頭、右上には古代エジプト様式の柱頭が描かれています。

アスワン・ハイ・ダムの建設による水没の危機から古代エジプトの歴史的建造物を守るため、ユネスコ(UNESCO)が主導した国際的な救済事業(ヌビア遺跡救済キャンペーン)を称えた記念切手。

2 カルナック神殿の柱 エジプト発行 


カルナック神殿の柱 エジプト発行

1985年発行

古代エジプトのルクソールにあるカルナック神殿の大列柱室で見られるパピルスを模した美しい柱頭(キャピタル)が精巧に描かれています。

普通切手

3 ライトアップされたパピルス柱 エジプトアラブ共和国


ライトアップされたパピルス柱 エジプトアラブ共和国

1973年

古代エジプトの聖地であるカルナック神殿で開催されている観光アトラクション「音と光のショー(Son et Lumière)」をテーマにデザインされています。ライトアップされた神殿の巨大なパピルス柱が印象的に描かれています。

航空郵便用の記念切手です。

4 柱頭デザイン エジプト発行


柱頭デザイン エジプト発行

1977年

切手には「PHILAE(フィラエ)」の文字が刻まれており、アスワン・ハイ・ダムの建設による水没から守るために、ユネスコ主導の国際キャンペーンによって移築されたフィラエ神殿(イシス神殿など)がモチーフとして描かれています。

ユネスコ(UNESCO)のヌビア遺跡救済キャンペーンを記念する切手。

5 ファラオ時代の柱頭 エジプト発行


ファラオ時代の柱頭 エジプト発行

1980年

デザイン: 古代エジプト(ファラオ時代)のロータス(蓮)やパピルスをモチーフにした柱の頭部(柱頭)

「郵政記念日(Post Day)」の記念切手4種の内の1種。


郵政記念日記念切手4種(webから引用)

6 ジェド柱 エジプト発行


ジェド柱 エジプト発行

1980年

中央に描かれている黄金の遺物は、古代エジプトの象徴的な護符である「ジェド柱(Djed pillar)」です。ジェド柱は「安定」や「永遠」を意味し、オシリス神の背骨を表しているとされています。

「郵政記念日(Post Day)」の記念切手4種の内の1種。

7 メモ

古代エジプト建築柱頭をテーマとした考古学切手を集めて楽しみました。1980年には4種柱頭が描かれたシリーズ記念切手が発行されていますが、まだそのうち2種しか集めていません。柱頭の切手はエジプトとギリシャ発行以外のものは見つけていません。


技術メモ QGIS画面での分類結果データの書き出し方法

 Technical Note: Exporting Classification Results in QGIS


QGIS allows feature data to be displayed using various classification methods. I explored a way to export these classification results—represented by values ​​such as 1 through 10, depending on the number of classes—into a new data field. I created a convenient Python script that enables the export of this data regardless of the classification method or number of classes used in the QGIS display.


QGISでは地物データを多用な方法で分類表示できます。この分類表示結果を区分数に応じて1~10などの数値データで新たなフィールドに書き出す方法を検討しました。QGIS画面で表示したどのような分類方法、分類数でもデータ書き出しができる便利なPythonスクリプトを作成しました。

1 フィールド計算機を使った方法 その1

1-1 等間隔分類

サンプルデータ(0~90の範囲内にある小数点のある数値、レコード数3024、フィールドkousaに格納されている。)

フィールドkousaについて、シンボロジ→連続値による定義→フィールド入力→等間隔分類(分類数10)で画面上で分類しました。


画面上での分類結果

この画面上での分類結果を、数値の小さい方から1~10の数字を割り当てた区分データに変換し、それを新たなフィールドkousakubun3に出力する式(例)とフィールド計算機画面は次の通りです。

式(例)

CASE

    WHEN "kousa" IS NULL THEN NULL

    WHEN maximum("kousa") = minimum("kousa") THEN 1

    ELSE

        -- kousaの値を1.0〜10.999の範囲に線形変換し、floorで整数化(1〜10になる)

        floor(scale_linear("kousa", minimum("kousa"), maximum("kousa"), 1, 10.9999))END


フィールド計算機画面

これで無事等間隔分類を1~10の数値データに変換して、新たなフィールドに書き込むことができました。

1-2 等量分類

等量分類についての式は複雑になり過ぎて、ギブアップしました。

1-3 感想

等間隔分類はなんとかフィールド計算機で再現できましたが、等量分類はギブアップで、他の分類(丸め間隔、固定間隔、対数スケール、標準偏差、自然分類)は思考の意欲が生まれませんでした。

2 フィールド計算機を使った方法 その2

分類のアルゴリズムを再現するのではなく、QGIS操作で生じた分類結果そのものをフィールド計算機にとりこむ方法があります。

例えばシンボロジの分類結果が仮に、

1 :  2.14 ~  5.72

2 :  5.72 ~  8.31

3 :  8.31 ~ 11.45

...

10: 47.21 ~ 88.53

となった場合、フィールド計算機では、

CASE

WHEN "kousa" IS NULL THEN NULL

WHEN "kousa" <= 5.72 THEN 1

WHEN "kousa" <= 8.31 THEN 2

WHEN "kousa" <= 11.45 THEN 3

...

WHEN "kousa" <= 47.21 THEN 9

ELSE 10

END

とすれば、画面上の分類と同じ分類を属性として保存できます。

この方法なら、どのような分類でも、さらに一部を意図的に変更したものでも、対応できます。

ただし、分類の数値を手でひろい入力する必要があり、AI時代にふさわしい方法とは言えません。

3 Pythonスクリプトを使った方法

次のPythonスクリプトをプラグイン→Pythonコンソール→エディタの表示でひらくエディタ画面にはりつけて走らせれば、どのような分類でも1~10などの数値データを新たなフィールドのレコードに書き込むことができます。この方法も分類のアルゴリズムを再現するのではなく、QGIS操作で生じた分類結果そのものを新フィールドにとりこむ方法です。

このPythonスクリプトは、レイヤ名称aaa、対象フィールド名称bbb、新フィールド名称bbb_class、分類数10の場合で記述されていますが、それぞれ変更可能です。ChatGPT支援で作成しました。


from qgis.core import (
    QgsProject,
    QgsGraduatedSymbolRenderer,
    QgsField
)
from qgis.PyQt.QtCore import QVariant

# ============================================================
# 設定
# ============================================================

LAYER_NAME = "aaa"
VALUE_FIELD = "bbb"
CLASS_FIELD = "bbb_class"

# ============================================================
# レイヤ取得
# ============================================================

layers = QgsProject.instance().mapLayersByName(LAYER_NAME)

if not layers:
    raise Exception(f"レイヤ '{LAYER_NAME}' が見つかりません。")

layer = layers[0]

# bbb の存在確認
if layer.fields().indexFromName(VALUE_FIELD) == -1:
    raise Exception(f"フィールド '{VALUE_FIELD}' が見つかりません。")

# ============================================================
# 現在のシンボロジを取得
# ============================================================

renderer = layer.renderer()

if not isinstance(renderer, QgsGraduatedSymbolRenderer):
    raise Exception(
        "現在のシンボロジが「連続値による定義」ではありません。"
    )

# 分類に使用しているフィールドを確認
class_attribute = renderer.classAttribute()

if class_attribute != VALUE_FIELD:
    raise Exception(
        f"現在の分類フィールドは '{class_attribute}' です。"
        f"'{VALUE_FIELD}' ではありません。"
    )

# 現在画面で設定されている分類範囲を取得
ranges = list(renderer.ranges())

if len(ranges) != 10:
    raise Exception(
        f"現在の分類数は {len(ranges)} です。"
        "設定分類にしてから実行してください。"
    )

# ============================================================
# 分類範囲を確認表示
# ============================================================

print("現在の分類範囲")
print("------------------------------")

for i, r in enumerate(ranges, start=1):
    print(
        f"Class {i}: "
        f"{r.lowerValue()} ~ {r.upperValue()}"
    )

print("------------------------------")

# ============================================================
# bbb_class フィールドを作成
# ============================================================

class_idx = layer.fields().indexFromName(CLASS_FIELD)

if class_idx == -1:

    if not layer.isEditable():
        if not layer.startEditing():
            raise Exception(
                "レイヤを編集モードにできませんでした。"
            )

    success = layer.addAttribute(
        QgsField(CLASS_FIELD, QVariant.Int)
    )

    if not success:
        raise Exception(
            f"フィールド '{CLASS_FIELD}' を作成できませんでした。"
        )

    layer.updateFields()

    class_idx = layer.fields().indexFromName(CLASS_FIELD)

else:

    if not layer.isEditable():
        if not layer.startEditing():
            raise Exception(
                "レイヤを編集モードにできませんでした。"
            )

# ============================================================
# 各地物を現在のシンボロジと同じ区分に分類
# ============================================================

count = 0
null_count = 0
unclassified_count = 0

for feature in layer.getFeatures():

    value = feature[VALUE_FIELD]

    # NULLの場合
    if value is None or value == QVariant():
        layer.changeAttributeValue(
            feature.id(),
            class_idx,
            None
        )
        null_count += 1
        continue

    try:
        value = float(value)
    except (TypeError, ValueError):
        layer.changeAttributeValue(
            feature.id(),
            class_idx,
            None
        )
        unclassified_count += 1
        continue

    class_number = None

    # QGISの graduated renderer と同様に
    # 上から順番に該当する範囲を探す
    for i, r in enumerate(ranges, start=1):

        if (
            r.lowerValue() <= value
            and
            value <= r.upperValue()
        ):
            class_number = i
            break

    if class_number is not None:

        layer.changeAttributeValue(
            feature.id(),
            class_idx,
            class_number
        )

        count += 1

    else:

        layer.changeAttributeValue(
            feature.id(),
            class_idx,
            None
        )

        unclassified_count += 1

# ============================================================
# 結果
# ============================================================

print("")
print("処理完了")
print("==============================")
print(f"分類した地物数 : {count}")
print(f"NULL           : {null_count}")
print(f"分類不能       : {unclassified_count}")
print("==============================")
print("")
print(
    "属性テーブルの新フィールドに "
    "分類番号を書き込みました。"
)
print(
    "内容を確認して問題なければ、"
    "レイヤの編集内容を保存してください。"
)

4 感想


レイヤの属性テーブル 例

今回作成Pythonスクリプトでどのような分類、分類数でも、新しいフィールドのレコードに分類を指標する1~10など数値を書き込むことができるようになりました。画面の分類結果をデータとして残せるようになりました。画面で多種分類方法をシミュレーションして(分布を確認して)、適切なもののデータを残せるのでとても便利です。

2026年9月16日水曜日

考古学切手 古代ギリシャ建築柱頭

 Archaeology Stamps: Ancient Greek Architectural Capitals


I enjoyed collecting archaeology stamps featuring Ancient Greek architectural capitals. The designs showcase the magnificent capitals of the Ionic, Corinthian, and Doric orders.


古代ギリシャ建築の柱頭をテーマとした考古学切手を集めて楽しみました。イオニア式、コリント式、ドーリア式の華麗な柱頭がデザインされています。

1 イオニア式とコリント式の柱頭 ギリシャ発行


イオニア式とコリント式の柱頭 ギリシャ発行

1987年

「古典建築の柱頭(Classical Architecture Capitals)」シリーズ

左側:イオニア式(ΑΡΧΑΪΚΟΣ ΙΩΝΙΚΟΣ ΡΥΘΜΟΣ)

特徴:柱頭に左右対称にデザインされた「渦巻き装飾(ヴォリュート)」が最大の特徴です。ドリス式よりも優美で軽快な印象を与え、アテネのアクロポリスにあるエレクティオン神殿などで見られます。 

右側:コリント式(ΑΡΧΑΪΚΟΣ ΚΟΡΙΝΘΙΑΚΟΣ)

特徴:アカンサスという植物の葉をモチーフにした、非常に細かく華やかな彫刻装飾が特徴です。イオニア式をさらに発展させた様式で、のちに古代ローマ建築でも好んで多用されました。

2 ドーリア式の柱頭 ギリシャ発行


ドーリア式の柱頭 ギリシャ発行

1987年

「古典建築の柱頭(Classical Architecture Capitals)」シリーズ

ドーリア式 (ΔΩΡΙΚΟΣ ΡΥΘΜΟΣ)

描かれている建築物: 左側にはアテネの[アクロポリス]に立つ[パルテノン神殿]のディテール、右側にはその象徴的なドーリア式の柱頭のイラストが大きく配されています。


消印付

3 イオニア式の柱頭 ギリシャ発行


イオニア式の柱頭 ギリシャ発行

1987年

「古典建築の柱頭(Classical Architecture Capitals)」シリーズ

イオニア式(ΙΩΝΙΚΟΣ ΡΥΘΜΟΣ)、渦巻き状の装飾(ボルート)が特徴。

切手の左側には、アテネのアクロポリスにある有名な神殿「エレクテイオン」を象徴する「カリアティード(女像柱)のバルコニー」の一部が描かれています。


消印付

4 コリント式の柱頭 ギリシャ発行


コリント式の柱頭 ギリシャ発行

1987年

「古典建築の柱頭(Classical Architecture Capitals)」シリーズ

「コリント式(ΚΟΡΙΝΘΙΑΚΟΣ ΡΥΘΜΟΣ)」の柱頭と、それが発見されたエピダウロス(ΕΠΙΔΑΥΡΟΣ)のアスクレピオス神域にある円形建物「トロス(Tholos)」の内部遺構のスケッチが描かれています。アカンサスの葉をモチーフにした華麗な彫刻が施されたこのコリント式柱頭は、エピダウロスのトロス内部の列柱として使われていたもので、古代ギリシャ建築の傑作として知られています。

5 イオニア式の柱頭デザイン ギリシャ発行


イオニア式の柱頭デザイン ギリシャ発行

1979年

アテネで開催された国際切手展「BALKANFILA '79(バルカンフィラ '79)」の記念切手。

1979年12月28日(28.XII.'79)にロドス島(RODOS)で押された消印付。

6 感想

建築様式としての柱頭デザインの違いとその華麗さを示す、考古学切手の手本みたいな切手です。切手の細部デザインにルーペで引き込まれてしまいます。


把手付中空円面硯(千葉市五十石遺跡)観察記録3Dモデル

 3D Model and Observation Record: Hollow Circular Inkstone with Handle (Gojikkoku Site, Chiba City)


This hollow circular inkstone with a handle is a portable inkstone used by local officials who handled written documents during the Nara period; it appears to be a unique specimen, as no other complete examples are known. It is designated as a Cultural Property by Chiba City.


この把手付中空円面硯は、奈良時代の文字を操る地方官人が使用した携帯型硯で、完形のものは類例がないようです。千葉市指定文化財となっています。

1 把手付中空円面硯(千葉市五十石遺跡)観察記録3Dモデル

把手付中空円面硯(千葉市五十石遺跡)観察記録3Dモデル

奈良時代

千葉市指定文化財

撮影場所:加曽利貝塚博物館「令和8年度企画展 新千葉市指定文化財記念 ちばの宝物」

撮影月日:2026.09.02


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v9.013 processing 134 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 メモ

「埋蔵文化財調査センターが所蔵・公開している資料です。

本品が出土した五十石遺跡は緑区あすみが丘東2丁目に所在し、平成12年度から平成19年度にかけて発掘調査が実施されました。発見された遺構のうち、1号方形区画墓に隣接して造られた16号住居跡から把手付中空円面硯が出土しました。

本資料の特徴は、本体が中空で柄の部分に口があり、硯面に墨の付着がみられる点です。柄の部分の穴から水を注ぎ込み、柄部を上方に向けた状態で携帯することが可能な硯と推定されます。同形の硯は、松本市大輔原遺跡13号住居跡出土例(8世紀初頭)、福島県金沢製鉄遺跡群の鳥内沢A遺跡出土例(8世紀初頭)などが挙げられますが、欠損や接合などを行うことのない完形例はほとんどありません。

都城や地方の国衙などでは、装飾性に富んだ様々な種類の硯が出土していますが、本資料のように素朴なつくりの優品は全国的にも少なく、土気地域の在地豪族層の生活の一端をうかがい知ることができる好資料です。」(千葉市webサイトから引用)


貝層移動タイプ別偏位角分布

 Distribution of Deviation Angles by Shell Bed Transport Type


I categorized shell bed transport types into three groups—slope movement, collapse, and water flow—and examined the distribution of bivalve shell deviation angles for each. Distinct characteristics emerged, and the most frequently occurring angles differed among the groups. This revealed a correlation between bivalve shell deviation angles and the transport type.


貝層の移動タイプを斜面、崩落、流水の3つに分け、それぞれ別に二枚貝殻偏位角分布を見てみました。特徴がはっきりと分かれていて、最多出現角度も異なります。二枚貝殻偏位角が移動タイプに相関することが浮かび上がってきました。

1 貝層移動タイプ

セクション図から貝層分層を抽出しました。


剥取断面露頭写真とセクション図


セクション図分層区分

貝層分層毎に、これまでの検討に基づいて、貝層移動タイプを次の3つに分けました。

斜面移動タイプ…斜面を重力性移動して堆積するタイプ

崩落移動タイプ…崩落により移動堆積するタイプ

流水移動タイプ…流水により移動堆積するタイプ


分層別貝殻移動タイプ

この移動タイプ区分を個々の二枚貝殻に当てはめると次のようになります。


貝殻別貝殻移動タイプ

貝殻別貝殻移動タイプからボロノイ多角形を作図すると次のようになります。


ボロノイ多角形別貝殻移動タイプ

2 移動タイプ別二枚貝殻偏位角分布グラフ


斜面移動タイプ 二枚貝殻偏位角分布グラフ


崩落移動タイプ 二枚貝殻偏位角分布グラフ


流水移動タイプ 二枚貝殻偏位角分布グラフ

3 考察

移動タイプにより偏位角分布パターンが明白に異なります。

流水タイプの分布パターンは最多出現偏角の割合が多く、それより離れた角度の貝殻は少なくなっています。これは営力(水流)の特徴を表現していると考えることができます。

斜面タイプの分布パターンは最多出現角度付近とそれから離れた角度のものが広い裾野で分布し、重力性移動などの特徴を表現していると考えます。

崩落タイプの分布パターンはデコボコした滑らかさのない分布であり、崩落現象の特性を表現していると考えます。

最多出現偏位角を見ると、流水タイプで90~100°となり流水の抵抗を受けにくい偏位角が優先しています。斜面タイプでは100~110°となり、斜面角度(およそ120°)に対応した値となっています。崩落タイプでは120~130°となり、剥取断面で実際に観察できる斜面角度に近似しています。

これらの特徴から、二枚貝殻偏位角が移動タイプに相関することが浮かび上がってきたと考えます。


2026年9月15日火曜日

石釧(千葉市七廻塚古墳)観察記録3Dモデル

 3D Observation Model of a Stone Bracelet (*Ishikushiro*) (Nanamawarizuka Kofun, Chiba City)


I created a 3D observation model of a Kofun-period stone bracelet (*ishikushiro*). Made of dark green talc, it is characterized by intricate patterns on both its front and back surfaces.


モデルが貝輪といわれる古墳時代石釧(いしくしろ)の観察記録3Dモデルを作成しました。濃緑滑石製で、表裏面の微細な文様が特徴的です。

1 石釧(千葉市七廻塚古墳)観察記録3Dモデル

石釧(千葉市七廻塚古墳)観察記録3Dモデル

古墳時代中期

千葉市指定文化財

撮影場所:加曽利貝塚博物館「令和8年度企画展 新千葉市指定文化財記念 ちばの宝物」

撮影月日:2026.09.02


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v9.013 processing 154 images


3Dモデル動画


3Dモデル画像

2 メモ

「滑石製の石釧は、表裏に精緻な文様が施された直径約16㎝の大型品で、類例の少ない貴重な資料です。」(説明より)

…………………

参考 石釧 Googlechrome AIモード

石釧(いしくしろ)とは、日本の古墳時代(主に前期〜中期、4〜5世紀)につくられた石製の腕輪のことです。

南海産の巻貝であるイモガイを輪切りにして作った貝製腕輪(貝輪)をモデルにしており、表面に放射状の細かい彫刻(櫛葉文や沈線)が施されているのが特徴です。

石釧の主な特徴と歴史的背景

* 素材と形状: 主に碧玉(へきぎょく)や緑色凝灰岩、滑石といった緑色の美しい石材が用いられました。内径は5〜6cm、外径は7〜8cmほどの正円形または楕円形の環状をしています。 

* 実用から権威の象徴(威儀具)へ: 弥生時代までは実際に腕に着用する装身具(貝輪)でしたが、古墳時代に石で模造されるようになると実用性は失われ、被葬者の権力やステータスを示す「威儀具(いぎぐ)」や呪術的な「宝器」としての性格を強めました。

* ヤマト政権からの配布品: 近畿の中央政権(ヤマト政権)の周辺で集中的に製作され、そこから日本各地の有力な首長(豪族)へ政治的なつながりの証として配布されたと考えられています。そのため、各地の前期古墳の埋葬施設(粘土槨や竪穴式石室など)から鏡や玉類とともに出土します。 

* 腕輪形石製品の3大分類: 古墳時代の腕輪形石製品は、模した貝の種類や形状の違いによって「石釧(イモガイ型)」「車輪石(オオツタノハ型)」「鍬形石(ゴホウラ型)」の3つに呼び分けられます。 

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3 3Dモデルの精度

石釧の最大の特徴は表面の微細な文様です。3Dモデル画像と撮影写真を較べると、3Dモデル画像の解像は撮影写真に及びませんが、フォトグラメトリ3Dモデルとしては合格ラインを越えています。


3Dモデル画像


撮影写真画像


2026年9月14日月曜日

二枚貝殻偏位角分析のための予備活動

 Preliminary Work for Bivalve Shell Deviation Angle Analysis


I am currently analyzing the deviation angles (measured clockwise from the vertical-up position) of all bivalve shells found in the shell-layer profile section removed from the northern slope of the Ariyoshi-Kita Shell Midden. As a preliminary step, I examined the distribution patterns by categorizing the deviation angles into three groups: the 90°–110° range (where the highest frequency of occurrence is observed) and the ranges immediately preceding and following it. Observations suggest that these distribution patterns vary across the different stratigraphic units.


有吉北貝塚北斜面貝層剥取断面の観察できる二枚貝殻全部の偏位角(鉛直上、時計回り)の分析に取組んでいます。予備活動として、偏位角を出現の多い90°~110°とその前後に3区分してその分布パターンを見ました。3区分分布パターンは分層単位毎に異なるように観察できます。

1 二枚貝殻偏位角の3区分


二枚貝殻偏位角の3区分

10°刻みでみると90°~110°の出現数が最も多く、全体の3割近くになります。偏位角90°~110°は貝殻が移動した斜面角度(概ね120°)に対応した最も一般的な偏位角であると想定します。この偏位角90°~110°とその前後で偏位角を便宜的に3区分して、その分布を見てみることにします。

2 二枚貝殻偏位角3区分の分布


0°~90°の分布


90°~110°の分布


110°~180°の分布


偏位角3区分の分布

ボロノイ多角形に次のように色塗り

0°~90°の分布…薄緑

90°~110°の分布…赤

110°~180°の分布…青

なんとなく偏位角分布の構造が浮かび上がってきましたので、次に分層(発掘時現場観察による貝層分層[セクション図])との関係を見てみました。

3 偏位角3区分と分層線のオーバーレイ図


分層線


偏位角3区分と分層線のオーバーレイ図

分層毎に偏位角3区分分布パターンが異なる様子が観察できます。例えば、A分層は斜面移動の様子が分布パターンに直接表れているように見えますが、B分層はそれとは異なるパターンです。これは分層毎に二枚貝殻移動の様子(挙動)が異なり、結果として異なる偏位角3区分分布パターンが表れている可能性があります。

また、画面の左では青が多く、右では薄緑が多い印象を受けます。これは斜面角度が左では急で、右では緩であることに関連しているのかもしれません。さらに画面下部は斜面との関係が少ないので、薄緑が多くなっています。

4 メモ

便宜的に偏位角を3区分してその分布パターンをみると、それが分層構造と関連している可能性が濃厚であるという直観(見立て)を得ることができました。


2026年9月13日日曜日

石皿・凹石(千葉市狐塚西遺跡)観察記録3Dモデル

 3D Model Observation Record: Stone Plate/Depression Stone (Kitsunezuka-nishi Site, Chiba City)


The top surface of the artifact features only a stone plate, while the front side displays three depressions alongside the stone plate. It is possible that the different surfaces were used depending on the task—such as grinding shelled fruits versus performing both de-hulling and grinding simultaneously.


展示物の上面は石皿だけ、正面は凹(くぼみ)3ヶ所と石皿になっています。殻なしの果実を磨り潰す場合と、殻とりと磨り潰しを一緒に行う場合とで利用面を使い分けていたようです。

1 石皿・凹石(千葉市狐塚西遺跡)観察記録3Dモデル

石皿・凹石(千葉市狐塚西遺跡)観察記録3Dモデル

縄文時代

撮影場所:加曽利貝塚博物館「令和8年度企画展 新千葉市指定文化財記念 ちばの宝物」

撮影月日:2026.09.02


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v9.011 processing 152 images


3Dモデル動画


3Dモデル画像

2 メモ

展示物の上面は石皿だけ、正面は凹(くぼみ)3ヶ所と石皿になっています。殻なしの果実を磨り潰す場合と、殻とりと磨り潰しを一緒に行う場合とで利用面を使い分けていたのかもしれません。展示では観察できませんが、下面と後面にも石皿があるとの説明があります。多用途石皿のようです。


学芸員のコメント