2026年5月18日月曜日

考古学切手 マチュピチュ遺跡 1

 Archaeological Stamp: Machu Picchu Ruins, Part 1


I enjoyed collecting stamps of the Machu Picchu ruins in Peru from my archaeological stamp collection. I visited the ruins in November 2012, and looking at the stamps allowed me to revisit the site in my mind.


考古学切手マイコレクションの中から、ペルーのマチュピチュ遺跡の切手を集めて楽しみました。2012年11月に訪問したことがあり、切手を見ながら頭の中で遺跡を再訪しました。

1 マチュピチュ遺跡 ペルー発行


マチュピチュ遺跡 ペルー発行

2019年

シリアル番号(02098)付 ※


マチュピチュ遺跡(2012年11月撮影)

2 マチュピチュ遺跡 ペルー発行


マチュピチュ遺跡 ペルー発行

2003年

下部には城塞を意味する「Ciudadela」の文字が入っています。デザインの特徴: 周囲のフチには、アンデス地方の伝統的な幾何学模様の織物(テキスタイル)を模した美しい赤ベースのパターンがあしらわれています。(Google検索)

マチュピチュ記念切手シートの一部


マチュピチュ記念切手シート

3 3つの窓の神殿 ペルー発行


3つの窓の神殿 ペルー発行

2003年

マチュピチュ記念切手シートの一部


3つの窓の神殿(2012年11月撮影)

4 マチュピチュ遺跡の入口とインカの土器 キューバ発行


マチュピチュ遺跡の入口とインカの土器 キューバ発行

1986年

ラテンアメリカの歴史(コロンブス到来以前の文化)をテーマにした記念切手の一つです。


マチュピチュ遺跡の入口(2012年12月撮影)

5 マチュピチュの歴史保護区 日本発行


マチュピチュの歴史保護区 日本発行

2013年

「海外の世界遺産シリーズ 第1集」の1枚


海外の世界遺産シリーズ 第1集

6 メモ


マチュピチュ遺跡の位置

途中のロスから高山病予防薬を服用し、高山病をまぬかれたことやツァー同行者に高山病になった方がいたことを思い出しました。

日時計の切手、段々畑の切手は別記事にします。


※切手シリアル番号

ペルーの郵便当局が発行する一部の高額切手や限定切手には、偽造防止や厳格な発行枚数管理を目的として、このような個別シリアルナンバーが印刷されることがあります。シリアルナンバーが印刷されている主な理由は以下の3点です。

偽造防止(セキュリティ):すべての切手に異なる番号を印刷することで、大量の不正コピーや偽造切手の流通を防ぎます。

限定・発行枚数の管理:この切手が全体で何枚印刷され、そのうちの何番目のシート(またはピース)であるかを正確に記録・追跡できるようにしています。

収集家向けの付加価値:切手収集(郵趣)において、ゾロ目やキリの良い数字、若い番号などは希少価値が高くなるため、コレクションとしての魅力を高める要素にもなっています。(Google検索)


2026年5月17日日曜日

有吉北貝塚北斜面貝層の剥取断面と地形断面線との関係

 Relationship between the exfoliated cross-section and topographic cross-section of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound


I was able to plot a 3D model of the ground topography of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound in the Blender 3D viewport, and immediately created a document illustrating the relationship between the exfoliated cross-section and the topographic cross-section. It can be confirmed that the shells were discarded by Jomon people who came to the topographic surface more than 4.5 meters above the upper end of the exhibited exfoliated cross-section.


有吉北貝塚北斜面貝層の地山地形3DモデルをBlender3Dビューポートにプロット出来ましたので、早速剥取断面と地形断面線の関係を表現する資料を作成しました。展示剥取断面の上端より4.5m以上上の地形面にやってきた縄文人によって貝殻が投棄されたことが確認できます。

1 剥取断面が含まれる鉛直平面と地山地形3Dモデルが成す断面線の生成


剥取断面と地山地形3Dモデル


剥取断面が含まれる鉛直平面と地山地形3Dモデル


剥取断面と「剥取断面が含まれる鉛直平面と地山地形3Dモデルが成す断面線」

剥取断面が含まれる鉛直平面と地山地形3Dモデルが成す断面線はBlenderPythonでメッシュオブジェクトとして作成しました。

2 地形断面と剥取断面の関係


地形断面と剥取断面の関係


地形断面と剥取断面の関係(千葉県立中央博物館に展示されている剥取断面(部分)をカラー表示)

図面の中の格子は1m×1mです。

展示剥取断面の上端より4.5m以上上の地形面にやってきた縄文人によって貝殻が投棄されたことが確認できます。

縄文人にとっては足元の垂直に感じるような大きな断崖の上から貝殻を投棄していたことが判ります。

投棄された貝殻や土器片などは重力だけでも移動し、激しい降雨時には高濃度流で移動したと想定します。


考古学切手 ストーンヘンジ

 Archaeological Stamps: Stonehenge


I enjoyed collecting stamps depicting Stonehenge from my archaeological stamp collection. Since there are stamps issued in the UK, the home of Stonehenge, I'll keep an eye out for an opportunity to acquire them.


考古学切手マイコレクションの中からストーンヘンジが描かれた切手を集めて楽しみました。地元イギリス発行の切手が存在するので、入手機会をうかがうことにします。

1 ストーンヘンジ フランス発行

ストーンヘンジ フランス発行

2012年

「フランスのサービス切手(Service - UNESCO)」(ユネスコ本部に提出される公式の通信物やコレクター向けに発行された特別な「サービス切手(公用切手))

2 ストーンヘンジ 国際連合発行


ストーンヘンジ 国際連合発行

1992年

「世界遺産シリーズ」記念切手

3 ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群 日本発行


ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群 日本発行

2015年

海外の世界遺産シリーズ 第4集に収録


海外の世界遺産シリーズ 第4集

4 ストーンヘンジ切手シート モルディブ発行


ストーンヘンジ切手シート モルディブ発行


ストーンヘンジ モルディブ発行

1995年

世界の記念碑(Monuments of the World)シリーズ記念切手シート

5 メモ

webでかなり調べたところ、地元イギリス発行のストーンヘンジをテーマとした切手の存在を確認しました。入手機会をうかがうことにします。

思い出すと、イギリスかオーストラリア発行のストーンヘンジ切手(同じ図柄)の入手チャンスが過去に一回ありました。しかしその時は自分が期待した「ストーンヘンジ切手」の図柄とは少し違うので、入手を見送りました。そのチャンスを逃したことが今になると悔やまれます。考古学切手は出会ったときに必ず入手しておかないと、後で後悔します。

この感情がコレクション趣味継続の原動力の一つのようです。

6 過去のストーンヘンジに関する記事

ブログ世界の風景を楽しむ2020.06.14記事「ストーンヘンジ その1

ブログ世界の風景を楽しむ2020.06.14記事「ストーンヘンジ その2



2026年5月16日土曜日

有吉北貝塚北斜面貝層の地山地形3Dモデル

 3D Model of the Ground Topography of the Shell Layer on the North Slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound


The 3D model of the ground topography of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound has been plotted in the Blender 3D viewport. This is the most important basic data for the three-dimensional distribution analysis of the north slope shell layer using Blender. It allows us to identify the shell disposal points of the Jomon people.


有吉北貝塚北斜面貝層の地山地形3DモデルをBlender3Dビューポートにプロットしました。Blenderを使った北斜面貝層の三次元分布分析の最も重要な基礎資料となります。縄文人の貝殻投棄ポイントを確かめることができます。

1 2025.01に作成した地山地形3Dモデル


2025.01に作成した地山地形3Dモデル

この3DモデルはQGISのGRASSツール(v.surf.rstツール)を利用して作成しました。

2 再作成した地山地形3Dモデル

地形3Dモデルの範囲を拡張し、かつその部分の精度向上を図るために、既存ランダム標高点を利用して地山地形3Dモデルを作成し、どの部分のランダム標高点を増やしたらよいか検討しました。

2-1 ランダム標高点の分布


ランダム標高点の分布

csvファイルをPythonスクリプトによりBlenderにプロットしたものです。標高点は約5500あります。

次の情報からランダム標高点を作成しています。

・地山地形図に表記されている標高点(メイン)

・セクション図の断面線から標高点をPythonで生成

・北斜面貝層周辺地形図の等高線から標高点を生成

このうち等高線から読み取った標高点の数が少なく、その部分の地形精度が低いことが判ります。今後この部分の補足作業を行うことにします。

また谷頭部は空白地帯が広がってとなっています。この部分に標高点を補間する方法があるか検討します。

2-2 地山地形3Dモデル


地山地形3Dモデル


地山地形3Dモデル

3Dモデル作成方法はBlenderPythonにより、Blender内部で作成しました。QGISで作成してBlenderにプロットするよりもはるかに作業は簡便です。

2-3 剥取断面のプロット


地山地形3Dモデル(剥取断面プロット)


地山地形3Dモデル(剥取断面プロット)


地山地形3Dモデル(剥取断面プロット)

剥取断面(作業上は第30断面)を地山地形3Dモデルにプロットすると、剥取断面と台地面との関係が判明します。縄文人が台地面の縁から貝殻を投棄し、その貝殻が斜面を下り堆積しました。

その堆積の結果が剥取断面です。現在剥取断面を対象にファブリック分析していて、貝殻が高濃度流で移動した様子を確かめています。その分析活動のために、剥取断面と台地面との関係が今回判明して、重要なデータとなります。

2-4 参考 全断面のプロット


地山地形3Dモデル(全断面プロット)


地山地形3Dモデル(全断面プロット)


地山地形3Dモデル(全断面プロット)

地山地形3Dモデルに全32断面をプロットしたものです。

3 メモ

今後次の作業・分析を行います

・3Dモデルの周辺地形範囲の拡大、ランダム標高点の増大。

・谷頭部標高点空白部の標高点補間。

・剥取断面や他断面における台地面との関係把握分析


2026年5月14日木曜日

加曽利貝塚北貝塚(貝層断面観覧施設)発掘断面の一部 観察記録3Dモデル

 3D Model of Observation Records: Part of the Excavated Cross Section at the Kasori Shell Mound North Shell Mound (Shell Layer Cross Section Viewing Facility)


I created a 3D model of observation records of a portion of the raw excavated cross section displayed at the shell layer cross section viewing facility located at the Kasori Shell Mound North Shell Mound. I plan to use this 3D model as comparative data for the shell layers on the north slope of the Ariyoshi North Shell Mound in the future.


加曽利貝塚北貝塚に設置されている貝層断面観覧施設に展示されている生の発掘断面の一部について観察記録3Dモデルを作成しました。この3Dモデルを今後、有吉北貝塚北斜面貝層の対照比較資料として活用する予定です。

1 加曽利貝塚北貝塚(貝層断面観覧施設)発掘断面の一部 観察記録3Dモデル

加曽利貝塚北貝塚(貝層断面観覧施設)発掘断面の一部 観察記録3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚北貝塚に設置されている貝層断面観覧施設

撮影月日:2026.04.22

貝層断面観覧施設の様子

透明面越し撮影

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 137 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像(テクスチャ有り)


3Dモデルの画像(テクスチャ無し)


3Dモデルの画像(テクスチャ有りと無しの差の絶対値ミックス)


3Dモデル(部分)の画像(テクスチャ有り)


3Dモデル(部分)の画像(テクスチャ無し)


3Dモデル(部分)の画像(テクスチャ有りと無しの差の絶対値ミックス)

2 メモ


加曽利貝塚北貝塚に設置されている貝層断面観覧施設の場所(加曽利貝塚博物館パンフレットから引用)

今後、この生断面観察記録3Dモデルのファブリック分析を行い、有吉北貝塚北斜面貝層ファブリック分析と比較対照分析を行うことにします。

2026年5月13日水曜日

有吉北貝塚と加曽利貝塚の土器破片出土姿勢の比較 ファブリック分析(テスト分析7)

 Comparison of the Orientation of Pottery Fragments Excavated from Ariyoshi Kita Shell Mound and Kasori Shell Mound: Fabric Analysis (Test Analysis 7)


I compared the orientation of pottery fragments excavated from Ariyoshi Kita Shell Mound and Kasori Shell Mound. Significant differences were found between the two, increasing the likelihood of the high-concentration flow mechanism considered in the shell layer on the northern slope of Ariyoshi Kita Shell Mound.


有吉北貝塚と加曽利貝塚の土器破片出土姿勢を比較してみました。両者には顕著な違いがあり、有吉北貝塚北斜面貝層で考える高濃度流メカニズムの蓋然性が高まります。

1 加曽利貝塚南貝塚剥取断面における土器破片出土姿勢


加曽利貝塚南貝塚剥取断面における土器破片出土姿勢

土器破片出土姿勢を上凸姿勢(青)と下凸姿勢(赤)に二分して、その分布を表現しました。姿勢の観察は3Dモデルで行いました。

上凸姿勢が14、下凸姿勢が12となります。下凸姿勢率は46.2%になります。

2 有吉北貝塚北斜面貝層剥取断面における土器破片出土姿勢


土器破片出土姿勢調査範囲


有吉北貝塚北斜面貝層剥取断面における土器破片出土姿勢

上凸姿勢が3、下凸姿勢が20、不明が6となります。姿勢の観察は3Dモデルで行いました。不明を除いて集計すると、下凸姿勢率は87.0%になります。

2026.03.09記事「有吉北貝塚北斜面貝層剥取断面 土器破片凸面方向分布図

3 有吉北貝塚北斜面貝層の土器集中ゾーン露頭断面における土器破片出土姿勢


有吉北貝塚北斜面貝層の土器集中ゾーン露頭断面における土器破片出土姿勢

80%の土器が下凸出土姿勢を見せています。下凸姿勢率は80%です。

2026.02.26記事「土器集中ゾーンにおけるファブリック観察

4 有吉北貝塚北斜面貝層の土器集中ゾーン平面図から読み取れる土器破片出土姿勢


有吉北貝塚北斜面貝層の土器集中ゾーン平面図から読み取れる土器破片出土姿勢

平面図の色別面積を計測すると、上凸姿勢が23%、下凸姿勢が77%となります。下凸姿勢率は77%です。

2026.02.26記事「土器集中ゾーンにおけるファブリック観察

5 下凸姿勢率の比較


下凸姿勢率の比較

加曽利貝塚剥取断面の下凸姿勢率は46.2%であり、下凸姿勢と上凸姿勢の差はあまりありません。加曽利貝塚は平坦面に貝塚がつくられたので、そこに投棄された土器破片は投棄された時の状況がそのまま表現されていると考えられます。投棄された土器破片は移動や回転などの変化に見舞われることはほとんどない状況で堆積したものと考えられます。縄文人が投棄した土器破片は下凸姿勢と上凸姿勢がほぼ半々で堆積したと考えます。

一方、有吉北貝塚の下凸姿勢率は剥取断面で87%、土器集中ゾーン露頭で80%、土器集中ゾーン平面図で77%になります。加曽利貝塚のデータとは全く異なります。

有吉北貝塚の下凸姿勢率が高いのは縄文人が投棄した時の状況ではなく、投棄された土器破片が高濃度流で運ばれ、その過程で土器破片が回転して安定的な姿勢(下凸姿勢)のものが増えたからと考えることができます。

加曽利貝塚と有吉北貝塚の土器破片下凸姿勢率の比較から、有吉北貝塚北斜面貝層が高濃度流メカニズムで形成されたとする予備解釈の蓋然性が高まりました。


2026年5月12日火曜日

有吉北貝塚と加曽利貝塚との比較 ファブリック分析(テスト分析6)

 Comparison of Ariyoshi Kita Shell Mound and Kasori Shell Mound: Fabric Analysis (Test Analysis 6)


This paper compares the fabric analysis (test analysis) of exfoliated sections from the Ariyoshi Kita Shell Mound and the Kasori Shell Mound, summarizing the results and noting down observations. The goal of fabric analysis is to infer the behavior of shells immediately before final deposition from indicators such as shell posture.


有吉北貝塚と加曽利貝塚の剥取断面ファブリック分析(テスト分析)を比較して、その結果をまとめるとともに感想をメモしました。ファブリック分析の目標は貝殻最終堆積直前の挙動を貝殻姿勢等の指標から推察することです。

1 剥取断面におけるテスト空間の場所

1-1 有吉北貝塚北斜面貝層


剥取断面の平面位置


ファブリック分析テスト空間の場所

test2、test1の2ヶ所(各24㎝×24㎝)

加曽利EⅡ式古段階土器出土層(縄文時代中期)

1-2 加曽利貝塚南貝塚


剥取断面の平面位置

剥取断面観覧施設通路西側断面から剥ぎ取った断面(反転した断面を通路東側に設置)


ファブリック分析テスト空間の場所

test1の1ヶ所(24㎝×24㎝)

test1は貝層のブロック1に該当(縄文時代後期)

2 テスト空間の剥取断面3Dモデル画像


テスト空間の剥取断面3Dモデル画像

3枚の画像を並べて観察したところ、次の思考が生まれましたので、メモします。

2-1 二枚貝の大きさ

有吉北貝塚test2<有吉北貝塚test1<加曽利貝塚test1の関係で二枚貝形状が大きくなっています。今回テスト分析では二枚貝の大きさを計測していませんが、次回からは次の方法で計測することにします。

二枚貝大きさの計測方法…画像ではなく、剥取断面3Dモデル(3DF Zephyr Lite)から二枚貝長軸方向長さを直接計測する。(3Dモデルは実寸法を付与してあります。)

2-2 貝種

今回テスト分析では貝種について検討していません。3Dモデルから貝種を特定できるよう取組むことにします。

2-3 二枚貝の完形貝比率

有吉北貝塚北斜面貝層test2、test1は斜面上方から移動してきたもので、test1の方がtest2より移動量が大きいと考えられます。この移動量を反映して、二枚貝の完形貝比率が違うかどうか、今後詳しく調査することにします。予備解釈では高濃度流堆積の特徴として、斜面上方(test2)では二枚貝完形貝比率が小さく、斜面下部(test1)では二枚貝完形貝比率が大きくなると想定します。

有吉北貝塚と加曽利貝塚を較べると、加曽利貝塚の方が二枚貝完形貝比率が圧倒的に大きくなっています。

今後データを再集計して分析することにします。

2-4 イボキサゴ純貝層について

加曽利貝塚ではテスト空間中央部にイボキサゴ純貝層のような状況が観察できます。これはこの場所にイボキサゴだけを「ジャラジャラ」と籠から捨てて堆積し、それを観察しているのだと考えます。

一方、有吉北貝塚では剥取断面の枠外のはるか上方の台地面からイボキサゴが投棄され、それが斜面をほかの投棄物と一緒に移動するので、イボキサゴ純貝層のような状況はほとんど観察されないようです。貝層を巻き込む高濃度流は大きなものを選別して先頭部に集中させる特性があるので、二枚貝の純貝層は斜面最下部に形成されます。

3 二枚貝の分布


二枚貝の分布 上段はヒートマップ

別途検討されている貝層分層と二枚貝殻の分布(ヒートマップ)は相関すると考えられますが、今回テスト空間(24㎝×24㎝のコドラート)は狭いのでその検討意義は大きくありません。コドラートの特性を示す指標として、密集二枚貝率(密集している二枚貝殻(例 ヒートマップの赤域にある二枚貝殻)の全貝殻に対する割合)などの指標を開発することは考えられます。

4 二枚貝偏位角


二枚貝偏位角

二枚貝偏位角データはテスト空間の二枚貝堆積環境の特徴をよく表現しています。

有吉北貝塚test2は斜面途中の貝層の空間で偏位角は斜面傾斜に近い角度が多くなっています。有吉北貝塚test1は斜面貝層が地面にぶつかって移動停止した貝層の空間ですが、ここの偏位角は様々な角度のものが混ざっています。このデータは斜面を下ってきた二枚貝殻が衝突により撹乱されて停止した様子を表現していると考えます。

加曽利貝塚test1は台地平面の貝殻投棄場所に二枚貝殻が投棄された様子を表現していて、偏位角は水平に近いものが多くなっています。

5 二枚貝殻位(上凸・下凸)


二枚貝殻位(上凸・下凸)

上凸殻位より下凸殻位の方が安定するので、二枚貝殻が流動から停止する場面(回転をともなう混合現象の場面)では下凸殻位が増えると想定します。従って、下凸殻位率はその場所の二枚貝殻堆積状況の一つの指標になると考えられます。調査区(コドラート)単位でみると下凸殻位率は次の通りです。

調査区、下凸殻位率

有吉北貝塚北斜面貝層test2、53.3%

有吉北貝塚北斜面貝層test1、63.5%

加曽利貝塚南貝塚test1、55.6%

下凸殻位密集(赤)と上凸殻位密集(青)分布図は二枚貝殻が最終堆積する直前の挙動を表現している可能性があります。有望な指標として今後詳しく検討することにします。

6 二枚貝配向(偏位角・殻位・密集ヒートマップ)


二枚貝配向(偏位角・殻位・密集ヒートマップ)

加曽利貝塚test1では密集ヒートマップの赤色部分と下凸殻位が対応するように観察できます。二枚貝殻の堆積直前の二枚貝殻の挙動を表現しているものと推察します。

有吉北貝塚では二枚貝殻が最終堆積する直前の挙動パターンが幾つかあり、それをこの配向図から読み取ることが可能であると考えますが、その検討はデータをもっと増やしてから行うことにします。

7 メモ

有吉北貝塚北斜面貝層二ヶ所と加曽利貝塚南貝塚一ヶ所合計三ヶ所だけの極限定空間のファブリック分析テスト分析を行いまいしたが、手ごたえを感じる活動となりました。

特に加曽利貝塚南と比較することによって、本命である有吉北貝塚北斜面貝層の貝層最終堆積直前の貝殻挙動を推察することが可能であるという感触を得ました。

次の指標に着目してファブリック分析の本分析を行うことにします。

・二枚貝密集性

・二枚貝偏位角

・二枚貝殻位