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2023年8月27日日曜日

崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式新段階土器との関係3Dモデル

 3D model of the relationship between the estimated interface between the collapsed layer and the sloping shell layer and the Kasori EII new stage pottery


The Kasori EII type new stage is the final stage of pottery dumping in the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. It also reduces the number of discards.


有吉北貝塚北斜面貝層における土器投棄の終期が加曽利EⅡ式新段階期となります。投棄数も減少します。

1 崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式新段階土器との関係3Dモデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式新段階土器との関係3Dモデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面:カラーグラデーション等高縞模様表現

貝層断面図:4番断面、7番断面、11番断面

加曽利EⅡ式中~新段階土器:赤CUBE(52)


崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式新段階土器との関係3Dモデル画像


崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式新段階土器との関係3Dモデル動画

2 観察


観察結果

土器破片はガリー谷頭急斜面とガリー運搬堆積層にのみ分布します。斜面貝層からの出土はありません。土器はガリー谷頭から投棄され、その破片が下流のガリー流路まで運搬され堆積したものと考えます。


2023年8月19日土曜日

崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中~新段階土器との関係3Dモデル

 A 3D model of the relationship between the estimated interface between the collapsed layer and the sloping shell layer and Kasori EII medium-to-new stage pottery


From the mid-stage of Kasori EII type, the situation of rapid increase in pottery dumping will continue. As in the middle stage of the Kasori EII type, the pottery was dumped on the steep slope of the gully valley at this stage, and most of it was deposited in the gully transport sediment layer.


加曽利EⅡ式中段階から引き続き、土器投棄急増の状況が継続します。加曽利EⅡ式中段階と同様に中~新段階でも土器はガリー谷頭急斜面で投棄され、ガリー運搬堆積層に堆積するものがほとんです。

1 崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中~新段階土器との関係3Dモデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中~新段階土器との関係3Dモデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面:カラーグラデーション等高縞模様表現

貝層断面図:4番断面、7番断面、11番断面

加曽利EⅡ式中~新段階土器:赤CUBE(216)


崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中~新段階土器との関係3Dモデル画像1


崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中~新段階土器との関係3Dモデル画像2


崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中~新段階土器との関係3Dモデル動画

2 観察


観察結果1


観察結果2

加曽利EⅡ式中段階から引き続き、土器投棄急増の状況が継続します。加曽利EⅡ式中段階と同様に中~新段階でも土器はガリー谷頭急斜面で投棄され、ガリー運搬堆積層に堆積するものがほとんです。

土器はガリー谷頭から投棄され、ガリー谷頭急斜面に「引っかかって」堆積するものもあれば、その直下のガリー流路に堆積するものもあれば、さらに下流に運搬されたものもあるように観察できます。



2023年8月15日火曜日

崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中段階土器との関係3Dモデル

 3D model of the relationship between the estimated interface between the collapsed layer and the sloping shell layer and the Kasori EII middle stage pottery


In the Ariyoshi Kita Shell Mound North Slope Shell Layer, the amount of pottery discarded increases sharply in the middle stage of the Kasori EII type. Most of them are distributed continuously from the gully valley steep slope to the gully transport sedimentary layer. The distribution principle of the shell layer and the pottery is different.


有吉北貝塚北斜面貝層では加曽利EⅡ式中段階になると土器投棄が一挙に急増します。ほとんどがガリー谷頭急斜面からガリー運搬堆積層に連続して分布します。貝層と土器の分布原理が異なります。

1 崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中段階土器との関係3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中段階土器との関係3Dモデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面:カラーグラデーション等高縞模様表現

貝層断面図:4番断面、7番断面、11番断面

加曽利EⅡ式中段階土器:赤CUBE(243)


崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中段階土器との関係3Dモデル画像1


崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中段階土器との関係3Dモデル画像2


有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中段階土器との関係3Dモデル動画

2 観察


観察結果1


観察結果2

加曽利EⅡ式中段階になると土器投棄が一挙に急増します。ほとんどがガリー谷頭急斜面からガリー運搬堆積層に連続して分布します。EⅡ式古段階までのようにガリー谷頭急斜面とガリー運搬堆積層の分布を区分することはできません。この分布様子は、縄文人が土器をガリー谷頭から谷底に向かって投棄し、土器破片がガリー水流(年に数回発生を想定)で下流に運搬された様子が表現されていると想定できます。

斜面貝層分布が4点、崩落層分布が3点あります。崩落層分布は崩落層の最上部ですから、資料精度を考えると斜面貝層出土と考えてもよいかもしれません。

右岸土層分布が5点あります。

異常データが1点あります。手元データでは確認出来ませんが、恐らく発掘調査報告書グラフ作成ミスだと考えます。

土器破片数は、ガリー谷頭急斜面~ガリー運搬堆積層分布が230点、それ以外の斜面貝層等分布が13点あり、その比は約18:1になり、ガリー谷頭急斜面~ガリー運搬堆積層分布が圧倒します。つまり、土器はほとんどがガリー谷頭から投棄されたということになります。一方貝殻投棄は斜面に投棄され、斜面貝層として面的に堆積していますから、貝殻投棄と土器投棄が全く別の原理で実施されたことが判ります。この原理の違いは北斜面貝層の構造を解く上で重要なポイントになるに違いありません。

さらに、他の遺物の分布原理がどのようなものであるのか、気になります。


2023年8月13日日曜日

崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式古段階土器との関係3Dモデル

 3D model of the relationship between the estimated interface between the collapsed layer and the sloping shell layer and the Kasori EII type old stage pottery


Kasori EII style old-stage pottery has been unearthed little since EI. The same pottery fragments were unearthed from the steep valley slope and the downstream sedimentary layer 28m away.


加曽利EⅡ式古段階土器はEⅠから引き続いて出土は少ないです。同一土器破片が谷頭急斜面と28m離れた下流堆積層から出土しています。

1 参考 加曽利EⅡ式土器の区分と3D座標データ数


有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式土器の区分と3D座標データ数

加曽利EⅡ式土器の分類は発掘調査報告書によるものではなく、千葉市埋蔵文化財調査センター所長西野雅人様提供資料によるものです。

加曽利EⅡ式中段階土器と中~新段階土器が多量に集中投棄されているのが特徴です。この記事では古段階を扱いますが、古段階の土器投棄は加曽利EⅠ式と同じように低調です。

2 崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式古段階土器との関係3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式古段階土器との関係3Dモデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面:カラーグラデーション等高縞模様表現

貝層断面図:4番断面、7番断面、11番断面

加曽利EⅡ式古段階土器:赤CUBE(19)


崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式古段階土器との関係3Dモデル画像


有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式古段階土器との関係3Dモデル動画

3 観察


観察結果

崩落層からの出土はありません。加曽利EⅡ式古段階頃までには崩落層はすべて斜面貝層に覆われ、投棄土器が崩落層に紛れ込むような環境は既に存在しなかったと推定します。

ガリー谷頭急斜面から3点、斜面貝層から3点、ガリー運搬堆積層から13点の土器が出土します。

4 加曽利EⅡ式古段階187番土器の分布


加曽利EⅡ式古段階187番土器

発掘調査報告書から引用


加曽利EⅡ式古段階187番土器の分布

加曽利EⅡ式古段階187番土器の破片2点はガリー谷頭急斜面とかなり離れたガリー運搬堆積層から出土しています。2点の直線距離は28.6m、比高は6.8mとなります。187番土器は台地平坦面近くからガリ谷頭急斜面に向かって投げ込まれ、その破片の1つが急斜面に引っかかって残り、破片の1つは年に数回発生するガリー水流の繰り返しで下流に運ばれ、出土地点で堆積したと考えられます。


2023年8月10日木曜日

崩落層と斜面貝層の推定境界面と中峠式土器との関係3Dモデル

 3D model of the relationship between the estimated interface between the collapsed layer and the sloped shell layer and the Nakabyo pottery


Compared to the pottery of the early period and the Atamadai type, the Nakabyo type pottery is characterized by the fact that some of it was unearthed from the collapsed layer. Combined with those excavated from the slope shell layer, it accounts for 36% of the total. The Nakabyo type pottery seems to be the key in considering the relationship between the collapsed layer and the sloped shell layer.


前期土器や阿玉台式土器と比べると中峠式土器は崩落層出土のものがあるのが特徴となっています。斜面貝層出土のものと合わせると全体の36%にもなります。崩落層と斜面貝層の関係を考える上で中峠式土器がキーとなりそうです。

1 崩落層と斜面貝層の推定境界面と中峠式土器との関係3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層
崩落層と斜面貝層の推定境界面と中峠式土器との関係3Dモデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面:カラーグラデーション等高縞模様表現

貝層断面図:4番断面、7番断面、11番断面

中峠式土器:赤CUBE(69)


崩落層と斜面貝層の推定境界面と中峠式土器との関係3Dモデル画像1


崩落層と斜面貝層の推定境界面と中峠式土器との関係3Dモデル画像2


崩落層と斜面貝層の推定境界面と中峠式土器との関係3Dモデル動画

2 観察


観察結果1


観察結果2


有吉北貝塚北斜面貝層 中峠式土器の区分別出土数

・崩落層から出土する土器が7点、斜面貝層から出土する土器が18点あり、合計25点に及びます。斜面に中峠式土器が投棄された様子を知る手がかりとなる情報がふくまれているようです。

・中峠式67番土器は2つの破片が崩落層から、2つの破片が斜面貝層から、1つの破片がガリー運搬堆積層から出土しています。同一土器破片が時期の異なる貝層に分布しているこの貴重な情報の分析を別記事で行います。


中峠式67番土器分布と境界面(崩落層と斜面貝層の境界面)との関係(オルソ投影画像)

・ガリー谷頭斜面に13点が、ガリー運搬堆積層に31点が分布します。

・中峠式66番土器の分布から、カリー運搬堆積層が情報が希薄な下流まで連続していると確認できます。


中峠式66番土器の分布


2023年8月3日木曜日

有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面3Dモデル

 North Slope Shell Layer of Ariyoshi Kita Shell Mound

Estimated interface 3D model of collapsed layer and sloping shell layer


I created a 3D model of the presumed interface between the collapsed layer and the sloped shell layer of the Ariyoshi Kita Shell Mound North Slope Shell Layer. Looking at the correspondence with the 3D distribution of pottery, there are a few pottery excavated from the collapsed layer, and it seems to be one of the leading materials for examining the formation period of the collapsed layer.


有吉北貝塚北斜面貝層の崩落層と斜面貝層の推定境界面3Dモデルを作成しました。土器3D分布との対応をみると、崩落層出土土器も少数ながら存在していて、崩落層形成時期検討の一つの有力材料になりそうです。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の境界面推定


崩落層と斜面貝層の境界面推定資料1


崩落層と斜面貝層の境界面推定資料2


崩落層と斜面貝層の境界面推定資料3

11番断面の発掘調査原票(貝層断面図)を閲覧したところ、ある程度の根拠をもって崩落層と斜面貝層の境界面推定を行うことができました。この結果を前後の断面図に次々の連続的に援用してそれぞれの境界面を仮描しました。

発掘調査報告書掲載情報から信頼できる境界面を推定することは出来ないのが現実です。

2 有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面3Dモデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面…青面

貝層断面…発掘調査報告書から引用・塗色

土器破片…赤CUBE

土器破片の型式(数)は早期土器(1)、前期土器(17)、阿玉台式(11)、中峠式(69)、加曽利EⅠ式(19)、加曽利EⅡ式(530)


有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面3Dモデル画像1


有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面3Dモデル画像2


有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面3Dモデル動画

3 メモ

3-1 崩落層と斜面貝層の推定境界面3Dモデルの技術的作成方法(概要)

ア Blender3D空間内で10の断面図境界線をべジェ曲線でなぞって作成し、統合し、グリースペンシルに変換。

イ Bsurfaces機能で曲面生成(今回はクロス20、追従3で生成)


Bsurfaces機能適用画面

ウ 曲面オブジェクトにテクスチャ貼り付け、面の三角化、UV展開。

3-2 崩落層と斜面貝層の推定境界面と土器分布との関係

崩落層と斜面貝層の推定境界面3Dモデルと土器3D分布との対応をみると、崩落層出土土器も少数ながら存在していて、崩落層形成時期検討の一つの有力材料になりそうです。次の記事で詳しく検討します。